没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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16日目

魔法の杖合成

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 岩山の第一牧場に到着すると、巨大豪邸にドラゴンが帰っていた。
 温室育ちのペットだから、雨に打たれたことは一度もない。
 濡れないようにキチンと避難していた。

「やっと帰って来たカゲ。もう肉は飽きたから魚にしてカゲ。小骨までキチンと取ってカゲ」
「やっぱり駄目でした。合成する前に増やさないと駄目ですね」
「ぎゃああああ~‼︎ ドラゴンの餌にされるフラッー‼︎」

 大きな虫網に風フライム2匹を入れて現れた飼い主に、ドラゴンは注文した。
 残念ながら飼い主は、実験前にフライムを増やすのに忙しいようだ。
 氷フライムと風フライムは一晩置いても、分裂しなかった。
 
「これで二時間後には4匹ずつに増えます。その間は何をしましょう?」

 氷フライム2匹と風フライム2匹を分けて、もう一度餌を置いて檻に閉じ込めた。

「そうです! 魔法の杖を合成しましょう!」

 分裂して増えるまでの時間、カノンは焼き魚を作らずに、魔法の杖を合成することに決めた。
 まずはフライムと同じ、神氷の弾杖と神風の刃杖の二本を合成してみた。

【名前=神氷風の弾刃杖 種類=武器(短杖) 損傷率=0%
 レベル=30(最大レベル) 攻撃力=84 魔法攻撃力=84
 その他の効果=氷風魔法『氷弾、氷刃、風弾、風刃(消費MP10)』を使用可能】

「あっ、青緑色に魔法石が変わりました。なるほど、二つの魔法が使えるようになるんですね」

 もう氷フライムと風フライムを合成しなくても、どうなるか分かったようなものだ。
 間違いなく氷風フライムになって、使える魔法が氷と風の二種類に増える。

「よぉーし! 全属性合成してみましょう! きっと凄い杖になります!」

 素人の考え方だが、カノンのやる気は漲っている。
 残りの火、水、地、雷、光、闇の魔法の杖を取り出して、氷風の杖に合成していく。

【名前=神元の全杖 種類=武器(短杖) 損傷率=0%
 レベル=30(必要経験値0/1110) 進化レベル=60 攻撃力=168 魔法攻撃力=168
 その他の効果=元魔法『元弾、元槍、元柱、元刃(消費MP10)』を使用可能】

「……混ぜ過ぎました」

 カノンの中では実験失敗のようだ。
 魔法石が黒い鉛色に濁って、使える属性が元の一つになってしまった。
 でも攻撃力が上がり、進化も出来るようになっている。
 悪くはない実験結果だ。試しに床に元弾を撃ってみた。

「金属で削り取っているみたいです。触れたら危ないですね」

 破壊音はほとんどなく、砂や水の中に入るように、鉛色の魔法弾が床を貫通して消えてしまった。
 触れたものを消滅させる危険な元素魔法だ。

「うーん、困りました。杖のレベルを上げるには増やさないと駄目です。実験したいのに残念です」

 カノンは杖の為にフライムの合成を諦めた。
 今日はフライムを減らすより、増やすのを優先するみたいだ。

「他のフライムの捕獲に行きますか。あー、でもその前に、家で飼えるように小さくした方が良いかもしれないです。でも、分裂したら大きくなるかもしれないです。うーん、困りました」

 実験が出来ずに時間が出来たから、カノンは新しい予定を考えている。
 残りの六種類のフライムを捕獲に行くか、縮小したフライムが分裂するとどうなるのか知りたいようだ。
 どちらも重要そうだが、どちらも今日急いでやる必要がないことだ。

「パトラッシュ、勧誘してください」

 カノンは考えた結果、両方することに決めた。
 パトラッシュに脅迫させて、氷と風フライムの2匹ずつを仲間にした。

「仲間になるワン。断ればドラゴンの炎で少しずつ焼き殺すワン」
「仲間になるフラッ‼︎ 殺さないでフラッ‼︎」

 4匹を硬貨のサイズまで縮小すると、クリスタル製の密封された透明な箱に入れた。
 青く輝くクリスタルを透明に改良したから、外からでも増えたらすぐに分かる。
 あとで砂や小石を箱の底に敷いて、もう少し見た目を良くした方がよさそうだ。
 あまりにも殺風景すぎる。
 
「まずは地フライムです。レベル45の強敵です。分裂する前に捕獲して来ますよ」
「ワフゥ」「カゲ」

 明らかに過剰戦力だ。
 カノンは縮小したドラゴンも連れて、地フライムの捕獲に出発した。
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