没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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6日目

街帰還・ルセフの家

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 パトラッシュに2倍速を使って乗ると、遺跡から街まで、2時間もかからなかった。
 カノンは家の前に到着すると、家には入らずに、まずは家を進化させた。

「きゃああ!」「うわああ!」

【名前=丈夫な家(二階建て) 種類=建物(木造) 
 レベル=10(必要経験値0/170) 進化レベル=20 損傷率=0%】

「ど、どうしよう⁉︎ 壊しちゃった!」

 遺跡前の大量の家で、進化を試した後にやるべきだった。
 両隣の家が、大きくなったカノンの家に破壊された。
 家の中から、住民四人が慌てて飛び出して来た。

「あの、すみません。修理代と引っ越し代を払います。1千万ギルドでいいですか?」
「はい、喜んで! すぐに引っ越します!」

 両隣の住民の立ち退き交渉はすぐに終わった。
 牛並みに大きな犬に脅されて、建物代は350万ギルドだ。
 文句を言えるわけがない。
 土地と建物の権利書を渡して、逃げるように引っ越した。

「わぁ~♪ 部屋数が増えてます。あー、でも設備は変わらないんですね」

 カノンは進化後の家の中を調べて回る。
 パトラッシュも玄関を何とか通って、新しい寝床を探している。
 一階の個室が1つから3つに増えていた。二階にも広い個室が2つある。
 一人と一匹暮らしには十分な広さだ。

「さてと、ルセフさんの家に行きますか」

 家を調べ終わると、カノンはパトラッシュに乗って、ルセフの家を目指した。

 氷フライムの死体が1400匹ほどある。
 回収しやすいようにバラバラ死体を修復したら、当然増えた。
 進化させて美味しくなった大量のパンと一緒に、おすそ分けする。

 恐ろしいほどのありがた迷惑だが、ルセフの匂いをパトラッシュが覚えている。
 住所の近くまで行くと、迷わずに大きな二階建ての家を発見した。

「あっ、こんにちは。ルセフさんの友人のカノンです。ルセフさん、いらっしゃいますか?」

 道を歩いて来た30代前半の長い茶色い髪の女性が、家に入ろうとした。
 カノンは家の人だと思って、素早く挨拶した。

「あらぁー♪ あの子ったら、こんな可愛いお友達がいるなんて、全然言わないんだから。ルセフの母のニコラです。息子なら庭で魔物の解体中よ。これからお昼ご飯にするんだけど、一緒にどうかしら?」
「是非、いただきます」

 カノンは買い物帰りの愛想がいい母親を捕まえた。
 図々しい女として遠慮なく、昼ご飯をごちそうしてもらうつもりだ。
 息子に追い出されるとは、まったく考えていない。

 家の裏庭に行くと、ルセフとウェインが、子供二人と一緒に魔物を解体していた。
 子供の男の方がジャン14歳、女の方がシリカ13歳、ルセフの弟と妹だ。
 ジャンが母親似で、茶色い髪で色白の肌をしている。
 シリカはルセフ似で、錆色の髪に褐色の肌をしている。

「あれ? カノンちゃん、どうしたの? もしかして手伝いに来てくれたの」
「おい、マジかよ……家には来るなって言っただろ」

 カノンに気づいたウェインが来た理由を聞いている。
 ルセフは嫌な顔して、やっぱり怒っている。

「遺跡で魔物をたくさん倒したんですけど、解体できないので届けに来ました」

 二人の反応は気にせずに、カノンは自分の用件を言った。
 白いアイテムポーチから、茶色のアイテムポーチを取り出して見せた。

「お前、一人で行ったのか? 死にたいのかよ」
「一人じゃないです。パトラッシュも連れて行きました」

 ルセフに怒られたから、カノンは後ろのパトラッシュを指差して言った。

「やっぱりパトラッシュかよ。二日でどうやったら、そこまでデカくなるんだよ?」
「まあまあ、無事だったんだからいいだろ。何匹倒して来たの? 解体なら俺が教えるよ」
「本当ですか? よろしくお願いします」

 ウェインは自分の安請け合いを、すぐに後悔することになる。
 カノンがアダマンタイト手袋を装備した。
 茶色いアイテムポーチから氷フライムを取り出していく。

「もういい! それ以上出すな!」

 1、10、100までは行かなかった。40匹目でルセフに止められた。
 裏庭を氷フライムだらけにされたくない。
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