【R-18】それは、一つの愛の形【オメガバース】

15:愛の形※

「……はぁ……はーーっ」

　熱い。暑い。苦しい。怠い。身体が重い。
　熱と怠さと欲が混ざってるみたいで、自分が何を考えてるかもわかんなくなった。

「はぁ……っぁ、はぅ……」

　後ろが切ない。奥が疼いて仕方がない。
　こんな状態で放置されたら、本当にどうにかなってしまいそうだ。
　俺はヨタヨタしながら自室へ行き、ソファの上に散乱している龍太の服を掻き集めて頭までズッポリ包まる。
　龍太の香り。安心する。けど、欲が膨れ上がって、龍太が欲しくて堪らない。

「あふァ……りゅーた」

　俺は我慢出来ずに、前から下着の中へ手を差し込んで後孔に触れた。
　
『くちゅ』
「(すごい濡れてる……溢れてる)」

　龍太を受け入れる場所がトロトロに潤ってる。指の腹で入り口付近を撫でるだけの簡単な動きでグチャッと水音が響いた。
　クパクパと開閉している孔は指の腹で触れるだけでキュンと締め付けて、龍太のが欲しいと切なげに訴えてる。
　……この中に、欲しい。熱くて、太くて、奥まで満たしてくれるものを早く入れて欲しい。精と欲を吐き出して欲しい。
　孔に中指を入れて、ズブズブと中へ入れた。

『クププ……ズニュ』
「ふ、あ！　……はぁ……」

　中はもう熱く熟れていて、俺の指に吸い付くように畝っていた。指を円を描くように動かして孔を広げる。

「ひっくぅ！　ぅんんん！」

　そんな単純な動きで、ビクビクと身体が震えて軽く絶頂した。
　
「はーっ！　はーっ！」

　甘イきの影響で奥からトプントプンと潤滑油となる体液が分泌される。

「あっあ、あ……ん……」
『くちゅ、ぐちゅん』

　三本に増やした指の動きが止まらない。どんどん熱は上がってくし、息も上がる。早く龍太と交尾したい。

『ぐちゅ、くぷん……ずぷ……』

　指の根元まで中に挿入ってるのにまだ足らないと言わんばかりに、中はもっと奥へ誘い込むように蠕動してながら締め付けている。
　熱い。熱くて、頭がボーとする、何も考えられない。
　勝手に涙がポロポロ溢れて、喘ぎ声に嗚咽が混じる。

『くちゅ、ぐぷん』
「ン！　あッあぁああ！」

　ビュクっと精を吐き出したが、まだ全然収まらない。

『ずちゅ、ぐぷん』
「っあ！　ンアッ！　止まんなっ」

　前も後ろも濡れて、ぐしょ濡れになった下着とパジャマのズボン。
　俺は泣きながら龍太の服を掻き抱き、匂いを嗅ぎながら必死に自慰行為をする。
　脳が溶ける。茹だる。沸騰する。

「三葉」
「！」

　龍太が俺の部屋へいつの間にか入室していたようで、すぐ真上から声が聞こえた。
　俺は服で頭を包んでいる為、龍太の姿を捉えないまま自慰を続ける。

「っあ、ぁ……りゅーた……」
「……一人でシてたんですか？」

　……コクリと頷く。

「すごく、いやらしい匂いがします」
「っ」

　龍太が脱ぐ音が聞こえた。
　ふわりと、嗅ぎ慣れた香りが鼻腔を擽る。龍太が俺の頭を包んでいる服を剥ぎ取った。

「……こういう顔して三葉は発情するんですね」

　上裸の龍太が妖艶に微笑みながら、結露に濡れたペットボトルを呷って、俺へ口付ける。
　冷たい水が注がれ、コクリと喉を流れる。口の端から飲み干せなかった水が伝うが、龍太の熱い舌がそれを舐めとる。
　そのままキスをしながら、龍太の手がズボンにかかる。
　下着も一緒に引き下げられたが、ズルリと股を離れた布生地が幾本も糸を引く光景に目を伏せた。

「……指、止まらないんですね」
「ん、ん……」

　龍太の目に晒されても尚、グチュグチュと中を掻き回す手を止める事が出来なかった。
　俺の足の間に入り込み、膝を着いて至近距離で俺の行為を見つめる龍太。
　俺は、絶頂まではいかないものの、何度も甘イキを繰り返しながら、自慰を続けて、トロリとした表情で龍太を見る。
　口が半開きになって、目をギラギラとさせている龍太にあれほど辛かった熱が少し引いていく。水分を摂った影響かもしれない。
　俺はなんとか中を抉り解す手を止めて、しとどに濡れた指を引き抜き、糸引く液が滴り落ちる。おしゃぶりを無くした赤子のように雫を零して、慰めを求めている。
　龍太のを今か今かと待ち侘びる。
　濡れ濡った指でクパっと開いて見せて、龍太の名を紡いだ。

「りゅう、た……ここ」
「ごめんなさい。お待たせして」
「あ！」

　龍太の指が俺の解した孔へ這う。中には何も触れず、縁をゆるりとなぞりだした。
　これ以上焦らされたら、頭がおかしくなりそうだ。

「りゅーたぁ、いじわる、しないで……はやく」
「……うん」

　龍太が俺の脚を肩にかけて、下を脱ぎ去り……初めてした時よりも熱く、硬くなった肉棒が姿を見せた。
　熱い先端で窪まりを擦られる。それだけで、身体が歓喜に打ち震えるのを感じ、早く欲しい余りに足を絡ませて腰を浮かした。
　俺の様子に耳元で龍太が吐息混じりにポツリと溢す。

「はは、ぐちゃぐちゃにしちゃいそう」
「ッッーーーー～～……あッ！」

　声だけでメスイキしてしまった。
　絶頂の最中に龍太のが遠慮なく中に押し入ってきた。
　熱い、大きい、脈打ってる。

「あぅ！　あ……ッぁああああ！！」
『ズッ、グプン！　ゴツ』
「ッッーー～～～～っぉぐ、おぐぅ」

　奥をノックされた衝動で息が上手く出来ずに天を仰ぐが、期待以上の暴力的な快感から逃げる事は出来ない。

「三葉、可愛い。可愛い」
「ぁあ、ひ、ひんッ、ぃ……や……おぐぅ」
「好き、三葉。可愛い」

　激しい抽送に肌と肌が打ち付け合う音、淫猥な水音。龍太の息遣いと譫言。俺の喘ぎ。
　気持ち良すぎて、辛い。自分が自分で無くなるような、己が堕ちてしまうような感覚に怯えるのに、止めないで欲しいと更なる快楽を求める俺。

「ああ、本当に全部可愛い」
「しきゅ、コンコン、しちゃら、あっぁあ！　イく！　またくるぅ！」

　腰を鷲掴みにされて強く揺さぶられることで更に強烈な刺激が生まれた。
　俺の口はずっと開きっぱなしで、喘ぎ声というより悲鳴に近いものが上がり続ける。でも、お互い止められない。
　
「三葉、三葉好き。大好き、愛してる」
「お、れも、あっ、ぁあ！ すきっぁ、あいし、てるッ」

　お互いが求めて身体が密着している。心地が良い熱と欲と愛という衝動が全て一つになってるような感覚に支配されながら淫らに行為を続ける。
　繁殖行為ではない。ただの愛情過多の性行為。子孫を残す目的ではなく、愛を確かめ合い高め合うものだ。
龍太の肉棒の先端が最奥を突き上げる度に甘い嬌声が止まることを知らない声帯。
　目の前が激しく眩む強烈な快感に、身体をビクつかせて何度も仰け反り、段々と薄くなった精を吐く。

『ドチュッパチュン！　ゴチュ』
「う、ぅ……出る。奥に出すから、三葉……受け止めて」
「んっ、うん、奥で、せぇし、受け止めるから、出して、いっぱいちょうだい」

　イき続ける俺の身体へ龍太のが再び深くまで中へ入り込み、勢い良く熱い欲をぶちまけた。

『ビュルルル、ビュクッビュルン』
「んあああ！　あっあっあぁ！」

　最奥をグリグリと押し上げて精子を塗り混むように揺さぶられる。
　子宮が、満たされていく。
　龍太は息を荒くさせ、一滴たりとも零してたまるかと中へ注ぎ込みながらピストンして奥へ塗りたくっている。その快感でまたイキっぱなしなのに更なる刺激を与えられた。
　龍太が俺を押し潰す勢いで抱きしめる。
俺はイきすぎて辛いのに、中に出される嬉しさの方が勝ってしまって、愛おしくて背中と腰に回した両腕で龍太を抱き寄せて離さない。
　獣のように熱く激しい行為の最中、俺達はお互いの鼓動を聴きながら横になる事なく……繋がったまま深いキスを繰り返していた。

「んっ、はぁ……んん」
「ふ……ん……三葉」

　龍太の指が俺の長い髪を梳き、頭を撫でる感覚に目を開ける。
　眉を顰め、俺を見下ろす龍太の雄々しい姿に、全身が、細胞が求めて始めた。
　龍太に俺の全てを支配して欲しい。欲も全て俺に向けて欲しい。
　俺だけのαになって欲しい。
　
「はぁ……はぁ……ん」
「？」

　俺は身を捩って、龍太のモノを一旦抜いた。ソファに膝をついて座り、腰を浮かせながら背もたれに上半身を乗せる。
　所謂バックの姿勢をとった。
　後孔が透明な分泌液を食む様子が丸見えとなり、龍太の息を呑む音が耳を掠める。

「龍太……」
「はい」
『カチン』
「！？」
『サラ』

　チョーカーを外して、横に投げ捨てた。そして、その投げ捨てた手で長い黒髪を避け、自ら頸を晒け出す。

「龍太の、番に……なりたい。俺に龍太を刻んで」