悪役令嬢(魔女)の婿取り

すけさん

文字の大きさ
3 / 8
第1章

3話 騒がしいクラスメイト

しおりを挟む


 あれから数日が過ぎたが――
誰も私に話しかけてこない。

 ……あ、いや。
一人だけ別次元の生き物がいた。

「ジュリア嬢、今日も全身黒コーデで素敵な装いですね!キラリ」

 出たー!チャラ男!

 コイツだけはやたらと話しかけてくるけど……。
もしかして公爵家の婿狙いなのか?

 侯爵家ビークラの三男のケイは、将来的にはビークラ家を出なきゃいけないだろうし……。

 でも、あんなにイケメンなら色んな家から話が舞い込んでそうだけどな。

「………。」

 私は無言で睨みつける。

 するとケイは、猫みたいに嬉しそうに微笑んだ。

 ……お前、マゾか??

「ジュリア嬢、そんなに睨んだら可愛い……か、カッコいいお顔が台無しになりますよ!キラリ」

 チャラ男を睨みつけ

「朝から五月蝿い蝿が舞ってるわね……
叩き潰してやろうかしら……」

 私の言葉に、ケイはむしろ嬉しそうな顔をしている。

 ……やっぱりマゾでしょ?

「ケイ。お前今、この女に屈辱的な言葉をかけられたんだぞ?」

 チャラ男の横から、赤髪の男が睨みつけてきた…今にも臨戦態勢に入りそうな勢いだ。

 ケイは首を傾げながら…俺様の言葉に混乱している


「そんな喧嘩腰でジュリア嬢を見るなよ!」


「すみません、ジュリア嬢。コイツは悪い奴じゃないんで気にしないでください」

 隣では、白髪の長髪の男が眼鏡をクイッと押し上げながら、私達のやり取りを見ている。

 この三人のイケメン達は幼馴染で、いつもつるんでいる。

 チャラ男はビークラ家の三男、ケイ。

 白髪眼鏡は父が宰相のオーエオ家のハク。

 赤髪の俺様は、父が騎士団長を務めるシャイナ家の三男コウ。

 いずれも侯爵家クラスの上位貴族だ。
朝から豪華すぎるメンバーである。

「朝からキンキンと煩いわね……」

 私はため息をついた。

「別に気にしてないわ」

「面倒くさいから私に話しかけないでくださる?馬鹿でも分かるわよね?」

 私の言葉に、チャラ男が少し傷ついたような表情を浮かべる。

 ……あれ?
ちょっとキツく言い過ぎちゃったかな。

「噂どおり傲慢で、貴族なのを良いことに酷い態度ですね」

 白髪のハクが一歩前に出た。

「いくら学園内では身分は平等だと言われていますが、目に余ります」

「同じクラスである友として、貴方に苦言を言わせていただきます」

 ……うわ。
正義感丸出しタイプだ。
扱いにくいんだよな。

「そうだ!そうだ!」

 赤髪のコウもヤジを飛ばす。

「もっと言ってやれ!」

 ……ねぇ、もう泣きたいんだけど。

 ここで深窓の令嬢なら、涙の一つでも出せば絵になるんだろうけど……。

 私は魔女だしな。

 ……って。

 自分で魔女認定してる辺り、私の思考もかなりヤバい気がする。

「コウもハクも、俺は気にしてないから!!」

 ケイが慌てて二人の肩に手を置く。

「ジュリア嬢も気にしないでくださいね!」

 そう言って、二人を私から引き離した。

 ……ケイは私に親切だ。

 …だけど。

 心の奥で何を考えているのか分からない。あの作り笑いが、どうにも胡散臭いんだよな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように

柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」 笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。 夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。 幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。 王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

拝啓、婚約者さま

松本雀
恋愛
――静かな藤棚の令嬢ウィステリア。 婚約破棄を告げられた令嬢は、静かに「そう」と答えるだけだった。その冷静な一言が、後に彼の心を深く抉ることになるとも知らずに。

聖女に負けた侯爵令嬢 (よくある婚約解消もののおはなし)

蒼あかり
恋愛
ティアナは女王主催の茶会で、婚約者である王子クリストファーから婚約解消を告げられる。そして、彼の隣には聖女であるローズの姿が。 聖女として国民に、そしてクリストファーから愛されるローズ。クリストファーとともに並ぶ聖女ローズは美しく眩しいほどだ。そんな二人を見せつけられ、いつしかティアナの中に諦めにも似た思いが込み上げる。 愛する人のために王子妃として支える覚悟を持ってきたのに、それが叶わぬのならその立場を辞したいと願うのに、それが叶う事はない。 いつしか公爵家のアシュトンをも巻き込み、泥沼の様相に……。 ラストは賛否両論あると思います。納得できない方もいらっしゃると思います。 それでも最後まで読んでいただけるとありがたいです。 心より感謝いたします。愛を込めて、ありがとうございました。

壊れた心はそのままで ~騙したのは貴方?それとも私?~

志波 連
恋愛
バージル王国の公爵令嬢として、優しい両親と兄に慈しまれ美しい淑女に育ったリリア・サザーランドは、貴族女子学園を卒業してすぐに、ジェラルド・パーシモン侯爵令息と結婚した。 政略結婚ではあったものの、二人はお互いを信頼し愛を深めていった。 社交界でも仲睦まじい夫婦として有名だった二人は、マーガレットという娘も授かり、順風満帆な生活を送っていた。 ある日、学生時代の友人と旅行に行った先でリリアは夫が自分でない女性と、夫にそっくりな男の子、そして娘のマーガレットと仲よく食事をしている場面に遭遇する。 ショックを受けて立ち去るリリアと、追いすがるジェラルド。 一緒にいた子供は確かにジェラルドの子供だったが、これには深い事情があるようで……。 リリアの心をなんとか取り戻そうと友人に相談していた時、リリアがバルコニーから転落したという知らせが飛び込んだ。 ジェラルドとマーガレットは、リリアの心を取り戻す決心をする。 そして関係者が頭を寄せ合って、ある破天荒な計画を遂行するのだった。 王家までも巻き込んだその作戦とは……。 他サイトでも掲載中です。 コメントありがとうございます。 タグのコメディに反対意見が多かったので修正しました。 必ず完結させますので、よろしくお願いします。

幼馴染以上、婚約者未満の王子と侯爵令嬢の関係

紫月 由良
恋愛
第二王子エインの婚約者は、貴族には珍しい赤茶色の髪を持つ侯爵令嬢のディアドラ。だが彼女の冷たい瞳と無口な性格が気に入らず、エインは婚約者の義兄フィオンとともに彼女を疎んじていた。そんな中、ディアドラが学院内で留学してきた男子学生たちと親しくしているという噂が広まる。注意しに行ったエインは彼女の見知らぬ一面に心を乱された。しかし婚約者の異母兄妹たちの思惑が問題を引き起こして……。 顔と頭が良く性格が悪い男の失恋ストーリー。 ※流血シーンがあります。(各話の前書きに注意書き+次話前書きにあらすじがあるので、飛ばし読み可能です)

平手打ちされたので、婚約破棄宣言に拳でお答えしました

Megumi
恋愛
婚約破棄を告げられ、婚約者に平手打ちされた——その瞬間。 伯爵令嬢イヴの拳が炸裂した。 理不尽に耐える淑女の時代は、もう終わり。 これは“我慢しない令嬢”が、これまでの常識を覆す話。

処理中です...