【R18】異世界で王子様に懐かれました

ケセラセラ

文字の大きさ
18 / 32

商人カーゴイルの店へ

しおりを挟む
タウンゼントの出店を通り過ぎ、大きな建物が立ち並ぶ街道に出た。

こっちの建物は、二階建てやらで中々大きな商店街のようだ。

「こっちだよ」


ローウェンに着いていくと、その中でもかなり大きな建物で、入り口のドアも立派だった。


「カーゴイルはいるか?」


ローウェンが奥の方へ進み、店員に声をかけた。

「店主ですね、少々お待ちください」


店員が呼びにいくと、40代か50代くらいの物腰の柔らかそうなダンディな男がこちらへ向かって歩いてきた。

「カーゴイル!久しぶりだな」

「・・あ、ま、まさかローウェン様?か、髪の色が・・」

「ああ!そうだったな、少し髪の色を変えているが、ローウェンだ、心配かけたな」

「ああ!でも、ご無事で良かった!さぁ、奥へどうぞ、あ、そちらの方はお連れ様でしょうか?」

カーゴイルは、私を見てローウェンに尋ねた。

「紹介しよう、こちらはレイナ。僕の命の恩人だよ」

「お、恩人だなんて!私の方が助けられてます」


現に、あのまま森の中に1人きりであったら、どっちの方向に歩けばいいのかも分からず、まださ迷っていたはずた。


ローウェンが嬉しそうに微笑みを浮かべた。

「まぁ、色々あって、今は彼女と旅をしているが、国境を越えてアルソードへ帰りたいが、商隊に紛れて行きたいが頼めるか?」

「はい、もちろんです。明日の朝一番出発予定のがあるので、それまで良ければうちの空いてる部屋をお使いください」

「助かるよ、ところで、先に来てないか?」


ローウェンが言ってるのは、15名の仲間の行方だろう。

「は、はい・・国境を超えた者は3名、あと負傷して匿っているものが7名、あと5名はまだ敵を欺く為、自国に戻らず、隣国のサーフェントに向かうと連絡が来てます」

「そうか・・負傷した者は、今どこに?」


「この店の2階ですよ。うちの信用できる若い者に看病させてますが、薬が手に入れることが難しくて、高熱が続いて意識がないのが3名、意識はあっても動けないのが4名です」


「!!ッ、そ、そうか・・上がらせもらってもいいか?」


「もちろんです。どうぞお上がりください」


私達が二階に上がり、案内された部屋はかなり広い部屋に、ベッドというか簡易的な布団に、3名の男性が寝かされていて、若い男の子が濡れたタオルで体を拭いていた。容態は良くなさそうだった。

隣の部屋には、4名は今起きてるとのことで、先にそちらから状況を確認した方がいいだろうとなり、ノックをして入ると、皆がローウェンの姿を見ると泣きそうな顔になり、皆一斉にガバリ!と起き上がり、皆痛みで顔をしかめた。



「無理をするな、よくここまで生きて戻ってくれた」

「っ!ローウェン様、ローウェン様もよくご無事で!」

ローウェンが皆の怪我の状態を1人ずつ確認して、どのくらい移動ができるか質問していった。

「アルバート、お前と生きてこうしてまた会えて良かった。妹に殺されなくて済みそうだ」

「それは、こちらのセリフです。あの方は、兄のあなたを尊敬してますからね」

ローウェンは、この4人のうち、アルバートという青年とはかなり親しげだった。妹さんの彼氏さんでもあるのかな?

騎士達は、ローウェンの横に居る私が気になったのかチラチラとこっちを盗み見してきた。

皆、20代くらい?すごいイケメンばかり!
だけど、眼光が鋭い!

私がススッとローウェンの後ろに隠れるように動くと、ローウェンがクスリと笑った。

「ろ、ローウェン様?その方は?」

「この人はレイナ。死の森より生きて出れたのは、レイナのおかげだ。私の命の恩人であるので、高圧な態度や軽はずみな態度は取らないようにな。彼女は、自国へ連れて行く」

アルバートは、驚いた顔をして、ローウェンと私の顔を二度見をすると、訳知り顔で頷いた。

「・・レイナ様、ローウェン様を助けていただきましてありがとうございます」

「「「ありがとうございます!」」」

騎士の方々に、一斉に頭を下げられてどうしたらいいの?私こそ、ローウェンに助けてもらってるし!


