没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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24日目

廃都移動

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「うう、んっ? ここは……」

 廃都に到着する前に、ロープに縛られた乗客が目を覚ました。
 床に寝っ転がるルセフは頭を動かして、周囲を確認した。
 すぐ隣にウェイン、頭の上にカノン、足の下にナンシーとパトラッシュがいる。

「ロープを解くので暴れないでくださいよ」

 目的地まではまだあるが、縛り続けるのは無理だ。
 ナンシーがルセフのロープを解き始めた。

「おい、これは何だ? どういうつもりだ」
「私にも分かりません。空飛ぶ船なんて知りません」
「空飛ぶ船だと? 何を言っている。ロープで縛った理由だ。三日間監禁するつもりか?」

 ルセフは自分がどこにいるのか分からない。床には絨毯が敷かれている。
 外が見える窓は船首に一つ、小さな窓が天井や壁にいくつかある。
 窓から外を覗けば、自分がどこにいるのかすぐ分かる。

「質問ばかりする男は嫌われますよ。さっき調べたんですけど、廃都の推奨レベルは43でした。ルセフさん、死にたいんですか?」

 船内では騒がずにお静かにらしい。
 目覚めた乗客に船長が図鑑で調べた知識で警告した。

「お前になら喜んで嫌われてやるよ。二度も人を殴って誘拐しやがって」
「大人しく乗らないからです。もう少しで廃都に着きますよ。戦う準備と逃げる準備をしてくださいね。助けてほしい時は、助けてくぇ~と、見っともなく泣き叫んでくださいね」

 異常にムカツク船長だが、また気絶させられたくない。
 ルセフは怒るのを我慢して、隣のウェインのロープを解いた。

「くっ、本当に空を飛んでいる……どういう仕組みで飛べるんだよ」

 壁の丸い小窓からルセフは外を見た。青空と地上が見える。
 地上の景色が恐ろしいほどの早さで変わっていく。
 馬の数十倍の速さで飛んでいるのは間違い。

 荒れた荒野に薄っすらと残る古い街道が見えてきた。
 廃都まで続く古い街道だ。

「廃都まで送られるのは我慢してやる。だが、魔物を倒すのは手伝うなよ。格上の魔物を倒さないと、中級冒険者になれないからな」
「もー、素直じゃないですね。分かってます。でも、倒されそうな時は手伝いますね。その時は死亡扱いで勝負は負けですよ」

 ルセフが廃都を選んだ理由は、火竜という大物がいるだけじゃない。
 最大レベル30の初級冒険者から中級冒険者になる為だ。

 レベル45~60が最大レベルの中級冒険者になるには、二つの方法がある。
 一つは生まれ持った才能で、最大レベルが最初から45~60もある。
 もう一つは格上の魔物を何度も倒して、鍛えて最大レベルを上げる方法だ。
 頑張れば、最大レベル45ぐらいには意外となれる。

「街が見えて来ました。うわぁ~、一日で回れそうにないです」
「当たり前だ。一泊する予定だったからな」

 廃都は四角い外壁に囲まれた、黒く汚れた街だ。
 人口0で、破壊された街に住んでいるのは魔物だけだ。
 カノンは普通にそんな廃都のど真ん中に、飛行船を着陸させた。

「ナンシーはどうしますか? 船に残りますか?」
「付いて行きます。ドラゴン怖いです」

 カノンがナンシーに聞いた。飛行船は頑丈だが、一人では不安だ。
 廃都の散歩に参加することに決めた。

「じゃあ、これとこれを使ってください」

 参加者にはクリスタル神風ダガーが貸される。危ない時はこれで自分の身を守れる。
 安全の為に風解の護符も装備すれば、極大風刃で仲間を倒す心配も無しだ。
 これで廃都の地獄も怖くない。
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