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第0話<プロローグ>ーケイン視点ー
⑤:本来のBLゲームの悪役令息について
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この主人公の兄、ミラージュについて、もう少し補足すると、母方の祖母が王妹、母が公爵の妹と、完璧なブルーブラッドのお貴族さまだったためか、かなり選民思想のキツイ、根っからの悪徳貴族という感じで、とにかく主人公と出会ったときからいじめ倒してきた。
子供の頃はまだ、「下賤なメイドの子」とか、「育ちも卑しい平民が」とか、子供の拙さとはいえ、心を抉るような言葉によるいじめが主だったけれども、どんなにやっても大人たちが介入してこないと知ると、直接的な暴力に訴えることも多くなった。
中でも、凍える季節に水ぶっかけられて地下牢放置とか、猟犬をけしかけられて追っかけ回されるとか、殺人未遂ですよ、コンチクショーな事態も珍しくなかったのだが…。
それに加えて、ここはBL世界。しかも18禁。
…まあ、これ以降のエロ展開に備えてなのか知らないけど、それなりのご奉仕はさせられておりましたよ、主人公。
今思えば、あの時間は風俗嬢の研修期間か、ジョイスティックのライトユーザー向けのテストプレイ期間だったのかもしれないけど。
ほら、ジョイスティックって、英語だとそういう意味…ゲフゲフンッ…
まあ、それはともかく、それらの修行の甲斐あってか、ゲーム開始時は、主人公、かなりご奉仕上手になっていたんじゃないでしょうか?
そら、攻略対象者たちもメロメロですよ。…僕はゲロゲロしてましたが…。
幼少期の下積み時代には、腐ったお姉様方を熱くさせる、お兄様を慰めるご奉仕タイムなどがありまして…、お兄様を褒め称えながら、まあ、色々したりされたり……
相手は他にも、モブ使用人だったり、お客さまのモブ貴族だったりと、売れっ子風俗嬢もかくやと言わんばかりに多岐に渡るご奉仕の数々なんだけど、なぜか後ろの初めては守られていたというご都合主義には、呆れを通り越して感心すらしちゃったね。
毎回毎回、懐かしの昼ドラ「真珠○人」みたいに際どいところまで行くと、いっつも何かしらの邪魔が入るんだもん。
まあ、仕様ですね。 何回目かの邪魔が入った時にはさすがに僕もそのノリを理解して、「あ、そういう仕様ですか…」とホッとしてしまったわけですが。
そして攻略シーズン中、主人公にとってはこれらの一連の体験はトラウマもののお話として語られるわけなんだけど…そこで培ったテクニックを存分に披露して、意中の男落としてるんだから、人生何がプラスになるかわかんないんだなぁ…と思った。
このあたりまで来ると、僕もこのイカれた世界に大分慣れてきていた訳で…哀しいことに。
ただ、主人公に対しては単なるプレイヤーとして見ていたので、ドン引きすることはあってもそれ以上の気持ちが芽生えることもなかったんだけども…。
ほぼ全員の攻略対象たちを相手取って、縦横無尽・八面六臂に活躍するミラージュ兄様のエロい乱れっぷりに……僕は未経験なれど女性好きを自認する男として何か無くしてしまいそうな危機感にかられ……
時には、姉にヘッドホンを装着してもらいながら、なるべく無機質な気持ちでクリアすることに集中させていただきました…
だって……女の子みたいな顔とか、少年声の声優による喘ぎとか時々女子っぽくて……やばくね?
ぶっちゃけ……顔は好みタイp……ゲフゲフ
……………いや、あくまで女子と仮定して…仮定しての話だから!!
チッパイどころか、真っ平らな男ってだけで対象外ですから!!
ちょっ…姉ちゃん、こっち見てニヤリってすんな!!
おまえのせいで可愛い弟が帰ってこれない道に迷い込むかもしれないって言うのに、楽しんでんじゃねえぇっ!!
