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第48話 海のリゾート地【サントリー】
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キャンピングカーを運転する私は、実に六日間もトレーラーの後ろを走る事になった。
ガソリン切れという休憩タイムがあった昔の自動車は羨ましい限りだ。
現在は魔石と発電を組み合わせたハイブリッド車が主流になっている。
そのお陰で食事と睡眠以外は走りっぱなしになってしまった。
「凄い凄い! 海は真っ青、町は真っ白だよ!」
まあ、この長距離移動ももう終わりだ。
一度も運転をしなかったミアが、助手席から前方の町を見て歓声を上げている。
その無駄な元気をオイラにも分けて欲しいぐらいだ。
さて、馬鹿な事を言っている暇はないな。
前方の町の名前は【サントリー】と言うらしい。
私は来た事はないが、取引先のお偉いさん達の自慢話で何度か聞いた事がある。
小高い丘のような真っ白な斜面に、同じようなに真っ白な壁の建物が立ち並んでいる。
そのドーム型や教会型の建物の屋根には、真っ青な丸みのある屋根が乗っている。
綺麗な海と同じように綺麗な建物を並べて、景観を綺麗に見せているという訳だ。
綺麗過ぎる水には魚は住まないが、人間は綺麗な場所に好んで住みたがる。
まあ、人間が好むものは綺麗なもの全般なんだがな。
「やっぱり魚は新鮮なお刺身が一番だよねぇ」
「私は塩焼きかな? でも、イカのソース焼きは絶品らしいよ」
「うぅぅ、私はイカ、タコ、貝類は絶対に駄目! あんなの食べられない!」
「ええっ、イカ焼き美味しいのに……」
いつの間にかミアはソファーに移動して、パトリと話している。
私よりも町に詳しいようだ。特に料理に詳しい。
まあ、それが健全な楽しみ方というか、お子様の楽しみ方だな。
海沿いの町での楽しみ方と言えば、普通はビーチで泳いで、船で魚を釣るしかない。
そして、釣った魚を小さなレストランで料理してもらう。
その料理を夕陽が沈む海を見ながら、ワインと一緒に嗜む訳だ。
これが大人の紳士的な療養というものだ。
でも、一部の金持ちの不届き者達はそんな事はしない。
魚なんて釣らずに、ビーチで若い女を釣り上げて、高級ホテルで料理とワインを一緒に楽しむ。
食事の後に、ホテルのベッドという船に二人で乗り込むかは、飲酒量でほぼ決まる。
ベッドを船ではなく、プライベートビーチ、ヌーディストビーチと呼ぶ一派もいる。
巫山戯る! そんなのどっちでもいいわ!
やっている事はどっちも一緒だ! 旅先での浮気も絶対に駄目に決まっている。
「んっ? トイレ休憩か……?」
前方のトレーラーが停車したので、私も車を真横に停めた。
待っていると、予想通りにケイトが車に乗り込んで来た。
言っておくけど、私はビーチで釣りはしないからな。
「トレーラーはここまでよ。ミアとパトリはここでトレーラーの見張りをお願い。流石にトレーラーは大きいから、町の道路は走らせたくないわ」
トイレ休憩ではなかったようだ。
キャンピングカーに乗り込んだケイトが、これからの予定を話していく。
流石に町中を走らせて破壊するつもりはないらしい。
「うん、お留守番なら任せておいて。でも、すぐに帰って来てね」
「大丈夫。町にあるファクトリーを探して、一時間以内には帰って来るから」
トレーラーの見張り役に私を選ばなかったのは、まあ信用度が五グラムだから仕方ない。
