58 / 118
第四章:地味に平和が一番です
4.精霊の女神様(爆)、王子たちとの再会ー後※
しおりを挟む
「やっと、捕まえた……」
泣きそうな表情で私を見つめながら息がかかる程至近距離で呟く王子に、私は何と返していいのかわからず、ゴクリと息を飲んでその動向を見守っているのだが、王子は申し訳なさそうな顔をして
「突然拘束して…怖がらせてしまって、済まない。……危害を加えるつもりはないから、ほんの少しだけでいい。あなたがここにいることを確かめさせてくれ…」
そう訴えかけた。
身体が大きい人が多い…というより、私の身長がここの基準からするとかなり小柄な部類にあるのか、獣人に比べるとやや小柄とも言える王子の体躯は、欧米の成人男性程度には逞しく感じ、その身長もこうして並んで立っていると、私より頭1個半位は大きいため、王子の胸元辺りに私の顔が来る。
殴られた報復をしに来たとか、王宮に忍び込んだ不審人物を捕えに来たとか、そういうつもりではなさそうであるし、とても思い詰めた様な、それでいて申し訳なさそうな様子でもあったため、私は抵抗せず…かといって視線を外すこともできずに間近で見上げながら、コクリと小さく頷いた。
すると、王子はおずおずと頬を寄せてきて…触れないギリギリの距離で私の首元に顔を埋め、耳元で「ふぅ…」と息をついた。
顔の横で腕を抑え込まれている以外は肌が接触している部分はないのだが、至近距離なため男性らしい体臭に混じって、高貴な育ちの王子様らしく香水でもつけているのか、柑橘系っぽく爽やかで甘い良い香りがしながらも、微かに温かな温もりの様なものも感じてしまって落ち着かない。
そうして、ジリジリと身動きも取れずに目を閉じてこの状況をどうにかやり過ごそうと思っていると、
「はぁ……甘い…」
王子は私の様子に気づいているのかいないのか、恍惚とした声色でうっとりと私の耳元で囁くので、その腰に響く低音がダイレクトに鼓膜に響き、思わずビクッと体が震えた。
「俺の見た幻じゃなかったんだな……脳がしびれるような、甘い、いい香りがする……」
その切ない響きの声が、吐息が耳や首元にかかり、「…っ!」と、私は思わず息を飲んだ。
近い、近すぎるっ!! そこでしゃべるの、やめてっ!
身じろぎもせずに、ジッとされるがままになっているのだが、油断すると、おかしな声を出してしまいそうになって内心焦ってしまう。
「ずっと、あなたに会いたかった。…あなたに会って………」
そううわ言の様に呟きながら、王子はスリ…と私の首元に頬を摺り寄せて来たので、私は堪え切れずに再びビクリと体を震わせ…気づくと腕の拘束が外されており、脇の下を通って背中に回された腕の中でそっと囲われるように抱かれていた。
「…この、小さくて華奢な体躯、すっぽりと腕に収まるサイズ感…やはり、あの時の…」
最初は腕の中で囲うように、壊れ物を扱うようにそっと包み込んできていたのだが、王子は、何かを確認しながら少し腕に力をこめたので、自由になり、やり場のなくなった私の腕は、王子の腕に添わせるように軽く袖を掴んでいる。
「あなたがここにいることを確認させてほしい…そして…何か言ってくれないか?」
王子の腕の中で、その厚い胸板を頬で感じ、全身でその匂いや温もりに包まれているのを感じるとドキドキと不整脈に襲われて、私は咄嗟に上手い言葉が思い浮かばず
「何か…って言われても……ああ、えーっと、何故この村にいるのですか?」
と、思わず返していた。すると、少しだけグッと腕に力を込められて、互いの体がより密着したのを感じていると、
「……ふふ…色々理由はあったのだが、あなたの姿を見た瞬間、あなたに会うために来たんだと思いだしたよ…」
と、王子は自嘲したように笑いながら、やっぱり私の耳元で囁くので、
いや、だから、近いっ! 近すぎるからぁっ!
