55 / 266
番外編 剣士様の筆おろし
3
****
ミシ……ーー
微かにベッドが軋んで、眠る俺の意識をかすめた。
鼻先に甘い匂いが漂っている。
目を薄く開けると、ベッド横のランプに照らされて人影が浮かんでいた。
その影は俺の上に跨っていて、顔を近づけると長い黒髪がさらりと落ちてきて頬に触れた。
それは宿屋の娘、ミシェットさんだった。
「え! えぇ!?」
驚く俺にミシェットさんは艶やかな笑みを浮かべて俺の唇にそっと人差し指を当てた。
「静かに。みんなに聞こえちゃいます」
「え? え? ど、どうして俺の部屋に?」
困惑しきっている俺に、ミシェットさんはくすりと笑った。
「決まってるじゃないですか。……夜這いにきたんですよ」
そう言って唇を重ねてきた。
まるでエロマンガのような展開に俺は目を白黒させた。
う、嘘!?
まさか俺にもモテ期到来!?
正直ミシェットさんがどんな人かは全く知らないけれど、こんな可愛い人なら体から始まる関係もありだ!
軽いキスを重ねた後に、休む間もなく口の中に舌を差し込まれた。
不名誉なことだけれどこういう深い口づけはアーロンとしたことがあったので、もたもたせず絡ませることが出来た。
おかげで童貞丸出しの反応で女の子に引かれることは免れた。
ありがとう、アーロン……!
まさかアーロンに感謝する日が来るとは思っていなかった。
あの消し去りたいトラウマ的過去もこの時の練習だと思えばまぁ許せないこともない。
「んっ……ん……」
とてもあの清楚な感じのミシェットさんとは思えない積極的な動きで舌を絡めてくるので経験値ほぼゼロの俺はもうされるがままだ。
不意に彼女の手が下半身に伸ばされてビクッと体が震えた。
しかし気持ちよさに身も心も委ねていた俺は拒むことなくその手を受け入れた。
ズボンの上から緩急をつけるようにして撫でたり揉んだりするその手は俺のものを包み込むほど大きかった。
それほど俺のアレが小さいのか、それとも彼女の手が大きいだけなのか……後者であることを祈るばかりだ。
そんな違和感など吹き飛ぶほど気持ちよかったが、段々物足りなさを感じ始めて悶々とし始めた。
き、気持ちいいけど、もっとちゃんと触って欲しい……!
俺は意を決して、いや割と欲望にせっつかれるがまま簡単に口を開いた。
「はぁっ……ズ、ズボンの上からじゃなくって……直に触って……っ」
思いもよらず涎にまみれたようないやらしい声が出て自分でも驚いた。
でも触って欲しい気持ちで頭がいっぱいそんなことはどうでもよかった。
ミシェットさんも驚いたのか手の動きが止まった。
それが焦れったくて、俺は自分からズボンを脱ごうとしたが、彼女の手が股間に触れたままなので、途中までしか下ろすことができなかった。
「……っはぁ、はやく、触って……っ、俺、待てない……っ」
布越しでもあんなに気持ちよかったのだから直に触られたらもっと気持ちいいに決まってる……!
そんな期待と焦れったさから俺は恥も外聞もなくほぼ初対面と言っても過言でない女の子にねだってしまった。
ミシェットさんはそんな俺の露骨なおねだりに驚いたのか固まっていたけれど、すぐに口元に微笑みを漂わせて顔を近づけてきた。
「……本当に可愛いな、ソウシは」
「……え?」
目の前の唇が発した声が思いも寄らず低くなったので、気持ちよさでとろとろになった俺もさすがにこの時ばかりは目を剥いた。
あなたにおすすめの小説
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
「ねぇ、俺以外に触れられないように閉じ込めるしかないよね」最強不良美男子に平凡な僕が執着されてラブラブになる話
ちゃこ
BL
見た目も頭も平凡な男子高校生 佐藤夏樹。
運動神経は平凡以下。
考えていることが口に先に出ちゃったり、ぼうっとしてたりと天然な性格。
ひょんなことから、学校一、他校からも恐れられている不良でスパダリの美少年 御堂蓮と出会い、
なぜか気に入られ、なぜか執着され、あれよあれよのうちに両思い・・・
ヤンデレ攻めですが、受けは天然でヤンデレをするっと受け入れ、むしろラブラブモードで振り回します♡
超絶美形不良スパダリ✖️少し天然平凡男子