没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

文字の大きさ
4 / 121
1日目

ボロ服修復

しおりを挟む
「お待たせしましたぁー」
「別にいいよ。どんなジョブだったんだ?」

 教会の中の長椅子に座って、青年はカノンを待っていた。
 カノンがやってくると立ち上がって、ジョブの能力を聞いた。
 戦闘向き、非戦闘向きで冒険者に向いているのか分かる。

「あー……壊れた道具を修復できるみたいです」

 カノンはうろ覚えのスキル2の能力を答えた。

「道具の修復なら職人系だな。壊れた物を安く買い取って高く売るか、道具の修復代で稼げる。とりあえず着ている服を修復してみろよ」
「はい、分かりました。どうやればいいんですか?」
「はぁー、本当に何も知らないんだな」

 青年は手頃なカノンのボロ服で、能力を確認することにした。
 スキルの使い方も知らないカノンに、呆れながも丁寧に教えていく。
 家族や周囲にスキルが使える人間がいれば、普通は興味を持つ。

 HPとMPは空腹や満腹、怪我や疲労によって、上昇と減少を繰り返す。
 HPとMPが0になると気絶してしまう。
 そして0状態が長時間続くと、死亡する危険がある。
 青年がスキルを使いすぎないようにと、キチンとカノンに注意した。

【名前=ボロシャツ(半袖茶色) 種類=防具(服) 
 レベル=1(必要経験値0/10) 進化レベル=3 損傷率=72% 
 防御力=1 魔法防御力=0 その他の効果=臭い】

「あっ! 見えました!」

 青年に言われた通りにボロシャツに触ると、ボロシャツのステータスが見えた。

「だったら次は修復——直れと念じればいい。MPに気をつけて倒れるなよ」
「はい。直れ直れ直れ……」

 心で思うだけでいいのに、カノンは言葉に出している。
 ところどころに小さな穴が空いていたボロシャツが、見る見る綺麗になっていく。
 身体の傷が治るように、穴が塞がり、汚れた茶色から、布本来の落ち着いた茶色に変わっていく。
 MPを7消費して、ボロシャツの修復が終わった。

「わぁ~♪ 新品になりましたぁ~!」
「道具専用の回復魔法みたいだな。修復道具が要らないから、修復屋でも開けば生活費ぐらいは稼げるだろう」

 ボロシャツが新品になって、カノンは喜んだ。
 青年の話を聞きながら、ボロの半ズボン、ボロ靴も修復した。
 茶色服全体の防御力が6まで上昇した。

「MPは飯を食って休めば自然回復する。MP回復薬は高いから、高価な道具の修復代で稼ぐのが基本だな」
「装飾品とかですか?」
「ま、そんなところだな。武器屋とか防具屋とか回って宣伝すればいい。だけど高価な道具は、MP消費が激しいかもしれない。冒険者ギルドの訓練所で、レベル上げした方が良いかもな」
「レベル上げですか……?」
 
 教会から武器屋に向かって、話しながら歩いて行く。
 世間知らずのカノンの代わりに、青年がどうしたらいいのか教えている。
 レベルが上がれば、ステータスのMPも上がる。
 MPが上がれば、修復できる数も増えるから収入も増える。

「ここが武器屋だ。店主に話を聞いたら、冒険者ギルドで冒険者登録するんだぞ」
「はい。ありがとうございます」
「じゃあ、頑張れよ」

 木板の看板に剣が彫られた武器屋に到着した。
 青年は冒険者の仕事があるから、カノンとはここで分かれる。
 カノンは丁寧にお辞儀して青年を見送ると、武器屋に入った。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』

アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた 【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。 カクヨム版の 分割投稿となりますので 一話が長かったり短かったりしています。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

異世界に来ちゃったよ!?

いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。 しかし、現在森の中。 「とにきゃく、こころこぉ?」 から始まる異世界ストーリー 。 主人公は可愛いです! もふもふだってあります!! 語彙力は………………無いかもしれない…。 とにかく、異世界ファンタジー開幕です! ※不定期投稿です…本当に。 ※誤字・脱字があればお知らせ下さい (※印は鬱表現ありです)

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。 そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。 しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの? 優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、 冒険者家業で地力を付けながら、 訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。 勇者ではありません。 召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。 でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。

安全第一異世界生活

ファンタジー
異世界に転移させられた 麻生 要(幼児になった3人の孫を持つ婆ちゃん) 新たな世界で新たな家族を得て、出会った優しい人・癖の強い人・腹黒と色々な人に気にかけられて婆ちゃん節を炸裂させながら安全重視の異世界冒険生活目指します!!

「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう

ムラサメ
恋愛
​漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。 死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。 しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。 向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。 一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?

処理中です...