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第二章・食糧調達編
第5話 草だけ村から草無し村へ
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不死鳥との契約から三ヶ月後。草だけ村に滅亡の危機が訪れていた。
一気に増えてしまった人口の所為で、村の唯一の食糧である草が足りなくなってしまったのだ。
その所為で腹を空かせた村人達が、お互いの着ている草服を奪い合うという醜い争いを続けていた。
「寄越せ! その服を脱げッ!」
「いやぁ……やめて、助けて……」
ヨダレを垂れ流しながら、鬼の形相を浮かべた裸の男が、草を服を着ている若い女に迫っていく。
「いやぁあああああッ‼︎」
そして、容赦なく若い女の身体から草服を引き千切った。
若い女の悲鳴が村の中に響き渡った。
「美味えェッ! 美味えェッ!」
「あぁ、シクシクシク……このケダモノ」
けれども、裸の男は泣いている女の白い肌や膨らんだ胸元には、全く興味がないようだ。
野獣のように女の草服を貪り食らっている。
元々、知性のカケラもない村人達が更に獣に近づいたようだ。
そんな草だけ村が『全裸村』に変わろうとする危機を防ぐ為、グラハムと友人二人は話し合っていた。
今度は屋外で。村長の草の家は食べられてしまった。
「くっ、この悲鳴は……また村の女が襲われたようだ。グラハム、お前の所為だぞ。村長として責任を取れ。このままでは全ての草が食べ尽くされるのも時間の問題だぞ」
グラハムの前に座る生意気そうな面の短い黒髪の男が怒っている。
三回死亡して若返って生き返ったオマリだ。
年齢は十七歳と人によって、若返る年齢は違うようだ。
ちなみに、さっき襲われていた茶髪のお団子頭の女は、八十六歳のババアだ。
二十一歳に若返って、今は食事的な意味で襲われている。
草が食べ尽くされたら、今度は性的な意味で襲われる事になるだろう。
「分かっている。死ねば疫病や怪我は消えるが、死んでも腹は空いたままだ。どうにかしないといけないのは分かっている」
「ならば、神山に登れ! 不死鳥様のお力で村の草を生き返らせてもらえ!」
「それは無理だ! 不死鳥様が言っていたではないか! 食糧は自分達の力でどうにかしろと」
「チッ! では、どうするつもりだ!」
未だに村には疫病が蔓延している。
全ての老人達は無理矢理死んで若返って、抵抗力を増している。
だが、赤ん坊や子供などの抵抗力が弱い者は、未だに疫病に頻繁にかかっている。
そして、子供は死んでも大人にはならない。
「やっぱり魔物を食うしかない」
「パウル⁉︎ 貴様、正気かッ!」
長いサラサラの黒髪の男が静かに、だが、覚悟と決意を持って、そう言った。
百十三回死んで、百十三回髪を切って、百十三人分の髪のブラジャーとパンツを作った英雄パウルだ。
その英雄の言葉に、オマリは激しく動揺し激怒した。
肉食は草だけ村の絶対の禁忌事項だ。
「それ以外に方法はない。人は水だけじゃ生きられない」
「巫山戯るなッ! そんな事をするぐらいなら、水を撒いて、草が育つのを待つ方がマシだ!」
「落ち着けえええええええっ! 落ち着け……」
二人の友人の醜い言い争いに、グラハムは大きな声で叫んだ。
こんな姿を見る為に神山に登った訳じゃないからだ。
「オマリの言う通りだ。私も神山で自分の指を食べたが、あれは人間の食べる物じゃない。だが、パウルが言っている事も間違ってない。今のこの村はまるで生き地獄だ。このまま何もしなければ、パウルの言う通りに肉を食べるのも時間の問題だ。それも村人同士の肉を食べるという最も最悪な結果になる」
グラハムの言葉にオマリは黙り、パウルは黙って頷いている。
ありありと想像できる光景で、間違いなく起こる未来の草無し村の光景だ。
「村長として、私は魔物を狩る事を決断する。人が獣に落ちるよりはずっとマシだ。オマリ! パウル! 戦う意思のある者、腹の減った者は集まれ! これから魔物狩りに出掛けるぞ!」
グラハムは地面の小さな岩を拾うと、勇ましく立ち上がった。
そして、村人達に聞こえるように肉食宣言した。
一気に増えてしまった人口の所為で、村の唯一の食糧である草が足りなくなってしまったのだ。
その所為で腹を空かせた村人達が、お互いの着ている草服を奪い合うという醜い争いを続けていた。
「寄越せ! その服を脱げッ!」
「いやぁ……やめて、助けて……」
ヨダレを垂れ流しながら、鬼の形相を浮かべた裸の男が、草を服を着ている若い女に迫っていく。
「いやぁあああああッ‼︎」
そして、容赦なく若い女の身体から草服を引き千切った。
若い女の悲鳴が村の中に響き渡った。
「美味えェッ! 美味えェッ!」
「あぁ、シクシクシク……このケダモノ」
けれども、裸の男は泣いている女の白い肌や膨らんだ胸元には、全く興味がないようだ。
野獣のように女の草服を貪り食らっている。
元々、知性のカケラもない村人達が更に獣に近づいたようだ。
そんな草だけ村が『全裸村』に変わろうとする危機を防ぐ為、グラハムと友人二人は話し合っていた。
今度は屋外で。村長の草の家は食べられてしまった。
「くっ、この悲鳴は……また村の女が襲われたようだ。グラハム、お前の所為だぞ。村長として責任を取れ。このままでは全ての草が食べ尽くされるのも時間の問題だぞ」
グラハムの前に座る生意気そうな面の短い黒髪の男が怒っている。
三回死亡して若返って生き返ったオマリだ。
年齢は十七歳と人によって、若返る年齢は違うようだ。
ちなみに、さっき襲われていた茶髪のお団子頭の女は、八十六歳のババアだ。
二十一歳に若返って、今は食事的な意味で襲われている。
草が食べ尽くされたら、今度は性的な意味で襲われる事になるだろう。
「分かっている。死ねば疫病や怪我は消えるが、死んでも腹は空いたままだ。どうにかしないといけないのは分かっている」
「ならば、神山に登れ! 不死鳥様のお力で村の草を生き返らせてもらえ!」
「それは無理だ! 不死鳥様が言っていたではないか! 食糧は自分達の力でどうにかしろと」
「チッ! では、どうするつもりだ!」
未だに村には疫病が蔓延している。
全ての老人達は無理矢理死んで若返って、抵抗力を増している。
だが、赤ん坊や子供などの抵抗力が弱い者は、未だに疫病に頻繁にかかっている。
そして、子供は死んでも大人にはならない。
「やっぱり魔物を食うしかない」
「パウル⁉︎ 貴様、正気かッ!」
長いサラサラの黒髪の男が静かに、だが、覚悟と決意を持って、そう言った。
百十三回死んで、百十三回髪を切って、百十三人分の髪のブラジャーとパンツを作った英雄パウルだ。
その英雄の言葉に、オマリは激しく動揺し激怒した。
肉食は草だけ村の絶対の禁忌事項だ。
「それ以外に方法はない。人は水だけじゃ生きられない」
「巫山戯るなッ! そんな事をするぐらいなら、水を撒いて、草が育つのを待つ方がマシだ!」
「落ち着けえええええええっ! 落ち着け……」
二人の友人の醜い言い争いに、グラハムは大きな声で叫んだ。
こんな姿を見る為に神山に登った訳じゃないからだ。
「オマリの言う通りだ。私も神山で自分の指を食べたが、あれは人間の食べる物じゃない。だが、パウルが言っている事も間違ってない。今のこの村はまるで生き地獄だ。このまま何もしなければ、パウルの言う通りに肉を食べるのも時間の問題だ。それも村人同士の肉を食べるという最も最悪な結果になる」
グラハムの言葉にオマリは黙り、パウルは黙って頷いている。
ありありと想像できる光景で、間違いなく起こる未来の草無し村の光景だ。
「村長として、私は魔物を狩る事を決断する。人が獣に落ちるよりはずっとマシだ。オマリ! パウル! 戦う意思のある者、腹の減った者は集まれ! これから魔物狩りに出掛けるぞ!」
グラハムは地面の小さな岩を拾うと、勇ましく立ち上がった。
そして、村人達に聞こえるように肉食宣言した。
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