と、内心取り乱しつつも王子の話す一言一言が私の鼓膜を震わせるような錯覚に陥り、思わず吐息が洩れそうになって王子の袖を掴む腕に力がこもる。
頬が紅潮して、身体が羞恥で熱くなっているのを自覚しながら、それでもこの空気をなんとかしたくて、私は更に口を開いた。
「ああああのっ! ジェロームは、良くなりましたか?」
このやたら甘さを感じる空気感がいたたまれず、思わずセリフを噛みながらパッと思いついたことを言ってしまうわけで。
すると、王子は私の首元にスリ…と頬を寄せると、
「………あなたには、その事だけでも返しきれない恩を感じている。 出会った頃のようにかわいい声を取り戻し、どんな治療方法を試しても、治しきることが叶わなかった魔導回路も修復できて……これから、あいつはあなたの隷属獣の様に大きくなることができるのだ……」
そう言って、いつものローブから剥き出しになっている私の首元をペロリと舐めた。
「ひゃんっ! ななな、なにを……」
先ほどからじれったいような焦らすような接触を図られて、全身の感覚が鋭敏になってしまっているところに、ただでさえ感じやすい首筋にぬるりと舌を這わせられて、思わず声が出てしまったのは仕方ないだろう。そして、抗議の意味も込めて体を離そうと試みると、逆にグッと腕に力を込められて、胸元に押し付けられるように、さらに深く抱きしめられていた。
「………あなたに対する感謝に、嘘偽りがないことは誓えるのだが………やはり、このような時に他の存在の名前が出ると、例えそれが盟友の名であっても穏やかでいられない……」
王子は私の耳元でうわ言の様に呟いていたのだが、そう言い終えると、再び私の首筋に舌を這わせて耳元まで舐め上げて来たので、私は思わず
「ぁっ…ん…はっ」
と、声を堪え切れずに漏らしながら、その背中に腕を回して夢中になってしがみついた。
「……匂いだけでなく、体液すら、甘いんだな……。
もっと強く抱きしめてくれ。…あなたがここにいると実感させてほしいんだ」
王子は、切なそうに耳元に声を吹き込みながら耳介を口に含み、その舌で耳の窪みに添わせるように舌を這わせて責めたてるので、ぬちゅぬちゅと響く水音がダイレクトに私の鼓膜を震わせた。
「はぁんっ。……みみ…やンっ……」
私はギュッと閉じた目に涙を浮かべ、ビクビクと体を揺らしながら王子の首元に顔を擦り付け、声を上げる。
「このかわいらしい耳の形は珍しいものだが、ここが感じるのは、他の種族と同じなんだな…」
そう言って、吐息を吹きかけながら耳元で話すのは、その声が下半身に響いて下腹部がジンジンするのでやめて欲しい。
「も…やぁ……」
私はハァハァと呼吸を乱しながら、抵抗の意味も込めて、耳を責める舌から逃れる様にその胸元に顔を擦り付けると、王子はそっと…しかし力強く私の体を抱き込み、いつかの時の様に、私の全身を確認するかのように私の背中やお尻にその指を這わせるではないか。
腰から背中にかけてその大きく温かな手で撫で擦られて、お尻を揉みしだかれると、私はビクリと大きく体を揺らし、
「あぁんっ…」
と、思わず大きな声を上げてしまう。
「…もっと声を聞かせてくれ」
王子は、私の頭部にむけて囁きながら、背中を撫で擦りつつローブ越しに私のお尻の割れ目に手を差し込んできたので、
「はぁンっ、やっ」
と、思わずゾクゾクと腰から立ち上る悪寒に耐え切れず、背中を反らして胸元を押し、互いの身体を離そうとしたのだが…背中に回した手に後頭部を支えられ、性急とも言える動きで唇を重ねられていた。
や…。ちょっと、手馴れすぎじゃないでしょうか!?
