ゲームしてたら友達と一緒に異世界転移したけど、悪魔だからパーティからハブられた。

勇崎シュー

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02 襲撃、反撃

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「だ、誰って……」

 俺はすぐさま言い返そうとしたが、リゲルの板金鎧に映った自身の顔を見て、絶句してしまった。

「なっ、これ……?」

 それしか言葉に出来なかった。
 俺は真実を確かめるべく、メニューウィンドウを出現させ、そこからするする操作をこなし、とあるアイテムを出現させた。
 鏡系のアイテムを持っていればよかったと後悔しつつ、出現させたポーションを目の前に掲げる。
 ポーションの入れ物は銀製で、まるで鏡のように辺りの光景を映す。それを利用しようと試みたが……。

「やっぱり、アバターが変わってる」

 俺は静かにそうぼやいた。
 髪型は濃い紫色のショートで変わらないが、この顔は、俺の以前のアバターとは明らかに違うものだった。前はもっと少年チックで少し目付きの鋭いクールな印象を持たせていたが、今はそれよりやさぐれているというか、まるで現実リアルの俺とアバターを混ぜたような……。

「もしかして……アッシュか?」

 リゲルがおずおずとそう聞いてくる。

「うん。アッシュ。現実だと峰倉芦太みねくらあした

 焦りでか、若干片言になりながらも、自らの正体を明かした。

「もしかしてリゲルもアバター変わってるんじゃ……ちょっとその兜とってみろよ」

 リゲルが頷くと、両手で頭をすっぽり覆う金兜を持ち上げた。

「本当だ。二人ともアバター変わってる。もしかして僕も?」

 いつの間にか起きていたワサラハが、人差し指を自身に向けてそう問い掛ける。

「うん。変わってる。なんかよりマイルドな感じになったというか……でも耳はそのまんまだな。あ、俺もか」

 魔族のアバターも、妖精族程ではないが尖っている。どうやら種族までは変更されていないようで安心した。

「レベルも装備も変わらず……アバターだけ変わるバグ? マジかよ運営はなにやってんだよ」

 リゲルがメニューウィンドウを確認しながらそう毒づいた。

「まぁまぁ、運営のせいかまだ分からないし。落ち着こうぜ。いつかは戻るだろうしさ」

 俺がそう宥めるも、リゲルはため息を吐き、大きく背伸びするだけだった。

「あー、なんかもういいや。ログアウトしようぜ」
「えっ、GMコールとかしなくていいの?」
「いいよ。もう眠いし明日で、あーあ、死んでたらマジ運営のせいにしよ」

 リゲルが欠伸を漏らしながらそう嘆いた。
 まぁ、確かに、GMコールしたら遅くなりそうだしな。それに、なんだか体調もいまいち優れない。

「それなんだけど、さ」

 すると、ワサラハが申し訳なさそうに声を出した。

「僕、GMコールしようとしてたんだけど、つながらないし、しかも━━ログアウトボタンが消えてる」

「「……は?」」

 俺達は二人同時にそう聞き返した。これが異口同音と言うやつか。ちょっと違うか。違ううえに今はどうでもいい。

「うわ、マジだ。これもバグか?」

 俺が下らないことを想像している間に、リゲルは自らの画面で真実であるか確かめていた。
 一応俺も確認してみるが……無い。本来は設定ボタンの下にある筈だが、欄ごと消え去っている。

「はぁ? これは流石にヤバいだろ。なんなんだよマジで。ログアウト出来ないとかふざけてんだろ。明日も学校あるってのに」

 リゲルが以前より鋭くなった目付きで、メニューウィンドウを睨む。
 そういえば、この新しいアバター、どうも現実の二人に似ているような……。ゲームのアバターにリアルの面影を足したような、なんとなく他人と思えないような、そんなアバター。
 そんなことをぼんやり考えていると、植物が擦れる音がした。その刹那━━

「バゥォンッ!」

 そう吠えながら、大きな影がワサラハに襲いかかった。
 ━━あれは、リュカウス? でも、なにかおかしい。デザインか? 妙にリアルというか……。そういえば、いやに視界がクリアだ。まるで現実のような。

「ぐぁっ!?」

 すると、襲われたワサラハが、濁った叫び声をあげた。ゲームなのにやけにリアルな叫びだった。

「せ、戦闘準備!」

 リゲルが躊躇いながらそう怒鳴る。俺はそれで我に戻り、背から大鎌を取り出す。
 そして、また違和感。僅かに、鎌の重量が多く感じる。今まで手に吸い付くように馴染んでいた感触も、今はいつ地に落とすか分からないほど危うい感じだ。

「グルルルルル……!」

 リュカウスは武器を持った俺達に威嚇を始めた。なんだか少しおっかない。本当に気圧されてしまいそうだ。

「アッシュ! 俺が攻撃を引き受けるから、背後から重攻撃!」
「り、了解!」

 俺は吃りながらも返事をし、受けた指令を実行すべく背後に回る。
 しかし、リュカウスの後ろには踞っているワサラハがいた。

「ワサラハ! ちょっと退いて!」
「う、うぅ……」

 ワサラハは目の端に滴を溜めていた。
 まさか、本当に痛がっている?

「アッシュ! 早く!」
「くそっ……!」

 ワケがわからないまま、俺はリュカウスに向かって大鎌を振った。
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