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第三十八話 敵も超加速使えるみたい
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『今日はこの辺で勘弁してやる』
そう言うと壁のトンネルに向かって超加速した。
つまりは逃げた。
『逃がすかよ。”超加速”』
もちろんそれは許されない。強そうな大鳥達が追いかけてきた。
ピーちゃんの本気のスピードにも楽々付いてきて、しかも追い越した。
『チビのくせに俺を【使役】できると思ったか?』
『シャー!』
『‼︎』
ヒゲ猫にも追いつかれた。
ピーちゃん、何で敏捷上げなかったの?
ここの魔物、全員超加速使えるみたいだよ。
『ハァハァ、ハァハァ、ハァハァ、死ぬ死ぬ死ぬ!』
地上スレスレを逃げ回るピーちゃんに次々に攻撃が降ってくる。
誰が最初にピーちゃんをブチ殺せるか競争だ。
騒ぎを聞きつけて、ヒゲ猫も増えていく。
どんどん敵の数が増えていく。
『やるしかない!』
このままだとトンネルに逃げる前に死んでしまう。
死を覚悟したピーちゃんはもう一度使った。
『”ピィーー”』
仲間を呼んだ。いや、敵だ。
追いかけている大鳥達がさらに怒っている。
怒らせたかったのなら大成功だけど、敵を呼んだから大鳥達が爆発的に増えた。
今では一対百四十を超えている。
『”ピィーー”』
それなのに逃げ回りながら何度も呼んでいる。
死を覚悟して、馬鹿になったみたいだ。
『邪魔だ退け!』
『お前が退け!』
『シャー!』
おかしな行動はこれが狙いだったんだね。
ピーちゃんを攻撃しようにも大鳥とヒゲ猫が多すぎる。
お互いが邪魔で攻撃が出来ない。無理にしようとして攻撃が当たっている。
同士討ちの仲間割れが今にも始まりそうだ。
『これで全員? 思ったより少ないね』
ピーちゃんにとってはわずかな逃げるチャンスの到来だ。
でも、そうはしなかった。集まった四百近くの敵に向かって言った。
逃げていたんじゃなくて、敵を集めていた。
わざわざ一対四百をする理由は分からないけど、ピーちゃんがそう言っている。
だったらそうなのだろう。
『全員まとめてかかって来い。ぶっ飛ばしてやる』
最後に特大の敵を呼ぶを使うと、ピーちゃんの無謀な戦いが始まった。
わざわざ言われなくても敵全員が襲いかかって来た。
『死ね』
群がる敵にアリ一匹逃げる隙間もなかったそうだ。
でも、ピーちゃんは敵達の隙間を通り抜けて攻撃を躱した。
ピーちゃん、自分が何言ってるか分かってる?
不可能を可能にしたんだよ。
これって誰にでも出来ることじゃないんだよ。
僕、アリ以下の存在のピーちゃんを尊敬するよ。
『ぐぅっ!』
攻撃を躱しながらの反撃だ。口に咥えたバードスペシャルでかすり傷をつけた。
大鳥の強靭な翼に当たるだけでもピーちゃんには瀕死の一撃だ。
死の恐怖を乗り越えて、反撃の一撃を何度も繰り出し続ける。
【種族:ブルーバード レベル35 筋力29 耐久22 敏捷75 器用17 知力11 魔力32 運11 残りポイント3 『バードストライク習得』『超加速習得』『仲間を呼ぶ習得』】
やっと大鳥を一匹だけ倒した。残りは分からないそうだ。とにかくたくさんだ。
でも、レベルが上がったのでピーちゃんは迷わずにポイント使った。
もちろん使ったのは敏捷だ。僕なら攻撃避ける為に器用を上げる。
僕達、気が合わないね。
『チッ。障害物が多すぎる。上に飛ばさせろ!』
『そんなの分かってんだよ! あの野朗、木の周りばっか飛びやがって!』
大鳥達もピーちゃん抹殺の為に協力を開始した。
邪魔な樹木とツルだらけの地上よりも上空に連れ出そうとしている。
もちろんピーちゃんは地上スレスレ、樹木スレスレで逃げ回る。
空に逃げて助かるならとっくにやっている。
『ぐぅっ、雑魚が群れやがって』
雑魚はピーちゃんだけだよ。
もう地面に穴掘って隠れなよ。それが一番いいと思うよ。
『背中がガラ空きだよ』
『ぐがぁ!』
そっちに隠れちゃったんだ。
大鳥の背中に両脚で掴まると背中をバターナイフで切りまくった。
『そのまま潰れろ』
『‼︎』
そんなピーちゃんに向かって、空から大鳥が降ってきた。
『ぐぎゃあ……‼︎』
仲間の背中を大きな両脚で踏みつけて、地面に叩き潰した。
『あ、危なかった!』
もちろんピーちゃんは逃げていた。逃げなきゃ死ぬからだ。
『小さすぎて狙って落とすのは無理か。おい、翼で叩き落とすぞ!』
『よし、網だ! 逃げる隙間も与えないように展開しろ!』
逃げられないように樹木や空を塞ぐ大鳥の檻が完成した。
ピーちゃん、これが仲間だよ。死ぬ前によく見ておくんだよ。
あっ、死んでないから帰ってきたのか。
ごめんね。どうやって逃げてきたの?
『ハァハァ、ハァハァ、逃げれない』
だよね。逃げられないよね。
『このまま縮めていくぞ。押し潰してやる』
それにまだ終わりじゃない。大鳥達の檻が徐々に接近してきた。
ムチ猫は檻の中に入れないように、別の大鳥達が邪魔している。
都合よく邪魔者は現れないし、助けてくれない。
だから、ピーちゃんは……
『す、すみません。許してください』
『コ、コイツ、やりやがった!』
地面に降りると頭を下げた。大鳥達に動揺が走った。
これを世間一般的には土下座という。
命を捨てたくないから、誇りを捨てたんだね。
そう言うと壁のトンネルに向かって超加速した。
つまりは逃げた。
『逃がすかよ。”超加速”』
もちろんそれは許されない。強そうな大鳥達が追いかけてきた。
ピーちゃんの本気のスピードにも楽々付いてきて、しかも追い越した。
『チビのくせに俺を【使役】できると思ったか?』
『シャー!』
『‼︎』
ヒゲ猫にも追いつかれた。
ピーちゃん、何で敏捷上げなかったの?
ここの魔物、全員超加速使えるみたいだよ。
『ハァハァ、ハァハァ、ハァハァ、死ぬ死ぬ死ぬ!』
地上スレスレを逃げ回るピーちゃんに次々に攻撃が降ってくる。
誰が最初にピーちゃんをブチ殺せるか競争だ。
騒ぎを聞きつけて、ヒゲ猫も増えていく。
どんどん敵の数が増えていく。
『やるしかない!』
このままだとトンネルに逃げる前に死んでしまう。
死を覚悟したピーちゃんはもう一度使った。
『”ピィーー”』
仲間を呼んだ。いや、敵だ。
追いかけている大鳥達がさらに怒っている。
怒らせたかったのなら大成功だけど、敵を呼んだから大鳥達が爆発的に増えた。
今では一対百四十を超えている。
『”ピィーー”』
それなのに逃げ回りながら何度も呼んでいる。
死を覚悟して、馬鹿になったみたいだ。
『邪魔だ退け!』
『お前が退け!』
『シャー!』
おかしな行動はこれが狙いだったんだね。
ピーちゃんを攻撃しようにも大鳥とヒゲ猫が多すぎる。
お互いが邪魔で攻撃が出来ない。無理にしようとして攻撃が当たっている。
同士討ちの仲間割れが今にも始まりそうだ。
『これで全員? 思ったより少ないね』
ピーちゃんにとってはわずかな逃げるチャンスの到来だ。
でも、そうはしなかった。集まった四百近くの敵に向かって言った。
逃げていたんじゃなくて、敵を集めていた。
わざわざ一対四百をする理由は分からないけど、ピーちゃんがそう言っている。
だったらそうなのだろう。
『全員まとめてかかって来い。ぶっ飛ばしてやる』
最後に特大の敵を呼ぶを使うと、ピーちゃんの無謀な戦いが始まった。
わざわざ言われなくても敵全員が襲いかかって来た。
『死ね』
群がる敵にアリ一匹逃げる隙間もなかったそうだ。
でも、ピーちゃんは敵達の隙間を通り抜けて攻撃を躱した。
ピーちゃん、自分が何言ってるか分かってる?
不可能を可能にしたんだよ。
これって誰にでも出来ることじゃないんだよ。
僕、アリ以下の存在のピーちゃんを尊敬するよ。
『ぐぅっ!』
攻撃を躱しながらの反撃だ。口に咥えたバードスペシャルでかすり傷をつけた。
大鳥の強靭な翼に当たるだけでもピーちゃんには瀕死の一撃だ。
死の恐怖を乗り越えて、反撃の一撃を何度も繰り出し続ける。
【種族:ブルーバード レベル35 筋力29 耐久22 敏捷75 器用17 知力11 魔力32 運11 残りポイント3 『バードストライク習得』『超加速習得』『仲間を呼ぶ習得』】
やっと大鳥を一匹だけ倒した。残りは分からないそうだ。とにかくたくさんだ。
でも、レベルが上がったのでピーちゃんは迷わずにポイント使った。
もちろん使ったのは敏捷だ。僕なら攻撃避ける為に器用を上げる。
僕達、気が合わないね。
『チッ。障害物が多すぎる。上に飛ばさせろ!』
『そんなの分かってんだよ! あの野朗、木の周りばっか飛びやがって!』
大鳥達もピーちゃん抹殺の為に協力を開始した。
邪魔な樹木とツルだらけの地上よりも上空に連れ出そうとしている。
もちろんピーちゃんは地上スレスレ、樹木スレスレで逃げ回る。
空に逃げて助かるならとっくにやっている。
『ぐぅっ、雑魚が群れやがって』
雑魚はピーちゃんだけだよ。
もう地面に穴掘って隠れなよ。それが一番いいと思うよ。
『背中がガラ空きだよ』
『ぐがぁ!』
そっちに隠れちゃったんだ。
大鳥の背中に両脚で掴まると背中をバターナイフで切りまくった。
『そのまま潰れろ』
『‼︎』
そんなピーちゃんに向かって、空から大鳥が降ってきた。
『ぐぎゃあ……‼︎』
仲間の背中を大きな両脚で踏みつけて、地面に叩き潰した。
『あ、危なかった!』
もちろんピーちゃんは逃げていた。逃げなきゃ死ぬからだ。
『小さすぎて狙って落とすのは無理か。おい、翼で叩き落とすぞ!』
『よし、網だ! 逃げる隙間も与えないように展開しろ!』
逃げられないように樹木や空を塞ぐ大鳥の檻が完成した。
ピーちゃん、これが仲間だよ。死ぬ前によく見ておくんだよ。
あっ、死んでないから帰ってきたのか。
ごめんね。どうやって逃げてきたの?
『ハァハァ、ハァハァ、逃げれない』
だよね。逃げられないよね。
『このまま縮めていくぞ。押し潰してやる』
それにまだ終わりじゃない。大鳥達の檻が徐々に接近してきた。
ムチ猫は檻の中に入れないように、別の大鳥達が邪魔している。
都合よく邪魔者は現れないし、助けてくれない。
だから、ピーちゃんは……
『す、すみません。許してください』
『コ、コイツ、やりやがった!』
地面に降りると頭を下げた。大鳥達に動揺が走った。
これを世間一般的には土下座という。
命を捨てたくないから、誇りを捨てたんだね。
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