ダメ忍者に恋なんてしない

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1恩返しに来たダメ忍者

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 日本は世界でも屈指の安全国家として知られている。外国から来た観光客は自販機が屋外に多数配置されていること、電車で眠ることが出来るほど犯罪が少ないこと、落とした財布が中身も無事に戻ってくることに驚き、その治安を誉めそやす。
 とはいえ油断は禁物。日の短い冬季などは特に、婦女子は街灯の多い大通りを通ることが推奨されている。
「急げ急げ……!」
 灯りに照らされた国道沿いを、車の音に掻き消される呟きと共に駆ける女子高生が一人いた。
「こんなに日が落ちるのが早くなるなんて……」
 放課後、図書室で勉強をしていたのだが、冬は日が短いことをすっかり忘れていた。特に用事があるわけではないが、あまり暗い中を行動するのはリスクが大きいので真っ直ぐ家へ帰る。
「いや、走る必要までは無かったかな……?」
急いでいると無意識に駆け足となってしまうが、早く帰りたくはあるが走るほどのことはないと気付き脚を止める。空を見上げても、地上が明るいせいか国道故に排ガスで曇っているのか、星は殆ど見えない。
「んな!」
 ふとボンヤリした瞬間、雷雲も見当たらないにも関わらず落雷が発生する。しかも、光ってから轟くまでの感覚が短い。一秒も猶予が無かった。かなり近いところに落ちた、というのは誰の目からも明らかである。
「な、なに……?」
 驚いた拍子に飛び上がってしまい、ブレザーのポケットから生徒手帳を落してしまう。落雷の影響で周囲の街灯が切れていく様子を確認したことが幸いし、その落とし物には気付くことが出来た。
「停電……? こんな時に……」
 女子高生は『望月ひなか』という自身の名前が記された生徒手帳を拾うと、辺りを見渡した。落雷の場所が悪かったのか、辺り一帯が停電してしまうという最悪の事態に。当然、街灯さえあれば問題なく歩ける道しか歩かないので懐中電灯の様な気の利いたものは常備など。
「こんなこともあろうかと」
 していた。家電量販店の来店記念品でやたら懐中電灯を貰うので一個くらいはと鞄に忍ばせていたのが功を奏した。今時は配布の安物でも十分明るい。
「雨も雲もなかったのになんで……」
 落雷の理由など考えてもしょうがない。早い復旧を願うばかりである。最近はネットミームのせいか、現場で作業する人の姿がヘルメットを被った猫で出力されてしまう。
「あ!」
 突然駆り出される電気保安協会の人に思いをはせていたが、それどころではないことをひなかは思い出す。落雷で電気系統にダメージがあったということは、繋がっている家電へのダメージも有り得るということだ。
「ヤバイヤバイヤバイ!」
 バイト代をつぎ込んだマイPCがお亡くなりになっては洒落にならないと青ざめ、彼女は先程まで以上に家路を急ぐ。中身のバックアップはしているが、本体が壊れたら金銭的にもダメージが大きい。
 なんで体育の時にはこんな速く走れないのか、という疑問を覚えつつ走っていると、目の前に腰パンで髪を染めた、見るからに軽薄そうな男達がたむろしていた。
普段は面倒を避けるために避けていくところだが、今は時間が惜しい。早くPCの安否を確認しなければならない。
「お、お嬢ちゃん、今夜暇?」
「只今生き急いでいるので!」
 声を掛けられても無視。だが、取り巻きが行く手を塞ぐ。
「おいおい、小澤さんが誘ってんだぜ?」
「いいから少し付き合えよ」
 歩はそれはもう尻に火が付いた様な急ぎぶりだったので、道を塞がれても強行突破を試みる。それだけPCは大事な存在なのだ。
「マジ急いでいるので!」
 が、上手くすり抜けようとして事故が発生する。道を塞いだリーダー格に思い切り激突してしまった。
「ぐほぁ!」
 具体的には回避がタックルと化した。それもみぞおちを的確に狙って殺意マシマシの悪質なやつである。幸いひなかの方に一切の被害は無かったが、リーダーの小澤は青ざめて脂汗をかく程度に当たり所が悪かった。
「おおお……」
「小澤さん!」
「いい度胸してんじゃねぇか……」
 不良たちがより大人数でひなかを囲む。
(しまった、面倒なことになった……!)
