30 / 57
30 エルフィーナの休日 3 ~温泉の夜~
しおりを挟む
「さあ、着いたわよ。ここが、温泉よ」
「すごい大きな建物ですね~。それに、面白い形をしているわ……まるで……私の国のお城に似ている気がする」
エルは、温泉旅館の建物をまじまじと見つめながら、どことなくそのたたずまいを思い出している様子だった。
「そうだなあ~、この旅館は、少し中世のヨーロッパの城をイメージして作られているからかな~……妖精とか出てきてもおかしくないかもなあ……」
僕は、何となくパンフレットを見ながら旅館の雰囲気の感想を言ったつもりだった。
「え? 直人にも妖精が見えるの?」
エルが、小声で嬉しそうに聞いてきた。あわてた僕は、
「あ、いや、見えるわけじゃないけど、なんとなくいるような感じがして……」
と、ごまかすと、エルは少しがっかりしたようだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ご家族様用なので、少し広いお部屋をご用意いたしました。ベランダには、テーブル付きのソファーもあります。夜などはお月見も出来ますよ……」
受け受けカウンターで、旅館の人に説明を受けた。
「ありがとうございます。……今夜は満月だね。お団子でも買って、夜は、みんなでお月見でも、しようかね」
「はい、お母さん、楽しそうだわ」
「まあ、いいお嫁さんですね。夕食はお部屋に用意しますから、お楽しみください。町にはたくさんのお土産もの屋さんもありますから、どうぞご覧になって来てくださいね」
気の利くとても親切な人だった。なぜか、エルはニコニコしていた。
「はい、ありがとうございます。……直人、ねえ、また“お嫁さん”って言われたわ?」
「あははは……やっぱり、それが一番なんだけどね……」
「うるさいよ、お母ちゃん!……エルは気にしなくていいの、可愛いだけなんだから……」
「ほんと?」
と、首を少し傾げるが、エルは最近そう言われる度に笑顔になっているような気がするんだけどなあ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「私は、先にマッサージをさせてもらうから、あなた達でお土産物屋さんとか見ておいで。ついでに軽くお昼ご飯も済ませて来てね。……ただし、食べすぎるんじゃないよ、何せ今日のメインは、晩ご飯だからね、ほんとに軽く、かるーーく、済ませるんだよ! いいね……」
と、注意だけして、お母ちゃんはさっさと旅館の全身マッサージの予約を取りに行った。
「じゃあエル、外に行こうか……」
「うん、わかった」
これはまた、お母ちゃんの計略かなとも思ったが、汽車で2時間の長旅は、さすがに疲れたのかもしれないなあ。
「エルの世界に温泉は無かったのかい?」
あちこちから温泉の湯気が立ち上り、硫黄の匂いが漂う街を歩きながら、直人は何気なく聞いてみた。
「……火山はあったの。もっと炎が吹き上がり、火山の煙の臭いがしたわ……」
「それじゃあ、ゆっくりお湯に浸かって楽しむなんてことはしなかったんだね」
「もちろんよ………お湯なんてものじゃなかったわ………触れただけで、焼け死んでいたもの」
「おおおー、それは怖いなあ……」
僕には、想像もつかない世界だったが、逆にエルにとってはこちらの世界の温泉の方が想像もつかなかったんだろう。
「いっぱいお店があるのね。かわいい人形が売っているわ。温泉も、私達が泊まるところだけじゃなく、他にもたくさんあるのね。この辺を歩いている人は、みんなお客さんなのかしら」
僕とエルは、たくさんのお土産物屋さんをまわり、記念になる置物や飾り、同僚へのお土産などを買った後、地元名産のうどんを昼食代わりに食べた。
その後も、博物館や民芸館などを回り、湖をまわる遊覧船にも乗ったりして、夕方近くになって、温泉旅館に戻った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ちょうどいいところに帰ってきたね、エルちゃん。一緒に温泉に行かないかい?……本当は直人の方がいいかもしれないけど、こればっかりはね~」
お母ちゃんが、最後の方を笑いながら茶化すので、僕はすぐに言ってやった。
「何を馬鹿なこと言ってんのさ。エルは温泉の大浴場が初めてなんだから、ちゃんと案内してくれよ!」
「あーはいはい。じゃあ、エルちゃん、準備しようか」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うわあーーーーー、すごーーーーーい」
大浴場に入るなり、エルは、教えてもらった隠す場所などすっかり忘れて、手放しで喜んでしまった。(別に僕は見た訳じゃないよ、お母ちゃんに後で聞いたんだからね)
「あはははは………」
お母ちゃんも大笑いしたらしい。
「さあ、体を洗って、ゆっくり湯船に入るよ……滑るから気を付けてね」
言われた通り、近くの洗い場のシャワーで、一通り体を洗ってから、手ぬぐいをたたんで頭に乗せて、右足からゆっくり湯船の階段に降ろしていった。
(だから、見た訳じゃないって!)
