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第3章
第83話⑥ミッドポイント
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「おお、超戦士LV135様! 来てくださいましたか!」
何も分からずに奥まで来てしまった。
黄色いヘルメットを被ったトン爺さんに熱烈に歓迎されている。
やっぱり俺をここに連れて来る為に、トン娘に罠を張らせていたみたいだ。
「ああ、呼ばれたからな。準備は出来ているか?」
「それがまったく。モンスターの瓦礫の量が足りないのか、集めるものが違うのか、まったくボスが現れません」
山積みの四色の瓦礫を見ながら、トン爺さんが首を横に振っている。
俺と同じで分からないみたいだ。でも、こっちはここに来るまでに集めておいた。
六種類目の【岩飛ばし蛇】も倒して、六種類四色・全24駒をアイテム鞄に詰め込んできた。
あとはお前達に託すだけだ。
「何か勘違いしているな。準備とは戦う準備の事だ。必要な素材は用意している。さっさと呼び出すぞ」
「な、何と⁉︎ もう謎は解いていたのですか⁉︎」
「当たり前だ」
トン爺さんが俺の発言に驚いているけど、お前達に素材と一緒に丸投げするだけだ。
洞窟の最深部にはトン爺さん以外にも、多くの冒険者や研究所の職員がいる。
ザッと数えても四十四人の大人数だ。
流石にヒントと必要な素材があるなら、誰か一人ぐらいは分かると信じたい。
「やっぱりだ! おーい、重聖騎士LV120さん!」
「んっ?」
素材をアイテム鞄から取り出して地面に置いていると、聞き覚えのある声が聞こえた。
勝手にLV135から下げられているけど、これは仕方ない。
俺の命の恩人でもある、若い冒険者三人組がこっちに走ってくる。
「まさか、こんな所でお会いできるとは思ってもいませんでした!」
黒髪の魔法剣士ナイジェルが瞳をキラキラ輝かせて、俺に話しかけてきた。
悪いけど、男に興味はないからな。
「ああ、俺もだ。あれから短期間でAAA級ダンジョンまで来れるようになるとはな」
まあ、それはさておき、前に会った時は三人ともLV50台だった。
二ヶ月ちょっとで推奨LV80のダンジョンで会えるとは思ってもみなかった。
「まあ、頑張ったからな。それでも、他の冒険者のおまけだよ。雑用係で連れ来られたようなもんだ」
「それは仕方ないでしょ。LV80を超えないと普通は入れない場所なんだから」
「そんなの分かってるって。当然、金貰える腕試し気分で来てるから文句はねえよ」
俺の疑問に青髪の騎士カイルが反応すると、その応えに茶髪の魔法使いシズクが怒っている。
どうやら俺と違って、男達はトン娘の罠に嵌って来たわけじゃないようだ。
ちょっとしたバイト気分で来ただけらしい。
「だったら、危険だな。これから現れるボスはLV135は欲しいところだ。お前達だと命の保証は出来ない。もしもの時の為に逃げた方がいい」
「悪いけど、それは無理な相談だぜ。誰も見た事がない隠しボスが見られるチャンスだって聞いて参加したんだ。それを見らずに逃げ出せるかよ」
「……なるほど、分かった。一応忠告しただけだ。決めるのはお前達だ。それにもしもの時の為に俺がいる。お前達には怪我一つさせないと俺が保証してやる」
「重聖騎士LV80さん……」
自信満々に男らしい台詞を言ったのに、何故かナイジェルのLV評価が下がった。
理由を聞きたいけど、とりあえずこっちの準備は済んだ。
24種類のほぼ無傷の石像を地面に置いた。
「”シンセシス〟!」
「なっ⁉︎」
おい、爺。何勝手に唱えている。
まだ誰も何の準備もしてないのに、早くもトン爺さんが合成呪文を唱えた。
「くっ、何も起こらない!」
もちろん何の反応も現れなかった。
トン爺さんが悔しそうな顔をしているけど、起こっていたら死んでいる。
もちろんボスの前に、俺が殺してやるという意味だ。
「慌てるな。必要なのはその中の12種類だ。そして、ヒントはクロックスというゲームだ」
「なんとそうじゃったか! クロックスと言えば、二色の駒を交互に並べる遊びじゃ! だとしたら、二色に分けて、二セット作ればどちらかは正解じゃ!」
「……その通りだ」
慌てん坊の爺さんだけど、やっぱり年の功だ。
あっ、これ正解だな、と思える解決方法をすぐに出してくれた。
「分けると言われても、どう分ければいいんだよ? 色で分けたら、六種類の駒のセットになるぞ。クロックスは三種類の駒しか使わないはずだろ」
でも、集まった冒険者達が分け方が分からないのか、トン爺さんに聞いている。
確かにその通りだ。剣士、盾士、弓士なのに、トン爺さんのやり方だと、他の謎士も混じってしまう。
「だったら人間とモンスターに分けて、四人対戦用の四色にすればいい。石像騎士、ゴーレム、ガーゴイルとロックサイ、ガイアシャーク、ストーンスネークじゃ」
「ああ、なるほどね。よし、さっさと分けるぞ」
何とも適当だけど、今度の説明で俺も分かった。言われてみれば、確かにその通りだ。
亜人モンスターと生物モンスターで分けられるし、二人対戦にこだわり過ぎていた。
だったら、ガイアシャークが剣士、ロックサイが盾士、ストーンスネークが弓士になる。
「くっそ、重いなぁ!」
冒険者達が重い石像を壊さないように並べていく。
予備はあるけど、出来れば壊さない方向でやってもらいたい。
「ふぅー、よし、終わった!」
俺も手伝うと意外と早く並べ終わった。
