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26・初ダンジョン
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さて、ダンジョンの場所が分かったので服を着替えた。
修業着だと動きにくいし、もう着たくない。
黒い半袖シャツと赤・黒のチェック柄のスカートにした。
スカートはいっぱいあったし、一枚ぐらいなら破けれてもバレないはずだ。
「このぐらいでいいかな?」
必要な物が分からないので、とりあえず回復薬だけ鞄に詰め込んだ。
これで怪我しても大丈夫……じゃないよね。
頑張って怪我しないようにしないと死ぬでしょ。
「あっ、これも持っていくか」
部屋を出ようとしたら木剣が目に入った。腰抜け素人から借りたままの木剣だ。
武器としては使えそうにないけど、杖代わりには出来そうだ。
「えっと、こっちでいいのかな?」
地図には家を出てから、どっちの方向に進んで、どんな目印があるのか書かれている。
今は目印の師匠が拳で砕いて作って置いた、両手を広げた岩人形の左手に進んでいる。
「ふぅー、ここかな」
結構長い時間歩いた気がする。迷子になったと思って不安だった。
木剣を振り払って、クモの巣退治しながら道なき道を進み続けた。
そうやってやっとダンジョンにたどり着いた。
落ち葉や砂で汚れた丸い大きな台座の上にアーチ型の枠が置かれている。
そのアーチの中に茶色い洞窟が見える。この中がダンジョンみたいだ。
「うわぁー、これ本当に大丈夫なの」
台座の床に文字が刻まれているのが見えた。
落ち葉と砂を払い除けると、凄い警告文が現れた。
【死にたいのか! 絶対に入るな! 今すぐ引き返せ! 命を粗末にするんじゃない! 確実に死ぬぞ!】
こんなの読んだら入りたくなくなる。
まあ、入ちゃうんだけどね。
超雑魚魔物が怖くて帰れるわけない。
「一匹倒したら帰ろうかな」
今日は魔物の強さを調べるのが目的だ。
倒せそうにないなら、先生のところでまた魔法を教えてもらおう。
「うっ!」
「フガァァァ……」
どんどん広くなる洞窟を進んでいくと、コイツと遭遇した。
真っ赤な毛に覆われた大きな巨体。太く短い黒い爪。赤く光るギラつく両目は殺気に満ちている。
【ヘブンズレッドグリズリー(Bランク)】
全然弱そうには見えないけど、確かに師匠よりは弱そうだ。
手から木剣、背中から鞄を地面に捨てると両手を合わせた。
そして、デカ赤が向かってくる前に擦り合わせた。
「熱いい!」
「ガアアアツツ!」
両手が燃え上がると同時にデカ赤が向かってきた。
四足歩行でドシドシ音を鳴らして向かってくる。
速いけど、師匠や悪魔に比べると遅い。これなら躱せる。
両手の熱を押し固めると剛氣を加えて、紅蓮の拳に変えてやった。
「さあ、焼肉の時間だ」
デカ赤の突進攻撃を横に躱すと、右前足が素早く爪と一緒に振り回された。
「くっ!」と上に高く跳んでなんとか躱した。
組み手とは違う。
反応は出来たけど、人間の動きじゃない。人間だと思って戦ったら駄目だ。
「フゥーッ、フゥーッ!」と興奮して立ち上がって、僕が落ちるのを待ち構えている。
右腕に全力を込めると、デカ赤の顔面を狙って振り下ろした。
「アアッ!」
「ガアッ!」
けれども、僕の拳が届く前に、デカ赤の振り払われた右手が僕の左腹にめり込んだ。
「がはぁ……!」
そのまま殴り飛ばされて、壁に身体から大激突だ。
超雑魚のくせに良いパンチ持ってやがる。
「ヘヘッ、油断しちゃったかな」
ちょっと足にダメージがきているけど、この程度ならすぐに回復する。
立ち上がるとデカ赤をよく見た。力も速さもそこそこある。
もしかすると僕よりもちょっと上ぐらいだ。
これで一番下のFなんだからやってられない。
四等星になるには、これよりも強いEを倒さないといけないのに。
「フガァァァ!」
再びデカ赤が四足歩行で向かってきた。
力も速さもあるなら、僕が勝てる点は小ささだ。
あの巨体にしがみついて、至近距離から殴りまくってやる。
突進を横に躱すと、また右前足が振り払われた。
今度は上に跳んで躱さずに、地面スレスレにしゃがんで躱して、今度は僕がデカ赤に突進した。
左後ろ足に体当たりでしがみつくと、そのまま背中に回って、お返しとばかりに右前足の脇の下に、右の紅蓮拳をぶち込んだ。
「ぐがぁ!」
「まだまだ!」
師匠が言うには一発で倒せないなら、千発ぶち込めだ。
左手で背中の赤毛を掴んで、立ち上がって暴れるデカ赤の右脇を乱打する。
コイツ、防御力も高い。十六発は殴ったのに全然倒れない。
悪魔よりは低いとは思うけど、それでもかなり頑丈だ。
「チッ!」
さすがにいつまでも背中に乗せてくれないらしい。
四足歩行に戻ったと思ったら、嫌な予感がして急いで飛び降りた。
予感は的中だ。デカ赤が地面を激しく横に転がった。
あのまま背中にいたら押し潰されていた。
「フゥーッ、フゥーッ!」
言葉は分からないけど、かなり怒っているのは分かる。
荒い呼吸でデカ赤が左前足で右脇を撫でている。少しは効いているみたいだ。
だったらもっと殴ってやりたい。でも、それは警戒されているから難しい。
「……」
よし、逃げよう。ちょっと考えると決断した。
今日は様子見で来たので、別に倒せなくてもいい。
問題は逃げられるかだ。逃してくれるかだ。
「フガァァァ!」
「くおおおお!」
もちろん追ってきた。鞄と木剣を急いで拾うと走り出した。
修業着着て来なくて正解だった。あれ着ていたら、とっくに追いつかれていた。
だから、師匠は服を着替えろと言ったのだろう。
コイツが超雑魚なら、互角の僕も超雑魚だ。
超雑魚と超雑魚が戦っても、良い勝負にしかならない。
「フガアアアッッ‼︎」
「ハァハァ、ハァハァ!」
し、死にかけた。何とかダンジョンから脱出できた。
追いかけてきたデカ赤もダンジョンから出たけど、台座の外には出られないみたいだ。
この島の周囲に張られている結界と同じものが張られていた。
修業着だと動きにくいし、もう着たくない。
黒い半袖シャツと赤・黒のチェック柄のスカートにした。
スカートはいっぱいあったし、一枚ぐらいなら破けれてもバレないはずだ。
「このぐらいでいいかな?」
必要な物が分からないので、とりあえず回復薬だけ鞄に詰め込んだ。
これで怪我しても大丈夫……じゃないよね。
頑張って怪我しないようにしないと死ぬでしょ。
「あっ、これも持っていくか」
部屋を出ようとしたら木剣が目に入った。腰抜け素人から借りたままの木剣だ。
武器としては使えそうにないけど、杖代わりには出来そうだ。
「えっと、こっちでいいのかな?」
地図には家を出てから、どっちの方向に進んで、どんな目印があるのか書かれている。
今は目印の師匠が拳で砕いて作って置いた、両手を広げた岩人形の左手に進んでいる。
「ふぅー、ここかな」
結構長い時間歩いた気がする。迷子になったと思って不安だった。
木剣を振り払って、クモの巣退治しながら道なき道を進み続けた。
そうやってやっとダンジョンにたどり着いた。
落ち葉や砂で汚れた丸い大きな台座の上にアーチ型の枠が置かれている。
そのアーチの中に茶色い洞窟が見える。この中がダンジョンみたいだ。
「うわぁー、これ本当に大丈夫なの」
台座の床に文字が刻まれているのが見えた。
落ち葉と砂を払い除けると、凄い警告文が現れた。
【死にたいのか! 絶対に入るな! 今すぐ引き返せ! 命を粗末にするんじゃない! 確実に死ぬぞ!】
こんなの読んだら入りたくなくなる。
まあ、入ちゃうんだけどね。
超雑魚魔物が怖くて帰れるわけない。
「一匹倒したら帰ろうかな」
今日は魔物の強さを調べるのが目的だ。
倒せそうにないなら、先生のところでまた魔法を教えてもらおう。
「うっ!」
「フガァァァ……」
どんどん広くなる洞窟を進んでいくと、コイツと遭遇した。
真っ赤な毛に覆われた大きな巨体。太く短い黒い爪。赤く光るギラつく両目は殺気に満ちている。
【ヘブンズレッドグリズリー(Bランク)】
全然弱そうには見えないけど、確かに師匠よりは弱そうだ。
手から木剣、背中から鞄を地面に捨てると両手を合わせた。
そして、デカ赤が向かってくる前に擦り合わせた。
「熱いい!」
「ガアアアツツ!」
両手が燃え上がると同時にデカ赤が向かってきた。
四足歩行でドシドシ音を鳴らして向かってくる。
速いけど、師匠や悪魔に比べると遅い。これなら躱せる。
両手の熱を押し固めると剛氣を加えて、紅蓮の拳に変えてやった。
「さあ、焼肉の時間だ」
デカ赤の突進攻撃を横に躱すと、右前足が素早く爪と一緒に振り回された。
「くっ!」と上に高く跳んでなんとか躱した。
組み手とは違う。
反応は出来たけど、人間の動きじゃない。人間だと思って戦ったら駄目だ。
「フゥーッ、フゥーッ!」と興奮して立ち上がって、僕が落ちるのを待ち構えている。
右腕に全力を込めると、デカ赤の顔面を狙って振り下ろした。
「アアッ!」
「ガアッ!」
けれども、僕の拳が届く前に、デカ赤の振り払われた右手が僕の左腹にめり込んだ。
「がはぁ……!」
そのまま殴り飛ばされて、壁に身体から大激突だ。
超雑魚のくせに良いパンチ持ってやがる。
「ヘヘッ、油断しちゃったかな」
ちょっと足にダメージがきているけど、この程度ならすぐに回復する。
立ち上がるとデカ赤をよく見た。力も速さもそこそこある。
もしかすると僕よりもちょっと上ぐらいだ。
これで一番下のFなんだからやってられない。
四等星になるには、これよりも強いEを倒さないといけないのに。
「フガァァァ!」
再びデカ赤が四足歩行で向かってきた。
力も速さもあるなら、僕が勝てる点は小ささだ。
あの巨体にしがみついて、至近距離から殴りまくってやる。
突進を横に躱すと、また右前足が振り払われた。
今度は上に跳んで躱さずに、地面スレスレにしゃがんで躱して、今度は僕がデカ赤に突進した。
左後ろ足に体当たりでしがみつくと、そのまま背中に回って、お返しとばかりに右前足の脇の下に、右の紅蓮拳をぶち込んだ。
「ぐがぁ!」
「まだまだ!」
師匠が言うには一発で倒せないなら、千発ぶち込めだ。
左手で背中の赤毛を掴んで、立ち上がって暴れるデカ赤の右脇を乱打する。
コイツ、防御力も高い。十六発は殴ったのに全然倒れない。
悪魔よりは低いとは思うけど、それでもかなり頑丈だ。
「チッ!」
さすがにいつまでも背中に乗せてくれないらしい。
四足歩行に戻ったと思ったら、嫌な予感がして急いで飛び降りた。
予感は的中だ。デカ赤が地面を激しく横に転がった。
あのまま背中にいたら押し潰されていた。
「フゥーッ、フゥーッ!」
言葉は分からないけど、かなり怒っているのは分かる。
荒い呼吸でデカ赤が左前足で右脇を撫でている。少しは効いているみたいだ。
だったらもっと殴ってやりたい。でも、それは警戒されているから難しい。
「……」
よし、逃げよう。ちょっと考えると決断した。
今日は様子見で来たので、別に倒せなくてもいい。
問題は逃げられるかだ。逃してくれるかだ。
「フガァァァ!」
「くおおおお!」
もちろん追ってきた。鞄と木剣を急いで拾うと走り出した。
修業着着て来なくて正解だった。あれ着ていたら、とっくに追いつかれていた。
だから、師匠は服を着替えろと言ったのだろう。
コイツが超雑魚なら、互角の僕も超雑魚だ。
超雑魚と超雑魚が戦っても、良い勝負にしかならない。
「フガアアアッッ‼︎」
「ハァハァ、ハァハァ!」
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この島の周囲に張られている結界と同じものが張られていた。
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