 もう大事故である。そもそも彼女に絡まなければ発生しなかった事故なので九割以上向こうの過失ではあるのだが。
「すみません、今本当に急いでいるので!」
「ライブ配信なんかアーカイブで見ればいいだろ? そんなことより俺と遊んでいけや」
 フラフラと復帰したリーダーが勝手なことを言いつつ、ひなかに近づく。ここは大通りとはいえ国道沿い。大声で助けを呼んでも聞こえる可能性は低く、もし聞こえたとしても車を降りて助けに来る人はいないだろう。
(ど、どうしよう……)
 逃げ道を塞がれ、絶体絶命。ゲームなら即座にタイトルへ戻るところだが現実はそうもいかない。
「そこまでだ、下郎」
 その時、どこからともなく声が聞こえた。声のする方を探すと、なんと上方。付近の電柱、そのてっぺんに人が立っていた。ヒーローの様なマフラーを靡かせており、この暗闇においても存在感がある。
「誰だお前は!」
「ふん」
 謎の人物は電柱から飛び降りる。だが、彼にとって想定外のことがいくつか起きていた。
「うわ思ったより高い!」
 想像以上の高度に戸惑いながら歩の前に着地したはいいが、今度はアスファルトの地面が堅かったのか飛び跳ねながら悶絶する。
「痛ったい! なんか痛い!」
 近くまで降りて来たことで、ひなか達にもその姿が分かる様になる。柿色の着物を着た小柄な少年であるが、雨など降ってもいなかったのにびしょ濡れであった。そんな状態で電柱に登っていたと知るとヒヤヒヤする。履物も草鞋で、着地の衝撃を吸収できそうにない。しかも片方しか履いていないではないか。
「なんだこいつは……」
 小澤もこれには困惑する。助けに来たらしいが明らかに変人で、ひなかもどうしたものか悩んでしまうレベルであった。
「お、女一人を集団で囲むなど、なんと恥も外聞もない連中か! 通りすがりとて捨て置けぬ!」
 足の痛みで涙目になりながら少年は小澤に立ちふさがる。体格も小澤に比べれば、それどころか女子の中でも平均的なひなかと比較しても恵まれない様子だが、正義感は一人前にあるらしい。加えて、構えからして素人でないことは格闘技を漫画でしか知らない彼女にも理解出来た。
「なんだぁ? やろうってのか?」
 小澤は部下にメリケンサックとタオルを用意させ、それを念入りに装備した。しかし少年はそれを待つことなく飛び出す。当然、相手の準備など路上の喧嘩で待つはずがない。
「な、待ち……」
 そんな当然のことも忘れた小澤は一気に窮地へ陥る。苦し紛れに、咄嗟のストレートを放つがそんなものが通用するとは到底、ひなかは無論、部下や小澤自身にも思えなかった。
「ごっふ」
「え?」
 だが、小澤のやけくそパンチは吸い込まれる様に少年の顔面へと叩き込まれた。なんなら自ら当たりにいった様にも見える。
「おおお……」
 少年は鼻血をボタボタ流しながらうずくまる。
「こいつ……もしやめちゃくち弱い?」
 ヒーロー然と現れた割りには強弱の議論さえできないレベルだったため、小澤達は余計に混乱する。
「やっちまえ!」
 集団で攻勢に出た小澤一味。少年は苦し紛れなのか、手裏剣らしき黒い物体を彼らに投げつけた。
「おっと、忍者ごっこはそれまでだ」
 難なく回避した小澤は手裏剣を拾い上げてせせら笑う。
「へへ、こんな手の込んだモンまで用意して……あれこれ鉄? いって……」
 拾った瞬間に材質がおもちゃでないことに気づき、痛みで手裏剣を取り落とす小澤。指に切り傷が出来ており、手裏剣は乾いた音と共にアスファルトへ落ちた。
「え?」
「本物……?」
 まさかのガチ凶器に小澤一味は凍り付く。おかげで逃げる隙が出来た。
「今のうち! こっち!」
 ひなかは少年を連れて逃走する。幸い、草鞋などでも彼は歩と同じ歩調で逃げてくれたので小澤達から離れるのは容易であった。
「あ! 待て!」
 逃亡に気づいた小澤達が追いかけようとするが、少年が手から火の付いた玉を滑り落とす。それが何なのか、手裏剣の一件もあり危険がないか判別する為に彼らは足を止めた。しかし火が消えて何も起こらない。
「なんだこれ?」
 その謎物体に気を取られている間に、ひなかと少年は小澤の視界から姿を消していた。

   @

「ここまでくれば大丈夫っと……」
「大事ないですか?」
 何とか逃げおおせたひなかは少年の状態を確認する。彼はひなかを心配してくれたが、そっちの方がよっぽど重傷である。まだ鼻血は止まらない。
「そっちの方が大惨事でしょ」
 ひなかはティッシュで鼻血を拭いながら、彼の鼻の付け根を抑えてやる。
「助けてくれたのはありがたいけど、あんま危ないことしちゃダメよ?」
 彼女は少年をヒーローごっこをしている子供か何かだと考えた。しかしそうなると電柱に登り、悶絶したとはいえそこから飛び降りた身体能力が気になる。
(いや、危ないけど不可能ではないか……)
 ひなかは勝手に納得し、応急手当を済ませて帰ろうとする。
「こ、これは紙……こんな貴重なものを拙になど……」
「いや鼻セレブでもなんでもないただのティッシュだから。オイルショックからやってきたの?」
 手当を拒否する少年であったが、その様子もいちいち妙だ。
「いえ、おいるしょっくなどという国は聞いたこと……拙は芦名の国から……」
「んん?」
 どうも話が要領を得ない。こうして近くで相対して初めて分かったが、大きめの着物の袖から覗く左手はなんと義手だ。五指あり、生身のそれと大差ない形状と動きをしているので気付かなかった。どういう仕組みか、木製の義手が精巧にティッシュを拒んでいる。
(義手? いやそういう柄の手袋かな?)
