自愛の薔薇には棘がある

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7・進展※

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 クリスマスの日に結ばれた僕らは、クリスマスの終わった次の日にプレゼントを贈りあった。
 喜んでもらえたし、使い方の実践も見せてくれた。目元のカラーが変わるだけで印象もガラリと変わった事にびっくりした。
 
「……へへ」
「伊織、手元見てニヤニヤして気持ち悪いぞ?」
「なんとでも言え」

 クリアジェルネイルを清水さんに塗ってもらった。
 プレゼントで貰ったのはジェルネイルとネイルライトだけど、長さ整えてもらったり、薄皮を削ったり、ヤスリがけみたいな事や、オイルで保湿までしてくれた。
 お陰で両手の爪がツヤツヤだし、清水さんがしてくれたモノだから、僕は爪を見る度に口角が上がってしまっていた。

「ネイルケアでもしたのか?」
「そう、綺麗だろ?」
「……結構いいな。俺もしてみようかな。補強にもなりそうだし」

 佐々木さんに褒められて、更にご機嫌になってしまう僕。
 だらしなく顔が綻んでしまう。

「なぁ伊織……お前、その顔あんま会社で出さない方がいい」
「へ?」
「もうちょっと周り見ようぜ」

 呆れたように溜息を吐いた佐々木さん。
一体どういう意味だろうか。全く理解できないまま、僕が佐々木さんの意味を問う前に彼はさっさと仕事に戻っていってしまった。
 僕の顔……変だったのかな?
 変な表情をしたまま、清水さんに会いたくないな。
 出来るだけ気を引き締めて仕事を終えた。
 けれど帰り道、浮き足立つ心を隠せない。
 駅に着くと、改札の近くで待っている清水さんの姿が見えたので慌てて駆け寄った。
 あー……駄目だ! 笑顔が隠しきれない!! 

「清水さん、なんでココに?」
「今日は休みだったんで、迎えに来ました」
「っ~~……」

 今すぐ抱き着きたい欲求を必死に抑える。
 ああ~~自分がこんなに甘えたがりだとは思わなかった。

「会えると思ってなかったから、嬉しいです」
「っ……無自覚って怖ぁ」
「?」
「何でもないです。行きましょうか」

 そう言って僕の手を取る清水さん。
 ドキドキしながら、指を絡めるように握り返した僕の反応を見て微笑む彼にときめいてしまう。
 二人で電車に乗り込むと満員ではないものの、そこそこ混み合っている車内で、清水さんは僕を守るようにして立ってくれる。

「伊織さん、この後何か用事はありますか?」

 清水さんが尋ねてきた。
 特に予定は無いと答えると、食事へ誘われた。前に行った個室の居酒屋に。
 明日も仕事なので飲酒は程々にしないと。

「伊織さんと付き合ってるなんて、今でも信じられないんですよ。俺……」
「僕もです。けど、事実……僕らは両想いで、その想いをお互い受け入れています」
「……伊織さんが俺の隣に恋人として居てくれる」

 頬杖をついて、優しい笑みを浮かべながら僕を見つめてくる。
 恥ずかしくて思わず視線を逸らしてしまう。
 だって、そんな蕩けるような瞳で見られたら、直視出来ないよ。
 
「伊織さんの照れる姿、可愛いですね」
「し……清水さん、そういう発言はダメです!」
「どうしてですか?」
「……僕だけが余裕無いみたいで……なんか悔しいです」
「そんな事無いですよ。俺はいつも伊織さんに見惚れてます。可愛らしくて、優しくて……本当に素敵な人だなって」

 そんな事を言われてしまえば、顔の熱は引かないし、心臓はうるさいし、なんか……死にそう。

「いつも? 清水さん、いつから僕の事そんな風に思ってたんですか?」
「一目見て、気にはなっていたんです。決定的なのは、俺の女装をかっこいいって言ってくれた時でした。あの時、俺は貴方に恋をしました」
「え!?」

 衝撃的な告白に驚きを隠せなかった。
 まさか、そんな何気ない一言で清水さんが僕の事を好きになってくれていたなんて。

「けど、その時抱いた淡い感情が貴方に対する下心に思えて、名乗らずにその場を去ったんです。けど、数日後に再会して痴漢被害の常習って聞いた時、ただ貴方を守りたいって思ったんです。ただ、毎日必死に目を凝らして見つけ出して側に居ようとしました」

 あの時の申し出の理由がわかった。
 いつも、根性で僕を見つけ出してくれていたのか。いや、愛と言った方がいいのか?

