『スライム』『ゴブリン』『ドラゴン』君ならどれを選ぶ？サイコロを振って一緒に冒険しよう！

ドラゴン編

LV・3『オリ鶴捕獲』

　『働け！働け！』とここでも過酷なお仕事が続いているようです。でも、何かが違うようです。

　『ケーンケーン！』と白色の綺麗なオリ鶴が鳴いています。いえ、泣いているようです。

　『♬パッタン。パッタン』と機織り機(はたおりき)の音が聞こえます。オリ鶴が自分の羽根を使って、綺麗な布を織っているようです。

　『いいか！お前達は家畜と一緒だ！布が織れない奴は、唐揚げ屋に連れて行くからな！』とここでは人ではなくモンスターが過酷なお仕事を強制的にやらされているようです。

　世界には15種類のオリ鶴がいるようですが、貴重なオリ鶴の羽根を使った高級な布は裏社会で高値で取引されています。

　この工場ではオリ鶴の布を違法な手段を使って製造・販売しているようです。今では絶滅危惧モンスターのオリ鶴が、檻(おり)のような工場で違法に飼われ続けていました。

　◆

　今日のお仕事は飼い主の元から逃げ出した『オリ鶴』の捕獲です。大切なペットモンスターなので出来るだけ無傷で捕まえて欲しいそうです。

　『珍しいモンスターらしいから、凄く高いらしいよ。ドラ太の何倍ぐらいかなぁ～？』とオリ鶴はペットショップでは販売されていません。特別な許可がないと飼育も繁殖も許されていません。

　『キュイキュイ！』と変な仕事だな！とこのお仕事の事が気になっているようです。

　オリ鶴の飼い主の話では近くの森の中に逃げ込んだようですが、捕まえようと近付くと抵抗されるようです。

　キチンと可愛がっていればペットは逃げる事もないのに、仕方のない飼い主さんです。君とドラ太の関係に良く似ていますね？

　教えられた森の中に入ると綺麗な森でした。キチンと人工的に整備されているようでゴミ１つ落ちていません。これなら入場料も取る事が出来るでしょう。

　『ドラ太、いいか！相手は凶暴なモンスターだけど手加減して捕まえるんだぞ！』と逃げ出したオリ鶴は危険な相手です。捕まったら唐揚げ屋に連れて行かれて誰かに食べられてしまいます。必死に抵抗します。

　『キュイキュイ？』とオリ鶴は温厚で優しい性格のはずなんだけど？とドラ太は逃げ出した理由が気になるようです。
　
　『いやいや、こんな可愛らしい子供と強いドラゴンの子供が来てくれれば安心だよ～』と優しそうなモジャモジャ髭のおじさんです。飼い主さんも心配して付いて来てくれてます。

　『キュイキュイ？』と何で子供なんかを喜んで雇おうとするんだ？他にも沢山の人達がこのお仕事をやりたくて集まっていました。その中で君とドラ太の2人が選ばれました。ラッキーだったのでしょうか？

　オリ鶴を捕まえる事が出来れば報酬は『１０００円』です！簡単なお仕事でいつもの何十倍のお金が貰えて、とっても嬉しいです。

　◆

　『ケーンケーン！』と痛い痛い！とギザギザした鉄の罠に脚を挟まれて、白色の綺麗なオリ鶴が泣いています。

　『うわぁ～痛そう。すぐに助けてあげないと！』と君は走って助けようとしました。けれども！

　『ああ～、構わん。脚なんかどうでもいい。羽根さえ無事ならそれで良い。さっさと気絶でもさせて運んでくれ！』と髭のおじさんは大切なペットが見つかっても、喜んでいないようです。

　『ダメですよ！キチンと怪我の手当てをしてあげないと。こんな危ない罠を置いておけませんよ！』と君はオリ鶴を脅かさないように、ゆっくりと近づいて行きます。

　『ケーンケーン！』とお願い助けて！と優しそうな君に助けを求めているようです。

　『キュイ。キュイキュイー！』と安心しろ。すぐに助けてやるからな！とオリ鶴が暴れないように話しかけています。

　『ケーケーン。ケーン！』とあの男は危険な男よ。騙されないで！と2人に危険を知らせています。でも、遅かったみたいです。

　『ガルガル。ガルゥ！』と大きな黒犬が髭のおじさんの隣にいます。どうやら、最初から君達の後を付けていたようです。

　『君達の仕事はここまでだよ。罠は外さないでそのまま帰ってくれ！報酬もしっかりと払うから文句はないだろう？』と罠を外そうと苦戦している君の手に、千円札を握らせました。

　『でも、血が出ています。早く治療しないと歩けなくなりますよ』と目の前で痛がっているオリ鶴を見て悩んでいます。

　『くっふふふ。なんで君みたいな子供を連れて来たと思う？オリ鶴は悪い心に反応するんだよ』とどうやら君は利用されていたようです。せっかくの君の良い心が、おじさんの悪い心を隠す道具にされたようです。

　『キュイキュイ！』と最初から俺達は隠れ蓑に使われていたようだな！とオリ鶴が逃げ出した理由がある程度、分かって来たようです。
　
　『ガルガル！』とさっさと行かないと噛み付くぞ！と牙を剥き出しにして君を脅して来ます。早く行かないと泣いて帰るだけでは済まないかもしれません。

　『ケーンケーン！』と私の事は気にしないで行きなさい！と暴れるのを止めて、首を横に振って君に危険を教えているようです。

　『キュイキュイ！』と逃げたいなら1人で逃げろ！とドラ太は1人でも戦うつもりです。

　『おじさんは悪い人なんだね。このお金はいらないから、そのオリ鶴を逃してあげてよ！』と１０００円程度のお金では、おじさんは逃してくれないでしょう。スライム1匹と同じ値段で貴重なオリ鶴を逃しはしません。

　『そんな端金で私から買取れると思っているのか？コイツが欲しければ、10万円持って来い！』とドラ太の10倍の値段です。そんなお金は用意できません。もう、力尽くでオリ鶴を奪い取るしか方法はないようです。

　☆さあ、モンスターバトルの時間だよ！相手は髭おじさんと大きな黒犬の2人だよ。こっちも君とドラ太の2人で戦ってオリ鶴を助けてあげよう。

　君の攻撃力は『5』です。君のHPは『10』です。スペシャル攻撃は『キック』です。通常攻撃は『パンチ』です。

　ドラ太の攻撃力は『9』です。HPは『18』です。スペシャル攻撃は『極大火の玉』です。通常攻撃は『火の玉』です。

　髭おじさんの攻撃力は『11』です。HPは『23』です。スペシャル攻撃は『大人キック』です。通常攻撃は『大人パンチ』です。

　黒犬の攻撃力は『13』です。HPは『23』です。スペシャル攻撃は『噛み砕く』です。通常攻撃は『噛み付く』です。
　
　外国では黒犬は不吉の象徴と言われているよう。どうやら、この黒犬は普通の大きな犬ではないようです。頑張って倒してみましょう。

　先制攻撃は君からです。まずは君と髭おじさんの一騎討ちです。負けた方は交代になります。髭おじさんと黒犬は強敵ですが、勝てない相手ではないはずです！

　◆

　君の攻撃『2』です。髭おじさんにパンチは避けられました。

　髭おじさんの攻撃『6』です。君は大人パンチを避けました。

　君の攻撃『2』です。髭おじさんにパンチは避けられました。

　髭おじさんの攻撃『3』です。髭おじさんの大人パンチが君に命中しました。ダメージ『11』です。君の残りHPは『0』になりました。君は倒されました。

　『子供が大人に逆らうから痛い目に遭うんだ！』と顔を思い切り殴られた君は地面に倒れて動けません。

　倒れた君の代わりにドラ太が戦います。

　ドラ太の攻撃『1』です。スペシャル攻撃『極大火の玉』です。ドラ太の極大火の玉が髭おじさんに命中しました。ダメージ『27』です。髭おじさんの残りHPは『0』になりました。髭おじさんは倒れました。

　『アチィチィチィチィ！』と火だるまの髭おじさんが走っています。とっても熱くて痛そうです。

　『キュイキュイ！』と少しはモンスターの痛みを知れ！と髭おじさんは木にぶつかって気絶してしまいました。

　倒れた髭おじさんの代わりに黒犬が戦います。

　黒犬の攻撃『2』です。ドラ太に噛み付く攻撃は避けられました。

　ドラ太の攻撃『6』です。黒犬に火の玉は避けられました。

　ドラ太の攻撃『3』です。ドラ太の火の玉が黒犬に命中しました。ダメージ『9』です。黒犬の残りHPは『14』です。

　黒犬の攻撃『5』です。黒犬の噛み付く攻撃がドラ太に命中しました。ダメージ『13』です。ドラ太の残りHPは『5』です。次の攻撃を喰らったら終わりです。

　『キュイキュイ！』と絶対に負けられないんだ！と負けたら、倒れた君も傷ついたオリ鶴も助けられません。ドラ太は歯を食いしばって戦います。

　ドラ太の攻撃『4』です。黒犬に火の玉は避けられました。

　黒犬の攻撃『2』です。ドラ太に噛み付く攻撃は避けられました。

　ドラ太の攻撃『6』です。黒犬に火の玉は避けられました。

　黒犬の攻撃『2』です。ドラ太に噛み付く攻撃は避けられました。

　ドラ太の攻撃『2』です。黒犬に火の玉は避けられました。

　黒犬の攻撃『1』ですスペシャル攻撃『噛み砕く』です。黒犬に鋭い牙にドラ太は噛み砕かれました。ダメージ『39』です。ドラ太の残りHPは『0』になりました。

　『キュ～イィィ。』ともっと力があったら。とドラ太も倒れてしまいました。

　◆

　君とドラ太は倒されてしまいました。いつもなら泣いて帰るだけで助かりますが、今回は相手が悪かったです。このまま外国に売り飛ばされるでしょう。

　『ガルガル！』とドラゴンでも子供モンスターなら楽勝だな！とドラ太もまだまだ子供です。大きな黒犬には勝てませんでした。

　『酷え事するなぁ～』とこの本の作者さんが茂みから出て来ました。手には薬草を沢山持っています。早速、罠にかかっているオリ鶴の怪我を治してあげました。

　『ケーンケーン！』とありがとうございます！と脚の怪我が治って元気になりました。

　『ゔぅぅ～～？なんだ貴様は！』と気絶していた髭おじさんが起き上がりました。

　『大の大人が子供相手にムキになりやがって恥ずかしいなぁ～』とこの本を書いた人に言われたくはないです。子供をイジメているのは作者さんです。

　『ガルガル？ガルルゥゥ～！』まさか、あなた様は？作者様ではないですか！とどうやら黒犬の方は顔を見て気づいたようです。

　本当にこの人が作者さんならば、勝てる訳がありません。下手に逆らえば、黒犬から白犬に変えられて、携帯電話のCMに出演させられます。

　『ガルゥ～！』と逃げろ～！と黒犬は主人の髭おじさんを置いて逃げて行ってしまいました。

　『コラ～！私を置いて行くんじゃない！』と髭を取られて、普通のおじさんに変えられる前に髭おじさんも逃げて行きました。

　『やれやれ、これで1勝2敗か。ドラゴンなのに勝てないなぁ～』と傷ついた君とドラ太を薬草で治すと帰って行きました。

　さあ、次は大修業です。君とドラ太は負けない為に厳しい修業で強くなるつもりです。