綺麗な円になるように12体の石像が、二セット隣同士に並べられた。
あとは合成の呪文を唱えるだけだ。
何も分からずに奥まで来てしまった。
黄色いヘルメットを被ったトン爺さんに熱烈に歓迎されている。
やっぱり俺をここに連れて来る為に、トン娘に罠を張らせていたみたいだ。
「ああ、呼ばれたからな。準備は出来ているか?」
「それがまったく。モンスターの瓦礫の量が足りないのか、集めるものが違うのか、まったくボスが現れません」
山積みの四色の瓦礫を見ながら、トン爺さんが首を横に振っている。
俺と同じで分からないみたいだ。でも、こっちはここに来るまでに集めておいた。
六種類目の【岩飛ばし蛇】も倒して、六種類四色・全24駒をアイテム鞄に詰め込んできた。
あとはお前達に託すだけだ。
「何か勘違いしているな。準備とは戦う準備の事だ。必要な素材は用意している。さっさと呼び出すぞ」
「な、何と⁉︎ もう謎は解いていたのですか⁉︎」
「当たり前だ」
トン爺さんが俺の発言に驚いているけど、お前達に素材と一緒に丸投げするだけだ。
洞窟の最深部にはトン爺さん以外にも、多くの冒険者や研究所の職員がいる。
ザッと数えても四十四人の大人数だ。
流石にヒントと必要な素材があるなら、誰か一人ぐらいは分かると信じたい。
「やっぱりだ! おーい、重聖騎士LV120さん!」
「んっ?」
素材をアイテム鞄から取り出して地面に置いていると、聞き覚えのある声が聞こえた。
勝手にLV135から下げられているけど、これは仕方ない。
俺の命の恩人でもある、若い冒険者三人組がこっちに走ってくる。
「まさか、こんな所でお会いできるとは思ってもいませんでした!」
黒髪の魔法剣士ナイジェルが瞳をキラキラ輝かせて、俺に話しかけてきた。
悪いけど、男に興味はないからな。
「ああ、俺もだ。あれから短期間でAAA級ダンジョンまで来れるようになるとはな」
まあ、それはさておき、前に会った時は三人ともLV50台だった。
二ヶ月ちょっとで推奨LV80のダンジョンで会えるとは思ってもみなかった。
「まあ、頑張ったからな。それでも、他の冒険者のおまけだよ。雑用係で連れ来られたようなもんだ」
「それは仕方ないでしょ。LV80を超えないと普通は入れない場所なんだから」
「そんなの分かってるって。当然、金貰える腕試し気分で来てるから文句はねえよ」
俺の疑問に青髪の騎士カイルが反応すると、その応えに茶髪の魔法使いシズクが怒っている。
どうやら俺と違って、男達はトン娘の罠に嵌って来たわけじゃないようだ。
ちょっとしたバイト気分で来ただけらしい。
「だったら、危険だな。これから現れるボスはLV135は欲しいところだ。お前達だと命の保証は出来ない。もしもの時の為に逃げた方がいい」
「悪いけど、それは無理な相談だぜ。誰も見た事がない隠しボスが見られるチャンスだって聞いて参加したんだ。それを見らずに逃げ出せるかよ」
「……なるほど、分かった。一応忠告しただけだ。決めるのはお前達だ。それにもしもの時の為に俺がいる。お前達には怪我一つさせないと俺が保証してやる」
「重聖騎士LV80さん……」
自信満々に男らしい台詞を言ったのに、何故かナイジェルのLV評価が下がった。
理由を聞きたいけど、とりあえずこっちの準備は済んだ。
24種類のほぼ無傷の石像を地面に置いた。
「”シンセシス〟!」
「なっ⁉︎」
おい、爺。何勝手に唱えている。
まだ誰も何の準備もしてないのに、早くもトン爺さんが合成呪文を唱えた。
「くっ、何も起こらない!」
もちろん何の反応も現れなかった。
トン爺さんが悔しそうな顔をしているけど、起こっていたら死んでいる。
もちろんボスの前に、俺が殺してやるという意味だ。
「慌てるな。必要なのはその中の12種類だ。そして、ヒントはクロックスというゲームだ」
「なんとそうじゃったか! クロックスと言えば、二色の駒を交互に並べる遊びじゃ! だとしたら、二色に分けて、二セット作ればどちらかは正解じゃ!」
「……その通りだ」
慌てん坊の爺さんだけど、やっぱり年の功だ。
あっ、これ正解だな、と思える解決方法をすぐに出してくれた。
「分けると言われても、どう分ければいいんだよ? 色で分けたら、六種類の駒のセットになるぞ。クロックスは三種類の駒しか使わないはずだろ」
でも、集まった冒険者達が分け方が分からないのか、トン爺さんに聞いている。
確かにその通りだ。剣士、盾士、弓士なのに、トン爺さんのやり方だと、他の謎士も混じってしまう。
「だったら人間とモンスターに分けて、四人対戦用の四色にすればいい。石像騎士、ゴーレム、ガーゴイルとロックサイ、ガイアシャーク、ストーンスネークじゃ」
「ああ、なるほどね。よし、さっさと分けるぞ」
何とも適当だけど、今度の説明で俺も分かった。言われてみれば、確かにその通りだ。
亜人モンスターと生物モンスターで分けられるし、二人対戦にこだわり過ぎていた。
だったら、ガイアシャークが剣士、ロックサイが盾士、ストーンスネークが弓士になる。
「くっそ、重いなぁ!」
冒険者達が重い石像を壊さないように並べていく。
予備はあるけど、出来れば壊さない方向でやってもらいたい。
「ふぅー、よし、終わった!」
俺も手伝うと意外と早く並べ終わった。
綺麗な円になるように12体の石像が、二セット隣同士に並べられた。
あとは合成の呪文を唱えるだけだ。
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