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第49話 久し振りの一流営業マンの仕事
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「いらっしゃいませ」
木製の外開きの扉を開けて、店内に入った。
すぐに青色の木製カウンターから茶色い髪の若い男の店員が挨拶してきた。
白いエプロンに、青生地の花柄シャツを着ている。
フレンドリーな庶民的な店のようだ。
「……」
白と水色のチェック柄の床。少し冷えた店内には、波の音を思わせる音楽が流れている。
店員は一人、客はゼロ。商品は格安の黒魔石のアビリティリングが棚に大量に置かれている。
しかも、『レンタル可能』のポスターまで壁に貼られている。
明らかに運動不足の観光客が、海を楽々と泳ぐ為だけに商品を置いている。
ここはファクトリー(工場)じゃない。完全にショップ(ただの店)だ。
「こんにちは。魔石の買取りで店長と話がしたいんだが、居るかな?」
ここの店長なんて知りもしない。
知らない会社に入る時は、まずは社長と話がしたいと言え。
大抵の平社員は警戒して、丁寧な対応をしてくれる。
ただし、営業という身分がバレた瞬間に、態度は大きく変わってしまう事がある。
なので、横柄な態度を取らないように要注意だ。
「えっーと、店長は連絡すれば、二十、三十分で来ますけど。すみません、うちは買取りはしてないはずなんですけど……」
椅子に座って雑誌を見ていた店員は、立ち上がると困った顔をしている。
こっちも普通の店で困っている。魔石を買取りしてない店で売れるはずがない。
だが、それでも結果を出さなければならない時がある。それが今だ。
「ああ、それは知っている。レアな魔石が手に入ったから、店長に見てもらおうと思ってな」
「へぇー、そうなんですか? どんな魔石なんですか?」
「これだ。おそらく未発見の魔石で間違いないと思う」
レアという言葉に店員は少し興味が出たようだ。
なので、カウンターの上に青魔石を置いてみた。
「触ってもいいですか?」
「もちろん」
「へぇー、青色の魔石なんですね。初めて見ました。黒と灰色しか見た事ないんですよね」
店員は落とさないように両手に持って、覗き込むように青魔石を見ている。
濃い青ではなく、薄い青なので、空色とも海色とも言える。
「でも、その魔石をアビリティリングに嵌めても何の反応もないぞ」
「えっ? それだと、ただの石ころと同じじゃないですか」
価値を上げてから、自分で一気に叩き落とす。
店員は持っていた魔石を宝石のように見ていたが、私の言葉で石ころを見る目に変わった。
むしろ、魔石だと言って、ガラス玉を売ろうとしていると疑っているかもしれない。
だが、これでいい。相手は買う気がそもそもない。
私が言う前に欠点をあれこれと探して、断ろうとするのは営業経験で分かっている。
価値は上げてから、下げる。そして、更に跳ね上げる。
そうする事で価値は錯覚を利用して倍に出来る。
もちろん、跳ね上がらない事も多々ある。
「そうなんだ。だからこそ困っているんだ。せっかく苦労して手に入れた魔石が使えないと、ただの石ころと同じになってしまう」
「でも、俺にはどうする事も出来ませんよ。この店はレンタルショップみたいなものだし、買取りも出来ませんから……俺でよかったら、二千ドルまでなら出せますけど?」
やっぱりレンタルショップ……まあ、それは言われる前に分かっていた。
店員が頑張って、自腹で二千ドルで買取ってくれるらしいが、黒魔石で五百ドルだ。
そんな値段で売れるはずがない。
「いやいや、嬉しい申し出だが、何だか分からない魔石をそんな大金で売れるはずがない。キチンとどういう物なのか調べようと思ってね。この店の店長さんなら、この町で調べられそうな人を知っていると思って、紹介してもらおうと思って来たんだよ」
店員の気分を害さないように、丁寧に買取りの申し出を断った。
この店での高額買取りはまず無理だ。店長が来たとしても、おそらく二万ドルが限界だろう。
ならば、やる事は一つだ。この店の人脈を頼るしかない。
「そういう事なら、この近くにリングの修理業者がいますよ。俺なんかよりも詳しいと思います。案内しましょうか?」
「いいのか? 仕事中だろう」
「大丈夫ですよ! 客はゼロだし、車で往復七分程度の距離です。パパッと行けば問題ないです。一応、店長にもメールで連絡しておきます」
良心的な店員が携帯電話でメールを送り始めた。
修理業者なら、確かに店員よりは詳しそうな専門家だ。非常に助かる。
あと思いつく問題があるとしたら業者の規模だな。
小さな建物で個人経営しているか、そこそこ大きな建物で従業員を雇っているかだ。
出来れば、ショップからショップには移動したくない。
「悪いね、助かるよ。良かったら、これでトロピカルジュースでも飲んでよ」
「いえいえ‼︎ 悪いですよ!」
私はズボンのポケットから財布を取り出して、百ドル札を店員に渡そうとする。
でも、店員は受け取るつもりはないようだ。かなり遠慮している。
ここが女と男の違いだな。男は金に警戒する。女は金に無警戒だ。
「遠慮しなくていい。君は仕事中で仕事をしているんだ。ボランティアじゃないんだ。相談料と案内料と紹介料としては妥当な金額だ。むしろ、少ないかもしれない。受け取らない方がおかしい」
「そうなんですか? そういう事なら、ありがとうございます」
ほとんど無理矢理に百ドル札を受け取らせた。
良心的な青年に渡したので、天国の神様の評価もアップだな。
汚い金をばら撒くのは非常に気持ちが良い。
共犯者が増えて、罪の意識がどんどん薄れていく感じがする。
「いやいや、こちらこそ、君のお陰で助かりそうだよ」
「そんな事ないですよ。それと俺の名前はスタンリーです。友人はスタンと呼んでいます」
「スタンリー、スタンだな。よろしく、スタン。私はギルバード、家族からはジジイと呼ばれているが、出来れば、ギルと呼んでくれ」
店員のスタンと軽く握手を交わしてから、私達は店の外に出た。
店の外に待機させている車と運転手に、修理業者の所まで連れて行ってもらう。
「ケイト、こちらはスタンさんだ。これから、修理業者の所に案内してもらって、この魔石を調べてもらう事になった。五分程で着くから、そこまで運転してくれ」
「よろしくお願いします」
「五分……」
店に入って五分を過ぎて、八分経過していた。
更に追加の五分で、ケイトはキレている。
紹介したスタンと一緒に私の顔面に拳を叩き込みそうだ。
「そう。だったら、早く乗って」
でも、そこを我慢して大人の対応をしてくれた。
ムカついても人前では、私は殴らないようだ。
そうだ。やれば出来るじゃないか。我慢は大事だぞ。
♢
ケイトは修理業者の所まで黙って運転すると、眼鏡とサスペンダーと一緒に私達を降ろした。
そして、「終わったら、車に戻って来るように」と言って、車でミアとパトリの所に帰っていった。
今日は海辺のレストランで、ワインは我慢しないといけないらしい。
「工場長をちょっと呼んで来ますね」
「よろしく頼む」
私に一声かけてから、スタンは工場の中に入っていった。
スタンに案内された修理業者は、そこそこ大きな建物を持つ修理業者だった。
横幅五十メートル、奥行き百二十メートル、高さ十二メートルぐらいはある。
平坦な三角屋根の神殿風の建物は、外壁は薄い橙色をしている。
でも、古めかしい外壁とは違い、内部は最近の機械で溢れている。
金槌やノコギリを持って来て、修理される心配はしなくてよさそうだ。
「ギルさん、お待たせしました。工場長のエメットさんです」
「こんにちは、ギルバートです。魔石の鑑定をしてもらいたく、お伺いさせてもらいました」
スタンが灰色の作業着を着た四十八歳ぐらいの男を連れて来た。
暑いのか上着のボタンを外して、中に着ている黒いシャツが見えている。
黒髪の短い坊主頭に同じ長さの無精髭が生えているが、左手の薬指に指輪が嵌められている。
仕事一筋のダラシがない人間ではなさそうだ。
「堅苦しい挨拶はいい。うちは船の製造と修理を主にやっている。当然、船に魔石を使うから多少は詳しいが、分からん事もある。まずは物を見せてくれ。協力できるか、出来ないかは見ないと分からん」
挨拶して、軽く握手でもしようとしたが、素気無く断られた。
差し出した右手が虚しいが仕方ない。こういう反応は慣れている。
まずは眼鏡とサスペンダーの二体を紹介するとしよう。
「これが魔石を持っていた生物の金属です。金属を調べれば何か分かると思います」
工場長を鉛色の二体のリアルマネキンの前に案内して、私の意見を言ってみた。
「確かにその通りだ。金属分析器なら、うちにもあるから直ぐに調べられる。もちろん、データとして登録されている金属以外は分からんだろうがな」
「よろしくお願いします」
工場長は何度も分からん時は分からないと言ってくる。
期待するなという意思がヒシヒシと伝わる。
期待を絶対に裏切りたくないタイプの人間なのだろう。
「少し削るが問題ないな?」
「構いません。それと……これも調べてくれませんか」
「何だ、それは?」
工場長はサスペンダーの身体を削るみたいだ。コンコンと叩いたり、撫で回している。
その工場長に魔石を守っていたトゲトゲの一本を見せてみた。
「このトゲでこの人形を本物の人間のように操っていたんです。もしかすると、違う金属かもしれません」
「ふぅーん、まあいい。一つも二つも大した違いはない。六分もあれば、結果は分かる。その間に魔石の話でも聞かせてくれ」
「分かりました。二分程度に省略して話します」
工場長は私からトゲを受け取ると、金属分析器の前に移動していく。
従業員の一人がサスペンダーの小指をナイフで削って、金属を採取している。
私がやる事は二分に省略した作り話を話すだけだ。
♢
木製の外開きの扉を開けて、店内に入った。
すぐに青色の木製カウンターから茶色い髪の若い男の店員が挨拶してきた。
白いエプロンに、青生地の花柄シャツを着ている。
フレンドリーな庶民的な店のようだ。
「……」
白と水色のチェック柄の床。少し冷えた店内には、波の音を思わせる音楽が流れている。
店員は一人、客はゼロ。商品は格安の黒魔石のアビリティリングが棚に大量に置かれている。
しかも、『レンタル可能』のポスターまで壁に貼られている。
明らかに運動不足の観光客が、海を楽々と泳ぐ為だけに商品を置いている。
ここはファクトリー(工場)じゃない。完全にショップ(ただの店)だ。
「こんにちは。魔石の買取りで店長と話がしたいんだが、居るかな?」
ここの店長なんて知りもしない。
知らない会社に入る時は、まずは社長と話がしたいと言え。
大抵の平社員は警戒して、丁寧な対応をしてくれる。
ただし、営業という身分がバレた瞬間に、態度は大きく変わってしまう事がある。
なので、横柄な態度を取らないように要注意だ。
「えっーと、店長は連絡すれば、二十、三十分で来ますけど。すみません、うちは買取りはしてないはずなんですけど……」
椅子に座って雑誌を見ていた店員は、立ち上がると困った顔をしている。
こっちも普通の店で困っている。魔石を買取りしてない店で売れるはずがない。
だが、それでも結果を出さなければならない時がある。それが今だ。
「ああ、それは知っている。レアな魔石が手に入ったから、店長に見てもらおうと思ってな」
「へぇー、そうなんですか? どんな魔石なんですか?」
「これだ。おそらく未発見の魔石で間違いないと思う」
レアという言葉に店員は少し興味が出たようだ。
なので、カウンターの上に青魔石を置いてみた。
「触ってもいいですか?」
「もちろん」
「へぇー、青色の魔石なんですね。初めて見ました。黒と灰色しか見た事ないんですよね」
店員は落とさないように両手に持って、覗き込むように青魔石を見ている。
濃い青ではなく、薄い青なので、空色とも海色とも言える。
「でも、その魔石をアビリティリングに嵌めても何の反応もないぞ」
「えっ? それだと、ただの石ころと同じじゃないですか」
価値を上げてから、自分で一気に叩き落とす。
店員は持っていた魔石を宝石のように見ていたが、私の言葉で石ころを見る目に変わった。
むしろ、魔石だと言って、ガラス玉を売ろうとしていると疑っているかもしれない。
だが、これでいい。相手は買う気がそもそもない。
私が言う前に欠点をあれこれと探して、断ろうとするのは営業経験で分かっている。
価値は上げてから、下げる。そして、更に跳ね上げる。
そうする事で価値は錯覚を利用して倍に出来る。
もちろん、跳ね上がらない事も多々ある。
「そうなんだ。だからこそ困っているんだ。せっかく苦労して手に入れた魔石が使えないと、ただの石ころと同じになってしまう」
「でも、俺にはどうする事も出来ませんよ。この店はレンタルショップみたいなものだし、買取りも出来ませんから……俺でよかったら、二千ドルまでなら出せますけど?」
やっぱりレンタルショップ……まあ、それは言われる前に分かっていた。
店員が頑張って、自腹で二千ドルで買取ってくれるらしいが、黒魔石で五百ドルだ。
そんな値段で売れるはずがない。
「いやいや、嬉しい申し出だが、何だか分からない魔石をそんな大金で売れるはずがない。キチンとどういう物なのか調べようと思ってね。この店の店長さんなら、この町で調べられそうな人を知っていると思って、紹介してもらおうと思って来たんだよ」
店員の気分を害さないように、丁寧に買取りの申し出を断った。
この店での高額買取りはまず無理だ。店長が来たとしても、おそらく二万ドルが限界だろう。
ならば、やる事は一つだ。この店の人脈を頼るしかない。
「そういう事なら、この近くにリングの修理業者がいますよ。俺なんかよりも詳しいと思います。案内しましょうか?」
「いいのか? 仕事中だろう」
「大丈夫ですよ! 客はゼロだし、車で往復七分程度の距離です。パパッと行けば問題ないです。一応、店長にもメールで連絡しておきます」
良心的な店員が携帯電話でメールを送り始めた。
修理業者なら、確かに店員よりは詳しそうな専門家だ。非常に助かる。
あと思いつく問題があるとしたら業者の規模だな。
小さな建物で個人経営しているか、そこそこ大きな建物で従業員を雇っているかだ。
出来れば、ショップからショップには移動したくない。
「悪いね、助かるよ。良かったら、これでトロピカルジュースでも飲んでよ」
「いえいえ‼︎ 悪いですよ!」
私はズボンのポケットから財布を取り出して、百ドル札を店員に渡そうとする。
でも、店員は受け取るつもりはないようだ。かなり遠慮している。
ここが女と男の違いだな。男は金に警戒する。女は金に無警戒だ。
「遠慮しなくていい。君は仕事中で仕事をしているんだ。ボランティアじゃないんだ。相談料と案内料と紹介料としては妥当な金額だ。むしろ、少ないかもしれない。受け取らない方がおかしい」
「そうなんですか? そういう事なら、ありがとうございます」
ほとんど無理矢理に百ドル札を受け取らせた。
良心的な青年に渡したので、天国の神様の評価もアップだな。
汚い金をばら撒くのは非常に気持ちが良い。
共犯者が増えて、罪の意識がどんどん薄れていく感じがする。
「いやいや、こちらこそ、君のお陰で助かりそうだよ」
「そんな事ないですよ。それと俺の名前はスタンリーです。友人はスタンと呼んでいます」
「スタンリー、スタンだな。よろしく、スタン。私はギルバード、家族からはジジイと呼ばれているが、出来れば、ギルと呼んでくれ」
店員のスタンと軽く握手を交わしてから、私達は店の外に出た。
店の外に待機させている車と運転手に、修理業者の所まで連れて行ってもらう。
「ケイト、こちらはスタンさんだ。これから、修理業者の所に案内してもらって、この魔石を調べてもらう事になった。五分程で着くから、そこまで運転してくれ」
「よろしくお願いします」
「五分……」
店に入って五分を過ぎて、八分経過していた。
更に追加の五分で、ケイトはキレている。
紹介したスタンと一緒に私の顔面に拳を叩き込みそうだ。
「そう。だったら、早く乗って」
でも、そこを我慢して大人の対応をしてくれた。
ムカついても人前では、私は殴らないようだ。
そうだ。やれば出来るじゃないか。我慢は大事だぞ。
♢
ケイトは修理業者の所まで黙って運転すると、眼鏡とサスペンダーと一緒に私達を降ろした。
そして、「終わったら、車に戻って来るように」と言って、車でミアとパトリの所に帰っていった。
今日は海辺のレストランで、ワインは我慢しないといけないらしい。
「工場長をちょっと呼んで来ますね」
「よろしく頼む」
私に一声かけてから、スタンは工場の中に入っていった。
スタンに案内された修理業者は、そこそこ大きな建物を持つ修理業者だった。
横幅五十メートル、奥行き百二十メートル、高さ十二メートルぐらいはある。
平坦な三角屋根の神殿風の建物は、外壁は薄い橙色をしている。
でも、古めかしい外壁とは違い、内部は最近の機械で溢れている。
金槌やノコギリを持って来て、修理される心配はしなくてよさそうだ。
「ギルさん、お待たせしました。工場長のエメットさんです」
「こんにちは、ギルバートです。魔石の鑑定をしてもらいたく、お伺いさせてもらいました」
スタンが灰色の作業着を着た四十八歳ぐらいの男を連れて来た。
暑いのか上着のボタンを外して、中に着ている黒いシャツが見えている。
黒髪の短い坊主頭に同じ長さの無精髭が生えているが、左手の薬指に指輪が嵌められている。
仕事一筋のダラシがない人間ではなさそうだ。
「堅苦しい挨拶はいい。うちは船の製造と修理を主にやっている。当然、船に魔石を使うから多少は詳しいが、分からん事もある。まずは物を見せてくれ。協力できるか、出来ないかは見ないと分からん」
挨拶して、軽く握手でもしようとしたが、素気無く断られた。
差し出した右手が虚しいが仕方ない。こういう反応は慣れている。
まずは眼鏡とサスペンダーの二体を紹介するとしよう。
「これが魔石を持っていた生物の金属です。金属を調べれば何か分かると思います」
工場長を鉛色の二体のリアルマネキンの前に案内して、私の意見を言ってみた。
「確かにその通りだ。金属分析器なら、うちにもあるから直ぐに調べられる。もちろん、データとして登録されている金属以外は分からんだろうがな」
「よろしくお願いします」
工場長は何度も分からん時は分からないと言ってくる。
期待するなという意思がヒシヒシと伝わる。
期待を絶対に裏切りたくないタイプの人間なのだろう。
「少し削るが問題ないな?」
「構いません。それと……これも調べてくれませんか」
「何だ、それは?」
工場長はサスペンダーの身体を削るみたいだ。コンコンと叩いたり、撫で回している。
その工場長に魔石を守っていたトゲトゲの一本を見せてみた。
「このトゲでこの人形を本物の人間のように操っていたんです。もしかすると、違う金属かもしれません」
「ふぅーん、まあいい。一つも二つも大した違いはない。六分もあれば、結果は分かる。その間に魔石の話でも聞かせてくれ」
「分かりました。二分程度に省略して話します」
工場長は私からトゲを受け取ると、金属分析器の前に移動していく。
従業員の一人がサスペンダーの小指をナイフで削って、金属を採取している。
私がやる事は二分に省略した作り話を話すだけだ。
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