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第12話 将来設計と事業計画
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「ジジイが老後を心配しているように将来設計は重要よ。何の為にお金を稼いで、何をやりたいか……という事であんたは何がしたいの? というか、いつまでここにいるつもり?」
「えっ?」
「端た金渡すから、さっさと消えてよね」
おい!
やっと仕事の話を始めると思ったのに、私を追放する話を始めようとしている。
そっちの話はまだまだ先の事だから、今は仕事の話をするべきだ。
「待て待て、父親を路頭に迷わせるつもりか? パンを盗んで捕まったら、母さんではなく、お前の名前を警察に言うからな」
「言うのは勝手だけど、あんたみたいなジジイは見た事もない赤の他人だし」
「いいのか、そんな事言って。DNA検査すれば、私の恥かしい血が半分流れている事を証明できるだからな。私が本気を出せば、犯罪者の娘にする事も出来るんだからな。当然、母さんと息子もな」
「もぉー、最悪。これだから前科持ちは……」
ふっふふふ。よし、勝った。家族の将来を人質に取って、娘に勝利したぞ。
ケイトも自分一人だけなら汚名に耐え切れただろうが、私には家族が、息子がいるからな。
これが失うもののない人間の覚悟だ。
あと私は前科持ちじゃないぞ。示談で解決しているから不起訴だ。
「おお! これが汚い大人のやり方なんだね! 参考になります!」
「駄目だよ、ミィー。ギルは悪い大人の見本だよ。参考にしちゃいけない人間だよ」
ミアはキラキラした瞳で、悪い笑みを浮かべている私を見ている。
逆にパトリはまったく見ようとしない。
これが汚い手を使って、娘に勝利した代償のようだ。
だが、このままでは、この職場で私は完全に孤立してしまう。
下手したら、仕事中に暗殺されてしまう。
「あっははは、冗談に決まっているじゃないか。そうだろう、ケイト?」
「……殺すしかないわね」
「おいおい、もぉ~、冗談はやめていいんだぞ」
ケイトが右手に装着しているアビリティリングのスイッチを入れたのが見えた。
殴殺かな? 絞殺かな? それとも斬殺かな?
この廃都なら死体の隠し場所には困らないと思うけど、殺さなくても解決できる。
私がパパッと金を稼いで出て行くから、それでいいはずだ。
「よし、仕事の話に戻ろう。仕事の目標と言えば、一つしかない。業界でトップになる事だ」
私は殺される前に、右手の人差し指をピィーンと伸ばして、力強く宣言した。
どんなくだらない仕事でも頂点に立てば、凄い金持ちになれる。
廃都を仕事場にしている職業は複数あるが、その中で代表的な職業は三つだけだ。
廃都の骨董品を拾い集める【ジャンク屋】
廃都の恐竜や怪物を倒して回る【バウンティハンター】
廃都を調査・研究する【リサーチャー】
この三人はジャンク屋とバウンティハンターの二つをやっている。
でも、収入の半分以上はパトリ単独のジャンク屋だ。
この状況は非常にマズイ。
パトリがチームから抜けてしまったら、収入は激減してしまう。
いま大至急やるべき事は、社員同士の能力格差を埋める事にある。
つまりは装備品の強化だ。
「それって何年計画よ? 言いたい事は分かったけど、具体的にどうするつもり? 装備品を強化するにも、お金が必要なのよ。死亡保険にでも入りたいの?」
私の話を聞き終えると、すぐにケイトが質問してきた。
こっちは死亡保険に入るつもりも、死ぬつもりもない。
私を殺して手に入れた金で、装備品なんて買わなくてもいい。
そんな方法よりも、もっと良い方法がある。
装備品を強化して、さらにお金まで手に入る良い方法だ。
「トリケラトプスを倒せばいいんだ。それなら、タダで強い魔石とお金が手に入る」
「にゃはは。それは無理だよぉ~。私達の攻撃だとビクともしないから、前にギルっちが言ったように大きなビルを倒して、ペシャンコにするしか倒す方法はないよ」
「だったら、あとはやるだけじゃないか。倒せる確率も、魔石が壊れない確率も、常に確率はゼロか百なんだぞ」
「どっちもゼロっぽいけどねぇ~」
無理だと否定されようと、私の頭の中では既に結果が見えている。
勇敢な私が倒壊したビルの瓦礫の上に立って、トリケラトプスの折れた角を掲げている。
勝率は百パーセント。あとは実行するのみだ。
「はぁぁ……やりたいならやればいいけど、私達は手伝わないから。ビルを壊すにも時間がかかるし、狙い通りのタイミングと場所にビルが倒れるとも思えない。あんたの目標が戦って死にたいなら勝手にしていいから」
「うんうん、それが一番だね。ギルっちは実力詐称の常習犯だから、相手にするだけ時間の無駄だね」
ケイトとミアは協力するつもりはないようだ。
というよりも明らかに私が失敗すると思っている。
だったら一人でも成功させて、ギャフンと言わせてやる。
「何とでも言えばいい。でも、キチンと結果を出した時は、二人揃って私に土下座するんだぞ」
「そんなのやるわけないし。あんたじゃないんだから」
「うん、私もギルっちじゃないからやらないよ」
意味が分からん。
失敗したり、間違った時に土下座して謝るシステムじゃないのか?
気分次第で一番下っ端の奴を土下座させて遊ぶシステムなのか?
「でも、ギルが言うように装備強化は大事だと思うよ。安全に仕事するには、やっぱり装備は良い物付けないと。ギル、倒すのは手伝えないけど探すのは手伝うよ。それに実物を見ないと倒せるか分からないもんね」
流石は天使のような見た目をしているだけはある。
パトリが協力を申し出てきた。
「それは助かる。もちろん倒せた時は、分け前を渡すから安心していいぞ」
「それはいいよ。別にお金の為にやっている訳じゃないよ。ギルが皆んなにハブられて可哀想だったから」
えっ? 同情されているの?
「そ、そうかぁ……でも、欲しくなった時は遠慮せずに言うんだぞ」
「分かった。でも、惨めなギルから何かを貰いたいと思うほど、落ちぶれつもりはないから、安心していいよ」
そういう酷い事を言うのは遠慮してください。
ハッキリ言って、私を惨めな気持ちにさせているのは、お前達だからな。
「それじゃあ、明日もパトリが索敵して。ヴェロキラプトルを見つけたら私とミアが倒す。トリケラトプスならジジイが生贄になる。これで問題ないわね」
「うんうん、それで行こうぉ~」
「ジジイが瓦礫に埋まれば、墓に埋めなくていいから最高に助かるわね」
「うんうん、一石二鳥だね」
私の扱い方に大きな問題があるぞ。
だが、今は何を言っても無駄なのは分かっている。
ここは私の発言力を高める為に、トリケラトプスを絶対に倒すしかないな。
小娘共よ、後悔するんじゃないぞ。大人の本気を見せてやる。
♢
「えっ?」
「端た金渡すから、さっさと消えてよね」
おい!
やっと仕事の話を始めると思ったのに、私を追放する話を始めようとしている。
そっちの話はまだまだ先の事だから、今は仕事の話をするべきだ。
「待て待て、父親を路頭に迷わせるつもりか? パンを盗んで捕まったら、母さんではなく、お前の名前を警察に言うからな」
「言うのは勝手だけど、あんたみたいなジジイは見た事もない赤の他人だし」
「いいのか、そんな事言って。DNA検査すれば、私の恥かしい血が半分流れている事を証明できるだからな。私が本気を出せば、犯罪者の娘にする事も出来るんだからな。当然、母さんと息子もな」
「もぉー、最悪。これだから前科持ちは……」
ふっふふふ。よし、勝った。家族の将来を人質に取って、娘に勝利したぞ。
ケイトも自分一人だけなら汚名に耐え切れただろうが、私には家族が、息子がいるからな。
これが失うもののない人間の覚悟だ。
あと私は前科持ちじゃないぞ。示談で解決しているから不起訴だ。
「おお! これが汚い大人のやり方なんだね! 参考になります!」
「駄目だよ、ミィー。ギルは悪い大人の見本だよ。参考にしちゃいけない人間だよ」
ミアはキラキラした瞳で、悪い笑みを浮かべている私を見ている。
逆にパトリはまったく見ようとしない。
これが汚い手を使って、娘に勝利した代償のようだ。
だが、このままでは、この職場で私は完全に孤立してしまう。
下手したら、仕事中に暗殺されてしまう。
「あっははは、冗談に決まっているじゃないか。そうだろう、ケイト?」
「……殺すしかないわね」
「おいおい、もぉ~、冗談はやめていいんだぞ」
ケイトが右手に装着しているアビリティリングのスイッチを入れたのが見えた。
殴殺かな? 絞殺かな? それとも斬殺かな?