そのお陰で町中をキャンピングカーを走らせて、ファクトリーを探す事が出来る。
「よいしょ! 眼鏡とサスペンダーを持って行けば十分ね」
ケイトはトレーラーの荷台の扉を開けて、人型のメタルスライム二体を引き摺り出した。
それをキャンピングカーに乗せていく。これで準備完了のようだ。
「ほら、運転手はさっさと町に行きなさい。今度は建物に擦るんじゃないわよ」
「それはこっちの台詞だ」
「はぁっ? 何んか言った?」
「いえ、何も……」
眠不足で、つい口が滑ってしまった。
運転席の後ろを振り返らなくても、不機嫌な声でケイトの心理状態は分かる。
腐っても私も父親という訳だ。
「あんたは家でもここでも愚痴の数が多すぎなのよ。私は母さんと違って、あんたに我慢なんてしないから。ムカついたらブン殴るから」
「ぐっ!」
「ほら、さっさと町に行きなさい」
スパァン! 早速、後頭部を叩かれた。
私の頭はアクセルじゃない。
今すぐに文句を言いたいけど、言ったら殴られるだけだ。
素直に車を町に向かって走らせた。
♢
「やぁっ、ちょっといいかな? ファクトリーの場所を教えてほしいんだけど」
町の薄茶色の道路を車は軽快に進んでいく。
ファクトリーへの道を若い二人組の女性に聞いてみた。
若いと言っても、私より若いというだけで、二人とも二十三歳前後だ。
「えっ、工事がある場所? そんなのあったんだ」
「ほら、町の東側よ。たまに大きな車が東に行くのを見た事あるでしょう」
「そういえば、そうだったような……多分、東に行けばありますよ」
右の子は薄茶色の長い髪をかき上げて、オデコを見せるように後ろで縛っている。
顔立ちは知的で大人っぽい。
服装は緑と青のストライプワンピースに、スラッとした長い手足はモデルのようだ。
反対に左の子は赤茶色の長い髪を額で左右に分けて、鎖骨に無造作に垂らしている。
服装はブルーのデニムジャケットに、白のショートパンツ。
小麦色の肌は健康的で、あどけない表情に情熱的な大人の色気が潜んでいる。
確かにこの町には魅惑的なマーメイド(人魚)が多いようだ。
「ありがとう、親切なお嬢さん達。これでトロピカルジュースでも飲んでね」
「やだぁ~、ウケるぅ~!」
「小父様、もしかして、ナンパですか?」
「ただの観光だよ。それじゃあ、またね」
ポケットのズボンから財布を取り出して、お礼に百ドル札を一枚ずつ渡した。
次に会ったら、これで町の観光も頼めそうだ。
私は車を走らせながら、軽くクラクションを鳴らす。
そして、窓から右手を出して、サイドミラー越しに二人に向かって手を振った。
「ちょっと、マジで吐きそうなんだけど。出張するたびにあんな事やってんじゃないでしょうね?」
「そんな金がある訳ないだろう。ただ、罪悪感を忘れたいだけだ……」
助手席に座るケイトは本気で引いている。
お前達と違って、私は善良な人間だったんだ。
あれだけ人を殺して来たんだ。
手に入れた金を無償でばら撒かないとやってられない。
教会にも寄付しないと天罰が降りそうだ。
「えっ? もしかして、私に対して罪悪感でもあるの? だったら、貰ってやるわよ。その前にあのお金、どこで手に入れたのよ? まさか……!」
「あれは拾った物だ。お前達から盗んでないからな」
あの金はWBの死体から拝借した金だ。
あいつらが女性を困らせていたから、女性に配るのが一番妥当だと判断した。
決して、家出した娘に対しての罪悪感で、若い女性に金は配らない。
そして、お前達は教会に行って、直ちに懺悔しろ!
特に鳥は聖水で清めてもらえ!
塩焼きが好きだと言っていたから、塩焼きでもいいぞ!