暗いのでよく見えないだけでそうなのだとひなかは結論付けた。気になることは多いが、鼻血が止まったのでこれ以上関わり合いになることはないだろう。
「んじゃ、もう危ないことしない様にね」
 ひなかは当初の目的であるPCの安否確認のため、家路を急いだ。
 自宅に近づくにつれ、街灯が輝き出し電気が復旧したことを知らせる。
「おお、仕事が早い……」
 普段は目立たない上に何かある度文句を言われがちなエッセンシャルワーカーの皆さんへ感謝しつつ、ひなかは自宅の玄関へたどり着く。
「お待ちくだされー!」
 そんな時、あの少年の声が聞こえた。まさか追いかけて来たというのか。
「ええ……」
 振り向くと案の定、例の少年が走ってきていた。そして、ひなかの傍に来ると膝を着く。
「ようやく会えました、主殿」
 そして開口一番衝撃的な一言を発する。
「え?」
 自分が主とはどういうことか。こんな怪しげな人を雇った覚えは彼女にない。海外出張をしている両親も娘が高校生になった今になって家政婦など雇わないだろうし、よしんば雇ってもこんなみょうちきりんは選ぶまい。
「拙は芦名の国より来た忍、鼓と申す」
「忍者?」
 話によれば忍者だとか。
「いやいや、忍者ってのは黒い衣装に刀背負って……」
 が、少年、鼓の姿は一般的な忍者のイメージからかけ離れている。どちらかと言えば時代劇の町人らしき格好であった。
「武士でもないのに日中堂々と帯刀はできませんよ」
「それはそうかもしれないけど……」
「で、拙は先祖代々の恩を返すために山を下りてここまでやってきたのです」
 ひなかは鼓の発言を間に受けることが出来なかった。見た目からしても当然だが、考えれば考えるほどおかしい。
 いくら山育ちとはいえ、服装からして常識が無さ過ぎる。日本はその国土の狭さから、いくら田舎に行っても文化レベルが隔絶したりはしない。加えて現代は情報が世界の隅々まで綿密に広がっている。伝統的な暮らしをする民族も出稼ぎにスマホを活用するほどだ。
今の日本で忍を名乗ってこの服装をすることが悪目立ちすることくらい分かるだろう。とはいえ、実際に切れる手裏剣を持っていたり、電柱に登って飛び降りる身体能力など嘘と切り捨てるには怪しい部分が多いのも事実。
「うーん、じゃあ私の名前わかる? 私を探しに来たんなら名前くらい知ってるよね?」
 ひなかは鼓の言うことがどこまで本当なのか試すため、質問を投げてみた。が、彼はフリーズしてしまう。しばらくのち、何かを見つけたのかそれをじっと見ていた。
「あ、だめだめ!」
 それが自宅の表札であると気付き、急いでひなかは隠す。
「も、申し訳ない……佐野氏の末裔であることは聞いていたのですが、長い年月でいろいろと変わっておりまして……」
「え? じゃあなんで私がその末裔だって分かるの?」
 何とか読まれるのは防いだが、もう何とでも言えそうな理屈が沸いて出た為さらに突っ込んでいく。
「えっとそれは……忍は忠誠を誓った主の血統が分かるんです。こう、あ、この人だって」
「……」
 もの凄く曖昧な返しであった。だが鼓はひなかに従う気満々で膝を付き、命令を待っている。
「確認取るから家の外で……目立たないところにいて」
「承知」
 指示を聞いた鼓は一瞬で姿を消した。いくら無害そうでも、女の子の一人暮らしに見知らぬ他人を入れるわけにはいかない。両親が家を空けることが多いため、ひなかはその辺の防犯意識がしっかりしている。
「さてと……」
 ひと悶着も済みようやく帰宅。スマホを取り出して両親に鼓のことを確認する。
『鼓っていう忍者を名乗る不審な男の子がうちに来てたんだけど何か知らない?』
『うちが前仕えていた佐野氏の末裔……とかなんとか言ってたけど』
両親は海外暮らしで仕事もしているので時差や向こうの都合で読めるメッセージアプリは重宝する。
「あ」
