没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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16日目

古の遺跡・鎧ドラゴン

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 カノン達は岩山に囲まれた秘境にある、古の神殿にやって来た。
 推奨レベル50の中級冒険者向きのダンジョンだ。
 当然ほとんど人が来ないから整備されていない。
 灯りが必要なら自分で用意しないといけない。

 山の岩壁にある洞窟の入り口から、カノン達は遺跡の中に入った。
 古の遺跡は洞窟の中に作られた遺跡だ。

「本物のドラゴンもいるらしいです。絶対に仲間にしましょう!」
「カゲッー‼︎」

 神光の杖で大きな光の弾を作り、緑色の苔だらけの神殿を明るく照らして進んでいく。
 そして偽ドラゴンのトカゲが早くも、捨てられるピンチだ。
 ここで活躍しないと、一生透明な飼育ケースの中で暮らす可能性もある。

「あれ? もしかすると、ちょっとだけ切れば増やせるかも。尻尾の端を切れば……」
「ワフゥ?」

 カノンは恐ろしいことを思い付いたようだ。
 パトラッシュとドラゴンの尻尾の先を見つめている。
 尻尾を切って、すぐに修復すれば、生きたパトラッシュがもう一匹作れると思っている。
 もしも成功すれば、氷フライムが分裂するまで待たずに、切って修復すれば簡単に増やせる。

「いえいえ、駄目です。フライムで試しましょう」

 パトラッシュとドラゴンのピンチは静かに去った。
 カノンが考え直して我慢した。

「な、何だお前達はミノ⁉︎」

 最初に遭遇した魔物は、大斧を持った灰色のミノタウロスだった。
 胴体を一噛みで噛み砕く白い大犬に、遺跡の牛みたいなドラゴンと違うドラゴンだ。
 ミノタウロスは自分より強そうな魔物に遭遇して、明らかに怖がっている。
 今にも走って逃げ出しそうだ。

「あっ、あれは倒していいです。合成してハンバーグにしましょう」

 だけど逃げる時間はなかった。
 カノンの命令で、パトラッシュとドラゴンが突撃した。
 どちらもレベル100。レベル45のミノタウロスでは勝てない。

「ぎゃああああ~‼︎」
「ぺぇっ。次はドラゴンカゲ」

 ドラゴンが噛み千切ったミノタウロスの肉片を吐き捨てた。
 遺跡ドラゴンを仲間にするつもりはないようだ。

「うわぁー、重そうなドラゴンです。飛べるんですか?」

 広い遺跡を歩き回って、カノンは念願のドラゴンに遭遇した。
 トカゲドラゴンが軽装なら、遺跡ドラゴンは全身鎧の重装だ。
 太古の時代に生きていた恐竜トリケラトプスに、翼が生えたような身体をしている。

「覚悟するカゲッー!」

 カノンの命令もないのに、トカゲドラゴンが突撃した。
 生け捕りにするつもりはまったくない。

「テメェー、どこの島のドラゴンドラ! ここは俺達、鎧ドラゴンの縄張りドラ!」
「そんなの知らないカゲ! 全員皆殺しカゲッー!」
「やれるもんならやってみろドラッー‼︎」
「あぁー! 殺したら駄目ですよぉー! 痛めつけるだけにしてください!」

 どっちのドラゴンもカノンの声は聞こえていない。
 ドラゴンは縄張り意識が高いから、他所者は絶対に許さない。
 身体を激しくぶつけ合い、お互いの身体に噛みついて離れない。

「ぐはぁ、お、親分、逃げ……ドラ」
「口程にもないカゲ。牛の方が美味いカゲ」

 トカゲドラゴンがレベル100の意地を見せた。
 翼を引き千切られた遺跡ドラゴンが力尽きた。

「……ドラゴン弱いです。全然生物最強じゃないです」

 カノンが期待していた凄い戦いは起きなかった。野良犬の喧嘩と同じだった。
 倒して所有物になった遺跡ドラゴンをスキルで解体して、アイテムポーチに入れた。
 牛肉と竜肉の合い挽きハンバーグには出来そうだ。

「今度は殺したら駄目ですよ!」
「な、何だ、フラッー‼︎」

 カノン達に地フライムが見つかってしまった。
 巨大な地槍を飛ばして逃げているが、装備・地解の護符の効果で、当たる前に消えている。
 無傷で捕まえる準備は出来ている。虫網を持って追いかけて、薄茶色に輝く地フライムを捕獲した。
 
「さてと、ハサミでちょっと切りますね」
「や、やめてフラッー‼︎ ぎゃああああ‼︎」

 2匹目を探して捕まえる前に、カノンはハサミを取り出した。
 虫網の中の地フライムが恐怖で暴れているけど、容赦なくフライム片を切り取った。

「うーん、死体は増やせそうです。生き返らせないと無理ですね」

 やはり2匹目の地フライムを捕まえる必要があるようだ。
 地フライム片から修復した地フライムを、カノンはアイテムポーチの中に入れた。

「お、覚えていろフラ」

 縮小された地フライムが、ガラス瓶の中に入れられた。
 カノンを睨んでいる。このまま実験動物になるつもりはないようだ。
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