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第一章・不死鳥契約編
第2話 神山の頂上を目指して
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「ゔゔゔゔッ~~ッ‼︎」
グラハムは寒さに全身を震わせてながら険しい山道を登っていく。
村を出発してから、二日目の昼。
彼の身体を最初に襲ったのは魔物ではなく、寒さだった。
裸足の足裏に容赦なく冷たい雪が襲い掛かり、彼の脳裏に何度も死を焼き付けていく。
「ゔゔゔゔッ~~ッ‼︎」
それでも、彼は歩く事をやめなかった。
それは村長としての使命感であり、彼が途轍もなく愚かで馬鹿な所為である。
そんな彼の右足の中指がポロリと取れた。凍傷だ。
その取れた中指をグラハムは拾って食べなかった。
貴重なタンパク質である肉を食べずに放棄した。
それは彼が草食系男子だからではない。
最初に食べた足の小指が恐ろしく不味かったからだ。
「うぐぐぐぐぐっ、な、何も見えないっ!」
激しい吹雪に身体は倒され、視界は白一色に染め上げられる。
繰り返される寒さと痛みに彼の心と身体は、ゴォーゴォーと吹雪のような悲鳴を上げている。
『もう駄目だ……』とグラハムはそう覚悟した。
そんな彼の目に一人の男の姿が映った。
彼が着ている草の服の前の持ち主だ。
もうこの世にはいない。
「ハッ! ハ、ハリー?」
茶髪をおかっぱ頭にした三十代の男が、真っ直ぐに山の頂上に、右手の人差し指を向けている。
そう幽霊だ。ハリーは死んでしまったが、彼の妻と子供はまだ生きている。
二人が心配であの世に行く事が出来なかった。それは彼だけではなかった。
「イネス⁉︎ アンドレア⁉︎ ケレム⁉︎ ジュール⁉︎ マッテオ⁉︎ エリア⁉︎」
ハリー以外にも次々とグラハムの前に、死んでいった村人達が姿を現していく。
そして、全員が山の頂上に向かって、右手や左手の人差し指を向けている。
「嗚呼、嗚呼、お前達、す、すまない、ありがとう」
グラハムは感謝の言葉を震える声で亡き村人達に伝える。
両目から流れた涙を瞬時に凍らせながら。
「ゔゔゔゔッ~~ッ‼︎」
彼ら彼女らが幻か幽霊か、グラハムには理解できない。
それでも、再び立ち上がる事が出来た。
村を出発してから、四日目。
左足の膝から下が折れた。鼻も耳も手足の指もとっくに取れてしまった。
「ぐぅッ、ぐぅッ、ぐぅッ」
それでも、命だけは取られる訳にはいかない。自分の命も村人の命もだ。
グラハムは山を登り続ける。
そして、亡き村人達に導かれて、遂に山の頂上に到着する事が出来た。
村人達の姿がスッーと消えていった。
「神よ! 神鳥フェニックスよ! 頼む! 村を救ってくれ! 私の命はどうなってもいい! お願いだ! 助けてくれ!」
吹雪に声を掻き消されながらも、グラハムは残された命の灯火を燃やして、世界中に轟くように叫んだ。
そんな彼の前に奇跡が舞い降りた。
『待っていたぞ。私がこの神山に住む神鳥フェニックスだ』
その存在は巨大な翼を羽ばたかせながら、天から舞い降りてきた。
灼熱の炎で吹雪を吹き飛ばし、山の頂上に緑の草原を生み出した。
「ぐぅああああっっ! ふ、ふ、ふ、フェニックス様⁉︎」
フェニックスの羽ばたきによって、グラハムの全身を襲っていた凍傷は一瞬で溶かされていく。
グラハムは声を上げながらも、吹き飛ばされないように地面に必死にしがみ付く。
『村人を想うお前の優しさに胸を打たれて、お前を助けに天界からやって来た』