この廃都なら死体の隠し場所には困らないと思うけど、殺さなくても解決できる。
私がパパッと金を稼いで出て行くから、それでいいはずだ。
「よし、仕事の話に戻ろう。仕事の目標と言えば、一つしかない。業界でトップになる事だ」
私は殺される前に、右手の人差し指をピィーンと伸ばして、力強く宣言した。
どんなくだらない仕事でも頂点に立てば、凄い金持ちになれる。
廃都を仕事場にしている職業は複数あるが、その中で代表的な職業は三つだけだ。
廃都の骨董品を拾い集める【ジャンク屋】
廃都の恐竜や怪物を倒して回る【バウンティハンター】
廃都を調査・研究する【リサーチャー】
この三人はジャンク屋とバウンティハンターの二つをやっている。
でも、収入の半分以上はパトリ単独のジャンク屋だ。
この状況は非常にマズイ。
パトリがチームから抜けてしまったら、収入は激減してしまう。
いま大至急やるべき事は、社員同士の能力格差を埋める事にある。
つまりは装備品の強化だ。
「それって何年計画よ? 言いたい事は分かったけど、具体的にどうするつもり? 装備品を強化するにも、お金が必要なのよ。死亡保険にでも入りたいの?」
私の話を聞き終えると、すぐにケイトが質問してきた。
こっちは死亡保険に入るつもりも、死ぬつもりもない。
私を殺して手に入れた金で、装備品なんて買わなくてもいい。
そんな方法よりも、もっと良い方法がある。
装備品を強化して、さらにお金まで手に入る良い方法だ。
「トリケラトプスを倒せばいいんだ。それなら、タダで強い魔石とお金が手に入る」
「にゃはは。それは無理だよぉ~。私達の攻撃だとビクともしないから、前にギルっちが言ったように大きなビルを倒して、ペシャンコにするしか倒す方法はないよ」
「だったら、あとはやるだけじゃないか。倒せる確率も、魔石が壊れない確率も、常に確率はゼロか百なんだぞ」
「どっちもゼロっぽいけどねぇ~」
無理だと否定されようと、私の頭の中では既に結果が見えている。
勇敢な私が倒壊したビルの瓦礫の上に立って、トリケラトプスの折れた角を掲げている。
勝率は百パーセント。あとは実行するのみだ。
「はぁぁ……やりたいならやればいいけど、私達は手伝わないから。ビルを壊すにも時間がかかるし、狙い通りのタイミングと場所にビルが倒れるとも思えない。あんたの目標が戦って死にたいなら勝手にしていいから」
「うんうん、それが一番だね。ギルっちは実力詐称の常習犯だから、相手にするだけ時間の無駄だね」
ケイトとミアは協力するつもりはないようだ。
というよりも明らかに私が失敗すると思っている。
だったら一人でも成功させて、ギャフンと言わせてやる。
「何とでも言えばいい。でも、キチンと結果を出した時は、二人揃って私に土下座するんだぞ」
「そんなのやるわけないし。あんたじゃないんだから」
「うん、私もギルっちじゃないからやらないよ」
意味が分からん。
失敗したり、間違った時に土下座して謝るシステムじゃないのか?
気分次第で一番下っ端の奴を土下座させて遊ぶシステムなのか?
「でも、ギルが言うように装備強化は大事だと思うよ。安全に仕事するには、やっぱり装備は良い物付けないと。ギル、倒すのは手伝えないけど探すのは手伝うよ。それに実物を見ないと倒せるか分からないもんね」
流石は天使のような見た目をしているだけはある。
パトリが協力を申し出てきた。
「それは助かる。もちろん倒せた時は、分け前を渡すから安心していいぞ」
「それはいいよ。別にお金の為にやっている訳じゃないよ。ギルが皆んなにハブられて可哀想だったから」
えっ? 同情されているの?
「そ、そうかぁ……でも、欲しくなった時は遠慮せずに言うんだぞ」
「分かった。でも、惨めなギルから何かを貰いたいと思うほど、落ちぶれつもりはないから、安心していいよ」
そういう酷い事を言うのは遠慮してください。
ハッキリ言って、私を惨めな気持ちにさせているのは、お前達だからな。
「それじゃあ、明日もパトリが索敵して。ヴェロキラプトルを見つけたら私とミアが倒す。トリケラトプスならジジイが生贄になる。これで問題ないわね」
「うんうん、それで行こうぉ~」
「ジジイが瓦礫に埋まれば、墓に埋めなくていいから最高に助かるわね」
「うんうん、一石二鳥だね」
私の扱い方に大きな問題があるぞ。
だが、今は何を言っても無駄なのは分かっている。
ここは私の発言力を高める為に、トリケラトプスを絶対に倒すしかないな。
小娘共よ、後悔するんじゃないぞ。大人の本気を見せてやる。
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