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宝くじで『10億円』を当てた日に、車にも当たりました。一度は地獄に落とされたけど、女神の力で幸運MAX『999』で異世界再スタート!

第7話・ラッキースケベ

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「へぇ~~、意外と町町まちまちしてるんだな」

 町といっても、異世界の町です。木の板を貼り付けたようなボロ家を想像していましたが、しっかりとした町でした。

 町の路はしっかりと石畳で舗装されていて、水道も通っているようです。夜になれば街灯の灯りも点くでしょう。品物も商店も多く、現世の商店街のイメージに重なります。

「ハァ、ハァ、あ~あ、遅刻しちゃうよ」

 若い町娘がパンを口に咥えて、走っています。そんなに急いで危ないですよ。

 ドォン! と、ほら、やっぱり囚人服の小汚い格好の男に打つかってしまいました。

「痛っ!」

「きゃあ! ごめんなさい! 私、慌てて!!」

「いや、こっちも前を見てなかったから、大丈⁉︎」

(何だこの柔らかい感触は? 指が吸い込まれていくぞ?)

 ムニュムニュ♡ ムニュムニュ♡

「ああっん!! そこは駄目です!!」

(べたべたの展開とラッキースケベ!!)

 アルビジアは町に入って、数分で若い町娘と打つかって押し倒されました。腕を何となく前に伸ばすと、町娘のタワワな2つの果実を掴む事になりました。現世では一度も起こらなかった奇跡です。

「す、す、すみません~~~!! ごめんなさい!! 少ないですが、これで許してもらえないで…」

 急いで果実から手を離すと、素早く謝ります。現世では痴漢の有罪率は限りなく100%に近いです。ゴソゴソ、とアルビジアもモンスターが落としたお金の入った布袋から『10万ゴールド』を取り出そうとしています。

「もう、お兄さんのエッチなんだから♡ 私も急いでいたので同罪です。今度は気をつけてくださいね。じゃあ、私急いでいるので」

 町娘は頬を赤く染めて、簡単に許してくれました。アルビジアからお金も受け取らずに、地面に落ちていたパンを拾って、急いで走っていきます。現世のアルビジアならば、半殺しにされて、慰謝料と治療費で『30万円』は請求されていたでしょう。

「フゥ~~~、助かったよ。ラッキーはラッキーでもラッキースケベは心臓に悪いよ。まだ、心臓がバクバク言ってるよ。ハァ~~」

(でも、凄く柔らかかくて良い匂いがしたなぁ~~♬ たまになら、良いかもしれないな)

 幸運MAXの力は、ラッキースケベも引き起こすようです。ついでに魅力のステータスも高いので、ある程度の事をしても、女の子に許してもらえるみたいです。でも、やり過ぎは注意しないと駄目ですよ。

「羨ましいねぇ~、兄ちゃん。どうだ? 柔らかかったか? んっ? んっ? どうなんだ?」

「やめてくださいよ。あんなのただの事故ですよ。それよりも早く服を買いたいので、洋服屋さんの場所を教えてくださいよ」

「へっへへへ、照れてる、照れてる! この路を真っ直ぐに進んで、50~60m先の右側の店が若い子向けの服屋だぜ。価格も『1000ゴールド』ぐらいなんで沢山買えると思うぜ」

「ありがとうございます。また夜に酒場で会いましょう」

「おう! じゃあ、俺達も仕事があるから、この辺で失礼するよ。おっと! 兄さん、強いんだから、冒険者ギルドにも行ってみるんだな。クエストは1日10個しか貼り出されないけど、兄さんならどれでも簡単にクリア出来るだろうよ。ハッハハハ、じゃあな!」

 町の男達と別れると、アルビジアはオススメされた服屋で買い物をします。長袖の3Lサイズの大きなシャツに、袖無しのベストをベルトで絞るのが、この世界の一般的な服装なようです。豪に入っては郷に従えです。

「あんまり主張したくないから、白シャツに緑のベストかな? ベルトはちょっと冒険して見たいけど、無難に黒にするか」

 合わせて『1万ゴールド』と、少し高めの買い物になりましたが、手持ちのゴールドは『100万ゴールド』もあります。痛くも痒くもありません。

(さすがに白スライム1匹で、『10万ゴールド』は凄いよな。お陰で生活費には困らないけど。この後は武具屋と冒険者ギルドに行って、その後はやる事がないな。普通なら必死にレベル上げと、お金集めるをするんだけど、それはもう終わったし、生産職でも極めるかな)

 今後の予定は未定です。魔王を倒して世界を救うとか、一国の王様となってハーレムを作るとか、そんな野望もありません。アラブの石油王みたいに高級車を何百台も集める趣味もありませんし、金持ちのようにパーティ三昧ざんまい、贅沢三昧するつもりもありません。

