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第8章 町の発展とみょんちゃん母さん〔大樹の視点〕
83 第8章第20話 たまご
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お母さんは、やっぱり笑顔だった。
『とびっきりのバナナメロンプリンのサクランボ付き』をぺろっと平らげた。
それなのに、食べ終えたお母さんは、とぼけた顔で岡崎先生に失礼な質問をしていた。
「ところで、芯ちゃんの病院は、お客さんが少ないんじゃないの?」
「え? お客さん?……患者さんでしょ……?」
「ああ……まあ、患者さんね。あんまり患者さんが少ないと、私が今度来た時、美味しいおやつをご馳走になれないんじゃないかと思ってね……?」
「アハハハハ……大丈夫ですよ。おやつぐらいは、いくらでもご馳走しますよ。実は、あんまり忙しくならないように、他の病院を紹介しているんです」
「え?……忙しくって……暇にして……何かやっているの?」
「ええ、今、虹ヶ丘大学でお医者さんを目指している人に、医療のことを教えているんです。僕が東京で教わったみたいにね」
「へー、芯ちゃん、凄いねー」
「今度、大学へ来てみませんか? 紹介したい学生もいるんですよ」
岡崎先生は、特に自慢している様子もなく、静かに自分の話をした。大学へは、ぼくや和美、始も一緒にどうかと誘ってくれたんだ。
ちょうど、来週の金曜日は、午後の予定もなかったので、みんなで大学の見学に行くことにした。
虹ヶ丘中学校の午後の授業は、すべて自分で決めていいんだ。自分がやりたい学びを自分の課題で進めるのが、虹ヶ丘の学習なんだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
|
「《だいき》大樹、何だよ、今日は保護者同伴かよー」
大学見学の話しをしたら、一緒に行きたいと言った笑太が、ニヤニヤしながら小声で囁いた。
「何言ってんだ、説明しただろう。今日の見学はお母さんが誘われたんだ。ぼく達は、ついでなの……」
笑太は知ってて言っているので、ぼくは軽く付き合っておいた。
すると、お母さんが、「あら? 笑ちゃん……今日は1人なの? 笑子ちゃんがいないと寂しいわね。じゃあ私が手をつないであげるからこっちいらっしゃい……」と、いたずらっぽく声をかけたんだ。
「……い、いえ、……だ、大丈夫です。妹がいない方が、怒られなくて済むので……」
なぜか急に笑太が緊張した感じになって、悪ふざけをやめてしまった。中学生になると、よその母親と話をすると緊張するようになるのだろうか。
「みんな揃ったかな、ここがこれから僕のお話をする教室だ。ここにいる10名の学生は、医者を目指して勉強しているんだ。今日は、君達にもわかる話を少しするから、一緒に聞いていってほしい」
そう言うと、岡崎医院の岡崎先生は、虹ヶ丘大学の教室で病気の話を始めた。
(つづく)
『とびっきりのバナナメロンプリンのサクランボ付き』をぺろっと平らげた。
それなのに、食べ終えたお母さんは、とぼけた顔で岡崎先生に失礼な質問をしていた。
「ところで、芯ちゃんの病院は、お客さんが少ないんじゃないの?」
「え? お客さん?……患者さんでしょ……?」
「ああ……まあ、患者さんね。あんまり患者さんが少ないと、私が今度来た時、美味しいおやつをご馳走になれないんじゃないかと思ってね……?」
「アハハハハ……大丈夫ですよ。おやつぐらいは、いくらでもご馳走しますよ。実は、あんまり忙しくならないように、他の病院を紹介しているんです」
「え?……忙しくって……暇にして……何かやっているの?」
「ええ、今、虹ヶ丘大学でお医者さんを目指している人に、医療のことを教えているんです。僕が東京で教わったみたいにね」
「へー、芯ちゃん、凄いねー」
「今度、大学へ来てみませんか? 紹介したい学生もいるんですよ」
岡崎先生は、特に自慢している様子もなく、静かに自分の話をした。大学へは、ぼくや和美、始も一緒にどうかと誘ってくれたんだ。
ちょうど、来週の金曜日は、午後の予定もなかったので、みんなで大学の見学に行くことにした。
虹ヶ丘中学校の午後の授業は、すべて自分で決めていいんだ。自分がやりたい学びを自分の課題で進めるのが、虹ヶ丘の学習なんだ。
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「《だいき》大樹、何だよ、今日は保護者同伴かよー」
大学見学の話しをしたら、一緒に行きたいと言った笑太が、ニヤニヤしながら小声で囁いた。
「何言ってんだ、説明しただろう。今日の見学はお母さんが誘われたんだ。ぼく達は、ついでなの……」
笑太は知ってて言っているので、ぼくは軽く付き合っておいた。
すると、お母さんが、「あら? 笑ちゃん……今日は1人なの? 笑子ちゃんがいないと寂しいわね。じゃあ私が手をつないであげるからこっちいらっしゃい……」と、いたずらっぽく声をかけたんだ。
「……い、いえ、……だ、大丈夫です。妹がいない方が、怒られなくて済むので……」
なぜか急に笑太が緊張した感じになって、悪ふざけをやめてしまった。中学生になると、よその母親と話をすると緊張するようになるのだろうか。
「みんな揃ったかな、ここがこれから僕のお話をする教室だ。ここにいる10名の学生は、医者を目指して勉強しているんだ。今日は、君達にもわかる話を少しするから、一緒に聞いていってほしい」
そう言うと、岡崎医院の岡崎先生は、虹ヶ丘大学の教室で病気の話を始めた。
(つづく)
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