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6・フラッシュバック※
しおりを挟む僕は清水さんに贈るクリスマスプレゼントをネットで購入した。
「ローズゴールドにしたけど、これで良かったかな?」
大学時代のレジの接客バイトで培ったバレンタインチョコのプレゼント包装技術がこんな時に役に立つなんて……我ながらファインプレーだ。
「覚えてるもんだな」
無心で包み続けたバレンタイン近日のチョコ包装祭りを身体が覚えていて、一緒に購入した包装紙を化粧品に合わせてカットして丁寧に包んでいく。
百均のリボンシールを貼って、紙袋に入れて準備OK。
クリスマスの翌日はお互い有給取ったから、清水さんちにお泊りする事になった。
「(……僕、大分気持ち悪いな)」
男友達の家に行くだけなのに、パジャマとパンツを新調してしまった。
意識し過ぎて、僕、キモい。
けど、クリスマスだから……浮かれるのは仕方がない。
この日の為に残業もいっぱいしたんだし、クリスマスくらい浮かれてもバチは当たらない筈だ。
そして迎えたクリスマス当日。
「メリークリスマス」
「メリークリスマス、伊織さん」
仕事から家に帰って着替えてから荷物を持って清水さんと合流して、コンビニでなんちゃってディナーを買ってケーキを受け取りに行った。
「わぁ、当日だとサンタさん多いですね」
「ケーキ売り捌いてますねぇ~」
店員さんからケーキの入った箱を受け取る。
「ケーキの箱持つとドキドキしますね」
「崩さないようにゆっくり行きましょう」
ケーキが崩れないようにゆっくりと慎重に歩く。
この妙な緊張感が面白くて、つい笑ってしまう。
ケーキを運ぶ。本当に些細な事だけど、それが凄く幸せだ。
清水さんの部屋に無事に着き、コンビニで買ったローストチキンにサラダなどをテーブルに並べる。
冷蔵庫にケーキの箱を突っ込んだ後、僕の隣に清水さんがドカっと腰掛けた。
座布団にスカートで胡座をかいてもかっこよく見えてしまい、無意識のうちに背筋を伸ばしていた。
「ご馳走ですね。まさにクリスマス」
「大人二人で豪勢なコンビニクリスマスですね」
「コンビニクリスマスは値が張るけど美味しいから」
清水さんがこれまたコンビニのスパークリングワインをグラスにを注いでくれた。
僕もお返しに清水さんのグラスに薄い黄金色を注ぐ。
「改めまして、メリークリスマス」
「メリークリスマス」
チン、と音を立てて乾杯をして一口飲む。
シュワシュワと炭酸の弾ける音が気持ちい。
喉が熱くなるような甘い香りなのに、後味は爽やかで酸味とのバランスが良い。
コンビニでも全然侮れない。
「泡まで美味しい白ワインって感じがします」
「お値段以上のクオリティです」
清水さんと飲んでると二千円のシャンパンが、超高級なシャンパンを飲んでる時と引けを取らない程の満足感を得ている。
そんな気分になれる程、今の僕は浮かれている。
普段よりもハイペースでアルコールを摂取しているのに、いつもより酔いが回らない。
チキンに齧り付き、サラダを頬張り、時折お酒を飲みながら清水さんとくだらない話しをする。
「清水さんの口紅、今日全然落ちませんね」
「わかります? チキンの油やワインに負けないリップなんです」
「……いつもより、明るい色で透明感ありますね」
「ぉ、おお……すごい。そうなんですよ。発色の良さと透明感を売りにしてる一本なんです」
唇をトントンと指差して、嬉しそうに語る清水さん。
好きな事を話す清水さんは一等輝いて見える。
一時間程で机の上にあった料理達は美味しく平らげられた。
ホールのフルーツケーキを切り分けて皿に盛る。
「サンタさん……いいんですか?」
「いいんですよ。俺はトナカイ貰うんで」
僕の皿にある鮮やかで賑やかなケーキの上にちょこんとサンタさん乗せられていた。
こういう気遣いをナチュラルに出来る人って凄いと思う。
「ん、美味しい。いろんな果物と生クリームの味が楽しめてお得な感じがしますね」
清水さんと一緒に食べてるのもあって、甘さ控えめのケーキは幾らでも食べられそうだ。
「ふぅ、ご馳走様でした」
「あ、伊織さん。クリーム付いてますよ」
清水さんが僕の口元へ手を伸ばして、スイッと口角のクリームを親指で拭うとそのままピタッと清水さんの動きが止まった。
「?」
「…………」
沈黙が流れる。
僕は何をすれば良いのかわからず固まったままだ。
ど、どうしよう……こんな至近距離で見つめられ続けたら、心臓が爆発しそう。
そう思っていたのに、突然目の前が暗くなった。
それと同時に唇がじんわりとした温かさに包まれた。
何が起きたのか理解する為に必死に脳みそを回転させるが上手く思考回路が繋がらず、ただ呆然とした表情で明るくなった視界で彼の顔を見つめていた。
清水さんは、凛とした女性の表情ではなく、余裕の無い素の表情をしていた。
「……?? 清水さん?」
「…………ぁ、ごめ、ごめんなさい。俺、我慢が、いや違くて、そうじゃなくて」
冷や汗を流しながら首まで赤くして、慌てる清水さんの姿に、自分の身に起きた事を察した。
我慢、出来ずに? 僕に……
「きす……した?」
「ッ、本当にごめんなさい! ああ、勢いで……気持ち悪いですよね!? お、俺まで、伊織さんに害を……」
「……し、清水さん」
「ひゃい!!」
もう堂々とした清水さんの面影が一切無い。
僕に拒絶されると思って震える彼に手を伸ばして、恐る恐る腕に触れる。
するとビクッと身体が揺れて、大袈裟な反応を見せた。
「大丈夫ですよ。気持ち悪くも、なんともありませんから」
「へ?」
「びっくりしましたけど、あの、キスされたからといって、清水さんを嫌いになるとかないですから! 嫌じゃないです! むしろもっと……し、したいくらい、です」
「!!?」
尻すぼみになりながらも、なんとか最後まで言い切った。
清水さんも目を見開いて驚いている。
僕は恥ずかしくなって視線を下げた。
また暫くお互いに無言の時間が続いた。
清水さんから何も言ってこないから不安になってしまう。その場の勢いで言ってしまったが正真正銘の本心である。
何か喋らないと、と口を開こうと思った瞬間、力強く肩を掴まれた。
『ガシッ』
「ッ……清水さ」
言葉を発し終わる前に、また唇を塞がれていた。
今度はゆっくりと確かめるように何度も啄むような優しい口付けを繰り返す。
角度を変えて触れ合う唇の感触に、僕は目を閉じながらその優しさに酔いしれた。
「……はっ……伊織さん、本当に……これでも、嫌じゃ、ないですか?」
「ん……嫌じゃない。清水さん、だから……」
両肩から、僕の頬へ移動していた清水さんの手が離れないように僕の手を重ねる。
「もう一回……してほしいです」
僕のお願いに、清水さんは返事の代わりに口付けて、舌を滑り込ませてきた。
先程よりも濃厚なそれに、呼吸の仕方を忘れてしまいそうになる。
優しくて、甘くて、ただひたすらに気持ち良くて、頭の中から全てが溶け出してしまいそうな感覚になる。
ああ、僕、清水さんと……エッチなキスしてる。
その事実だけで、興奮が抑えられない。
頭がクラクラして、腰の力が抜けていく。
どの位そうしていたか分からないが、どちらからともなく唇を離し、僕達は向かい合ってお互いの身体に手を置いていた。
「はぁ……はぁ……伊織さん、ごめんなさい。これ以上したら、止められなくなる」
切羽詰まったように眉を寄せた清水さんは僕の身体をギュッと抱きしめた。
清水さんの言葉の意味は十分理解しているつもりだ。
このままだと歯止めが効かなくなってしまう事も分かっている。
僕が性的に触れられる事を嫌悪している事を一番よく知っている。
だけど、止めないで欲しい。
「……清水さん、あの、僕、貴方が好きです」
「!!」
「好き、です」
「伊織さんっ」
「好きなんです。僕の全部に触れて欲しいぐらい……清水さんが、好きです」
彼へ告げた想いは僕の全てだ。偽りなんて一つもない。
ずっとこの気持ちは隠し通さないといけないと思っていた。
酔いの勢いだって構いやしない。
はしたなくてもいい。ただ今は素直になりたい。
清水さんの瞳が揺れている。欲と優しさに。
その目に見つめられるのは、全然嫌じゃない。
「……本当に、良いんですね?」
清水さんが最後の警告のように僕に問う。
僕がコクリと小さく首を縦に振ると、清水さんの顔つきが変わった。
肉食獣のようなギラついた眼差しに、心臓が大きく跳ね上がる。
これから僕は食べられてしまうのだ、と本能的に悟った。
それが怖くないと問われれば嘘になるが、それを上回る感情がある。
「俺も、貴方が好きです。伊織さん、俺の隣に居てくれますか?」
「……はい……僕と一緒に居てください」
目頭が熱くなる。こんな真っ直ぐ僕を見つめて好きだと言われたのは初めてだった。
「……触れても、いいですか?」
「…………はい」
震える手で僕のシャツのボタンを外す清水さん。一つ一つ外される度に、彼の顔が強張っていくのが分かった。
上半身だけ肌が露出され、清水さんの手が僕の胸に触れた。緊張の為か冷たく感じる手にピクンッと肩が反応してしまう。
『スリ……』
けれど、無断で触れられる度に感じていた嫌悪感は一切無かった。
あんなにも嫌で堪らなかったのに、清水さんに触れられると嬉しくて堪らない。
「ん、ふぅ……」
指先が突起物を掠めた途端、甘い吐息が出てしまった。自分の口から洩れた艶めかしい声に羞恥心を覚える。
そんな僕を見て、清水さんが目を見開いて穴が開きそうなほど見つめてくる。
「……伊織さん、可愛い」
「清水さんのエッチ」
照れ隠しに小首を傾げてそう言うと、視界が反転した。背中から床に倒れ込み、天井を仰ぎ見る。
「ッ、あんまり煽らないで下さいよ」
余裕の無い表情で僕に覆いかぶさってきた清水さんは、再びキスをして舌を絡めてきた。僕もそれに答える様に舌を差し出す。
唾液が絡まる音に、身体が更に興奮してるのがわかる。僕、期待してるんだ。この先を。
『グリ』
「あ、や、清水さん……だめ」
僕の反応を見ながら乳首への愛撫を始めた清水さんに、思わず拒否を口にする。
「……伊織さん、ここ凄く固くなってる」
キュッと先端を引っ張られてビクッと身体が反応してしまった。
そのまま親指と人差し指で挟まれ、コリコリと刺激される。
もう片方の尖りは口に含んで舐められ、甘噛みされた。
胸に触れられてもこんな風になる事は無かったのに。相手が清水さんだと思うと、全身が過敏になっていく。
薄いスカートを押し上げて、僕のお尻に当たる固い感触。
見下げられ、逆光で顔が見えない。剥がされる衣服。
最悪な記憶が重なり合ってフラッシュバックする。
「あ、ぁぁ……ひっぐ……ぅ、うう」
「伊織さん、あ、ああ、ごめんなさい。泣かないで……」
「ッ、ごめんなさ、嫌じゃないんです……僕……」
泣き出した僕に慌てて手を離し、抱き起こしてくれる清水さん。
嫌じゃない。もっと触ってほしいって、思ってたのに。なんで泣いているんだとうか。
僕は清水さんが好きなのに。こうなる事を望んでいたのに……震えが止まらない。
「清水さんだから……だから、嫌じゃなくて、でも、でもっ!」
「大丈夫です! 分かりましたから、落ち着いてください。ゆっくり深呼吸しましょう」
優しく頭を撫でながらそう言ってくれる清水さんに、言われた通り深く呼吸をする。
少し落ち着いたところで清水さんの身体が離れていった。
「早急過ぎました。すみません。びっくりしましたよね」
「ちがっ……違うんです」
離れていく温もりに、咄嵯に手を伸ばす。
「僕、清水さんに触れて欲しい……けど、でも、勝手に身体が、変になって……ごめんなさい……僕が、こんな……情け無くて……ごめんなさい」
「大丈夫。大丈夫ですから。自分を責めないでください」
清水さんはアイツらとは違う。
僕の意志を尊重してくれている。
辛いはずなのに、自分の欲を抑えて僕の心配をしてくれている。
「伊織さん」
名前を呼ばれて視線を上げると、優しい笑みを浮かべた清水さんが僕の手を握ってくれた。
「伊織さんが俺を受け入れてくれた事が何よりも幸せです」
「清水さん……」
「怖がらせてごめんなさい。俺は絶対に貴方を傷つけたりしない。約束します。ゆっくり、進めましょう。事が早急過ぎましたね」
「!」
僕のシャツを直し、そっと涙の痕に口付けを落とす清水さんは僕の目を見て真剣な表情で言った。
「もう貴方を傷付けるような事はしない。絶対です」
ああ、やっぱりこの人はとっても優しい。
今、傷付いてるのは僕じゃなくて、清水さんのはずだ。
僕だって、先を求めた。なのに……どうして?
清水さんなら、いや、清水さんだから触れて欲しかった。そう思えたのに。どうしてだろう……震えが治まらない。
あの感覚……押し付けられる感覚……あれは本当に不快だった。思い出すだけで吐き気がする。
服をひん剥かれた出来事がずっと昔の事だとしても、一度植え付けられた恐怖は消えない。簡単には払拭出来ない。
僕の髪を掻き上げるようにして頭を撫で続ける清水さん。
「キスは、怖くないですか?」
「怖くないです……初めてだし」
「え?」
「え?」
ピシリと固まった清水さんにつられて首を傾げる。どうしたのだろうか。何かおかしい事でも言ってしまったかな?
「ハジメテ?」
「ぁ、はい」
「……あのぉ……交際経験とか……」
「無いです……女性とは友達以上の関係になった事なくて……僕に迫る男性は変質者ばかりで……」
僕の言葉を聞いて清水さんが青褪めてしまった。
「……こ、この歳で、き、キスとかも未経験って……気持ち悪いですか?」
「いや……未経験を貫けた奇跡に感謝したいくらいです。けど、一歩間違えてたら、今の伊織さんが存在しないんだと思ったら……ゾッとして」
「恋人もキスも、清水さんが初めてです。そして、きっとそういうことも……清水さんが初めてになると、思います」
清水さんがまた固まる。
そんな彼を見ていると、なんだか楽しくなってきた。自然と笑みがこぼれる。
震えはいつの間にか治まり、身体の力が抜けて心地良い気分に包まれた。
僕の頬を撫でた手に自ら擦り寄ると清水さんが息を飲む音が聞こえた。その顔には驚愕と、微かに喜びが滲んでいるように見える。
もっと、喜んでほしい。僕の初めての人になって欲しい。
そんな想いを込めて、僕は自分から彼にキスをした。触れるだけの軽いものだったけれど、清水さんは僕の背中に腕を伸ばし強く抱きしめてくれた。
それが嬉しくて僕は彼の胸に顔を押し付け、心臓の音を聞きながら目を閉じた。
「今夜はいっぱいお話ししましょうか」
「はい。ふふ、プレゼント渡す前に最高のプレゼント貰っちゃいました」
「俺もですよ」
抱き合って、ベッドで横になりながら会話を続ける。
暖かくて、瞼がトロトロと重くなっていく。
このまま眠ってしまいたい。けど、まだ話していたい。
何度も髪の毛を撫でられるうちに本格的に意識が薄れてきた僕は睡魔に抗えず、眠りについてしまった。
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