女湯の湯船は、1つが10畳ぐらいの楕円形をしていたそうだ。多少大きさが異なるが、4つほどが、その浴室には並んでいて、それぞれお湯の温度が違うんだって。
まあ、男湯も似たようなもんだけど、ちょっとデザインが違う気がする。
浴室は、旅館の最上階で10階にあり、前面の壁がガラス張りで、屋上からの眺めと同じになっている。(これは、男湯も同じで、窓から外が見えた)
エルは、迷わずお湯の中をガラス迄歩いて行ったらしい。
「わあああ、すごおおおーーーーーい!」
すぐに窓際まで辿り着き、眼下の景色を見て、感嘆の声をあげたそうだ。
エルは、高いところへは自由に飛べるが、お湯に浸かりながらは、無理な話である。今までに、味わったことのない至極の景色だったそうだ。
裸で窓に張り付いて、下の眺めを楽しむ様子は、まるで小さな子どもだったそうだ。お母ちゃんは、湯船につかりながら、その様子を見て、孫でも見ている気になったと言っていた。
「ふぁあああああーーー、うんんんんーーーーーー」
すぐにエルは、お母ちゃんの傍に戻り、肩までお湯に浸かって、今度は安堵の声をあげたんだって。
「いいねえ~エルちゃん……幸せかい?」
お母ちゃんは、思わず聞いたそうだ。
「はい、嬉しいです。直人やお母さんに会えて、よかった……」
エルは、目を閉じて、お湯に浸かって、そう言ったんだって。
(ま、エルが居ない時に、お母ちゃんがこっそり教えてくれたんだ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
豪華な夕食も、部屋での会話も、すべてが幸せだった。それは、エルだけではなく、お母ちゃんにとっても、僕にとっても、同じ夢の中にいるようだったんだ。
エルの提案で、お母ちゃんが真ん中で寝ることになった。畳の上に3組の布団を敷き、仲良く寝た。
部屋は、2間あったので男女で分けようと僕は言ったのに、みんなで一緒に寝たいとエルは言うことを聞かなかった。
3人とも、慣れない旅行で疲れたのか、すぐに寝入ってしまった。
真夜中あたり、不意に僕は目を覚ました。
僕は、一番ベランダ側に寝ていたんだ。カーテンの隙間から、月明かりが漏れていた。
今夜は、満月だってお母ちゃんが言ってたなあ。
「ん?……誰かいるのか?」
カーテン越しに、影が見えた気がした。
僕は、静かに起き上がった。
お母ちゃんの向こう側には、……誰もいない。エルが、寝ているはずなのに。
静かに、ベランダに出て見た。そこのソファーには、エルが座って月を眺めていた。
「横、座っていいでしょうか?」
僕は、丁寧に尋ねた。
「うん」
エルは、月を見たまま答えた。
僕は、自分の毛布と、お腹いっぱいで食べられなかったお団子をもって行った。毛布は、エルと自分とで被り、お団子の櫛は、1本ずつ分けた。
「お月見できなかったね……」
僕は、お団子を渡しながら言った。
「だって、晩ご飯がおいしくて、食べすぎちゃったから」
と、笑顔でエルが言った。
そして、お団子を受け取ると、
「おいしそう……今なら食べられるわ……直人も食べよう」
と、言って、2人でしばらく月を見ながら、お団子を食べた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらくして、
「ありがとう、直人。やっぱり、目が覚めちゃった……」
と、エルは、まだ、月を見たまま、直人に謝った。
「大丈夫だよ……気にしないで……」
僕は、何も聞かなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あの人が亡くなったのはね、真夜中なの。ううん……その前に、戦いで傷つき、看病していたの。ちょうど、私の世界にもあんな星が出るの。真夜中に、水を汲み行ったの。私がちょっと離れた隙に、竜にやられたの…………」
「そう……か」
「それ以来、1人で夜を過ごしていると、真夜中に1度だけ目が覚めるの。でも、直人とくっついている時だけは朝まで眠ることができたのよ」
「………………………」
「今晩は……くっついていなくても……近くだから……大丈夫かと……」
「家でも、1人で寝ているときは、目が覚めていたのかい?」
「うん」
「ねえ………………。今日は、朝まで手を握っていてあげるから安心して寝ていいよ」
その時すでに、エルは寝息を立てて目を閉じていたのだった。とても心地よさそうに……。
(つづく)
「すごい大きな建物ですね~。それに、面白い形をしているわ……まるで……私の国のお城に似ている気がする」
エルは、温泉旅館の建物をまじまじと見つめながら、どことなくそのたたずまいを思い出している様子だった。