私が困り顔でオロオロしているうちに、ローウェン達は、今までの経緯やらをお互いに簡潔に話し合い、お隣の部屋にいる仲間の負傷状況についても聞いていたので、私も集中して聞いた。
なんと言っても、私は看護士としての経験もあるし、何か出来ることもあればお手伝いしたいという気持ちがあったから。


お隣の意識不明の3人は、致命傷ではないものの、かなり出血をしたらしい。おそらく輸血をしないと危ないのでは?
この世界は、輸血とかしないのかな?
魔法とかあるからポーション頼み?

色々疑問点もあるけど、まずは怪我人を直接診ないことには始まらない。

「あの!私、医療について多少関わりある仕事してたんです。今、こちらにいる皆さんも心配ですが、まずはお隣の部屋の方々の看病のお手伝いさせてもらってもいいでしょうか?」

私が意を決して言うと、皆さんがポカーンとこちらを見て固まってしまった。

「レイナは、医療の心得があるの?」

ローウェンが驚いた顔をしました。
あれ?私言ってなかった?

看護師としての国家資格を持っているけど、この国でそれがどういう位置付けになるものか分からないし、役立てることができるのかも分からない。

「医療の心得は、あります。だけど今の私にどれだけのことが出来るか分かりません」

「レイナ、出来れば明日、皆とこの国を出たいけれど、意識不明の3人を動かすことはできない。でも、ここを出るまでに、少しでも彼らの状態を良くしたいと思っている。何も出来なくても構わないから、彼らの様態を診てやってくれるかい?」

「は、はい!」

何が出来るか分からないけど、怪我人を放置することは私には出来ない。だから、ローウェンに診て欲しいと言われて、嬉しい気持ちで一杯になった。

「私、すぐに診てきます!」


私は、もういてもたっても居られず、お隣の部屋に向かった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました

ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

数年振りに再会した幼馴染のお兄ちゃんが、お兄ちゃんじゃなくなった日

プリオネ
恋愛
田舎町から上京したこの春、5歳年上の近所の幼馴染「さわ兄」と再会した新社会人の伊織。同じく昔一緒に遊んだ友達の家に遊びに行くため東京から千葉へ2人で移動する事になるが、その道中で今まで意識した事の無かったさわ兄の言動に初めて違和感を覚える。そしてその夜、ハプニングが起きて………。 春にぴったりの、さらっと読める短編ラブストーリー。※Rシーンは無いに等しいです※スマホがまだない時代設定です。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

男嫌いな王女と、帰ってきた筆頭魔術師様の『執着的指導』 ~魔道具は大人の玩具じゃありません~

花虎
恋愛
魔術大国カリューノスの現国王の末っ子である第一王女エレノアは、その見た目から妖精姫と呼ばれ、可愛がられていた。  だが、10歳の頃男の家庭教師に誘拐されかけたことをきっかけに大人の男嫌いとなってしまう。そんなエレノアの遊び相手として送り込まれた美少女がいた。……けれどその正体は、兄王子の親友だった。  エレノアは彼を気に入り、嫌がるのもかまわずいたずらまがいにちょっかいをかけていた。けれど、いつの間にか彼はエレノアの前から去り、エレノアも誘拐の恐ろしい記憶を封印すると共に少年を忘れていく。  そんなエレノアの前に、可愛がっていた男の子が八年越しに大人になって再び現れた。 「やっと、あなたに復讐できる」 歪んだ復讐心と執着で魔道具を使ってエレノアに快楽責めを仕掛けてくる美形の宮廷魔術師リアン。  彼の真意は一体どこにあるのか……わからないままエレノアは彼に惹かれていく。 過去の出来事で男嫌いとなり引きこもりになってしまった王女(18)×王女に執着するヤンデレ天才宮廷魔術師(21)のラブコメです。 ※ムーンライトノベルにも掲載しております。

処理中です...