 ひなかはいろいろあり過ぎて忘れていたPCの安否確認を思い出す。急いで部屋に向かい、PCを起動して状態を見る。普通に動き出し、中のデータも無事だった。ひとまず安心である。
「今度の休みにサージ付きタップ買いに行こう……」
 最初はタップなど一番安いのでいいやと思っていたが、いざ故障の危険があると思うとそれなりのものを用意していた方がいいのだろう。こちらに非が無いのに、案外災害故障は保障の対象外なのだ。
「さて、ごはんごはん」
 一人暮らしも長いもので、中学からしていると食事の用意も手慣れたものである。冷凍食品や出来合いではなくある程度の自炊も出来る様になる。さすがに小学生時代は母か父のどちらかが家にいる様にしていた上、ちゃんと行事にも出ていた。中学になると親が出る行事が減り、一人で長期の留守番も出来る様になったのだが、それでも入学式や卒業式など大事なところを外さない。
 そんなこともあり、両親がいないことの多い家庭でも寂しさを覚えないで済んだ。学校には友達もおり、家で一人の時間は孤独よりも必要なプライベートといった趣だ。
食事の後は多くはない宿題をスマホに入れた作業用BGMで処理しつつ、食洗器と洗濯機を回す。一人のひなかへの負担を減らすため、家電は便利なものを揃えてくれている。
 一人しか入らないが、ひなかはキチンと湯船に湯を張って入浴する方である。女の子なのでまぁそうなのだろうが、やはりシャワーだけというのは休んだ気にならない。髪を纏めて湯に浸からない様にして、丁寧に手入れもする。
 寝る前は動画配信サイトでチャンネル登録をしている配信者の動画を歯磨きしつつ見て、流れで眠る。湯上り直後ではなくしばらくしてからだと寝つきがよいらしいが、実感はない。実感がないといえばスマホやPCを使う時にかける眼鏡のブルーカットもそうだ。本当に効果があるのか、両親の世代にあったマイナスイオンの様なエセ科学ではないかと思ってしまう。
 そして、いつもの様に一日が過ぎていく。今日は大変なことや奇妙なことが終わりにあったが、それ以外は平和な一日であった。PCは無事、不良に絡まれて大変だったが、あの小さな不運が引き換えに幸運を呼んだのだとひなかは思うことにした。
「あ」
 そこで彼女はようやく思い出す。ずっと外に鼓を待たせていることに。
「さすがにもう帰ったかな……」
 とはいえ両親から返事は帰って来なかった上、あのびしょ濡れの薄着で冬の屋外でずっといることは出来ないだろう。変な奴であったが、さすがに帰ったのではないだろうか。そう思って、鼓のことはちょっとした笑い話程度に考えてまた眠ることにした。

   @

 翌日、学校に行こうとひなかは準備を済ませて家を出た。特段優等生というわけでもないが、遅刻をするタイプではない。
「主殿」
その瞬間、上から聞き覚えのある声が投げかけられる。なんと、電柱の上に鼓が立っているではないか。
「主殿、お出かけですか?」
「うわ! いたの?」
 驚きはしたが、声量も控えめで声だけのやりとりなので腰を抜かすほどではなかった。彼はふわっと飛び降りてひなかの前に現れ、膝をつく。
「お伴いたします……」
「帰らなかったの?」
 服はすっかり乾いており平静を装っているが、唇はチアノーゼで真っ青となりかなり凍えていることがわかった。
「私が仕えるのは主殿ですので」
「……」
 こうも頑固だと説得しても帰りそうにない。学校帰りに警察へ預けようと考え、とりあえずその場しのぎをしておくことにする。
「……いいけど、姿は隠してね?」
「承知」
 話を理解したのか、鼓はすぐに姿を隠す。こうしてひなかは、恩返しにきたという自称忍者、鼓と出会った。これが運命の出会いと知らずに。
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