没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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22日目

冒険準備

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 朝起きると、カノンはミランダの部屋に向かった。
 普段から早起きしない姉を起こしに行く為だ。

「すぅー、すぅー」
「やっぱり寝ていました」

 扉を叩いても返事がなかった。
 扉を開けて部屋に入ると予想通りだった。
 気持ち良さそうに熟睡していた。

 一応出かける準備は昨日のうちにしていたようだ。
 机の上に長剣が二本、短剣が三本が置かれている。

「姉様、姉様、朝ですよぉ~♪」
「はうっ、らあはっ、んああ~」

 ここぞとばかりに、カノンは両頬を引っ張って起こしている。チャンスは見逃さない。
 面白い顔になっているミランダが起きると、素早く引っ張るのも笑うのもやめた。

「んんっ、今何時なのぉ?」
「7時です。待ち合わせはギルド前に9時なので、もう起きないと化粧する時間もないです」
「んー、化粧ね。面倒くさいわね。化粧する程の相手じゃないのに……」

 目を擦りながら、ミランダが眠そうに時間を聞いた。
 カノンが答えると、面倒くさそうに起きている。化粧はするみたいだ。

 朝食を食べると、ミランダは白い長ズボン、白い長袖シャツの上に灰色の革ベストを着た。
 軽く化粧して、腰の少し上まで伸びる綺麗な茶髪を、頭頂部で纏めて大きな髪玉を作っている。
 戦う前から大きなタンコブの完成だ。

「ほら、あんた達もレベルを上げなさい。護衛なんだから」
「はい、ミランダお嬢様……」

 自分用ではなく、使用人用だった。
 馬車に乗り込むと、一緒に乗っている二人の使用人に長剣と短剣を一本ずつ渡している。
 ミランダは短剣一本で十分みたいだ。

「ナンシーのジョブは何ですか? 強いんですよね?」

 黒髪の私服使用人にカノンは聞いた。乗馬も得意な頼れる22歳だ。
 カノンとは2年間の短く長い付き合いだ。

「私は裁縫師です。服作りと修理は得意ですが、強いかどうかは分かりません」
「なら、ちょうどいいわね。私が布でピカピカに磨いた剣よ。それで頑張って強くなりなさい!」
「はい、ミランダお嬢様。ありがとうございます。大切に使わせていただきます」
「当たり前よ。折ったら弁償してもらうわよ」

 剣を使わせたいのか、使わせたくないのか分からない。
 上機嫌なミランダのことは気にせずに、もう一人の使用人にもジョブを聞いた。
 こっちは大工師だった。エリックが職人系だから、職人系を好んで雇っているようだ。

 馬車に揺られながら、冒険者ギルドには予定よりも早く到着した。
 時間があるので、昨日と同じように訓練所を見学できる。
 増えたスライムを使用人と一緒に倒して、ミランダはレベル5になった。

「ミランダお嬢様、これなら毎日通えば安全にレベル30になります。訓練所を屋敷の庭に作れば、わざわざ外出する必要もありません。ロクサーヌ様にご相談しましょうか?」

 薄い茶髪の使用人がミランダに提案した。
 訓練所を屋敷に作れば、フローラも安全にレベル30になる。
 スライムの食費はかかるが、悪くない提案だ。
 食費も建物もタダでカノンが用意できる。

「余計なことしないで。こんな雑魚倒して楽しいわけないでしょ。私は強い相手を求めているのよ」
「はっ。申し訳ありません」

 だけど、訓練所は要らないみたいだ。
 勇敢な戦士みたいなことをミランダは言っている。

「でも、練習相手は必要ね。一応お母様に言っておいて」
「はい、かしこまりました」

 気まぐれな主人を持った使用人は大変だ。ミランダはコロコロ考えが変わる。
 とりあえず訓練所の壁の一部を、カノンはハサミで切り取った。
 必要ないかもしれないが、これで訓練所を庭に建てられる。
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