その流れるような行動に、弄ばれている感がヒシヒシと現れている気はするのだが、何度も角度を変えつつ唇を合わせられ、薄く開いた唇を割って、そっと挿入された舌に口腔内を愛撫されながら、柔らかな布地でできたローブ越しにお尻の割れ目に沿って手を差し込まれ、会陰の敏感な所までなぞられていると、快楽に脳を犯されているような錯覚があって、まともな思考ができなくなる。
くちゅ…くちゅ…
と、口腔内で舌を絡め合って、唾液が交わる水音が私の鼓膜を刺激しながら、最早言い訳の仕様もないほどヌルついた股間が気持ち悪く、思わずスリ…と腿をすり合わせると、微かにグチュリと水音が聞こえた気がした。
「はぁ…ヤバいな…。…あなたの体液は……魔力に満ち溢れていてクセになる…。…精霊や魔獣といった力に溢れた存在が虜になるのも無理はない……油断すると俺も持っていかれそうだ」
王子が思うさま私の口腔を犯していた唇を外すと、ツーっと私との間に糸を引いた唾液が生々しく、ぬめぬめと輝く唇がとても厭らしいと思った。
私は、その声に返事を返すこともできずに脱力して王子の胸元にもたれ掛かり、目を閉じたままハァハァと乱れた呼吸を繰り返していたが、身体に灯された快楽の火種がまだ燻っていることを感じ、うずうずとこらえ切れなくなって息を整える間もなく王子の首元にしがみついた。
「……まだ、やめないで……」
私がそう囁いて王子に頬を寄せると、王子は急に首元に抱き着かれて引き寄せられたことに驚いたのか反応が遅れ、その隙に今度は私からその唇にかぶりつく。
唇が再び触れ合った瞬間、ビクッと肩を震わせて戸惑った様子がちょっとかわいいと思った。
身長差があるので、外から見れば私が覆いかぶされているように見えるだろうが、そのピンクゴールドの頭を両手で抱えて、頭部にあるライオンのような丸い猫科の耳を撫で擦りながら、その舌をしごき上げる様に絡ませると、王子の逞しい体がビクリと跳ねる。
「はぁ…はぁ…ちょ、姫……」
王宮では、あれだけ堂々と振舞っていたのに、こんな小さな女に好きにされ、弱弱しい感じになっているのがたまらないと悦に入っていたのだが、漏れ聞こえた台詞から知るに、どうやら私の事は『姫』とでも呼んでいたようだった。不特定多数の人たちに呼ばれると、こっぱずかしいことこの上ない呼称だと思っていたが、現役バリバリの王子様からそう呼ばれると、何やら乙女のような、くすぐったい気持ちになるではないか。
私はニコリと微笑みながらも言葉は返さず、後ずさろうとする体を今度は私が壁に押し付け、逃がすまいと頭を抱きかかえてピクピクと動く耳元で囁いた
「ねえ……もう終わってもいいの? ここはこんなに物足りなさそうなのに?」
私は、固く主張している王子の股間に指を這わせて擽りながら、その首元に吸い付いて、薄く汗ばんだ首筋にヌルヌルと舌を這わせてその性感を刺激する。
まだだ、まだ終わらせんよ。
…人の体に火を付けておいて、スマートに撤収なんてさせませんよ。
むしろ、今度はこちらが捕食者の気分でチュッチュと項や喉仏に唇を落としては、スリスリと股間の怒張を刺激していくと、王子は「ふぅ…」と、快感を逃がす様に大きくため息をついて…
「くぅっ……どこでこんな手管を……。…人がせっかく穏便に済まそうと……」
これまでの事を思うと、どの口が言うのかというようなセリフを吐き、壁にもたれ掛かって固く目を閉じて、私を腕の中に囲い込む。
私はクスクスと笑い、弄ぶように手触りのいいローブ越しに王子のカタチを確かめながら撫でさすり、再び唇を侵略した。
ローブ越しに性急な動きでその手に余る大きさの性器を上下に擦り上げながら、何度も角度を変えて舌を絡ませ合っていると、王子も快楽に流されてきているのか、はぁはぁと息を切らせながら腰を揺らし、徐々にその昂りを私の手に擦りつける様に押し付けていることに気づいた。
「王子、きもちい?」
