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第二章
クロードは束縛男?
しおりを挟む「……どうしても、駄目だ」
(……俺はどうして、可愛い可愛いエルシアの頼みを断らなきゃいけないんだ)
悲しそうな目で、こちらを見てくるエルシアに心を抉られたクロードは思わずケインを見る。
だが、ケインは首を横に振るだけだ。
二人としては事情を説明して、エルシアに分かってもらいたい。
だが、王妃が贈り物を見て倒れた事で、エルシアを娘のように可愛がり出した国王からNGが出ているのだ。
せめて、調査結果が出るまでは知らせるな、と。
「……1日だけですのに。殿下って心が狭いんですわね」
フイッ
エルシアはいじけたように横を向く。
恐らく、彼女を手元に置きたいが為の束縛だと思われているのだろう。
四六時中、求婚している弊害が出た。
(違う! 違うんだ、エルシア。離宮はただでさえ警護も少ないから!!)
彼女を案じていると、どう伝えれば良いのか。
クロードは言葉に詰まるがーー。
その言葉に、ケインが身を乗り出した。
「そうなんですよ、エルシア嬢。殿下は嫉妬に駆られた束縛男になっているんです。だから、離宮へは殿下も連れて行って下さい」
「おい?」
躊躇なく側近に売られたクロードは、机の下でケインの足を思いっきり踏む。
だが、至って涼しい顔のままなのだから、大したものだ。
「そう言えば、殿下も療養中の身でして。こうして執務時間は確保していますが、基本はベッドの身。寝室に閉じ込めてしまえば、いないも同然です」
いい事を思い付いたとばかりに話出すケイン。
「……それなら、まぁ」
心なしか、その提案にエルシアも惹かれているようなのも辛い。
(元々一人でゆっくりしたいのが目的だから、仕方ないのか?)
そんなクロードの心中は葛藤するばかりだ。
「良かった、約束ですよ! では、そう致しましょう。早速、陛下にご報告して出立の準備をして参ります」
ケインはいそいそと出て行く。
確かにクロードが行くとなれば、仮にも王太子。
警護の数もエルシア一人が行くよりは付けやすい。
それに、クロード自身が近くで彼女を守る事も出来るから安心だ。
ーーだが、この扱いは何なんだ。
「殿下、離宮の見どころを教えて下さいませ。わたくし、楽しみだわ」
フッ。
意地悪な気持ちになったクロードは、嬉しそうに、離宮に思いを馳せるエルシアにこう呟いた。
「ケインは忘れていたが、療養は昨日で終了しているんだ。一緒に離宮を見て周ろうな」
途端にエルシアが残念そうな顔をしたのは、言うまでもないのだった。
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