みょんちゃんが奏でる虹色のメロディー ~皆で紡ぐ、楽しい学校と素敵な町並み~

根 九里尾

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第8章 町の発展とみょんちゃん母さん〔大樹の視点〕

75 第8章第12話 図書館先生

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 虹空町が、飛行場をつろうと大きな決断を下そうとしていたちょうどの時期、ぼく達の図書館先生も人生の岐路に立とうとしていたんだ。でも、最初ぼく達は、そんなことにはまったく気が付かず、ただいつものまじめで一生懸命な図書館先生だと思っていたんだ。

 ぼく達は、図書館の館長である本田彩子ほんだ あやこさん……お母さんは、あーちゃんと呼んでいるけど……を図書館先生と呼んでいる。ぼく達というのは、ぼくの友達の上杉光うえすぎ ひかる中村笑太なかむら しょうた岡崎和美おかざき かずみはもちろんなんだけど、虹ヶ丘小学校のみんなのことだよ。
 
 分からないことがあって図書館に調べに行くと、必ず彩子さんが手伝ってくれるし、親切に教えてくれるんだ。
 どんなに難しいことが本に書いてあっても、分かりやすく説明をしてくれるので、本を読んで調べるのが楽しくなるだ。だから、みんなが、図書館先生って呼んでいるんだ。



 今回もぼくが、冬休みの課題に『飛行場づくり』を提案したものだから、たぶんみんなが図書館にはお世話になっていると思う。
 やっぱり、その度に図書館先生は、手伝ってくれているんじゃないかなあ。
 

 もちろんぼくも、図書館先生に聞きに行ったよ。そしたら、図書館の本以外にも、参考になるものがあることを教わったんだ。それが、『虹ヶ丘にじがおか大学だいがく町民講座ちょうみんこうざ』だった。



 これは、月1回の間隔で、大学の先生がいろいろな講座を開設しているというもので、虹空町民なら、誰でも無料で勉強できるんだ。
 実は、図書館先生も毎月通っていて、大変勉強になると言っていた。

 飛行場づくりを考えることになったぼく達にも、参考になる講座があるかもしれないということで、教えてくれたんだ。

 早速、冬休みに入って、特別集中講座があったので、図書館先生と一緒に行くことにした。







 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「みょんちゃんも、一緒に行くでしょ?」
「もちろんよ! 時々、私も講座をやってるのよ!」
「え? そうだったの?」

「知らなかったの? だって、虹ヶ丘大学だって、私の学校よ!」

「でもね、みょんちゃん、ほとんど学校へは、行ってないよね……」
「そりゃあ、もう全部、北野きたの先生に任せちゃったからね。私は、時々頼まれた時だけね、ちょっと遊んでくるのよ!」

「もう、そんないい加減なことを……」
「いいじゃないの……、楽しいんだから。ところで、何の講座にするのか決めたの? ダイちゃんは」

「それが、何にしたらいいか迷っているんだ」
「じゃあ、おいしいものを作れる、料理の講座にしなさいよ。飛行場の中に、おいしい食堂を作りましょうよ! ね! ね!」

「もう、みょんちゃんが食べたいだけじゃないの?」




 そんな話をしているうちに、図書館先生が迎えに来た。

「あら、いらっしゃい、あーちゃん!」
「みょんちゃん、こんにちは。大学まで一緒に行きましょう」

 3人は、雪道を歩きながら、選んだ講座について話し始めた。

「みょんちゃんは、食いしん坊だから、食べ物屋さんの講座ばかり進めるんですよ」
「うーん、でも、料理の腕はいい先生ばかりだから、いつも食べ物講座からは、おいしそうなにおいがしてるわ」

「ほら!そうでしょ。だって、先生は、私がみつけてきたんだから、確かよ。食堂を出したら、きっとお客さんがいっぱい来るんだからね!」

「じゃあ、飛行場に食堂を出すのには、いいかもしれないね」
 ちょっと冗談っぽく言ったつもりだったのに、お母さんは、本気の顔になってしまった。

「大学へ行ったら、相談してみようかしら、あの先生、チョコレートバナナサンデー作れるかしら?」

「ところで、図書館先生は、何講座を受けるんですか?」
「私? 私はね……まあ、行ってから……決めようかしら……」




 なぜか、図書館先生は、ちょっと道路脇の雪山に目を移した。以前、図書館で話を聞いた時は、もう何回も町民講座に通っていると言っていたので、てっきり決まった講座でもあるのかと思ったが、毎回違う講座にしているのだろうか?

 大学のロビーで、目的の講座を見つけたぼくとお母さんは、図書館先生と別行動をとることにして別れた。

 別れてすぐ、図書館先生は、上の階を目指して階段を上って行った。今日の講座を探すでもなく、速足で迷うことなく進んで行ったんだ。



 何となくお母さんは、黙って図書館先生を見送っていたが、「さあ! 私達も行くわよ……」 と、美味しい講座へ急いだ。



(つづく)
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