「ふぅーん、だったらいいわ。ミアとパトリに一時間以内に戻るって言ったから、買取交渉はあんたに任せるわよ。いつもの仕事のように、しっかりとぼったくりなさいよ」
「そんなに簡単に出来る訳ないだろう。自分がどんな物を売っているのか分からないんだぞ。あれがどんな金属で、どんな性質があるのか説明しないといけないんだ」
「ごちゃごちゃ言わずに黙って仕事しろ!」
「あぐっ! 運転中に殴るな! ごふっ!」
ドガッ、ドガッ、何という理不尽な暴力だ。やっぱりムカついているじゃないか。
当たり前の事を言っただけで、二発も頭を殴られた。
「まだ殴られたいの?」
「うぐっ……」
そして、まだ殴り足りないようだ。拳を振り上げている。
若い女に金を渡した事にキレているのか、反論したからキレたのか理由は不明だ。
キレるならキレている理由を言ってから、キレろ。これだと直せない。
「この辺みたいだな」
東に進むと、確かに大きな工場っぽい建物が見えてきた。
外壁は神殿のように白い柱を等間隔で配置して、柱の間を濃茶のレンガで埋めている。
まあ、外観だけが古くて、中身は最新の設備なのは分かっている。
ただの景観対策でそれっぽい建物にしているだけだ。
さて、目的地に到着したようだ。
あとはその辺の人に聞けば見つかるだろう。
ファクトリーがあれば、の話ではある。
とりあえず、次は男に聞くしかない。
「はい、到着。初めての場所は安く買取ろうとするから舐められないようにするのよ」
通りすがりの人に聞いて、すぐに目的地のファクトリーには到着した。
でも、ファクトリーと言うにはあまりにも小さ過ぎる。
ファクトリーじゃなくて、ショップと言った方がいいぐらいだ。
これは販売だけしかやってない可能性が高いな。
「よし、営業の手本を見せてやる。まずは青魔石を貸せ。この規模の店でも魔石の買取りぐらいはしているだろうからな」
「はい。分かっているとは思うけど、端た金で買取られないようにしてよね。失敗したら、海に沈めるから」
自信満々で左手の手のひらをケイトに見せて、魔石を渡せと要求した。
ケイトはメタルスライムの青色魔石を乱暴に手渡してきた。
誰に言っている? もしも失敗したら、細切れにして釣りの餌に使えばいい。
「お前は邪魔だから、車で待っていろ。五分で終わらせてやる」
青魔石を手の中で転がしながら、私は目の前の二階建てのピンクの外壁を睨みつけた。
メルヘンの時間は終わりだ。大人同士の取引きを始めようか。
♢
ガソリン切れという休憩タイムがあった昔の自動車は羨ましい限りだ。
現在は魔石と発電を組み合わせたハイブリッド車が主流になっている。
そのお陰で食事と睡眠以外は走りっぱなしになってしまった。
「凄い凄い! 海は真っ青、町は真っ白だよ!」
まあ、この長距離移動ももう終わりだ。
一度も運転をしなかったミアが、助手席から前方の町を見て歓声を上げている。
その無駄な元気をオイラにも分けて欲しいぐらいだ。
さて、馬鹿な事を言っている暇はないな。
前方の町の名前は【サントリー】と言うらしい。
私は来た事はないが、取引先のお偉いさん達の自慢話で何度か聞いた事がある。
小高い丘のような真っ白な斜面に、同じようなに真っ白な壁の建物が立ち並んでいる。
そのドーム型や教会型の建物の屋根には、真っ青な丸みのある屋根が乗っている。
綺麗な海と同じように綺麗な建物を並べて、景観を綺麗に見せているという訳だ。
綺麗過ぎる水には魚は住まないが、人間は綺麗な場所に好んで住みたがる。
まあ、人間が好むものは綺麗なもの全般なんだがな。
「やっぱり魚は新鮮なお刺身が一番だよねぇ」
「私は塩焼きかな? でも、イカのソース焼きは絶品らしいよ」
「うぅぅ、私はイカ、タコ、貝類は絶対に駄目! あんなの食べられない!」
「ええっ、イカ焼き美味しいのに……」
いつの間にかミアはソファーに移動して、パトリと話している。
私よりも町に詳しいようだ。特に料理に詳しい。
まあ、それが健全な楽しみ方というか、お子様の楽しみ方だな。
海沿いの町での楽しみ方と言えば、普通はビーチで泳いで、船で魚を釣るしかない。
そして、釣った魚を小さなレストランで料理してもらう。
その料理を夕陽が沈む海を見ながら、ワインと一緒に嗜む訳だ。
これが大人の紳士的な療養というものだ。
でも、一部の金持ちの不届き者達はそんな事はしない。
魚なんて釣らずに、ビーチで若い女を釣り上げて、高級ホテルで料理とワインを一緒に楽しむ。
食事の後に、ホテルのベッドという船に二人で乗り込むかは、飲酒量でほぼ決まる。
ベッドを船ではなく、プライベートビーチ、ヌーディストビーチと呼ぶ一派もいる。
巫山戯る! そんなのどっちでもいいわ!
やっている事はどっちも一緒だ! 旅先での浮気も絶対に駄目に決まっている。
「んっ? トイレ休憩か……?」
前方のトレーラーが停車したので、私も車を真横に停めた。
待っていると、予想通りにケイトが車に乗り込んで来た。
言っておくけど、私はビーチで釣りはしないからな。
「トレーラーはここまでよ。ミアとパトリはここでトレーラーの見張りをお願い。流石にトレーラーは大きいから、町の道路は走らせたくないわ」
トイレ休憩ではなかったようだ。
キャンピングカーに乗り込んだケイトが、これからの予定を話していく。
流石に町中を走らせて破壊するつもりはないらしい。
「うん、お留守番なら任せておいて。でも、すぐに帰って来てね」
「大丈夫。町にあるファクトリーを探して、一時間以内には帰って来るから」
トレーラーの見張り役に私を選ばなかったのは、まあ信用度が五グラムだから仕方ない。
そのお陰で町中をキャンピングカーを走らせて、ファクトリーを探す事が出来る。
「よいしょ! 眼鏡とサスペンダーを持って行けば十分ね」
ケイトはトレーラーの荷台の扉を開けて、人型のメタルスライム二体を引き摺り出した。
それをキャンピングカーに乗せていく。これで準備完了のようだ。
「ほら、運転手はさっさと町に行きなさい。今度は建物に擦るんじゃないわよ」
「それはこっちの台詞だ」
「はぁっ? 何んか言った?」
「いえ、何も……」
眠不足で、つい口が滑ってしまった。
運転席の後ろを振り返らなくても、不機嫌な声でケイトの心理状態は分かる。
腐っても私も父親という訳だ。
「あんたは家でもここでも愚痴の数が多すぎなのよ。私は母さんと違って、あんたに我慢なんてしないから。ムカついたらブン殴るから」
「ぐっ!」
「ほら、さっさと町に行きなさい」
スパァン! 早速、後頭部を叩かれた。
私の頭はアクセルじゃない。
今すぐに文句を言いたいけど、言ったら殴られるだけだ。
素直に車を町に向かって走らせた。
♢
「やぁっ、ちょっといいかな? ファクトリーの場所を教えてほしいんだけど」
町の薄茶色の道路を車は軽快に進んでいく。
ファクトリーへの道を若い二人組の女性に聞いてみた。
若いと言っても、私より若いというだけで、二人とも二十三歳前後だ。
「えっ、工事がある場所? そんなのあったんだ」
「ほら、町の東側よ。たまに大きな車が東に行くのを見た事あるでしょう」
「そういえば、そうだったような……多分、東に行けばありますよ」
右の子は薄茶色の長い髪をかき上げて、オデコを見せるように後ろで縛っている。
顔立ちは知的で大人っぽい。
服装は緑と青のストライプワンピースに、スラッとした長い手足はモデルのようだ。
反対に左の子は赤茶色の長い髪を額で左右に分けて、鎖骨に無造作に垂らしている。
服装はブルーのデニムジャケットに、白のショートパンツ。
小麦色の肌は健康的で、あどけない表情に情熱的な大人の色気が潜んでいる。
確かにこの町には魅惑的なマーメイド(人魚)が多いようだ。
「ありがとう、親切なお嬢さん達。これでトロピカルジュースでも飲んでね」
「やだぁ~、ウケるぅ~!」
「小父様、もしかして、ナンパですか?」
「ただの観光だよ。それじゃあ、またね」
ポケットのズボンから財布を取り出して、お礼に百ドル札を一枚ずつ渡した。
次に会ったら、これで町の観光も頼めそうだ。
私は車を走らせながら、軽くクラクションを鳴らす。
そして、窓から右手を出して、サイドミラー越しに二人に向かって手を振った。
「ちょっと、マジで吐きそうなんだけど。出張するたびにあんな事やってんじゃないでしょうね?」
「そんな金がある訳ないだろう。ただ、罪悪感を忘れたいだけだ……」
助手席に座るケイトは本気で引いている。
お前達と違って、私は善良な人間だったんだ。
あれだけ人を殺して来たんだ。
手に入れた金を無償でばら撒かないとやってられない。
教会にも寄付しないと天罰が降りそうだ。
「えっ? もしかして、私に対して罪悪感でもあるの? だったら、貰ってやるわよ。その前にあのお金、どこで手に入れたのよ? まさか……!」
「あれは拾った物だ。お前達から盗んでないからな」
あの金はWBの死体から拝借した金だ。
あいつらが女性を困らせていたから、女性に配るのが一番妥当だと判断した。
決して、家出した娘に対しての罪悪感で、若い女性に金は配らない。
そして、お前達は教会に行って、直ちに懺悔しろ!
特に鳥は聖水で清めてもらえ!
塩焼きが好きだと言っていたから、塩焼きでもいいぞ!
「ふぅーん、だったらいいわ。ミアとパトリに一時間以内に戻るって言ったから、買取交渉はあんたに任せるわよ。いつもの仕事のように、しっかりとぼったくりなさいよ」
「そんなに簡単に出来る訳ないだろう。自分がどんな物を売っているのか分からないんだぞ。あれがどんな金属で、どんな性質があるのか説明しないといけないんだ」
「ごちゃごちゃ言わずに黙って仕事しろ!」
「あぐっ! 運転中に殴るな! ごふっ!」
ドガッ、ドガッ、何という理不尽な暴力だ。やっぱりムカついているじゃないか。
当たり前の事を言っただけで、二発も頭を殴られた。
「まだ殴られたいの?」
「うぐっ……」
そして、まだ殴り足りないようだ。拳を振り上げている。
若い女に金を渡した事にキレているのか、反論したからキレたのか理由は不明だ。
キレるならキレている理由を言ってから、キレろ。これだと直せない。
「この辺みたいだな」
東に進むと、確かに大きな工場っぽい建物が見えてきた。
外壁は神殿のように白い柱を等間隔で配置して、柱の間を濃茶のレンガで埋めている。
まあ、外観だけが古くて、中身は最新の設備なのは分かっている。
ただの景観対策でそれっぽい建物にしているだけだ。
さて、目的地に到着したようだ。
あとはその辺の人に聞けば見つかるだろう。
ファクトリーがあれば、の話ではある。
とりあえず、次は男に聞くしかない。
「はい、到着。初めての場所は安く買取ろうとするから舐められないようにするのよ」
通りすがりの人に聞いて、すぐに目的地のファクトリーには到着した。
でも、ファクトリーと言うにはあまりにも小さ過ぎる。
ファクトリーじゃなくて、ショップと言った方がいいぐらいだ。
これは販売だけしかやってない可能性が高いな。
「よし、営業の手本を見せてやる。まずは青魔石を貸せ。この規模の店でも魔石の買取りぐらいはしているだろうからな」
「はい。分かっているとは思うけど、端た金で買取られないようにしてよね。失敗したら、海に沈めるから」
自信満々で左手の手のひらをケイトに見せて、魔石を渡せと要求した。
ケイトはメタルスライムの青色魔石を乱暴に手渡してきた。
誰に言っている? もしも失敗したら、細切れにして釣りの餌に使えばいい。
「お前は邪魔だから、車で待っていろ。五分で終わらせてやる」
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