「そうだなあ~、この旅館は、少し中世のヨーロッパの城をイメージして作られているからかな~……妖精とか出てきてもおかしくないかもなあ……」
僕は、何となくパンフレットを見ながら旅館の雰囲気の感想を言ったつもりだった。
「え? 直人にも妖精が見えるの?」
エルが、小声で嬉しそうに聞いてきた。あわてた僕は、
「あ、いや、見えるわけじゃないけど、なんとなくいるような感じがして……」
と、ごまかすと、エルは少しがっかりしたようだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ご家族様用なので、少し広いお部屋をご用意いたしました。ベランダには、テーブル付きのソファーもあります。夜などはお月見も出来ますよ……」
受け受けカウンターで、旅館の人に説明を受けた。
「ありがとうございます。……今夜は満月だね。お団子でも買って、夜は、みんなでお月見でも、しようかね」
「はい、お母さん、楽しそうだわ」
「まあ、いいお嫁さんですね。夕食はお部屋に用意しますから、お楽しみください。町にはたくさんのお土産もの屋さんもありますから、どうぞご覧になって来てくださいね」
気の利くとても親切な人だった。なぜか、エルはニコニコしていた。
「はい、ありがとうございます。……直人、ねえ、また“お嫁さん”って言われたわ?」
「あははは……やっぱり、それが一番なんだけどね……」
「うるさいよ、お母ちゃん!……エルは気にしなくていいの、可愛いだけなんだから……」
「ほんと?」
と、首を少し傾げるが、エルは最近そう言われる度に笑顔になっているような気がするんだけどなあ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「私は、先にマッサージをさせてもらうから、あなた達でお土産物屋さんとか見ておいで。ついでに軽くお昼ご飯も済ませて来てね。……ただし、食べすぎるんじゃないよ、何せ今日のメインは、晩ご飯だからね、ほんとに軽く、かるーーく、済ませるんだよ! いいね……」
と、注意だけして、お母ちゃんはさっさと旅館の全身マッサージの予約を取りに行った。
「じゃあエル、外に行こうか……」
「うん、わかった」
これはまた、お母ちゃんの計略かなとも思ったが、汽車で2時間の長旅は、さすがに疲れたのかもしれないなあ。
「エルの世界に温泉は無かったのかい?」
あちこちから温泉の湯気が立ち上り、硫黄の匂いが漂う街を歩きながら、直人は何気なく聞いてみた。
「……火山はあったの。もっと炎が吹き上がり、火山の煙の臭いがしたわ……」
「それじゃあ、ゆっくりお湯に浸かって楽しむなんてことはしなかったんだね」
「もちろんよ………お湯なんてものじゃなかったわ………触れただけで、焼け死んでいたもの」
「おおおー、それは怖いなあ……」
僕には、想像もつかない世界だったが、逆にエルにとってはこちらの世界の温泉の方が想像もつかなかったんだろう。
「いっぱいお店があるのね。かわいい人形が売っているわ。温泉も、私達が泊まるところだけじゃなく、他にもたくさんあるのね。この辺を歩いている人は、みんなお客さんなのかしら」
僕とエルは、たくさんのお土産物屋さんをまわり、記念になる置物や飾り、同僚へのお土産などを買った後、地元名産のうどんを昼食代わりに食べた。
その後も、博物館や民芸館などを回り、湖をまわる遊覧船にも乗ったりして、夕方近くになって、温泉旅館に戻った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ちょうどいいところに帰ってきたね、エルちゃん。一緒に温泉に行かないかい?……本当は直人の方がいいかもしれないけど、こればっかりはね~」
お母ちゃんが、最後の方を笑いながら茶化すので、僕はすぐに言ってやった。
「何を馬鹿なこと言ってんのさ。エルは温泉の大浴場が初めてなんだから、ちゃんと案内してくれよ!」
「あーはいはい。じゃあ、エルちゃん、準備しようか」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うわあーーーーー、すごーーーーーい」
大浴場に入るなり、エルは、教えてもらった隠す場所などすっかり忘れて、手放しで喜んでしまった。(別に僕は見た訳じゃないよ、お母ちゃんに後で聞いたんだからね)
「あはははは………」
お母ちゃんも大笑いしたらしい。
「さあ、体を洗って、ゆっくり湯船に入るよ……滑るから気を付けてね」
言われた通り、近くの洗い場のシャワーで、一通り体を洗ってから、手ぬぐいをたたんで頭に乗せて、右足からゆっくり湯船の階段に降ろしていった。
(だから、見た訳じゃないって!)
