好きを好きなだけ

鈴卜優

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年に1度のビックイベントも終わり営業の碧は閑散期を迎えていた。

日々仕事をこなし特に変わり映えしない日から少し変わった事がある。

それは朝也から毎日連絡が来る事だった。

「おはよう」とか「おやすみ」以外にその日の出来事などを連絡する仲となっていた。

(朝也さん意外とマメなんだな…。)

普段家族との連絡以外で携帯が鳴る事がなかった為にとても新鮮でいつしか楽しみになっていた。

今日は土曜日で休みなので朝ゆっくり起きて朝食を食べていた。

するとピコンっと携帯がなった。
トークアプリに新着メールの通知が来ていて開くと朝也からだった。

『今日夕方空いてる?今日仕事が早上がりなのでご飯でもどう?』

告白されたあの日から碧は朝也を少し意識していた。

碧にとって朝也は今までかっこよくて腕のいいメイクアップアーティストとしか認識しておらず、すごい人なんだな。としか思ってなかった。  

なのに話してみると楽しくていろんな表情をみて真剣な眼差しで好きと言われ意識しないはずはない。

まさかあんなに距離が近づくなんて…しかも酔っていたとはいえキスまで…。

ただ今はもう少し朝也さんの事をもう少し知りたいと思った。

今まで恋愛を避けていた自分からしたらすごい変化なのかもしれない

『空いてます。是非!』と返事を返す。
そして何回かやりとりをし待ち合わせの場所と時間を決めた。

(もっと話してみたいな…夕方まで待ち遠しいな。)

少し表情が緩んでいたのかもしれない

「あおちゃん、なんか楽しそう。携帯みて笑ってるなんて恋人でもできた?」

ドキッ

そう碧に話しかけるのは珍しく家に帰ってきている四つ上の姉 ベニだ。

姉は母と一緒でモデルをしていて今は雑誌の専属モデルと大忙しだ。

姉は母似の碧とは違い、どちらかというと父に似ていて真っ黒な長い髪に猫目の二重でクールビューティーな見た目をしている。

そんな姉ははっきりとした性格をしていて頼りになる。

「え!?いないよ、そんな。ただ、告白?みたいなのはされた」

碧はいつも姉にはいろいろ話すし相談する。

「あら、そうなの?いつもそれなりにされるじゃない?」

確かに女性から告白される事は多々あったが、ゲイなのもあり丁寧にお断りしている。

ただ今回は対象の男性ということもありいつもとは違うので自分でもまだ戸惑っているのだ。

「うーん、俺なんかに…」

「何言ってるの!あおちゃん綺麗だし性格いいし当たり前よ。でもその様子をみるとあおちゃんも気になるの?」

(気になるというか、難しい…キスや告白されて意識しないはずがないよ…いい人だしかっこいいし。)

しかも恋愛してこなかったのでそういう経験もないし。

「気になるのかな…?ただもっと知りたいとは思ったかな、いい人だし。」

今まで恋愛を避けてきた分、今は少し前に進みたいと思っている。

この感情が恋愛じゃなくてもいろんなきっかけにはなるはずだ。

「そっかあ。まあ気楽に考えなよ。私からしたらそんな話聞けて嬉しいけど。」

優しい顔で紅は碧をみてくれる。

それだけで碧は嬉しい気持ちになる。


「ありがとう。今日夜ご飯その人と食べてくるね。」と伝える。


「ええー!?今日はあおちゃんと2人でゆっくりしようと思ったのにー」

「ごめんね。でも予定までゆっくりしようよ。」と微笑む。

「仕方ないなー。じゃあそれまで家で映画みよ。パパの最新作!」

そう言っていそいそとリモコンを操作する。
碧と紅はソファーに移動し久しぶりの姉弟の時間を過ごした。










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