そう微笑み、勃起してカタチが露わになった性器を握って下から上へと刺激しながら、ローブの襟をはだけさせて鎖骨に舌を這わせて上目遣いに窺うと、王子は情欲に塗れてギラギラと輝く碧色の目で私を見下ろしており、頬が紅潮していながらも眼差しはブレることなくしっかりと私を捉えているではないか。
その剣呑な視線を捉えた瞬間「あ、マズい…」と悟り、ゾクリと背中が泡立つような悪寒が駆け抜け………
『クリスティアン! そこにいるのは姫ではないのか?!』
突然背後からかけられた、子供のような可愛らしい声に、思わず二人でビクッと体を震わせた。
『姫、姫、お会いしたかった!』
そう言いながら、茶色い毛玉…もとい、柴犬のような、秋田犬のような容貌の魔獣が飛び込んできたので、お互い思わずその場から飛び退り、私は胡散臭いとも言える引きつった微笑みで、ジェロームを迎え入れた。
「ひ、久しぶりだね。げげ元気だったかな?」
動揺のあまり、思わずセリフを噛んでしまうのは仕方ないだろう。今の今まで、なんとも爛れた抱擁を交わしていた真っ最中だったのだから。
『すっかり古傷も良くなって、私はこんなに立派になることができたのです!』
そう言って、えへんと胸を張ってクルンと巻かれた尻尾をフリフリしている姿がとても可愛らしく、昔実家で飼っていた犬の姿を思い出して、思わず微笑んでしまう。
確かに傷も何もなく動きもなめらかで、声も子供のように可愛らしい。
私はその場にしゃがみこんで、そのフワフワに整えられた毛皮の感触を楽しむと、そっとその体を抱いて立ち上がり、首元のモフモフに頬を擦り付けた。
「ふふふ……モフモフ……」
…うちのタロウのモフモフ胸毛に、勝るとも劣らない、幸せな感触、イイ匂い……ええなぁ…
そう思いながら、キュッと抱きしめていると、ジェロームはフンフンと鼻を鳴らして私の首元やら髪の中やらに鼻面を突っ込んで匂いを嗅いでいる。
『姫、クリスティアンともこのように密着したのか? すごく匂いが移って……キャンッ』
その何気ない無邪気な問いかけに、思わずビクリと反応してしまい、腕を開いてジェロームを取り落とす。
『主よ……この匂い………』
いつの間にかジェロームの後ろにいたタロウの視線が痛い……なんで合流しちゃってんのさ
…………きっと、タロウさんはご存じなんですよね、その感じ。
際どい所でしたが、セーフだったと思うんですけども……やめてください、そんな残念な子を見るような目で見ないでください。
後半はノリノリだったかもしれないけど、とっかかりは被害者だったと思うんですよ。
…あ、こんなところに引きずり込んだのは私だったか……
そう思いながら、言い訳することもできずに、ただただ半眼で見つめてくる大型犬サイズのタロウと目を合わせないように顔をそむけ、チラリと横目でクリスティアン王子の様子を窺うと、王子は別人の様に爽やかな表情でジェロームの背中を撫でて慰めつつ、かつて貴族の獣人娘たちに振りまいていた様な、大変嘘くさい笑顔でジェロームに笑いかけていたが…
王子……その股間、後で自分で処理してね。……ここ、男ばっかで娼館とか、ないから……
女子として、その思考はどうなのかという心配をしながら、私は気を取り直すように「ゲフン」と咳払いをして、タロウに向き直ると、
「そ、そろそろ帰ろうか…」
と、声を掛け、イソイソとその場を離脱しようと試みた。すると、
「待ってくれ」
帰ろうとした背後から声がかかって振り返ると、王子は今での様子とは異なった真剣な様子でこちらを見つめていた。
「こんな風に出会うつもりではなかったのだが…、あなたの行方を捜していたのは本当なんだ。俺たちは、まだ数日こちらに滞在する予定なので、明日、またここで会ってほしい。……あなたに、話を聞いてもらい……その上でお願いしたいことがあるので、どうか、会ってもらえないだろうか」
王子様という尊い身分の存在がするには、全く威厳を感じさせず、哀願でもするかのような話し方だったので、よほど困った事情があるのだろうと察することができ、そのように思い詰めた表情で言われて、内容も聞かずに断る程、私も鬼ではない。