「ほ、本当ですか⁉︎ 本当に助けてくれるんですか⁉︎」
『ああ、お前の望みを一つだけ叶えてやろう』
グラハムは寒さに全身を震わせてながら険しい山道を登っていく。
村を出発してから、二日目の昼。
彼の身体を最初に襲ったのは魔物ではなく、寒さだった。
裸足の足裏に容赦なく冷たい雪が襲い掛かり、彼の脳裏に何度も死を焼き付けていく。
「ゔゔゔゔッ~~ッ‼︎」
それでも、彼は歩く事をやめなかった。
それは村長としての使命感であり、彼が途轍もなく愚かで馬鹿な所為である。
そんな彼の右足の中指がポロリと取れた。凍傷だ。
その取れた中指をグラハムは拾って食べなかった。
貴重なタンパク質である肉を食べずに放棄した。
それは彼が草食系男子だからではない。
最初に食べた足の小指が恐ろしく不味かったからだ。
「うぐぐぐぐぐっ、な、何も見えないっ!」
激しい吹雪に身体は倒され、視界は白一色に染め上げられる。
繰り返される寒さと痛みに彼の心と身体は、ゴォーゴォーと吹雪のような悲鳴を上げている。
『もう駄目だ……』とグラハムはそう覚悟した。
そんな彼の目に一人の男の姿が映った。
彼が着ている草の服の前の持ち主だ。
もうこの世にはいない。
「ハッ! ハ、ハリー?」
茶髪をおかっぱ頭にした三十代の男が、真っ直ぐに山の頂上に、右手の人差し指を向けている。
そう幽霊だ。ハリーは死んでしまったが、彼の妻と子供はまだ生きている。
二人が心配であの世に行く事が出来なかった。それは彼だけではなかった。
「イネス⁉︎ アンドレア⁉︎ ケレム⁉︎ ジュール⁉︎ マッテオ⁉︎ エリア⁉︎」
ハリー以外にも次々とグラハムの前に、死んでいった村人達が姿を現していく。
そして、全員が山の頂上に向かって、右手や左手の人差し指を向けている。
「嗚呼、嗚呼、お前達、す、すまない、ありがとう」
グラハムは感謝の言葉を震える声で亡き村人達に伝える。
両目から流れた涙を瞬時に凍らせながら。
「ゔゔゔゔッ~~ッ‼︎」
彼ら彼女らが幻か幽霊か、グラハムには理解できない。
それでも、再び立ち上がる事が出来た。
村を出発してから、四日目。
左足の膝から下が折れた。鼻も耳も手足の指もとっくに取れてしまった。
「ぐぅッ、ぐぅッ、ぐぅッ」
それでも、命だけは取られる訳にはいかない。自分の命も村人の命もだ。
グラハムは山を登り続ける。
そして、亡き村人達に導かれて、遂に山の頂上に到着する事が出来た。
村人達の姿がスッーと消えていった。
「神よ! 神鳥フェニックスよ! 頼む! 村を救ってくれ! 私の命はどうなってもいい! お願いだ! 助けてくれ!」
吹雪に声を掻き消されながらも、グラハムは残された命の灯火を燃やして、世界中に轟くように叫んだ。
そんな彼の前に奇跡が舞い降りた。
『待っていたぞ。私がこの神山に住む神鳥フェニックスだ』
その存在は巨大な翼を羽ばたかせながら、天から舞い降りてきた。
灼熱の炎で吹雪を吹き飛ばし、山の頂上に緑の草原を生み出した。
「ぐぅああああっっ! ふ、ふ、ふ、フェニックス様⁉︎」
フェニックスの羽ばたきによって、グラハムの全身を襲っていた凍傷は一瞬で溶かされていく。
グラハムは声を上げながらも、吹き飛ばされないように地面に必死にしがみ付く。
『村人を想うお前の優しさに胸を打たれて、お前を助けに天界からやって来た』
「ほ、本当ですか⁉︎ 本当に助けてくれるんですか⁉︎」
『ああ、お前の望みを一つだけ叶えてやろう』
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