そして、夏休みの貴重な時間をこのゲームで費やし、口から砂を吐いたり、鼻から水を吹き出したりしつつも、一通りの攻略をガクブルしながら済ませて思いました。
高校も大学も女子多めの共学に通い、就職も女子多め…だけど腐女子のいない職場に行って、貧乳でも微乳でも美乳でも巨乳でも爆乳でも奇乳でもいいから…やさしくて笑顔が可愛いお嫁さんをもらって、穏やかに生きていくぞ…と。
僕はここで極々静かに…されど力強く今後の進路を決意した。
大体、ミラージュ兄様や主人公は、こいつらの何が良かったというのだろうか。
顔か?声か? 顔と金か? 顔が良くても性癖アレだよ? 性格とか、ドン引く勢いですよ?
僕は特に高まらないテンションで、最早作業と呼ぶべきボタン連打で最後の攻略相手を落としつつ、憔悴しながら思ったのだったが…ちらりと姉を見ると、そこから始まるトゥルーエンドの動画を涙ぐんで見守っていた。
…いや、ただの腐った乙女向けのエロゲーにツッコミを入れるのも野暮というものですか。そうですね。
そういう結論に至り、僕は黙って画面から目をそらした。
そうやって、多感な思春期の少年の心に大きな傷を負いながら、姉との契約を終えたのだが、正直、騙し騙し自分をごまかしながらやってきた結果、かなり深刻な精神的ダメージを負わされたんじゃないかと思った。
この、SAN値もガリガリに削られる程のダメージに見合う報酬を、僕は得られているのだろうか…と、ふと考えそうになったが…そこで思考を止めることにする。
これ以上考えたら負けだ。
こんなに少年の心を傷だらけにしておいて、徒労に終わるとか有り得ない。
もう終わったんだ。いいじゃないか。
そして、荒んで汚れきった腐の病を払拭し、腐海に沈んだ気持ちを浮上させるためにも、約束通りのブツを手に入れ、ふんわりオッパイに癒やされようと、喜び勇んで外出したはずなのだが………そこから先は何も思い出せなかった。
なんということだ。
僕の思考は絶望に染められ、見も知らない真っ暗な空間で立ちすくみ、頭を抱えた。
僕の身の上に、あれから何があったというのか? 考えても答えは出ない。
結局、僕は『さんたフェ・チ写真集―Gカップの贈り物―』を手に入れることができたのだろうか?
最早その真っ赤な衣装に身を包んだ、地下アイドルのわがままボディ以外、思い出すことすらできなくなっていたが、それだけが心残りだった。
子供の頃はまだ、「下賤なメイドの子」とか、「育ちも卑しい平民が」とか、子供の拙さとはいえ、心を抉るような言葉によるいじめが主だったけれども、どんなにやっても大人たちが介入してこないと知ると、直接的な暴力に訴えることも多くなった。
中でも、凍える季節に水ぶっかけられて地下牢放置とか、猟犬をけしかけられて追っかけ回されるとか、殺人未遂ですよ、コンチクショーな事態も珍しくなかったのだが…。
それに加えて、ここはBL世界。しかも18禁。
…まあ、これ以降のエロ展開に備えてなのか知らないけど、それなりのご奉仕はさせられておりましたよ、主人公。
今思えば、あの時間は風俗嬢の研修期間か、ジョイスティックのライトユーザー向けのテストプレイ期間だったのかもしれないけど。
ほら、ジョイスティックって、英語だとそういう意味…ゲフゲフンッ…
まあ、それはともかく、それらの修行の甲斐あってか、ゲーム開始時は、主人公、かなりご奉仕上手になっていたんじゃないでしょうか?
そら、攻略対象者たちもメロメロですよ。…僕はゲロゲロしてましたが…。
幼少期の下積み時代には、腐ったお姉様方を熱くさせる、お兄様を慰めるご奉仕タイムなどがありまして…、お兄様を褒め称えながら、まあ、色々したりされたり……
相手は他にも、モブ使用人だったり、お客さまのモブ貴族だったりと、売れっ子風俗嬢もかくやと言わんばかりに多岐に渡るご奉仕の数々なんだけど、なぜか後ろの初めては守られていたというご都合主義には、呆れを通り越して感心すらしちゃったね。
毎回毎回、懐かしの昼ドラ「真珠○人」みたいに際どいところまで行くと、いっつも何かしらの邪魔が入るんだもん。
まあ、仕様ですね。 何回目かの邪魔が入った時にはさすがに僕もそのノリを理解して、「あ、そういう仕様ですか…」とホッとしてしまったわけですが。
そして攻略シーズン中、主人公にとってはこれらの一連の体験はトラウマもののお話として語られるわけなんだけど…そこで培ったテクニックを存分に披露して、意中の男落としてるんだから、人生何がプラスになるかわかんないんだなぁ…と思った。
このあたりまで来ると、僕もこのイカれた世界に大分慣れてきていた訳で…哀しいことに。
ただ、主人公に対しては単なるプレイヤーとして見ていたので、ドン引きすることはあってもそれ以上の気持ちが芽生えることもなかったんだけども…。
ほぼ全員の攻略対象たちを相手取って、縦横無尽・八面六臂に活躍するミラージュ兄様のエロい乱れっぷりに……僕は未経験なれど女性好きを自認する男として何か無くしてしまいそうな危機感にかられ……
時には、姉にヘッドホンを装着してもらいながら、なるべく無機質な気持ちでクリアすることに集中させていただきました…
だって……女の子みたいな顔とか、少年声の声優による喘ぎとか時々女子っぽくて……やばくね?
ぶっちゃけ……顔は好みタイp……ゲフゲフ
……………いや、あくまで女子と仮定して…仮定しての話だから!!
チッパイどころか、真っ平らな男ってだけで対象外ですから!!
ちょっ…姉ちゃん、こっち見てニヤリってすんな!!
おまえのせいで可愛い弟が帰ってこれない道に迷い込むかもしれないって言うのに、楽しんでんじゃねえぇっ!!
そして、夏休みの貴重な時間をこのゲームで費やし、口から砂を吐いたり、鼻から水を吹き出したりしつつも、一通りの攻略をガクブルしながら済ませて思いました。
高校も大学も女子多めの共学に通い、就職も女子多め…だけど腐女子のいない職場に行って、貧乳でも微乳でも美乳でも巨乳でも爆乳でも奇乳でもいいから…やさしくて笑顔が可愛いお嫁さんをもらって、穏やかに生きていくぞ…と。
僕はここで極々静かに…されど力強く今後の進路を決意した。
大体、ミラージュ兄様や主人公は、こいつらの何が良かったというのだろうか。
顔か?声か? 顔と金か? 顔が良くても性癖アレだよ? 性格とか、ドン引く勢いですよ?
僕は特に高まらないテンションで、最早作業と呼ぶべきボタン連打で最後の攻略相手を落としつつ、憔悴しながら思ったのだったが…ちらりと姉を見ると、そこから始まるトゥルーエンドの動画を涙ぐんで見守っていた。
…いや、ただの腐った乙女向けのエロゲーにツッコミを入れるのも野暮というものですか。そうですね。
そういう結論に至り、僕は黙って画面から目をそらした。
そうやって、多感な思春期の少年の心に大きな傷を負いながら、姉との契約を終えたのだが、正直、騙し騙し自分をごまかしながらやってきた結果、かなり深刻な精神的ダメージを負わされたんじゃないかと思った。
この、SAN値もガリガリに削られる程のダメージに見合う報酬を、僕は得られているのだろうか…と、ふと考えそうになったが…そこで思考を止めることにする。
これ以上考えたら負けだ。
こんなに少年の心を傷だらけにしておいて、徒労に終わるとか有り得ない。
もう終わったんだ。いいじゃないか。
そして、荒んで汚れきった腐の病を払拭し、腐海に沈んだ気持ちを浮上させるためにも、約束通りのブツを手に入れ、ふんわりオッパイに癒やされようと、喜び勇んで外出したはずなのだが………そこから先は何も思い出せなかった。
なんということだ。
僕の思考は絶望に染められ、見も知らない真っ暗な空間で立ちすくみ、頭を抱えた。
僕の身の上に、あれから何があったというのか? 考えても答えは出ない。
結局、僕は『さんたフェ・チ写真集―Gカップの贈り物―』を手に入れることができたのだろうか?
最早その真っ赤な衣装に身を包んだ、地下アイドルのわがままボディ以外、思い出すことすらできなくなっていたが、それだけが心残りだった。
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