「何か、事情があるようですね。 いいですよ、また明日、この時間に会いましょう」
そう言って転移の腕輪を発動させると、タロウと共に家へ帰ったのだった。
泣きそうな表情で私を見つめながら息がかかる程至近距離で呟く王子に、私は何と返していいのかわからず、ゴクリと息を飲んでその動向を見守っているのだが、王子は申し訳なさそうな顔をして
「突然拘束して…怖がらせてしまって、済まない。……危害を加えるつもりはないから、ほんの少しだけでいい。あなたがここにいることを確かめさせてくれ…」
そう訴えかけた。
身体が大きい人が多い…というより、私の身長がここの基準からするとかなり小柄な部類にあるのか、獣人に比べるとやや小柄とも言える王子の体躯は、欧米の成人男性程度には逞しく感じ、その身長もこうして並んで立っていると、私より頭1個半位は大きいため、王子の胸元辺りに私の顔が来る。
殴られた報復をしに来たとか、王宮に忍び込んだ不審人物を捕えに来たとか、そういうつもりではなさそうであるし、とても思い詰めた様な、それでいて申し訳なさそうな様子でもあったため、私は抵抗せず…かといって視線を外すこともできずに間近で見上げながら、コクリと小さく頷いた。
すると、王子はおずおずと頬を寄せてきて…触れないギリギリの距離で私の首元に顔を埋め、耳元で「ふぅ…」と息をついた。
顔の横で腕を抑え込まれている以外は肌が接触している部分はないのだが、至近距離なため男性らしい体臭に混じって、高貴な育ちの王子様らしく香水でもつけているのか、柑橘系っぽく爽やかで甘い良い香りがしながらも、微かに温かな温もりの様なものも感じてしまって落ち着かない。
そうして、ジリジリと身動きも取れずに目を閉じてこの状況をどうにかやり過ごそうと思っていると、
「はぁ……甘い…」
王子は私の様子に気づいているのかいないのか、恍惚とした声色でうっとりと私の耳元で囁くので、その腰に響く低音がダイレクトに鼓膜に響き、思わずビクッと体が震えた。
「俺の見た幻じゃなかったんだな……脳がしびれるような、甘い、いい香りがする……」
その切ない響きの声が、吐息が耳や首元にかかり、「…っ!」と、私は思わず息を飲んだ。
近い、近すぎるっ!! そこでしゃべるの、やめてっ!
身じろぎもせずに、ジッとされるがままになっているのだが、油断すると、おかしな声を出してしまいそうになって内心焦ってしまう。
「ずっと、あなたに会いたかった。…あなたに会って………」
そううわ言の様に呟きながら、王子はスリ…と私の首元に頬を摺り寄せて来たので、私は堪え切れずに再びビクリと体を震わせ…気づくと腕の拘束が外されており、脇の下を通って背中に回された腕の中でそっと囲われるように抱かれていた。
「…この、小さくて華奢な体躯、すっぽりと腕に収まるサイズ感…やはり、あの時の…」
最初は腕の中で囲うように、壊れ物を扱うようにそっと包み込んできていたのだが、王子は、何かを確認しながら少し腕に力をこめたので、自由になり、やり場のなくなった私の腕は、王子の腕に添わせるように軽く袖を掴んでいる。
「あなたがここにいることを確認させてほしい…そして…何か言ってくれないか?」
王子の腕の中で、その厚い胸板を頬で感じ、全身でその匂いや温もりに包まれているのを感じるとドキドキと不整脈に襲われて、私は咄嗟に上手い言葉が思い浮かばず
「何か…って言われても……ああ、えーっと、何故この村にいるのですか?」
と、思わず返していた。すると、少しだけグッと腕に力を込められて、互いの体がより密着したのを感じていると、
「……ふふ…色々理由はあったのだが、あなたの姿を見た瞬間、あなたに会うために来たんだと思いだしたよ…」
と、王子は自嘲したように笑いながら、やっぱり私の耳元で囁くので、
いや、だから、近いっ! 近すぎるからぁっ!
