1 / 8
①
しおりを挟む
僕は岡田進也・20歳。大学2年生になったものの、未だに僕には春はやって来ない。現在の季節は夏ではあるが、そんな事はどうでもいい。元々、女性関係には消極的な方だ。ガツガツと自分から声を掛けるような勇気は無かった。
「はぁ~~~、皆んなはどうやって恋人と付き合ったんだよ。やっぱり合コンとかに行かないと駄目なのか?」
手鏡に映る自分の顔は容姿端麗とは言えないけど、吹き出物も無く、綺麗な肌はしているはずだ。歯磨きも朝、昼、晩と三回かかさずに続けている。酒もタバコもやらない健康的な生活もしている。
「あっ~あ、それなのに何が足りないんだよ?」
そんなのは決まっている。不細工なお笑い芸人がモテるのは積極的で面白いからだ。百発百中は絶対に無理でも、下手な鉄砲数撃ちゃ当たるだ。撃たなければ絶対に当たらない。でも、声を掛けた女性から『キモい』『無理です』『死んでも嫌』『通報します』とか言われたら、もう立ち直る事は絶対に出来そうにない。
「こういう時はネットで調べるしかない。僕から女性に声を掛ける事は出来ないかもしれないけど、女性から声を掛けられる方法があればいいんだから」
そんな簡単な方法がないのは自分でも分かっていた。イメケンになれば声を掛けられるとか言われても困る。親が金持ちならば声を掛けられるとか言われても困る。結局は勝ち組がモテるという事しか分からなかった。
いつもこんな感じで悶々としながら、エッチなアダルトサイトで無修正の動画を見て過ごすのが、僕の週末の予定になってしまっていた。けれども、今日は違った。あるイベントの募集記事が目に留まってしまった。
「500円玉1枚、50円玉1枚で出来る。誰でも女性に声を掛けられる方法を教えます、だって?」
定員は残り1名だった。場所も僕の住んでいる家から電車で四つ先にある○●町が待ち合わせ場所だった。用意する金額も高くはない。そして、締め切りまでは残り28分だ。参加するだけして、怪しそうな連中が駅前に待っていたら無視すればいいだけだ。
「多分、合コンの数合わせみたいな緊急募集だと思う。ジュース飲んで終わりみたいな感じなんだろうな」
それでも合コンに行けば何かが変わる気がする。女の子をお持ち帰りする事は絶対に無理でも、一人で悶々と過ごすよりは絶対にマシな週末になるはずだ。
▼参加する ▽参加しない
『タァン♬』
これで明日、何かが変わるかもしれない。今日は早めに寝て、明日の合コンに備える事にしよう。
「はぁ~~~、皆んなはどうやって恋人と付き合ったんだよ。やっぱり合コンとかに行かないと駄目なのか?」
手鏡に映る自分の顔は容姿端麗とは言えないけど、吹き出物も無く、綺麗な肌はしているはずだ。歯磨きも朝、昼、晩と三回かかさずに続けている。酒もタバコもやらない健康的な生活もしている。
「あっ~あ、それなのに何が足りないんだよ?」
そんなのは決まっている。不細工なお笑い芸人がモテるのは積極的で面白いからだ。百発百中は絶対に無理でも、下手な鉄砲数撃ちゃ当たるだ。撃たなければ絶対に当たらない。でも、声を掛けた女性から『キモい』『無理です』『死んでも嫌』『通報します』とか言われたら、もう立ち直る事は絶対に出来そうにない。
「こういう時はネットで調べるしかない。僕から女性に声を掛ける事は出来ないかもしれないけど、女性から声を掛けられる方法があればいいんだから」
そんな簡単な方法がないのは自分でも分かっていた。イメケンになれば声を掛けられるとか言われても困る。親が金持ちならば声を掛けられるとか言われても困る。結局は勝ち組がモテるという事しか分からなかった。
いつもこんな感じで悶々としながら、エッチなアダルトサイトで無修正の動画を見て過ごすのが、僕の週末の予定になってしまっていた。けれども、今日は違った。あるイベントの募集記事が目に留まってしまった。
「500円玉1枚、50円玉1枚で出来る。誰でも女性に声を掛けられる方法を教えます、だって?」
定員は残り1名だった。場所も僕の住んでいる家から電車で四つ先にある○●町が待ち合わせ場所だった。用意する金額も高くはない。そして、締め切りまでは残り28分だ。参加するだけして、怪しそうな連中が駅前に待っていたら無視すればいいだけだ。
「多分、合コンの数合わせみたいな緊急募集だと思う。ジュース飲んで終わりみたいな感じなんだろうな」
それでも合コンに行けば何かが変わる気がする。女の子をお持ち帰りする事は絶対に無理でも、一人で悶々と過ごすよりは絶対にマシな週末になるはずだ。
▼参加する ▽参加しない
『タァン♬』
これで明日、何かが変わるかもしれない。今日は早めに寝て、明日の合コンに備える事にしよう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
消息不明になった姉の財産を管理しろと言われたけど意味がわかりません
紫楼
ファンタジー
母に先立たれ、木造アパートで一人暮らして大学生の俺。
なぁんにも良い事ないなってくらいの地味な暮らしをしている。
さて、大学に向かうかって玄関開けたら、秘書って感じのスーツ姿のお姉さんが立っていた。
そこから俺の不思議な日々が始まる。
姉ちゃん・・・、あんた一体何者なんだ。
なんちゃってファンタジー、現実世界の法や常識は無視しちゃってます。
十年くらい前から頭にあったおバカ設定なので昇華させてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる