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第34話 氷の盾

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「《メタル斬り!》」と叫ぶと、ゴールドスライムに向かって回りながら跳んだ。
 調子がいい時は四回転できるけど、今日は三回転だ!

「ぐぅぬあああッッ!」

 ズゥバババババ! 交差した瞬間、二本の剣が繰り出す銀色の閃光に、ゴールドスライムが六回切られた。
 そのままスタッー、スゥーッと軽やかに着地すると、剣を地面に突き刺して止まった。

「す、凄い! 今なら五回転行けるかも!」

 レベルアップと修業の成果だ! 身体が凄く軽い!
 今の僕なら七回転も夢じゃないぞ!

 ……
 …

「あぁー、ベトベトする」

 ゴールドスライム倒せたけど、カエル油で身体中ベトベトだ。早くお風呂に入りたい。
 地面のくぼみにアクアボールを飛ばして、次にファイアボールを飛ばした。
 これで温かいお風呂の完成だ。

 ザブゥン! 「ふぅへぇー!」とお風呂に入ると、疲れが取れていく。
 お風呂なんか入らずに、このまま連戦した方がいいかもしれないけど、レベルアップだ。
 呼び出した後に倒せないと分かっても、召喚を解除するのは大変だぞ。

「油まいて、ゴールドスライム倒し続けようかな?」

 雑魚の方が安全だけど、強いスライム倒した方が経験値は多く入る。
 それに【金鉱石】は高く売れそうだ。いっぱい倒せば、大金持ちになれるぞ。

「よぉーし! また油まみれになるぞ!」

 …………
 ………
 ……
 …

 タァララッタッタァー!

【レベル80になりました】
【レベル上限に達しました。レベルを上げたい場合は、召喚士レベル6になってください】

 落とし穴生活130日目。五回転メタル斬りでゴールドスライムを倒した。
 夢の七回転メタル斬りまでは、まだまだレベルが足りないようだ。

「さてと、倒しまくるぞ」

 これ以上レベルは上がらないから、残り7匹を倒して、召喚士レベル6になるぞ。

「う~ん、ここはフロストスライムかな?」

 どんなスライムが出て来るか分からないけど、氷は大得意だ。
 またスイスイ滑って、スイスイ倒してやるぞ。

 剣を片手に「召喚!」と唱えると、魔法陣から一メートルぐらいの丸い氷の球が現れた。
 六角形の氷の盾三枚と一緒に宙に浮いている。
 カエル油で滑らせるのは無理だけど、氷なら火だるまで溶かせるぞ。
 
「上級スライムの我を呼び出すとは、なかなかの強者だな。面白い。全力で相手してやろう」

 出来れば無抵抗で倒させて欲しいけど、それは無理そうだ。
 三枚の氷の盾が横に倒れて飛んで来た。

「《ファイアボール(炎の球)!》《ロックレイン(岩の雨)!》」

 あんなのが当たったら、身体が切れちゃう。
 左手で炎の球と岩の雨を飛ばした。撃ち落としてやる。
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