と、内心取り乱しつつも王子の話す一言一言が私の鼓膜を震わせるような錯覚に陥り、思わず吐息が洩れそうになって王子の袖を掴む腕に力がこもる。
頬が紅潮して、身体が羞恥で熱くなっているのを自覚しながら、それでもこの空気をなんとかしたくて、私は更に口を開いた。
「ああああのっ! ジェロームは、良くなりましたか?」
このやたら甘さを感じる空気感がいたたまれず、思わずセリフを噛みながらパッと思いついたことを言ってしまうわけで。
すると、王子は私の首元にスリ…と頬を寄せると、
「………あなたには、その事だけでも返しきれない恩を感じている。 出会った頃のようにかわいい声を取り戻し、どんな治療方法を試しても、治しきることが叶わなかった魔導回路も修復できて……これから、あいつはあなたの隷属獣の様に大きくなることができるのだ……」
そう言って、いつものローブから剥き出しになっている私の首元をペロリと舐めた。
「ひゃんっ! ななな、なにを……」
先ほどからじれったいような焦らすような接触を図られて、全身の感覚が鋭敏になってしまっているところに、ただでさえ感じやすい首筋にぬるりと舌を這わせられて、思わず声が出てしまったのは仕方ないだろう。そして、抗議の意味も込めて体を離そうと試みると、逆にグッと腕に力を込められて、胸元に押し付けられるように、さらに深く抱きしめられていた。
「………あなたに対する感謝に、嘘偽りがないことは誓えるのだが………やはり、このような時に他の存在の名前が出ると、例えそれが盟友の名であっても穏やかでいられない……」
王子は私の耳元でうわ言の様に呟いていたのだが、そう言い終えると、再び私の首筋に舌を這わせて耳元まで舐め上げて来たので、私は思わず
「ぁっ…ん…はっ」
と、声を堪え切れずに漏らしながら、その背中に腕を回して夢中になってしがみついた。
「……匂いだけでなく、体液すら、甘いんだな……。
もっと強く抱きしめてくれ。…あなたがここにいると実感させてほしいんだ」
王子は、切なそうに耳元に声を吹き込みながら耳介を口に含み、その舌で耳の窪みに添わせるように舌を這わせて責めたてるので、ぬちゅぬちゅと響く水音がダイレクトに私の鼓膜を震わせた。
「はぁんっ。……みみ…やンっ……」
私はギュッと閉じた目に涙を浮かべ、ビクビクと体を揺らしながら王子の首元に顔を擦り付け、声を上げる。
「このかわいらしい耳の形は珍しいものだが、ここが感じるのは、他の種族と同じなんだな…」
そう言って、吐息を吹きかけながら耳元で話すのは、その声が下半身に響いて下腹部がジンジンするのでやめて欲しい。
「も…やぁ……」
私はハァハァと呼吸を乱しながら、抵抗の意味も込めて、耳を責める舌から逃れる様にその胸元に顔を擦り付けると、王子はそっと…しかし力強く私の体を抱き込み、いつかの時の様に、私の全身を確認するかのように私の背中やお尻にその指を這わせるではないか。
腰から背中にかけてその大きく温かな手で撫で擦られて、お尻を揉みしだかれると、私はビクリと大きく体を揺らし、
「あぁんっ…」
と、思わず大きな声を上げてしまう。
「…もっと声を聞かせてくれ」
王子は、私の頭部にむけて囁きながら、背中を撫で擦りつつローブ越しに私のお尻の割れ目に手を差し込んできたので、
「はぁンっ、やっ」
と、思わずゾクゾクと腰から立ち上る悪寒に耐え切れず、背中を反らして胸元を押し、互いの身体を離そうとしたのだが…背中に回した手に後頭部を支えられ、性急とも言える動きで唇を重ねられていた。
や…。ちょっと、手馴れすぎじゃないでしょうか!?
