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あるカフェ店員の呟き
しおりを挟むある日のモーニングに見目麗しい2人の男達が来店してきた。
ここは閑静な住宅街にある少しこぢんまりとしたカフェで朝から夜まで営業している。
私はそこで朝から働いていた。
朝のモーニングの時間は割と老夫婦やお仕事前の人達がゆっくりと過ごしている。
そこに場違いではないかと思うくらい美形な2人がやってきたのだ。
1人は黒髪の肩につくかつかないかの男で独特な雰囲気のあるおしゃれなイケメン。
そしてもう1人は女よりも綺麗な美人で色素の薄いふんわりとした雰囲気の線の細い男。
(めっちゃ綺麗。なになにこの2人。ここで働いててまじラッキー!!)
ドギマギしながら席に案内をする。
メニューを眺めている2人を、見るだけでそこは絵画のようだ。
そして呼ばれたので2人の席まで注文を聞きにいく。
「モーニングセット2つください。あとホットコーヒー2つで。」
黒髪のイケメンが言う。
「よろしくお願いします」と美人な男の方が柔らかな笑顔で言う。
その笑顔で胸が高鳴り顔が赤くなる。
(わー綺麗。この人の笑顔好きすぎる。なんかうまく連絡先聞けないかな。)
と高望みなのはわかっているが、この人と接点が欲しいと思った。
それが顔に出ていたのか横から鋭い視線が刺さる。
「あの、もう大丈夫です。」
黒髪の方に少し睨まれたような感じがした。
(え?なに。怖っ!)
出来上がった料理を2人に届け少しどんな会話をしてるか気になったので邪な気持ちを持ちながらちょっと近くで待機する。
「ここのモーニング来たかったんですよね。あ、この日替わりのクロワッサン美味しい。」
あー癒されるこの人。
「確かに。美味しいね。」
「こうやってモーニングに行くのもいいですよね。」
「そうだね。碧が喜んでくれてよかった。」
(なになに~この会話。ほっこり。この2人仲のいい友達なのかな?)
「また休みが合えばここでモーニングしたいです。」
「えー。いいけど。さっきの店員、絶対碧の事狙ってる。碧の笑顔みられるのやだ。」
「もう、何言ってるんですか。そんな事ないですよ~」
「いや~あれは碧の笑顔に落ちてたよ。」
「ないない。俺は朝也さんだけしか見えてないですから。」
「そう~?嬉しい。碧、好き。」
(きゃーなになに。この2人恋人同士なの!?私めっちゃ当て馬モブじゃん。でもなんか許せる~)
2人のやりとりに関係性がわかった。
恋人なのか。さっきまでドキドキしてたけど違う意味でドキドキする。
この2人なんか尊い~とまで思ってしまう。
「ふふ、朝也さん。ここカフェですよ?聞こえちゃいます。」
そう言って美人な方は顔を真っ赤にし、照れて笑っていた。
(やばい~綺麗すぎるしかわいすぎる~)
と心の中で興奮する。
「別にいいよ。俺は碧以外どうでもいいんだから」
黒髪の男の方が美人な方に溺愛しているのを感じる。
やばい~もうにやけてしまう。
「林さーん、何してんの。料理運んで~」
そう店長に呼ばれる。
あーもっとこの2人を見ていたい。
後ろ髪をひかれながらも業務に戻る。
そして2人を見送る。
「ごちそうさまでした。また来ます」
美人な方がわざわざ向き直り私に言う。
「是非また来てください。」
ちょっと見惚れながらそう言う。
だってこの人なんかすごい素敵すぎる。
ぽーっとみていると黒髪の方から視線を感じる。
(あ、やべ。)
少し釘を刺されたように冷たい視線を送られペコっと頭を下げられる。
そうして彼は牽制するように美人な彼の肩に手を回し外へでていく。
よーく見ると美人な人のうなじらへんにキスマークが何個かあるのに気づく。
(うわ~独占欲すごいな。あの様子じゃ彼気づいてなさそう。)
あーでもこうやってみるとお似合いの2人だな。
これから土曜日のモーニングは絶対シフト入れよ。そう決めた。
「あー、私も彼氏欲しいー」
そう呟いたのだった。
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