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第5話 最低の初仕事
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「この格好だと駄目だな。ロボ子、《きせ○○カメ○》で執事服に替えてくれ」
「はい、ご主人様」
私は言われた通りに、き○か○○○ラをポケットから取り出すと、クソダサイご主人様の服を執事服に替えました。私がメイド服なので執事服で合わせたいのでしょうか?
「ほぉーー、これがこの世界の町なのか? はっは、意外とキチンとしてるじゃないか」
「そうですね。住居のほとんどはレンガを積み上げてから、表面を漆喰で塗装した造りになっています。住む分には不便はないでしょうね」
「まあ、俺はこんな電気も通っていない家には住みたくはないけどな。冷蔵庫もゲームも無いんだろう? それで生きていけるのかよ」
ご主人様はご自分の前世の記憶をほとんど忘れていますが、覚えていなくてもいい事はしっかりと覚えているようです。きっと漫画本の次はゲームを出させるつもりなのでしょう。早く労働の喜びに目覚めて欲しいです。
玄関の木の扉を何度も叩きますが、中からの反応はありません。私は最悪の事態を想像してしまいます。そんな私に構わずにご主人様は扉を蹴り破って、中に入って行きました。
「邪魔するよ」
「ああっ‼︎ ご主人様‼︎ 不法侵入ですよ!」
「今はそんな事を言っている場合じゃないだろう。後で謝れば済む話だ。さっさとお前も入れ」
「はい、お邪魔します」
今日のご主人様はいつもと違います。何だかちょっと男らしいです。1階建ての建物です。ベッドの上で寝ているおばあさんを直ぐに見つける事が出来ました。
「はぁ~、良かったです。生きてます」
微かにですが、おばあさんの寝息が聞こえます。安心しましたが、このままではおばあさんが目を覚ました時に私達は強盗と間違えられてしまいます。
「おい、ばあさん、起きろ!」
「ご、ご主人様‼︎」
ペチペチと寝ているおばあさんのオデコをご主人様が平手で叩いて、起こそうとしています。おばあさんの親戚の人じゃないんですか、もっと丁寧に起こしてください!
「んっ…んんっ~~、誰だい? あんた達、私の家で何してるんだい!」
「あっ、えっ~と…」
目を覚ましたおばあさんは不機嫌です。どう考えても私達が悪いです。特にご主人様が…でも、今はそんな事よりも説明が先です。早く説明しないと泥棒だと騒がれてしまいます。
「仕事で来たんだよ。話し相手になって欲しいんだろう? もう1分ぐらい話したから、俺達が気に食わないなら13円払ってくれれば直ぐに出てってやるよ。早く払わないと26円になるぞぉ~」
「やっぱり泥棒かい! こんなババアに2人かがりで金を要求して恥ずかしくないのかい!」
「はい、26円になりましたぁ~。次は39円ですぅ~」
私の隣に屑がいます。確かに話し相手になっていますが、やり方が最低です。
「ああっ! 払ってやるから、さっさと私の家から出ておいき!」
おばあさんはベッドから起き上がると、お金を取りに行こうとします。でも、歩くのも辛そうです。
「ぜぇ…ぜぇ…ほら、50円やるから二度と来るんじゃないよ!」
おばあさんは財布から50円玉を取り出すと、ご主人様の顔に向かって投げつけました。
「イテテ、ナイスコントロール。また来るよ、ばあさん」
「巫山戯んじゃないよ! 二度と来るんじゃないよ!」
「はいはい、分かりましたよぉ~」
顔をさすりながら、ご主人様は床に落ちている50円玉を拾うと外に出ていきます。ああ~、こんな事になるのなら連れて来るべきではありませんでした。
「すみません、おばあさん。もう二度と来ませんから」
「当たり前だよ!」
ご主人様の代わりに私が何度も頭を下げて謝りました。ご主人様はとっくに《ど○で○ド○》で家に帰ったようです。ご主人様が蹴破ったおばあさんの家の扉を直すと、私も急いでご主人様を叱る為に家に帰りました。
❇︎
「はい、ご主人様」
私は言われた通りに、き○か○○○ラをポケットから取り出すと、クソダサイご主人様の服を執事服に替えました。私がメイド服なので執事服で合わせたいのでしょうか?
「ほぉーー、これがこの世界の町なのか? はっは、意外とキチンとしてるじゃないか」
「そうですね。住居のほとんどはレンガを積み上げてから、表面を漆喰で塗装した造りになっています。住む分には不便はないでしょうね」
「まあ、俺はこんな電気も通っていない家には住みたくはないけどな。冷蔵庫もゲームも無いんだろう? それで生きていけるのかよ」
ご主人様はご自分の前世の記憶をほとんど忘れていますが、覚えていなくてもいい事はしっかりと覚えているようです。きっと漫画本の次はゲームを出させるつもりなのでしょう。早く労働の喜びに目覚めて欲しいです。
玄関の木の扉を何度も叩きますが、中からの反応はありません。私は最悪の事態を想像してしまいます。そんな私に構わずにご主人様は扉を蹴り破って、中に入って行きました。
「邪魔するよ」
「ああっ‼︎ ご主人様‼︎ 不法侵入ですよ!」
「今はそんな事を言っている場合じゃないだろう。後で謝れば済む話だ。さっさとお前も入れ」
「はい、お邪魔します」
今日のご主人様はいつもと違います。何だかちょっと男らしいです。1階建ての建物です。ベッドの上で寝ているおばあさんを直ぐに見つける事が出来ました。
「はぁ~、良かったです。生きてます」
微かにですが、おばあさんの寝息が聞こえます。安心しましたが、このままではおばあさんが目を覚ました時に私達は強盗と間違えられてしまいます。
「おい、ばあさん、起きろ!」
「ご、ご主人様‼︎」
ペチペチと寝ているおばあさんのオデコをご主人様が平手で叩いて、起こそうとしています。おばあさんの親戚の人じゃないんですか、もっと丁寧に起こしてください!
「んっ…んんっ~~、誰だい? あんた達、私の家で何してるんだい!」
「あっ、えっ~と…」
目を覚ましたおばあさんは不機嫌です。どう考えても私達が悪いです。特にご主人様が…でも、今はそんな事よりも説明が先です。早く説明しないと泥棒だと騒がれてしまいます。
「仕事で来たんだよ。話し相手になって欲しいんだろう? もう1分ぐらい話したから、俺達が気に食わないなら13円払ってくれれば直ぐに出てってやるよ。早く払わないと26円になるぞぉ~」
「やっぱり泥棒かい! こんなババアに2人かがりで金を要求して恥ずかしくないのかい!」
「はい、26円になりましたぁ~。次は39円ですぅ~」
私の隣に屑がいます。確かに話し相手になっていますが、やり方が最低です。
「ああっ! 払ってやるから、さっさと私の家から出ておいき!」
おばあさんはベッドから起き上がると、お金を取りに行こうとします。でも、歩くのも辛そうです。
「ぜぇ…ぜぇ…ほら、50円やるから二度と来るんじゃないよ!」
おばあさんは財布から50円玉を取り出すと、ご主人様の顔に向かって投げつけました。
「イテテ、ナイスコントロール。また来るよ、ばあさん」
「巫山戯んじゃないよ! 二度と来るんじゃないよ!」
「はいはい、分かりましたよぉ~」
顔をさすりながら、ご主人様は床に落ちている50円玉を拾うと外に出ていきます。ああ~、こんな事になるのなら連れて来るべきではありませんでした。
「すみません、おばあさん。もう二度と来ませんから」
「当たり前だよ!」
ご主人様の代わりに私が何度も頭を下げて謝りました。ご主人様はとっくに《ど○で○ド○》で家に帰ったようです。ご主人様が蹴破ったおばあさんの家の扉を直すと、私も急いでご主人様を叱る為に家に帰りました。
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