女湯の湯船は、1つが10畳ぐらいの楕円形をしていたそうだ。多少大きさが異なるが、4つほどが、その浴室には並んでいて、それぞれお湯の温度が違うんだって。
まあ、男湯も似たようなもんだけど、ちょっとデザインが違う気がする。
浴室は、旅館の最上階で10階にあり、前面の壁がガラス張りで、屋上からの眺めと同じになっている。(これは、男湯も同じで、窓から外が見えた)
エルは、迷わずお湯の中をガラス迄歩いて行ったらしい。
「わあああ、すごおおおーーーーーい!」
すぐに窓際まで辿り着き、眼下の景色を見て、感嘆の声をあげたそうだ。
エルは、高いところへは自由に飛べるが、お湯に浸かりながらは、無理な話である。今までに、味わったことのない至極の景色だったそうだ。
裸で窓に張り付いて、下の眺めを楽しむ様子は、まるで小さな子どもだったそうだ。お母ちゃんは、湯船につかりながら、その様子を見て、孫でも見ている気になったと言っていた。
「ふぁあああああーーー、うんんんんーーーーーー」
すぐにエルは、お母ちゃんの傍に戻り、肩までお湯に浸かって、今度は安堵の声をあげたんだって。
「いいねえ~エルちゃん……幸せかい?」
お母ちゃんは、思わず聞いたそうだ。
「はい、嬉しいです。直人やお母さんに会えて、よかった……」
エルは、目を閉じて、お湯に浸かって、そう言ったんだって。
(ま、エルが居ない時に、お母ちゃんがこっそり教えてくれたんだ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
豪華な夕食も、部屋での会話も、すべてが幸せだった。それは、エルだけではなく、お母ちゃんにとっても、僕にとっても、同じ夢の中にいるようだったんだ。
エルの提案で、お母ちゃんが真ん中で寝ることになった。畳の上に3組の布団を敷き、仲良く寝た。
部屋は、2間あったので男女で分けようと僕は言ったのに、みんなで一緒に寝たいとエルは言うことを聞かなかった。
3人とも、慣れない旅行で疲れたのか、すぐに寝入ってしまった。
真夜中あたり、不意に僕は目を覚ました。
僕は、一番ベランダ側に寝ていたんだ。カーテンの隙間から、月明かりが漏れていた。
今夜は、満月だってお母ちゃんが言ってたなあ。
「ん?……誰かいるのか?」
カーテン越しに、影が見えた気がした。
僕は、静かに起き上がった。
お母ちゃんの向こう側には、……誰もいない。エルが、寝ているはずなのに。
静かに、ベランダに出て見た。そこのソファーには、エルが座って月を眺めていた。
「横、座っていいでしょうか?」
僕は、丁寧に尋ねた。
「うん」
エルは、月を見たまま答えた。
僕は、自分の毛布と、お腹いっぱいで食べられなかったお団子をもって行った。毛布は、エルと自分とで被り、お団子の櫛は、1本ずつ分けた。
「お月見できなかったね……」
僕は、お団子を渡しながら言った。
「だって、晩ご飯がおいしくて、食べすぎちゃったから」
と、笑顔でエルが言った。
そして、お団子を受け取ると、
「おいしそう……今なら食べられるわ……直人も食べよう」
と、言って、2人でしばらく月を見ながら、お団子を食べた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらくして、
「ありがとう、直人。やっぱり、目が覚めちゃった……」
と、エルは、まだ、月を見たまま、直人に謝った。
「大丈夫だよ……気にしないで……」
僕は、何も聞かなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あの人が亡くなったのはね、真夜中なの。ううん……その前に、戦いで傷つき、看病していたの。ちょうど、私の世界にもあんな星が出るの。真夜中に、水を汲み行ったの。私がちょっと離れた隙に、竜にやられたの…………」
「そう……か」
「それ以来、1人で夜を過ごしていると、真夜中に1度だけ目が覚めるの。でも、直人とくっついている時だけは朝まで眠ることができたのよ」
「………………………」
「今晩は……くっついていなくても……近くだから……大丈夫かと……」
「家でも、1人で寝ているときは、目が覚めていたのかい?」
「うん」
「ねえ………………。今日は、朝まで手を握っていてあげるから安心して寝ていいよ」
その時すでに、エルは寝息を立てて目を閉じていたのだった。とても心地よさそうに……。
(つづく)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる