73 / 266
第2章 異世界でももふもふは正義!?
3
しおりを挟む
「……チッ、外れた」
舌打ちと共に不穏な言葉を吐き捨てるドゥーガルドにぞわりと鳥肌が立った。
「ちょっと、チェルノを守る以外で僕の弓を使わないでくれるかなぁ。もったいない」
ジェラルドが肩を竦めて、弓矢の回収に向かった。どうやらジェラルドの弓を借りたようだ。
いやいや、つーか、チェルノ以外守る気ないのかよ!
物腰柔らかで優しげな口調なのでついつい忘れそうになるがジェラルドもだいぶブッ飛んだ性格だったことを思い出す。
「テメェ! 何しやがる! こいつはともかく俺に刺さったらどうしてくれんだ!」
「いや! 俺の方こそお前に巻き込まれて刺さったら可哀想だよ!」
アーロンに刺さるのは自業自得以外の何ものでもないが、俺は完全にとばっちりだ。
「……大丈夫だ。俺がソウシに怪我をさせるわけないだろ。もしそんなことがあったらこの命をもって償う」
「重い重い! 大丈夫! 大丈夫だから!」
本当に何かあったら切腹でもしかねない真顔で言うものだから俺は慌てた。
「それにドゥーガルドがいなくなったら色々困るからな」
基本チェルノとジェラルドは人に無関心なので、自分達に害がなければアーロンの横暴な所業を止めることはあまりない。
ドゥーガルドはそんな中、唯一俺を守ってくれる貴重な存在なのだ。
……まぁ、ドゥーガルドも俺のケツを狙っているので、完全に安全な味方ではないが。
「……そうか。ソウシはそんなに俺を失いたくないんだな。……嬉しい。そうだな、結婚をするというのにそんな無責任なことを言ってはいけないな」
「いつ誰が結婚するって言った!?」
俺の事になると妄想と現実の区別がつかなくなるのも玉に瑕だ。
ドゥーガルドの言葉にアーロンがハッと鼻を鳴らして笑った。
「じゃあ未来の旦那様が嫁の代わりに水を汲みに行けよ。お前の身に何かあった時はその未亡人は俺がもらってやるからよ」
「誰が未亡人だ!」
結婚はしてないし、嫁じゃないし、ドゥーガルドが死のうと生きようと俺は赤の他人だ。
右も左もボケばっかりで、ツッコミがいよいよ間に合わない。
「……あのクズの言いなりになるのは嫌だが、ソウシを行かせるのは心配だ。俺が行こう」
「いやいや、無理しなくていいって。今足をケガしてるだろ」
包帯が巻かれたドゥーガルドのふくらはぎをちらりと見る。
三日前に遭遇したモンスターから俺を庇った時にできた傷だ。幸いにも歩けないほどひどくはないが、それでも無理はさせたくない。
「……でも心配だ。もし可愛いソウシの身に何かあったら俺は……この森のモンスターを殺し尽くす」
「どこの狂戦士だよ!」
真顔どころか目に殺意を宿しているドゥーガルドに思わず身震いする。
「……でも一人じゃ危ない。それに一人では重いだろ」
「大丈夫。あれだったらチェルノに手伝ってもらうし」
チェルノを誘えばもれなくジェラルドもついてくるし、一石二鳥だ。
チェルノに同行をお願いしようとくるりと振り返ったが、
「殺す殺す殺す殺す……」
「ひえっ!」
膝を抱きながら暗い目でと呪いの言葉のように重い呟きを繰り返すチェルノに、思わず短く悲鳴を上げた。
舌打ちと共に不穏な言葉を吐き捨てるドゥーガルドにぞわりと鳥肌が立った。
「ちょっと、チェルノを守る以外で僕の弓を使わないでくれるかなぁ。もったいない」
ジェラルドが肩を竦めて、弓矢の回収に向かった。どうやらジェラルドの弓を借りたようだ。
いやいや、つーか、チェルノ以外守る気ないのかよ!
物腰柔らかで優しげな口調なのでついつい忘れそうになるがジェラルドもだいぶブッ飛んだ性格だったことを思い出す。
「テメェ! 何しやがる! こいつはともかく俺に刺さったらどうしてくれんだ!」
「いや! 俺の方こそお前に巻き込まれて刺さったら可哀想だよ!」
アーロンに刺さるのは自業自得以外の何ものでもないが、俺は完全にとばっちりだ。
「……大丈夫だ。俺がソウシに怪我をさせるわけないだろ。もしそんなことがあったらこの命をもって償う」
「重い重い! 大丈夫! 大丈夫だから!」
本当に何かあったら切腹でもしかねない真顔で言うものだから俺は慌てた。
「それにドゥーガルドがいなくなったら色々困るからな」
基本チェルノとジェラルドは人に無関心なので、自分達に害がなければアーロンの横暴な所業を止めることはあまりない。
ドゥーガルドはそんな中、唯一俺を守ってくれる貴重な存在なのだ。
……まぁ、ドゥーガルドも俺のケツを狙っているので、完全に安全な味方ではないが。
「……そうか。ソウシはそんなに俺を失いたくないんだな。……嬉しい。そうだな、結婚をするというのにそんな無責任なことを言ってはいけないな」
「いつ誰が結婚するって言った!?」
俺の事になると妄想と現実の区別がつかなくなるのも玉に瑕だ。
ドゥーガルドの言葉にアーロンがハッと鼻を鳴らして笑った。
「じゃあ未来の旦那様が嫁の代わりに水を汲みに行けよ。お前の身に何かあった時はその未亡人は俺がもらってやるからよ」
「誰が未亡人だ!」
結婚はしてないし、嫁じゃないし、ドゥーガルドが死のうと生きようと俺は赤の他人だ。
右も左もボケばっかりで、ツッコミがいよいよ間に合わない。
「……あのクズの言いなりになるのは嫌だが、ソウシを行かせるのは心配だ。俺が行こう」
「いやいや、無理しなくていいって。今足をケガしてるだろ」
包帯が巻かれたドゥーガルドのふくらはぎをちらりと見る。
三日前に遭遇したモンスターから俺を庇った時にできた傷だ。幸いにも歩けないほどひどくはないが、それでも無理はさせたくない。
「……でも心配だ。もし可愛いソウシの身に何かあったら俺は……この森のモンスターを殺し尽くす」
「どこの狂戦士だよ!」
真顔どころか目に殺意を宿しているドゥーガルドに思わず身震いする。
「……でも一人じゃ危ない。それに一人では重いだろ」
「大丈夫。あれだったらチェルノに手伝ってもらうし」
チェルノを誘えばもれなくジェラルドもついてくるし、一石二鳥だ。
チェルノに同行をお願いしようとくるりと振り返ったが、
「殺す殺す殺す殺す……」
「ひえっ!」
膝を抱きながら暗い目でと呪いの言葉のように重い呟きを繰り返すチェルノに、思わず短く悲鳴を上げた。
65
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。ユリウスに一目で恋に落ちたマリナは彼の幸せを願い、ゲームとは全く違う行動をとることにした。するとマリナが思っていたのとは違う展開になってしまった。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)
ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目
カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる