没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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1日目

ジョブ習得

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「お前。何考えているのか知らないけど、冒険者よりもマシな仕事ぐらいあるだろう」

 ギルドの建物から出ると、青年はカノンから手を離して怒った。

「すみません。家から追い出されてしまって……他に頼れる所を知らないんです」
「はんっ。親と喧嘩でもして家出でもしたのか。さっさと帰れよ」

 くだらない理由で冒険者になろうとする少女を、青年は鼻で笑った。
 そして放っておいてギルドの建物に入ろうとした。
 でもカノンの次の言葉で足を止めた。

「家は無いです。お父様の借金に取られてしまいました」
「……ああ、そうかよ。その親父はどこにいるだ?」
「分かりません。待っているように言われて、今日まで待っていました」
「…………」

 18歳の青年はただの家出少女と思って話を聞いていた。
 でも家族に捨てられた少女だった。
 しかも勝手な想像で、手元に残った金で冒険者になろうとしている、根性のある少女だと高評価している。

「何だよ、そういう事情かよ。ジョブは何を習得しているんだ? 冒険者向きなんだろう」
「ジョブ……? それは何ですか?」
「マジかよ。極悪人じゃなければ15になれば、誰だって習得できるもんだぞ」
「そうなんですか?」

 世間知らずのお嬢様には一般常識がない。
 屋敷で教わったのは、政略結婚相手に気に入られる方法だけだった。
 お茶と下手なダンスは、あまり役に立たない。

「仕方ないから教会まで案内してやるよ。ジョブを習得するには1000ギルド必要だからな」
「本当ですか‼︎ ありがとうございます!」

 青年は呆れながらも、カノンに協力することにした。
 下に手のかかる弟と妹がいるから、面倒見がよかった。

「冒険者になるなら、武器も道具も必要だ。素手で出来る仕事は少ないからな」
「武器ですか? 本よりも重たい物は持ったことないです」

 教会に連れて行けないパトラッシュを馬小屋に残して、二人は教会に向かった。
 教会に到着すると、カノンは青年に教えられた通りに寄付して、祈りの間で神様に願った。

「神様、私にジョブを授けてください」

 天井のガラス越しに日の光が入り、真っ白な神聖な祈りの間を明るく照らしている。

「わぁ~!」

 カノンの祈りが通じたのか、驚くカノンの足元に青白く輝く魔法陣が出現した。
 丸い魔法陣の中に、ステータス、ジョブ、スキルがスラスラと青文字で書かれていく。

【名前=カノン・ネロエスト 種族=人間(女) 
 レベル=1(必要経験値0/10) HP=162/180 MP=70/80
 力=6 体力=6 知性=7 精神=8 器用さ=5 素早さ=5】

【ジョブ=見習い道具師
 スキル1=道具の情報を見ることが可能
 スキル2=MPを消費して、壊れた道具の修復が可能
 スキル3=所有権のある持ち物に経験値を獲得させて、レベルアップさせることが可能
 スキル4=進化レベルに達した道具を、MPを消費して進化させることが可能】

「わあ、わあ、わわわわっ⁉︎」

 魔法陣に全てが書き終わると、文字が浮かび上がって、力がカノンの中に入り込んだ。
 HP、MP以外のステータスの女性平均は13だから、ステータスは半人前以下だった。
 でもジョブとスキルには恵まれた。

「あっ、終わったんですね。急がないと」

 カノンは儀式が終わったのに気づくと、外に急いだ。
 青年が待ってくれている。
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