元男子高校生が貴族の令嬢に転生しましたが…どうやら生まれた性別を間違えたようです

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11話

ケイン ★ <合間のお話>

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この男は……確か、嗅覚が特化した感覚系の魔術を得意としていたはずだ。

前世の記憶を思い出しながら、僕はこの鼻が利く男に察知されない程度に絞った魔力を練り上げた。
 
「姉さま、姉さま、僕の事、少しは好き?」

 あの夜から始まった毎夜の逢瀬は、その後人目を忍ぶ形で毎晩続き…僕はその夜、座り込んだまま抱き合って、姉さまの慎ましやかで淫らな蜜穴を下から突き上げ、嬌声を上げさせていた。
 自分からその呪われた力を使って愛する人を虜にした癖に、本心から因われてくれているんじゃないかという期待が、いつまで経っても消えなかったけれども、こうして肌を合わせて腰を振っていれば考えなくても夢中になれる。
 なので、訳も分からず快楽に侵されて啜り泣く姉さまを、正気を失わせる程酩酊させては、毎晩毎晩嫌というほど責め立てた。

「あっあっあっ…わかんなっ…ンっ…これ…深っ!」

 いつもの凛とした姿も思い出せなくなるほどグズグズに蕩かされ、ただただ僕の体を求めて狂う様に体を揺すぶられる中では、何を言われてもわからないと知っている。
 それでも僕は、自分の望む答えを言ってもらえるんじゃないかという期待を込めて、姉さまに問いかけることをやめられなかった。

「ダメ、これ、変なとこ当たるっ!!いやっいやっ…」

 胡坐をかいた僕の体を跨いだ状態で、蜜穴は固く勃ち上がった僕の杭で深々と貫かれており、絶え間なくズグズグと穿たれるため、お互いの性器が結合した部分はグチョグチョとねばついた水音を奏でて寝室に響く。
 僕の媚香と絶え間ない責めに理性を失って、ただの快楽に溺れるメスに成り下がった姉さまは、それでも蠱惑的で美しく、淫らな腰使いで僕の性器を搾り取るように蠢いた。
 どんなにグズグズになるほど責めたてた所で…僕の悲痛な思いに応えるような言葉を口にすることは、まだ一度もなかったけれども、目の前の綺麗な人が、こうして僕の腕の中で乱れてくれるならば、それでも良いと…僕は自分の心を宥めていく。

「あっ、あっ、姉さま、姉さまっ!だめ、きもちぃっ」

 姉さまの膣が突き上げてはナカで暴れるモノを貪るように収縮を繰り返し、固く勃起した僕自身を責め返してくるので、たまらず僕も喘ぎながら腰を揺さぶった。そして、少しでも離れまいとギュッと抱き着きつかれれば、反射的に僕も姉さまの豊かな胸に顔を埋めながら抱きしめる。

 姉さまのふかふかなおっぱいの柔らかさと弾力は、僕を窒息させる勢いで押し付けられたが、寧ろこの胸の中で死ねるなら本望だ。

 僕は姉さまのヌルヌルと泥濘む蜜穴を蹂躙しながらギュッと隙間なく密着し、背中に回した手で腰を撫で上げつつ、柔らかな胸に顔を埋め、本能とも言うべき動きで目の前の尖りに吸い付き、唇で扱いた。

「あんっあんっ!やんっ!おっぱい、いじめないでっ!」

 ただでさえ、感じすぎる程感じてしまっているのに、敏感な背中や腰の性感帯に手を這わされて、開発され切って昔よりも淫らに大きくなった乳首を甘噛されてしまい、姉さまはイヤイヤと首を振って快感を逃がそうとしていた。
 しかし藻掻けば藻掻くほど…より一層快楽が深まっていき、姉さまのナカはその都度ギュッと僕の雄を締め上げてくる。

「姉さま、ダメ、そんなに締めないで……僕、もう保たないよっ」

 多少動き方に慣れはしたものの、いつまで経っても姉さまのナカの気持ちよさに慣れることはない。

 ダラダラと先走りを溢しながら震える性器をキュウキュウと締め付けられ、全身から立ち上る芳しい香りを吸い込んで、全身で姉さまを感じている僕は、余裕が全くなくなった声を漏らし……限界が近いと感じながら、姉さまの腰を掴んでズンズンと更に勢いを増して突き上げた。

 そこまで経験値を踏んでいないので、ここまで来るともう姉さまのイイ所とか関係なく、自分の欲を開放することだけで頭を一杯にした。

「あっあっあっあっ…!」

 結果勢いにつられて、只管僕の動きを受け入れていた姉さまは、その動きに合わせて断続的に声をあげるしかできなくなり、

「あーーっ!」

 その細い腰を、華奢な背中を弓なりにして絶頂を迎え…ビクビクと腰を小刻みに揺らして僕のモノを貪るように締め付けた。
 そしてその煽りを受けて、限界まで昂ぶった僕の性器もグッと一際肥大したかと思うと…その温かな胎内から溢れ出るように、溜め込んでいた熱が弾けた。



 共に絶頂を迎え、その余韻に浸るように二人して息を切らせながら…僕はいつもの様に姉さまの柔らかな肢体にしがみついて、長い間何も言わずにじっと姉さまの豊かな胸に顔を埋めていた。

 姉さまは、そんな僕の体を包み込むようにそっと抱きしめ、僕の体から立ち上る香りを確かめるように、髪に顔を埋めて「ほぅ…」と息をつく。
 その吐息は甘く芳しく、温もりが頬に触れるだけで僕の胸を熱くさせたけれども、何処を見ているのかわからない、酩酊した表情でウットリと微笑んでいる今の姉さまの本心はわからない。

 どんなに体を合わせて温もりを分かち合ったと思っていても、一時の熱を放ってしまえば、その瞬間から僕の想いが一方通行であったことを、冷えた頭が思い出させた。

 姉さまは、僕の香りに…体に因われているだけで、僕自身に執着してくれている訳ではないのだと……何度問いかけても答えてくれない虚しさが、熱くなる僕の気持ちに水を差す。

 けれども……だからと言って、今更他の存在に渡して…その温もりを、微笑みを向けさせることなど絶対にできない。
 僕から離れて行かないのならば、その感情が愛でも憎しみでも…どちらでも良いと思ったのは、今でも変わらない。
 できれば…本心から愛されたいと願う心もあるけども……。
 そこまで望むのは、欲張りすぎなんだろうな。

 幸い、僕の体に触れるのも嫌だという程嫌われている訳でもなかったので……体から絆されてもらえるその日まで、この関係を壊すわけにはいかないと思った。そのために―――

 僕は脳裏に浮かぶ存在を排除しようと、心に決めたのだった。
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