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第三章:巻き込まれるのはテンプレですか? ふざけんな

幕間―クリスティアン王子の事情④―※

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 兄貴が即位した後には公爵としてどこぞの領地から国家の安寧を守るか、すぐ下の王弟として魔法省長官のまま王宮で暮らすか親父に聞かれていたがまだ決めかねており、しかし今はただの独身の王子であるので未だ王宮内の自室から奥庭までは歩いて5分程度と近い距離に住むことができている。領地を賜った後、この庭から離れて生活するのも懸案の一つだった。

 同じような所があれば良いのだが…

 そんなことを考えながら、庭近くまで護衛の騎士に送らせた後、俺は一人で勝手知ったる奥庭のベンチに向かって歩いて行くのだが、ふと視界の端に何やら魔法光のような光の点滅が見えたような気がして不審に思い、そっと気配を消しながら点滅があったと思われるところまで近寄り周囲を見回してみる。すると、今度は俺の胸元のあたりで再び白い光がチカチカと点滅するではないか。 何もないのに、その光だけは固定されているかのように安定した位置で瞬いている。

 何だろう、これは?

 そう思いながら、俺は無意識にその光に手を伸ばした。すると光に届く前に何かに触れた感触があって少し驚いたが、その点滅はそのままに、光の位置が少し揺れたように感じ、そのまま消失した。

「こんな時間に精霊たちが落ち着かないから来てみれば、先ほど何かの光が点滅していたように見えたのだが……光が消えた……?」

 俺は誰に聞かせるともなくつぶやきながら光が消失したあたりを辿ってみようと今度は両手を更に伸ばす。

「しかし、何だろう…確かに何かに触れている様ではあるし……?」

 光の点滅は消えてしまったが、その手の中には何か固く滑らかな板のようなものと、それを包む柔らかい物の感触が確かにあるのだが…何か覚えがあるような感触だった。

 なんだったろう…?

 そう思っていたら再び手の中で光が点滅を始めた

「…っ!? やっぱり光っている!? …というか、何だ?」

 何の現象かわからない。

 俺は、つぶやくとも心で思うともしれずに独り言ちた。 一体、ここに何があるというのだろうか?
 精霊やジェロームに問いかけても、一方はその存在を消しており、一方は『わからん』との答えだった。

 その後、忙しなく光が点滅を始めたため、手に触れているものの先を辿るように触れていくと、それが人の手や腕であることに気づく。そしてそのまま左手でそれを固定し、右手でその続きを確認するように触れていくと、その柔らかな皮膚の感触やしっかりとした骨格と思しき形に、それが人間の…それも全人族の形であることに気づいて、更に驚かされた。

「すごいな、こんなに近くに接しているだろうに、全く存在を感じない」

 そうつぶやきながら、間者かもしれないのに、触れてもなおここまで存在を消して、みつかったというのに静かになにもせず佇んでいるこの謎の存在に興味が湧いて来た。

「…おい、お前。何者か知らないが、何故こんなところにいる? 姿を現せ」

 そう誰何すいかしながらも、この謎の存在の正体を確かめようとすることに思わず熱中し、ぶつぶつと呟きながらその形を確認しようと探る手を休まず動かしてしまっているが、その体がフルフルと動くので確認し辛いなと思った。
 そして、その結果分かったことは、頭頂部ではなく顔の横に毛のない耳があり、頭部には長く手入れの行き届いた手触りの良い真っ直ぐな髪が生えている。顔面や首には体毛がなく、まるで全人種のような特徴でもあるが、鼻は彼らより若干低く凹凸が乏しいような気がするし、その耳は長くとがっている彼らの耳に比べると、短く丸い。そうなると、全人種と断定してもよいかと迷う。色の確認もできればよかったのだが…。そう考えに耽りながら首や耳などに触れていると、その滑らかな手触りの良さに思わず何度も繰り返しなぞる様に撫でてしまい、その存在がその度にビクリビクリと体を揺らしているのに気づいた。

 …小柄なようでもあるし、女子供かもしれない……怯えているのだろうか? 

 しかし、例えそうであってもこれだけ拘束されて逃げられないようにされていれば無理もないかと思う。


 そしてそのまま、その手を徐々に首から下へ辿らせていくと、何かの毛皮にふれる。最初はこの存在の体毛かとも思ったのだが、ややすると、その合わせ目からそれが上質な魔獣の毛皮を纏っているだけだとわかったが、その首もとや手首には魔道具と思われる装身具がいくつもついていることに気づいて、驚愕した。
 この毛皮だけでも、母や王妃が着用していても遜色ない程滑らかで上質なものでだろうと思われる上に、なんだ、この装身具は。効果の程ははっきりとはわからないが、その細工の細かさや微かに見え隠れするような尋常じゃない気配に、その一つ一つが国宝級であると思われるのに、その存在はなんの痛痒も抱いていないように身に着けているのだ。
 俺位の魔力量があれば、それも可能であるかもしれないがそれでもかなり負担がかかるだろうし、魔法省にいるエリート魔導師であっても、これらの1個か2個を発動させるだけで限界だろう。 特に、その腕につけられているブレスレットと大きな魔石がはめこまれているだろう腕輪の存在はけた違いに強いと感じた。

「おいおい、どんな魔力総量があればこんなに扱えると……」

 そう無意識につぶやきながら、手を更に下方へ滑らせていくと、柔らかな胸元に行きつき、俺は自分の考えに確信を得た。

「…お前、華奢だと思ってたら、やっぱり女か…」

 そう語り掛けると、まるでそれが答えだとでもいうように、ビクリと体が震えたのを感じ、華奢な手首を握る左手に力がこもった。

 これは愉しくなりそうだ。

 そう考えると、同時に思わず口角が上がっているのを感じた。



「小ぶりではあるもののそれなりに張りもあり、感触も悪くない」

 セックスの時に口数が多くなる方ではないのだが、相手の反応を確かめる術が少ないと、思わず多弁になるようだと初めて気づいた。
 独身を通してきたとはいえ、もちろん女を抱いたことがないというわけではない。――最近はそれどころではなくなったのでご無沙汰していた感はあるが――むしろ欲を発散させるために抱いた女は多く、そのほとんどがあと腐れのない貴族専門の娼婦であったり、割り切った関係に慣れた未亡人だったりではあったが、これまで相手をしてきた女はそれなりにいた。…何人も側妃がいるくせにお堅い兄貴には「いい加減に落ち着け」と呆れられたものだが。
 しかし、この謎の女は、その中でも多少手が余る程度に小ぶりな方ではあるが、胸の形は綺麗で感度も悪くないと思った。
 今も、服の上から掬い上げた乳房を揉みしだいて、固く尖った乳首を指でこするだけで、その体がビクビクと反応しているのがわかる。そして、時々気まぐれに弾いて摘まみ上げると、一際大きくビクリと体が揺れた。左手は俺が動かないように固定しているので動かすことができないのだが、右手は自由であるのに口元から一向に動かす様子がない。時折何かを言おうとしているくせに、その手で声を抑制しているようでもあったので、その我慢がいつまで続くのか試したくなる。

「なんだ、服の上からちょっと触っただけですっかり立ち上がっているじゃないか。ここを触られると、ビクビク反応しているな? ここがイイのか?」

 柄にもなく女の羞恥心を呷るような口調で囁きながら、布越しに勃ちあがった乳首をやんわりと、それでいてしつこく擦ってコリコリと転がしてやると、女は庇うように背中を丸めたが、その呼吸が乱れているのはすぐに分かった。しかし、やはりその声が聞こえないとつまらない。さぞかしイイ声で鳴いてくれそうだというのに。

「…その感じやすい体で、我慢しているのか? それとも、聴覚阻害の効果で聞こえないだけか?」

 そう言いながら、袖のないドレスの脇からその手を侵入させて、直接女の肌を愉しみ、その胸を蹂躙した。

「…きめ細やかで、滑らかな、触り心地の良い肌だ…」

 そう言いながら、思わずその手触りの良さに没頭しそうになる。というか、本来はこんな職権乱用のようなことをするつもりではなかったはずなんだがな。 やはり、この手触りが止められない…
 今までやったことはなかったが、目隠しプレイでもされているようだな…と思うと、倒錯的な興奮がゾクゾクと腰のあたりを駆けあがり、撫でさするその手が熱を帯びたのがわかった。
 そうやっている間も、無意識に女の胸を揉みしだき、一人で感触を楽しんでいるようでもあったが、この女も、悦さそうに体を揺らしているのだからお互い様だと思えば、徐々にその動きを大胆なものにしてしまう。
 そして一頻り胸の感触を愉しんでいた手を一旦ドレスから引き抜き、徐々に輪郭を確かめる様にその手を脇腹や太もも、尻の方までなぞらせていくと、女は我慢できないというように身体をくねらせて、音もなく身もだえた。
 ここまでやってもまだ声を我慢しようというのかと思うと、どこまで我慢できるのか試したくなるのも仕方あるまい。
 女の秘密を暴いていくのは、狩猟をすることに似ている。
 俺は罠にかかった獲物を丸裸にするような興奮を覚えて、焦らす様にゆっくりとさすってやった。

「ふふっ、この淫乱な体で、どこまで堪えられるのか愉しくなってきた」

 そう言いながら、女の腕を掴んでいた左手を外してスッと体の位置を変えると、女の前方から右手で左の腿をさすり、その尻を左手で鷲掴みにして弾力を確認していると、その左足のサイドにきわどい位置までスリットが入っていることに気づいき、「ぐっ」と噴きそうになって顔を抑える。

 この女、どこまでエロいんだ。 …まさかとは思うが、ソレが目的で忍び込んだわけじゃないよな?

 そう思いながら気を取り直し、再びドレスのスリットから手を忍び込ませて、直にその手触りの良い腿をなぞると、女は息を吸い込み、声を漏らさないよう両手で口を押さえたようだった。 まだ、そんな理性が残っているかと思うと、少し苛立たしく思う。 もっと乱れればいいものを。

「……くくっ、こんなところまで開いて足が露わになる衣装なんて、エロい女だな? 高価な魔道具をジャラジャラ付けたりする程の財と、誰にも気づかれずに王宮の奥まで侵入する力を持ちながら、こんな奥庭で潜んでいる理由は分からないが……実は、親父か兄貴が呼び寄せた愛人だったりしないよな?」

 手で抱え込めるほど近くに来たその存在を腕の中に閉じ込め、案外小さいなと思った。そして、まさか子供ではあるまい…と思いつつ、耳元と思わしき位置で思わずそう言っていたが、その可能性も低いとは考えていた。 

 これはいくらあの二人でも、表に出せない愛人なんかにできる程、安い女ではないだろう。 

 そう直感したのだ。 何故か。 
 加えて、他の男の愛人なんかにするくらいなら……と考えそうになり、軽く頭を振って思考を打ち切ったが、興奮しているためか、めまいや頭痛は消失しており、全く感じていなかった。

 その後、女を腕の中に囲い込むように後ろへ手を回し、その両手を女の尻にあてがって鷲掴みすると、程よい弾力のある尻を揉んで、その狭間に指を滑らせる。すると、重さも温もりも感じないのに女が俺の胸によりかかっているような感触を感じ、もっと寄りかからせたいと思って、女の性感を刺激するようにその手を大胆に蠢かせた。

 スリットの隙間から忍び込ませた手で張りのある尻を揉みながら、もう片方の手で下着越しにその隘路を蹂躙すると、女の腰が砕けたように脱力し、俺の体に寄りかかっていることにも気づかぬ風でビクビクと反応しているのを感じつつ、隘路に差し込んだ指を無遠慮になぞらせると、ヌルヌルとした感触が加わってくるのを感じる。
 そして、思わずその首筋に唇を落としてニヤリと笑い、もっと反応を得ようと責める手を更に激しい物にしてやると、女の反応は顕著にわかるようになった。

「……ふーん、やっぱり尻尾はないのか…。そして、ちゃんと体毛が処理されている」

 獣人の貴族や富豪階級であれば、よくしている処置ではあるが、半獣人でもここまで体毛が薄いとなると珍しい。全人種の貴族・上級市民と寝たことが無いわけではないが、あちらはもう少し整える程度には生やしていたかと思う。やはりどこかアンバランスな存在だ。

 そうやって努めて冷静に考えながら女を責める手を緩めず、続けて耳元で

「それにしても、ちょっと感じやすすぎるんじゃないか? 淫乱め。 これだけでココからこんなに蜜を溢れさせて…下着がびしょ濡れになってきているぞ?」

 と、辱めながらグチャグチャと音を立てる様に、隘路に差し込んだ指にグッと力を入れた。
 女が少し上体を上げて何かを言っているようでもあったが、何も訴えない上の口よりも、下着越しに縦の線をなぞりながら、主張するように尖りきった陰核をグニグニと押しつぶしたり、よだれを垂らす蜜口に指を押し込んだ時の下の口の方がよほど饒舌ではないか。
 我慢できないとダラダラと蜜をこぼしている様を想像すると、なんとも卑猥だと思いながら、自分にはこんな嗜虐性があったのかと、気づく。
 そうして、時折下着の隙間から指を差し入れては蜜口の浅瀬をかき混ぜ、あふれ出てくる蜜を下着越しに露わになった陰核に擦り付けてしごいてやると、

 ビクビクンッ

 と、女の体が激しく揺れて、更に体を押し付けて来たような気がした。 俺は思わず抱きしめそうになったが…

 …これは、ヤバい。 そう思った。

 面白がって弄んではみたものの、そろそろ自分に余裕がなくなってきたのを感じる。
 正直、手にはそれが生きて動いているという感触があるものの、声も体温もなく匂いも微かで、その姿もただ若い女? というだけでしかない存在にこれほど夢中になってしまうとは思わなかった。
 ただ、その感触や形、感じやすさは自分好みだとは思ったが、それしかわからないのだ。
 それだけの存在に、こうまで煽られてしまうとは……実は結構自分の欲望が固くなってきていることには気づいていた。
 しかし、ここでどうこうするつもりはさすがになかったのだが。何せ、相手は姿が見えないので、ここでイタそうとすると、どうしても俺だけが局部丸出しで腰を振るような、なんともマヌケな図にしかならない気がする。
 それだけは死んでもごめんだ。
(そういう状況になると、いつもジェロームは興味がないので空間を閉ざして眠っている)

 あーー…とりあえず、ここで堕としてから持ち帰って、少しずつ暴いていくか。

 そう肚を決めて、女をやんわりと腕に囲って耳元に囁いた。

「…で、そろそろ正体を明かす気になったか?」 と。

「正直、ここまでされるがままで逃げ出しもせず、俺を害しようともしない全人族の若い女が刺客だとも思えないが…一応聞いておく」

 刺客としても、ここまで相手に翻弄される様な体たらくではやっていけまい。そして、そのもの慣れないような反応に、親父や兄貴の愛人という線もかなり薄いとみている。

「答えない様なら、この先も進んで行くぞ? 幸い、ここは外から見え辛いし、お前は誰にも見えないと来たものだ」

 それだけに、俺一人が遊んでいる様でもあるんだが。…その考えは一瞬で切り捨てて、言葉をつづけた。

「ふふっ…しかし、夜は長いからな、このまま答えてくれない方がお互い愉しめるとも思えば、口を割ろうが割るまいがどちらでもいいが…」

 そう、悪役の様な口調で囁きながら、尻を揉みこんで花弁を押し開いては陰核をくすぐり、蜜口に指を差し入れてグチョグチョとかきまわすと、面白い位にビクンビクンと体を揺らして更に体を持たれかけさせながら、沈黙という雄弁な反応を返してくるではないか。

 …持ち帰ってから、ゆっくりその衣服と共に秘密のベールを剥いでいく。 いかんな、なんか愉しくなってきた。

 なんとも心躍る考えだと思いながら下着を外し、そのまま堕としてやろうとその指を蜜口に深く潜り込ませようとした時だった。
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