その流れるような行動に、弄ばれている感がヒシヒシと現れている気はするのだが、何度も角度を変えつつ唇を合わせられ、薄く開いた唇を割って、そっと挿入された舌に口腔内を愛撫されながら、柔らかな布地でできたローブ越しにお尻の割れ目に沿って手を差し込まれ、会陰の敏感な所までなぞられていると、快楽に脳を犯されているような錯覚があって、まともな思考ができなくなる。
くちゅ…くちゅ…
と、口腔内で舌を絡め合って、唾液が交わる水音が私の鼓膜を刺激しながら、最早言い訳の仕様もないほどヌルついた股間が気持ち悪く、思わずスリ…と腿をすり合わせると、微かにグチュリと水音が聞こえた気がした。
「はぁ…ヤバいな…。…あなたの体液は……魔力に満ち溢れていてクセになる…。…精霊や魔獣といった力に溢れた存在が虜になるのも無理はない……油断すると俺も持っていかれそうだ」
王子が思うさま私の口腔を犯していた唇を外すと、ツーっと私との間に糸を引いた唾液が生々しく、ぬめぬめと輝く唇がとても厭らしいと思った。
私は、その声に返事を返すこともできずに脱力して王子の胸元にもたれ掛かり、目を閉じたままハァハァと乱れた呼吸を繰り返していたが、身体に灯された快楽の火種がまだ燻っていることを感じ、うずうずとこらえ切れなくなって息を整える間もなく王子の首元にしがみついた。
「……まだ、やめないで……」
私がそう囁いて王子に頬を寄せると、王子は急に首元に抱き着かれて引き寄せられたことに驚いたのか反応が遅れ、その隙に今度は私からその唇にかぶりつく。
唇が再び触れ合った瞬間、ビクッと肩を震わせて戸惑った様子がちょっとかわいいと思った。
身長差があるので、外から見れば私が覆いかぶされているように見えるだろうが、そのピンクゴールドの頭を両手で抱えて、頭部にあるライオンのような丸い猫科の耳を撫で擦りながら、その舌をしごき上げる様に絡ませると、王子の逞しい体がビクリと跳ねる。
「はぁ…はぁ…ちょ、姫……」
王宮では、あれだけ堂々と振舞っていたのに、こんな小さな女に好きにされ、弱弱しい感じになっているのがたまらないと悦に入っていたのだが、漏れ聞こえた台詞から知るに、どうやら私の事は『姫』とでも呼んでいたようだった。不特定多数の人たちに呼ばれると、こっぱずかしいことこの上ない呼称だと思っていたが、現役バリバリの王子様からそう呼ばれると、何やら乙女のような、くすぐったい気持ちになるではないか。
私はニコリと微笑みながらも言葉は返さず、後ずさろうとする体を今度は私が壁に押し付け、逃がすまいと頭を抱きかかえてピクピクと動く耳元で囁いた
「ねえ……もう終わってもいいの? ここはこんなに物足りなさそうなのに?」
私は、固く主張している王子の股間に指を這わせて擽りながら、その首元に吸い付いて、薄く汗ばんだ首筋にヌルヌルと舌を這わせてその性感を刺激する。
まだだ、まだ終わらせんよ。
…人の体に火を付けておいて、スマートに撤収なんてさせませんよ。
むしろ、今度はこちらが捕食者の気分でチュッチュと項や喉仏に唇を落としては、スリスリと股間の怒張を刺激していくと、王子は「ふぅ…」と、快感を逃がす様に大きくため息をついて…
「くぅっ……どこでこんな手管を……。…人がせっかく穏便に済まそうと……」
これまでの事を思うと、どの口が言うのかというようなセリフを吐き、壁にもたれ掛かって固く目を閉じて、私を腕の中に囲い込む。
私はクスクスと笑い、弄ぶように手触りのいいローブ越しに王子のカタチを確かめながら撫でさすり、再び唇を侵略した。
ローブ越しに性急な動きでその手に余る大きさの性器を上下に擦り上げながら、何度も角度を変えて舌を絡ませ合っていると、王子も快楽に流されてきているのか、はぁはぁと息を切らせながら腰を揺らし、徐々にその昂りを私の手に擦りつける様に押し付けていることに気づいた。
「王子、きもちい?」
そう微笑み、勃起してカタチが露わになった性器を握って下から上へと刺激しながら、ローブの襟をはだけさせて鎖骨に舌を這わせて上目遣いに窺うと、王子は情欲に塗れてギラギラと輝く碧色の目で私を見下ろしており、頬が紅潮していながらも眼差しはブレることなくしっかりと私を捉えているではないか。
その剣呑な視線を捉えた瞬間「あ、マズい…」と悟り、ゾクリと背中が泡立つような悪寒が駆け抜け………
『クリスティアン! そこにいるのは姫ではないのか?!』