「とりあえず、冒険者ギルドに行けば、困っている人や助けて欲しい人が依頼を出しているから、地道に数をこなすしかないか。これだと女神様付きの公務員だよ」

 まあ、それでも地獄でモップがけを延々と続けるよりはマシです。アルビジアは冒険者ギルドに行く前に武具屋に寄る事にしました。

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⚫︎ブロードソード『攻撃力+3』 価格『70ゴールド』

⚫︎ロングソード『攻撃力+13』 価格『500ゴールド』

⚫︎ミスリルソード『攻撃力+18』 価格『1000ゴールド』

⚫︎シミター『攻撃力+24』 価格『2000ゴールド』

「んんっ~~? 片手剣のシミターを買いたいけど、そもそも武器とか使った事ないし、スキルで魔法を覚える事が出来るし、安全に遠距離でモンスターを倒した方がいいじゃないのか?」

 武器の価格はどうでもいいようです。端た金です。片手剣ならばMPを消費しないで攻撃出来ます。魔法ならば使い過ぎてMP切れしたら、使えなくなります。そもそも、モンスターと戦う機会がないのなら、無駄スキルを習得する事になります。

 さて、生産職を極めたいのなら、スキル《剣術》や、各種魔法スキル《黒魔法》《白魔法》《召喚魔法》《精霊魔法》などを全部習得していたら、それは難しくなります。覚えられるスキルの数『10個』は意外と少ないです。

「戦闘職か、生産職か、万能職か、選ぶならこの3タイプのどれかになる。オンラインゲームならパーティーを組めるから、仲間が補ってくれるから特化型でも問題ないけど、幸運MAXの力を上手く使いたいのなら、やっぱり万能職しかないよな」

(だとしたら、戦闘と生産のどちらにも使えそうなスキルを選んだ方がいい。だとしたら《鍛治》《錬金》《念力》の3つを選ぼうかな)

⚫︎スキル《鍛治》 武器、防具、アクセサリーと鍛治関係の物なら、包丁から鍋まで作れるようになります。

⚫︎スキル《錬金》 治療薬から賢者の石まで、別々の素材を組み合わせて新しい物を作り出す事が出来るようになります。

⚫︎スキル《念力》 軽い物から重たい物まで、魔法攻撃力とMP次第で、自由自在に動かせるようになります。

「《念力》を使って、《鍛治》で作った武器を操れば戦闘にも使えるし、モンスターの動きを封じたり出来る。ついでに自分に使えば空も飛べるはずだ。治療薬しか作れない《調合》よりは、高位スキルの《錬金》の方が応用の幅はく。あとは鉱石が大量にあるから、とりあえず武器を作るか、合金すれば、もっと高く売れるだろうな」

 強敵が沢山の武器を操って攻撃する方法は最近のアニメでよく見ます。苦労して新しい戦闘方法を考えるなんて無駄な事はしません。一番強力で真似しやすいものを選んだようです。

「さてと、スキルの獲得と武具の購入はとりあえず保留して、冒険者ギルドでクエストを見ないとな。頻繁にモンスターと戦闘しなくていいのなら、生産職を極めた方がいいだろうからな」

 意外としっかりしているのか、無駄金を使いたくないケチな性格なのか、多分後者でしょうが、アルビジアは何も買わずに武具屋を出て行きました。金があるのなら、たっぷりと町で使った方が喜ばれると思いますよ。

 ドォン!! バラバラバラ~~!

「あっあ!! すみません、動かないでください。リンゴを落としてしまいました。すぐに拾いますから」

 若い町娘が誰かと打つかったようです。籠一杯に入った林檎りんごを路にばら撒いてしまいました。

『(何見ているんですか! チャンスですよ。早く助けてください)』

 ボッーと、町娘が1人でリンゴを拾うのを黙って見ていたアルビジアを、女神様の声が叱りつけます。女神様も今まで黙って見ていたんですね。

 そうです。そうです。困っている人を助けるのが、女神様に与えられた仕事でした。目的を思い出したアルビジアは、慌てて町娘を助けに走っていきました。

「ああ、大変だ! 私も手伝いますね!」

「すみません~~、ありがとうございます」

 パシィ、パシィ、パシィ、パシィと人に踏まれないように、2人でリンゴを素早く拾っていきます。レベルMAXで、ステータスの素早さと器用さは人並み以上です。楽々拾い集めていきます。でも、気をつけてください。注意しないと町娘に打つかってしまいますよ。

 ドォン!! 

「きゃあ!」

 ほらほら、打つかって、町娘を押し倒してしまいました。

「すみません! 拾うのに夢中になっていて! すぐに⁉︎」

 ムニュムニュ♡ ムニュムニュ♡

「ああっ、そこはリンゴじゃありません」

(ラッキースケベ残り8回!!)

 ♦︎

 





 



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