俺をお前らの青春に勝手に巻き込むな！

実力テスト！

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　1年3組の男性担任・滝田(たきた)先生が実力テストの結果表をクラスの生徒達一人一人に渡していきます。

　クラスの生徒達は『ガヤガヤ、ワイワイ』と楽しそうに友達と点数を比べて、喜んだり、悔しがったりして騒いでいます。

　滝田先生が『バァン！』と両手で激しく教卓を叩き、「悔しくないのか(怒‼︎)」と大声で叫びます。教室の中は『シーン！』と静かになり、生徒達全員が滝田先生を見つめます。

　滝田先生「1組の平均点は88.6点。2組の平均点は89.6点。お前達の平均点は73.9点だ(怒！)お前ら悔しくないのか(怒‼︎)」と、1組・2組の教室まで届く大声で生徒達を厳しく叱責します。

　3組の生徒達は『シーン！』と静かに滝田先生の様子を窺ってます。

　滝田先生「おい、青野！お前の平均点は何点だ？」と大声で訊きます。青野君は座席から立ち上がると、「63.4点です(悲！)」と大声で答えます。クラスの何人かが、『あちゃー(残念！)』と青野君に同情します。

　滝田先生は教卓から、青野君の目の前まで移動して、「青野！悔しくないのか(質問‼︎)」と大声で訊きます。青野君「悔しいです(悲‼︎)」といまにも泣き出しそうです。

　生徒達の顔を1人ずつゆっくりと見ながら、滝田先生「相手は同じ高校生だぞ(怒！)それなのに、『89.6　対　73.9』、お前ら悔しくないのか(質問‼︎)」と生徒達に厳しく問いかけます。

　滝田先生「青野、今から俺はお前を殴る！憎いから殴るんじゃない、お前のことを思って殴る。歯を食いしばれ(命令！)」と右手をビンタの形で青野君の頬っぺたの高さに構えています。青野君が目をつぶって歯を食いしばります。『バァチーン！』と大きな音がして、青野君が床に倒れました。

　滝田先生「森野(もりの)！お前の平均点は何点だ？」と訊きます。森野君「47.6点です(覚悟！)」と大きな声で答えます。滝田先生は森野君の目の前まで移動して、「悔しくないのか(怒‼︎)歯を食いしばれ(怒‼︎)」と言うと、『バァチーン！』と大きな音がして、森野君も床に倒れました。

　滝田先生「森野(怒！)お前は47.6点か？47.6点の人間なのか？何をやるのもいい加減にして、一生47.6点のまま終わるのか？それでいいのか？お前はそれでも男か？悔しくないのか(怒‼︎)」と床で泣き崩れる森野君を激しく叱責します。

　滝田先生「竹内(たけうち)！お前の平均点は何点だ？」と女生徒に訊きます。竹内さん「98.4点です(堂々と！)」と大きな声で答えます。『おぅおお～(凄い！)』と教室の中がざわめきます。

　滝田先生「『one　for　all、all　for　one』、一人は皆の為に、皆は一人の為に！竹内、歯を食いしばれ(優！)」と言うと、『ペタ！』と竹内さんの頬っぺたに、ただ右手の手の平を当てて「良く頑張った(褒め‼︎)」と称賛しました。

　滝田先生は、1年3組の生徒達31人全員を殴った後に、「俺はたとえお前達の中間テストの点が悪くて、留年する奴が1人や2人出たところで一向に構わん。お前達はいつかは卒業するんだ。残された3年間は勉強しろ。そこにお前達の進学への道があるんだ‼︎」と生徒達全員の心に届く言葉を贈ると、教室を出て行きました。

　翌日から何故か滝田先生は二度と学園に来ることはありませんでした。朝守(あさもり)校長の話では、「生まれた時代が悪かった！1984年ならば、ギリギリ許されたんだが」と苦々しく表情でクラスの皆に話してくれました。