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フィオナ編

第13話 囚われる者

　トントンやコンコンのノックの音もなしに、部屋の扉が見知らぬ女の子によって開けられました。名前が書かれた紙切れを見せながら私の名前を確認すると、純白のネグリジェと純白のパンティー、部屋の番号と訪れる時間が書かれた紙のメモを私に渡すと、黙って部屋から出て行きました。

　フィオナ「(・・?)今の娘はなんなの？一言も喋らなかったけど、ここでは、あれが普通なの？」

　マリア「(-_-)あの娘はアンナ。年は13歳。ここに来たのは1年前ぐらいかな？新都で迷子になっているところを男達に拐われてやって来たんだよ。その時はキチンと話しは出来たんだけど、さっき話したビスコの相手をした後に、喋れなくなってしまったんだよ。今じゃ、喋れなくなった事で声で客を喜ばせる事も出来ないけど、あの容姿だろ！声は要らないという客の相手は今でも続けさせられているよ！」と私の一つ年下の女の子が旅行中に誘拐されて酷い事をさせられていました。地元の有力者が裏で動いて事件は捜査されずに放置されていました。

　フィオナ「Σ(-᷅_-᷄๑)なるほどね！街の有力者をお得意様にすると、そんな便利な事が出来るようになるのね。でも、頻繁に誘拐していたら、流石にバレるんじゃないの？だって余所の大陸から来た娘を誘拐したら、その大陸の人達が黙っていないでしょう？」と本当は休むつもりでベットに横になっていましたが、さっきのアンナが妹の姿に重なってしまって、気になって眠れそうにありません。

　マリア「この大陸には神の神殿があるんだよ(笑)！巡礼や旅行と言って、女遊びにやって来る、余所の大陸の、お偉いさんもいるんだよ。馬鹿な男が偉くなり過ぎると大変だねぇ～！」と笑いながら話してくれていますが、全然笑えません！ここに長い間いると、男の相手をするだけで他にする事はないそうです。男を身体を使って虜にする事が出来れば、プレゼントとして色々な物を持って来てくれるらしいです。

　フィオナ「へぇ～♬このナイフも男からのプレゼントなのね？でも、どうせ貰うなら、毒薬の方が良かったんじゃないの？そしたら、無駄な人生にすぐにさよなら出来るのに(笑)。」と好きでもない男に抱かれて、男に気に入られる事だけを考える人生に、何の意味があるのでしょうか？私なら客の男を殺して、殺された方がマシです。

　マリア「最初は誰だって抵抗するのよ。時間が経てば少しずつ考え方は変わって行くの、最後は私のようになるだけ(笑)！それに女としての価値がなくなったら口封じに殺されるか、組織の一員になるしか選択肢はないのよ。私は19歳だから、20歳になれば、その辺の一般のお店の女達と一緒の価値しかないのよ！希少性が無くなった女は、女としての価値ではなく労働力として必要にされるの！可愛らしい女の子を見つけらた仲良くなって、馬車に乗せてここまで連れて来るの、そうする事で組織の仲間として認められる存在になるのよ。」とさっきの少女アンナを連れて来たのは、マリアです。あれから何人もの子供達を連れて来た事で、組織に功績を認められ、特別に外出許可も与えられています。

　フィオナ「ʕ⁎̯͡⁎ʔ༄💬(確かに自由が手に入ったかもしれないけど、その自由を手に入れる為に多くの犠牲者が存在する事が分かっていない。)」と被害者だった少女が長い牢獄暮らしで、加害者に変えられてしまいました。そこまでして生きていたいのでしょうか？