元男子高校生が貴族の令嬢に転生しましたが…どうやら生まれた性別を間違えたようです

バセット

文字の大きさ
38 / 45
11話

ミランダ ★ <合間のお話>

しおりを挟む
「ひぁっ…あっあっ…イイっ…そこもっとっ…」



 いつもの慣れた弟の寝台で、私は犬のように四つん這いになって、後ろから穿つ熱に揺さぶられながら嬌声を上げる。

 パンパンと肉をぶつけるような破裂音と、その合間に聞こえる余裕のない吐息が静かな夜の寝室に響き渡り、ケインの体液から発する甘い香りと相まって、まるで娼館の一室の様に淫靡な空間を作り上げていった。



「はぁっはぁっ……姉さま…ねえさまっ、あっ……はぁっ…っ…」



 ケインは、最初の夜こそ前後するだけのぎこちなく、拙い動きで私の蜜穴を犯していったが、一晩…二晩と逢瀬を重ねていく内に、段々とコツを掴んだように巧みな動きを見せ始め……今では緩急合わせた動きで私の弱い所を積極的に突いて来る程の成長を見せてきた。

 対して、私の方もケインの形に慣れてきたのか、ナカの開発が進んでしまい…貪欲に弟の責めを受け入れて、自ら貪るように蜜穴を収縮させて快楽を貪った。



「いやっいやっ…やぁっ……コレだめっ……ケイン、ケインっ…ぃあっ」



 寝台のマットレスに腕を突いて体を支えていたものの、ズンズンと前後に責める動きに加えて、ずちゅっぐじゅっと掻き回すような動きを織り交ぜられれば、溢れる涙にも構わずイヤイヤと左右に頭を振りながら、下半身の深い所を犯す悦楽に力なく抵抗した。



「ぁっ…姉さま、暴れないでっ…締まるっ……すっげぇクるっ…」



 苦しげに呻きながらも穿ち続ける弟の責めに、堪らず背中を反らして顎を突き上げると、その動きを抑制されるように腰を掴んで固定され、より一層激しい動きで蹂躙される。

 そして、背後から聞こえる艶めいた吐息が背中にかかっては、ゾクゾクとした悪寒が腰を駆け上り……反射的にギュッと体を引き絞るように全身に力を込めた。すると、



「あっ…だめっ…きつっ。…姉さまっ、イクっ…」



 余裕のないケインの掠れ声が漏れ聞こえると、ナカを犯す昂りがぐぐっと体積を増していき…「ぁっ…」と小さな吐息まじりの声と共に胎内に熱が放たれたのを感じた。



「ふぁあっ…あっ…はぁんっ!」



 そして、全ての熱を放出した余韻にビクビクと震えるモノの動きを敏感に感じ取りながら…私も同時に絶頂を極めて、寝台に頭から崩れ落ちていったのだった。









 あの日、私は体を襲う疲労感を抑えながら、どうにか一人で自室に帰っていったそうなのだが…正直その辺りの記憶は曖昧だった。

 夕方に自室を飛び出してから、暗くなっても戻ってこなかったので、―――敷地から出ていった様子はなかったものの―――探しに行こうと思っていたと、ファントムは言っていたけれども、そのやり取りも、靄がかかったように朧げにしか思い出せない。



 しかし、あんな状態であっても最初は案外まともな受け答えをしていたらしいが、



「ふふ……なんでもないわ…」



 酔っ払った様に頬を染め、フワフワと応えていた私の態度の変化に気づき、訝しむファントムの目を誤魔化しきることはできなかった。



「おい、何か熱っぽ……」



 そう言いかけたかと思うと、徐に私を寝台に押し倒し、観察するように上から見下ろしてきた。



「…また、あの匂いか。 しかも、今度は濃厚なあいつの…オスの匂いが纏わりついてやがる……」



 何の抵抗もせずにクタリと寝台に寝転ぶ私を跨いで両腕を押さえつけると、上体を屈めてクンクンと匂いを確認され、チッと舌打ちをされた。

 鼻面が触れるようで触れないギリギリの距離で吐息をかけられ、私は堪らずクスクスと微笑って見上げた。

 幼い頃から一緒にいる配下とは言え、自分よりも遥かに大きな体の男に押し倒されているというのに何の抵抗もない。そして、微かに触れる吐息に身動ぎはするものの、無抵抗にされるがままになっており、そんな私の様子に苦虫を噛み潰すような表情を見せる。



「ふふ…くすぐったぁい……犬みたいよ、アンタ…」



「……ほんの数時間目を離したスキに…すっかりメス臭くなりやがって……。

 念の為一つ確認するが…これは、私的なことか?」



 常に無いほど無防備な私の姿に溜め息を付くと、私の心の奥を見抜くような眼差しで問うてくる。なので、



「ふふふ…そうね。 放っといて………あハ…」



 そんな下僕の姿を下から見上げ、クスクスと笑いながら熱い吐息を漏らすと、ファントムは顔を反らして再び大きな溜め息をついて頭を左右に振った。

 そして、ゴソゴソ口元を覆ったかと思うと、再び覆いかぶさるように顔を近づけて来るのだが、私は避けもせずその行為を一部始終見守って、唇に柔らかいものが落ちてくるのを受け止める。



 くちゅ…んチュ…



 唇を無理やり割り開かれ、微かな水音を立てて口の中に差し込まれる舌を受け入れるも、その動きに応えもせず…されど毛ほども抵抗せずに見つめていると、ややあって―――用事は済んだとばかりに―――温かな唇は離れていった。

 口づけの甘い雰囲気など、欠片もない交わりだった。

 そして互いの唾液が細い糸を引いて二人の間を繋いでいたけれども、距離が離れていくとそのまま音もなくかき消えていく。



 初めて交わした口づけであったが、その余韻は苦くて…私は思わず顔を顰めた。



「まっずい……」



「文句を言うな。これから面倒なことになりかねないんだから……慣れろ」



 ファントムは、やれやれと肩を竦めると、そのまま音もなく私の上から離れていく。

 その際にも、これみよがしに大きなため息をつかれたけれども、どうでも良かった。



「もう、今日は疲れたから…寝るわ。 おやすみ」



 私はそんなファントムの姿を見送ることもせず、そのままごろりと横になってシーツを被る。

 物言いたげな下僕の視線は私の背後から真相を問いかけていたけれども、敢えて何も答えず眠りに落ちると…そのまま部屋の中から彼の気配は消えて行った。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜

具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです 転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!? 肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!? その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。 そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。 前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、 「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。 「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」 己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、 結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──! 「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」 でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……! アホの子が無自覚に世界を救う、 価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!

花嫁召喚 〜異世界で始まる一妻多夫の婚活記〜

文月・F・アキオ
恋愛
婚活に行き詰まっていた桜井美琴(23)は、ある日突然異世界へ召喚される。そこは女性が複数の夫を迎える“一妻多夫制”の国。 花嫁として召喚された美琴は、生きるために結婚しなければならなかった。 堅実な兵士、まとめ上手な書記官、温和な医師、おしゃべりな商人、寡黙な狩人、心優しい吟遊詩人、几帳面な官僚――多彩な男性たちとの出会いが、美琴の未来を大きく動かしていく。 帰れない現実と新たな絆の狭間で、彼女が選ぶ道とは? 異世界婚活ファンタジー、開幕。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーレムです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?

山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、 飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、 気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、 まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、 推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、 思ってたらなぜか主人公を押し退け、 攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・ ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

処理中です...