「俺は、こんなところです。伊織さんは、いつから俺を意識してくれたんですか?」
「……僕は、確か……あ、占いで」
「占い?」

 ああ。忘れてた。そういえば占いで、痴漢対策の為にステップを聞いてから、清水さんを意識し始めて、気付けばこんなにも……

(アンタは自分が思っとるより愛情深い男じゃ)

 占い師の言葉が脳裏を過ぎる。
 僕は、自分がこんなに人を愛おしく思えるなんて知らなかった。けど、あのお爺さんは僕の知らない僕を言い当てている。

「占い師の、お爺さんから大事な人を作れって、言われて……僕にとって大事な人って誰だろうって考えたら、清水さんが居て。清水さんなら、触れられても嫌じゃない。それどころか、触れられたいって思った時に……好きだったんだと思います。認めるのに少し時間がかかりましたけど」
「占い師のお爺さん、いい仕事してくれましたね」

 僕もお礼を言いたいくらいだ。
 しかし、ステップ②はコレで達成出来たと思うけど。ステップ①はどうすればいいんだろう。
 隠す事でもないし、清水さんに相談してみようかな。

「あと、大事な人の他に自分のコンプレックスを受け入れろって言われました」
「大事な人と自分のコンプレックスの受け入れ? 何を占ってもらったんですか?」
「痴漢対策。僕は棘の無い薔薇だから、その二つをクリアしたら棘を持てるって言われました」
「なんだって! めちゃくちゃ大事な事じゃないですか! 協力しますよ! コンプレックス教えてください!」

 前のめりに迫られて驚いたけど、真剣な表情をしている彼に気圧されて、僕が抱え込んでいるコンプレックスを打ち明けた。
 まぁ、清水さんはご存知の通りだけど。

「男らしくない身体?」
「この身体が、僕はずっと嫌いです」
「確かに、伊織さんは身体の所為で嫌な思いも、酷く辛い体験もたくさんしてきたんでしょうし、受け入れ難いのは俺でも理解できます」

 そう言ってから、清水さんは少し言い辛そうに目線を泳がせている。
 僕に話すには抵抗がある内容のようだ。

「清水さん……?」
「…………あの、その身体の所為で痴漢に遭いやすいっていうのは理解してます。その事が嫌な事も知ってます。なので、こんな事を言うと、伊織さんに嫌われてしまうかもしれません」
「嫌うなんて、そんな事ありませんよ」
「そう、ですか。なら、正直に言います…………一目見て、気になったって、言いました。それは……他のヤツらと大差ありません」
「!」

 清水さんが犯行を自白をする犯罪者のような面持ちで話し始めた内容は、僕にとっては意外なモノだった。

「貴方の身体に、痴漢と同じく欲の目を向けていたんです。それもあってすぐに痴漢には気付けましたけど、それでも下心と勘違いする程度には、貴方に自分の性欲を向けていたんです」

 けれど同時に、清水さんは誠実な人間だと感じられた。
 黙っている事だって出来た内容だ。わざわざ嫌われるリスクのある内心を曝け出すなんて、僕に対してどこまでも直向きなんだ。

「清水さんが、言いたいのは僕のこの身体があったから出会えたって事実ですよね? 何も自分をそんな責める言い方しないでくださいよ」
「でも、伊織さんは他人にそういう目で見られるのは嫌って言ってたので、いい格好して、貴方に嘘を吐きたくない」
「清水さんは助けてくれたじゃないですか。僕の身体ではなく、心に手を差し伸べてくれた。僕にとってそれがどんなに嬉しかったか……」

 助けてくれた人達も今まで数人居たけれど、清水さん程親切にしてくれた人はいなかった。それこそ見返りを身体で求められた事もあったから。

「ふふふ、身体のおかげで清水さんと出会えたなら、少しはこの身体を好きになれます」

 清水さんの顔に手を伸ばし、頬に触れる。
 すると、彼は顔を真っ赤にして、視線を泳がせる。そして、僕が触れるのを受け入れるように瞼を閉じた。
 僕はそのまま隣に座る彼の唇に触れようと背筋を伸ばしたところで──

「お待たせしましたー」
「っはい! ありがとうございます!」

 暖簾を潜って店員さんが入ってきた。
 触れる寸前で顔を離して、平静を保つ為にわざと明るい声で返事をした。
 いい雰囲気をぶった斬ってしまい、気不味い空気が僕らの間に流れ始める。

「……伊織さん」
「はいっ!」
「貴方に触れたいんですけど、この後まだ……いいですか?」
「…………ひゃい」

 僕の事を考えてか、声量を落として囁く彼に、変な返事になってしまった。

※※※
 初めて、そういうホテルに来た。
 短い時間だけど、触れ合うだけなら……そこまで長時間は必要ない、と思っていた。

「んっ……ぁ……ふぁ」

 ベッドの上で抱き締められながら、もう五分以上キスをされ続けている。しかもディープなやつ。舌が絡む度に甘い刺激に襲われて、脳が蕩けそうになる。
 五分でこんなに乱されていて、二時間なんて僕は耐えられるんだろうか?

「はっ……怖くないですか?」
「ん、怖く、ない。顔、よく見えるから」

 やはりそういったホテルはすごいもので、逆光でも間接照明や真っ白なシーツの照り返しで、相手の顔がよく見える。清水さんの顔が見える。
 上着を丁寧に脱がされ、ネクタイを解かれる。シャツのボタンも一つ一つゆっくりと外される。
 僕はただその様子をじっと見つめているだけだ。

「(そういえば清水さん、プレゼントの包装紙も丁寧に開けてたな)」
「伊織さん、何考えてます?」
「清水さんの事……すごく好きだなって、考えてました。僕、なんだか、宝箱に入ってる宝物の気分です」
「はは! 言い得て妙ですね!」

 アイツらと全然違う。全然違うよ。
 中身を取り出す為に破り捨てるようにひん剥いてきたアイツらとは違う。
 清水さんは、宝物のみならず宝箱まで優しく扱う人だ。

「伊織さんって、本当に可愛い事ばっかり言いますね」
「僕、可愛い?」
「可愛いですよ。もう、誰にも触れさせたくないぐらいに……可愛いです」

 僕を可愛い可愛いと連呼して頭を撫でてくる。その手が耳元に移動して、耳に触れられ、擽ったくて肩が震える。
 そのまま首の方に指先が滑っていく。
まるで壊れ物を扱うかのように、優しく、繊細に、肌の上をなぞる様に這わせられる。

「どこもかしこも柔らかい……ふわふわで、しっとりしてて、ずっと触れていたい……」

 肩、胸、お腹とどんどん下りていき、ついに股のあたりに到達した。その瞬間、ビクッと腰が跳ねてしまった。
 思わず内股でそこを隠す。

「あ、嫌でしたか? すみません」
「えぇっと、びっくりしただけです……さわ、触って、ください」

 恥ずかしさに指を噛み締めながら、徐々に内股を開脚して清水さんの前に曝け出す。羞恥心で全身に鳥肌が立っているのを感じる。
 だって、ズボンを押し上げてるのが丸見えになってるんだから。
 清水さんの手がその部分に触れた。

「んん!」
「嫌だったらすぐに言ってください」

 そのまま布の上から何度も擦られて、身体中が熱くなる。嫌じゃない、もっとして欲しい。身体の欲求が止まらない。
 清水さんに触れられた箇所が熱い。そこからじわりとした快感が広がる。
 ベルトを外されて、緩んだズボンの中に手を入れられ、直接握り込まれる。

「うぁ、あ……は、ん……んっ……!」

 下着を汚さないように、清水さんの手で直接包まれて、扱かれる。清水さんに触れられている実感だけで身体の感度が何倍にも高まる。

「しみずさ、ぁ、ああ!」
「俺の名前呼んで下さい」
「……しみずさん?」
「違います。下の名前で」
「う、うら、麗華、さん……」

 名前を呼ぶと、清水さん……麗華さんは、それはもうとびきりの笑顔で笑った。幸せそうに笑ってくれた。それが嬉しくて堪らなかった。

「ふぁ! あっ、それ、だめ!」
「ダメですか?」

 親指が裏筋を辿ったり、亀頭の周りをぐりぐり押されたり、弱い所ばかり攻められる。慣れない快楽に制止を口走ってしまう。
 麗華さんは律儀に、動きを止めて僕の様子を伺う。
 本当は、気持ちいい。触れ続けて欲しいけど、それを口にするのが憚れる。
 僕のを触れるか触れないか微妙なラインで筒のようにした両手がもどかしい。
 無意識に腰が卑猥に動いてしまう。

「続けて、大丈夫ですか?」
「だい、じょーぶ……だから、お願いします」
「良かった。じゃ、動きますね」
『グジュン』
「!?」

 今度は焦らす事なく一気に責め立てられた。自分でする時とは全然違っていて、他人からの愛撫がこんなに気持ちいいなんて知らなかった。

「ん、くっ、うららかさ、麗華さん……僕、ぼく、もぅ!」
「希さん、イッてください」
「なまっ、ぁあああ!」
『ビュク!』

 射精感と共に頭の先まで突き抜けるような刺激に襲われる。視界がチカチカして息ができない。
 余韻でガクガクと身体が震えて動けず、ただ呆然としているとティッシュを抜く音が聞こえた。

「いっぱい出ましたね。気持ちよかったですか?」
「はっ、はい……あの、これ、凄かった……こんなの初めてで、もう何が何だかわからなくて」

 今まで散々痴漢行為を受けたけれど、その時に良さなど何も感じなかった。寧ろ嫌悪感しかなかった。不可抗力で勃った事はあったけど。でも、これは、全くの別次元。

「怖くはなかったですか?」
「はい……あっ」
「?」

 僕だけ良い思いしてしまって、麗華さんの事を考えていなかった事に今更ながら気づく。
 僕だけ良くなってどうするんだよ! こういう行為は二人でする事なのに!

「麗華さんは……その、大丈夫なんですか?」

 恐る恐る麗華さんの股関を見るとスカートを押し上げているモノが雄弁に状況を語っている。

「よ、よよ、よかったら、僕が……」
「いや、無理はしないでください」
「無理はしてないです! 僕ばっかり、あんなに気持ちよくなって……麗華さんにもちゃんと気持ち良くなってもらいたいんです」

 ベッドの上で正座して麗華さんに訴える。

「そこまで言うなら……お願いします」
「はい」

 威勢よく言ってみたものの、いざ麗華さんのスカートを捲るとなると、やはり緊張してしまう。
 
『ピラリ』
「(テーブルクロスみたいに捲ってるの可愛い)」
「……失礼します」
「はい」

 黒いボクサーパンツを下げると、勢いよく『ボロン』と出てきたモノが鼻先を掠めた。
 あまりの迫力に思わずたじろいでしまう。

「す、すみません、本当に無理なら遠慮なく! 俺傷付いたりしませんから!」
「えっと……あの……大きいなと思って……」

 麗華さんに申し訳なさそうな顔させてる自分が情けない。
 想像以上に重量感のあるそれはビクビクと脈打っているソレを両手でそっと包み込むように握り込み、上目遣いで見上げる。

「んっ!」

 麗華さんが何かに堪えるような声を上げた。

「ごめんなさい、痛かったですか?」
「いえ、視覚情報にいろいろ込み上げてきて……痛くはないです」
「じゃあ……」

 そのままゆっくりと手を上下に動かす。手を動かす度にピクピクと動く様子が面白くてつい何度も繰り返してしまう。麗華さんの顔を見る。眉間にシワを寄せていて、手に口を当てて必死に耐えていた。

「はっ……伊織さん……手付きが……厭らしいですよ……!」
「……さっきは名前で呼んでくれたのに」
『ぐちゅ、ぬちゃ、にゅぷ』
「んん! の、希さん……はぁ、あ、駄目です……そんなにされたら、すぐイッてしまいます……!」
「いいんですよ? 麗華さんにも気持ち良くなってほしいので」

 麗華さんが気持ち良さそうにしてくれるのが嬉しい。もっと悦ばせてあげたい。
 僕は口を開けて亀頭を舌で舐め上げた。

「んん! ちょ、ちょっと待って!」
「うらあかさん、きもちひぃでふか?」
「そこで喋らないで!」
「んん、んむ、ふぁ……」

 転がすようにくりゅくりゅと麗華さんのを弄り回す。麗華さんが気持ちいいと感じてくれてる証拠が口の中に広がっていく。
 麗華さんが僕の頭を押さえて離そうとするけど、構わず続ける。

「出るから! 出、る! 離れて、下さい……!」
「いいれふよ、このまま……出してくだはい」
「ああ、もう……くっ……!!」
『ビュルル!!』
「んん!?」

 出された物を含んだまま口を離すが、口の中に広がる苦味に咳き込んでしまい、ゴプっと精液が溢れ出てしまった。

「うぇ……けほっ……げほ、うぅ」
「ああああ! 出して出してください!」
「……っ、はっ……麗華さんのだから、勿体無くて……むぶ!」
『ゴシゴシゴシゴシ』
「飲まなくて良いです!」
「んんんん!」

 麗華さんが慌ててティッシュで顔を拭ってくる。口に残った分は飲み込んだけど、喉に絡んで変な感じがする。

「希さん、凄く気持ち良かったです。でも、俺は希さんが気持ち良くなってくれる方が嬉しくて、だから、無理しないでください」
「僕だって、麗華さんに気持ち良くなってほしいんです。麗華さんが喜んでくれてたら、僕も幸せなんです。二人で触れ合いましょう」
「……はい」

 水を差し出され、喉に張り付くものを押し流す。

「時間……まだ、ありますね」
「そうですね」
「希さん……う、う、う」
「う?」
「後ろも、触っていいですか?」

 ウシロ? 後ろ? 後ろってバック? 後ろって事は、お尻の事であってる?
 それ、それって、奥に触りたいって事で……

「ちょ、ちょっと待ってください」
「はい、待ちます!」
「麗華さんに触られるのは、嫌じゃないです。けど、後ろは……怖いです」
「なるほど、わかりました」

 グイッと手を引かれて、僕は寝転んだ麗華さんの上で四つん這いになるような体勢になった。
 僕が見下ろす形だと顔がよく見える。

「これなら怖くないですか?」
「はい、大丈夫です」
「では……少しだけ、失礼します」

 麗華さんの手がズボンから下着の中へ入り込み僕のお尻に触れる。
 弾力を確かめるように揉まれ、その感触を楽しむかのように撫で回される。
 暫くすると、割れ目に指が滑り込んできた。
 ヒクヒクしてる窄まりを優しく解すようになぞられて身体が震えてしまう。
 つぷりと中に入り込まれ、ゆっくりと掻き混ぜるように動かされる。
 今まで経験した事のない感覚に戸惑ってしまう。
 いずれココで初めてを捧げる日が来るのだろう。その準備の第一歩。

「ナカも柔らかい……ちゃんと解せば俺の挿れられそうですね……」

 麗華さんの声に艶が帯びてくる。
 自分と麗華さんの痴態を想像してしまって脳が沸騰しそうだ。
 けど、指の動きの緩慢さ、入り込みの浅さから考えて、僕の妄想が現実になるのはもう少し先になるだろう。

『プルルルル』
「っ……ああ、そろそろ時間ですね」
「………………もう、そんな時間ですか」

 ホテルの使用時間は僕らが少し進展したところで終わりを告げた。
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