突然背後からかけられた、子供のような可愛らしい声に、思わず二人でビクッと体を震わせた。
『姫、姫、お会いしたかった!』
そう言いながら、茶色い毛玉…もとい、柴犬のような、秋田犬のような容貌の魔獣が飛び込んできたので、お互い思わずその場から飛び退り、私は胡散臭いとも言える引きつった微笑みで、ジェロームを迎え入れた。
「ひ、久しぶりだね。げげ元気だったかな?」
動揺のあまり、思わずセリフを噛んでしまうのは仕方ないだろう。今の今まで、なんとも爛れた抱擁を交わしていた真っ最中だったのだから。
『すっかり古傷も良くなって、私はこんなに立派になることができたのです!』
そう言って、えへんと胸を張ってクルンと巻かれた尻尾をフリフリしている姿がとても可愛らしく、昔実家で飼っていた犬の姿を思い出して、思わず微笑んでしまう。
確かに傷も何もなく動きもなめらかで、声も子供のように可愛らしい。
私はその場にしゃがみこんで、そのフワフワに整えられた毛皮の感触を楽しむと、そっとその体を抱いて立ち上がり、首元のモフモフに頬を擦り付けた。
「ふふふ……モフモフ……」
…うちのタロウのモフモフ胸毛に、勝るとも劣らない、幸せな感触、イイ匂い……ええなぁ…
そう思いながら、キュッと抱きしめていると、ジェロームはフンフンと鼻を鳴らして私の首元やら髪の中やらに鼻面を突っ込んで匂いを嗅いでいる。
『姫、クリスティアンともこのように密着したのか? すごく匂いが移って……キャンッ』
その何気ない無邪気な問いかけに、思わずビクリと反応してしまい、腕を開いてジェロームを取り落とす。
『主よ……この匂い………』
いつの間にかジェロームの後ろにいたタロウの視線が痛い……なんで合流しちゃってんのさ
…………きっと、タロウさんはご存じなんですよね、その感じ。
際どい所でしたが、セーフだったと思うんですけども……やめてください、そんな残念な子を見るような目で見ないでください。
後半はノリノリだったかもしれないけど、とっかかりは被害者だったと思うんですよ。
…あ、こんなところに引きずり込んだのは私だったか……
そう思いながら、言い訳することもできずに、ただただ半眼で見つめてくる大型犬サイズのタロウと目を合わせないように顔をそむけ、チラリと横目でクリスティアン王子の様子を窺うと、王子は別人の様に爽やかな表情でジェロームの背中を撫でて慰めつつ、かつて貴族の獣人娘たちに振りまいていた様な、大変嘘くさい笑顔でジェロームに笑いかけていたが…
王子……その股間、後で自分で処理してね。……ここ、男ばっかで娼館とか、ないから……
女子として、その思考はどうなのかという心配をしながら、私は気を取り直すように「ゲフン」と咳払いをして、タロウに向き直ると、
「そ、そろそろ帰ろうか…」
と、声を掛け、イソイソとその場を離脱しようと試みた。すると、
「待ってくれ」
帰ろうとした背後から声がかかって振り返ると、王子は今での様子とは異なった真剣な様子でこちらを見つめていた。
「こんな風に出会うつもりではなかったのだが…、あなたの行方を捜していたのは本当なんだ。俺たちは、まだ数日こちらに滞在する予定なので、明日、またここで会ってほしい。……あなたに、話を聞いてもらい……その上でお願いしたいことがあるので、どうか、会ってもらえないだろうか」
王子様という尊い身分の存在がするには、全く威厳を感じさせず、哀願でもするかのような話し方だったので、よほど困った事情があるのだろうと察することができ、そのように思い詰めた表情で言われて、内容も聞かずに断る程、私も鬼ではない。
「何か、事情があるようですね。 いいですよ、また明日、この時間に会いましょう」
そう言って転移の腕輪を発動させると、タロウと共に家へ帰ったのだった。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
残念女子高生、実は伝説の白猫族でした。
具なっしー
恋愛
高校2年生!葉山空が一妻多夫制の男女比が20:1の世界に召喚される話。そしてなんやかんやあって自分が伝説の存在だったことが判明して…て!そんなことしるかぁ!残念女子高生がイケメンに甘やかされながらマイペースにだらだら生きてついでに世界を救っちゃう話。シリアス嫌いです。
※表紙はAI画像です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる