そのツラ見せろやダーリン

7ズ

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 俺の恋人である戸村 勇は、顔が可愛い。とても。

「アイドル事務所に居てもおかしくない顔面してるよ」
「俺は文也との恋愛で手一杯だから断ってる」
「例え話のつもりが、ガチでスカウトされてんじゃねぇよ。でも、嬉しいぜ」

 性格も良いし顔も良い。モテるのは当然だが、数多の選択肢の中で俺を選んでくれたのは純粋に嬉しい。

「文也、俺の顔好きだよな」
「好きだなぁ。パーツも表情も。コロコロ変わってくのも、スンって表情筋死んでる時も、好きだ」
「……中身は?」
「何不安そうな顔してんだよ。メインそっちだろ。大好きに決まってんじゃん」

 顔も好きだが、中身はもっと好きだ。
 顔だけが好きなら、それこそ付き合ったりせずに友達のままでいい。
 ソファに並んで腰掛けながら、ボケっとバラエティ番組を眺めるこの時間だって、勇が隣に居れば尊い瞬間だ。

「文也……本当に照れないな。そういうの言うの」
「お前に対する気持ちに恥じるもの無し」
「ははは、かっけぇ~」

 覇王のように威厳たっぷりに断言するも、笑われて終わった。

「……勇は、俺の顔好き?」
「ぅえ? あ、うん。好き……だけど」
「本当に?」
「疑いの余地あるのか……」
「うん。余地を埋める為に、こちらをご覧ください」

 俺は意を決してスマホを取り出して、勇にとある画像を見せた。

「…………んん?」
「……」
「…………文也……の、エロい顔、だな」
「……勇に見せる為に、自慰撮りしたんだ。どうだ? ちゃんと興奮する?」
「す、るけど……急にどうした?」

 赤い顔してすげえ戸惑ってる。
 まぁ、急に痴態写真見せられても困るよな。

「勇は、最中に顔見せたがらないだろ」
「っ……ぅん」
「あんまり本人に言うもんじゃないけど、不安は解消しないとダメじゃん?」
「ぉ、おん?」
「最中に顔見せたくないんじゃなくて、俺の顔見たくないんじゃないかって思ったんだ」
「は!?」

 友梨との対話で、九割杞憂なのはわかってる。けど、完全に拭わないと勇に嫌な思いさせるだけだ。
 あと、単純に俺見て興奮してる勇が見たい。

「文也の顔が嫌なわけないだろ!!」
「そう? 俺、髭のおっさんだし、声も低いし……」
「おっさ、歳ほぼ一緒じゃんか! 髭も声も好きだよ! 本当に、不安にさせてごめん……嫌いじゃない。全く、そんな事、一切、思ってないから」

 スマホを持つ手を握られて、画面を伏せる勇。
 手と共に視線が下がると、勇のが主張してるのが視界に入る。

「それ聞いて安心した……じゃあ、存分に煽っていいんだな」
「へ??」
「無理矢理は見ないから安心しろ。お前が見たくなるように、俺は俺で頑張るから。そこんとこよろしく」
「ふ、文也ッ!」

 手始めに緩く勃っている勇のをスルッとズボン越しに撫でる。そのまま指先を動かして股間をなぞり、手全体で揉み込む。

「勇……」
「っ、ん」

 耳元で名前を呼んでみると肩が大きく震えた。
 いつもは勇が攻められる側だが、たまにはこういう展開もいいよなぁ。

「ちょ、文也、ぁ……駄目だって」
「ダメ?」
「さっきの見て、だいぶヤバいから……歯止め効かない」
「これ、そんなに良かった?」

 もう一度画面を見せる。今度は細部まで視認できる距離で。
 後ろに指突っ込んで、赤面しながらポヤポヤの表情でカメラを見る俺と目が合ったのか、勇の喉がゴクリと上下するのがよく見えた。
 二重の大きな目が細められて、俺へ向ける視線が鋭くも、重たい熱を持ったものになっていくのがわかる。
 その目と合うとゾクっと身体の奥底が疼いた。

「勇」

 欲情しきった恋人が愛おしくなって、キスをする。

「んっ、んぅ」
「……はぁ」

 舌を絡めて深い口づけを交わした数秒後、一度離れると互いの息が乱れている。
 こんな触れ合いで犬みたいにはーはー言っちまうぐらい、俺も興奮してきた。

「ソファでもいい?」
「……いい」

 了承を得たので押し倒そうとしたら、膝裏に手を差し込まれて、ガバッと股を開かれた状態で押し倒された。

「ぅお!」
「……文也を信用してないわけじゃないんだけど……俺の心の問題で、どうしても顔見られたくない」
「……そっか。いいよそれで。勇のペースでいい。俺も俺で頑張るから……今日は、ひとまず…………抱いてくれねえ? 後ろ弄ったから切なくて」

 自慰行為をしても、写真を撮っただけで最後までシていない。
 冷ましたはずの熱がじわじわと俺を焦がして急かしてくる。
 キスをしながら下を脱がされて、クルンと素晴らしい手際でうつ伏せにさせられた。

『クプ』
「……柔らかい。さっきの写真、ついさっき?」
「そう。んっ……すぐ入る、から」
「ゆっくり……するから」

 背後から手を握られて、後頭部に勇の額が押し付けられているのを感じる。
 
『ズク、ププ』
「ん! んぅ……はぁ」

 勇のは、顔に似合わずかなり大きい。体格にはまぁまぁ、合ってるが凶悪な質量が奥に入っていくのを感じる。ゆっくり、ゆっくりと。

『ニチュ』
「全部、入った……」
「んぐっ~……はぁあ」

 勇のが全て挿れ終わったら、埋め込まれた熱の圧迫感と質量にきゅんきゅん肉壁全体で締め付けて、挿入感がより顕著になる。
 全部入ってるっていう達成感と多幸感も感じられてすごくいい。このまま動いてほしい。

「(……勇……勇……今、どんな顔して、俺の事見てんだ? 結合部見て、どんな風に興奮してるんだ?)」

 歯を食いしばってるのか、笑ってるのかさえわからない。
 けれど、触れ方や息遣い、漏れ出る声には俺に欲情してくれてるのがダイレクトに伝わってくる。

『パチュ、パンッ……グチュンッ!!』
「あっ! ぅあ、あッ……深っ……」

 俺の脱力を見計らい、勢いをつけてピストンが開始された。容赦無く最奥を突き上げてくる。
 勇が動く度に尻たぶがぶつかる音、引き抜く際に中が擦れる水音が聞こえる。聴覚からも犯されているようでゾクゾクする。

「んん……はぁ、アッ……ぁああッ!」
「ふぁ……可愛い…………凄ぃ、中アツい」
「ひぁあ、勇……好きぃ、好きだ、ぁい、好きっ、んん! はっ、んぅっ、んっ……んっ!!」
「んっ……ぅん……俺も、好き。文也、可愛い、めちゃくちゃっ可愛い」

 気持ち良さと快楽に支配されながら、途切れそうになる意識の中で必死に勇の名前を呼び続けた。

「あっ、ぁあ、ひぅ、んんん! んぁ! あぇ? イっへる、イっへ」
「う、くっ……うう!」

 ほぼ無意識のうちに達して、それに合わせて勇のを中で締め付けると腹の中でビクビクと派手に震えた。

「(出てる……ビクビク、してる)」
「文也……大丈夫か?」
「んぅ…………キスしたい」

 勇が伺ってきたら振り向いてOKの合図だ。
 ふやけた脳をなんとか動かして、瞬きを繰り返している潤んだ瞳で俺を見つめる勇に顔を向ける。
 唇を重ねて触れ合わせるように角度を変えて、柔らかい温度を堪能する。

「ん、んっ……いっぱい出たな」
「すげえ興奮した。可愛かった」
「そぉ?」

勇のが抜き去られるとドロッとした白濁が大量に溢れ出て、ソファにこぼれてしまった。

「……エッチだ」
「風呂入ろうぜ。もう一回やるなら、そっちで」
「わかった」

 後処理も兼ねて一緒に風呂に入る。
 勇に大学時代からキス魔って思われてるみたいだけど、言われてみればそうかもしれない。

「んっ、ん……ふぅ、んん」
「……はぁ……んっ」

 湯に浸した体を密着させて、夢中で勇にキスをする。
 柔らかい……温い……気持ちいい……境界線があやふやになるくらい、舌絡めたい。
 口の中を余すこと無く味わっていると、腰に回ってる勇の腕に力が込められる。
 勇が興奮してるのがわかり、嬉しくなって胸の奥がくすぐったくなる。こういう感覚が一番幸せだと思える瞬間だった。

「んっ、ふ……」
『ちゅっ、ちゅく』

 勇とのセックスは好きだ。でも、こうして抱き合ってるだけってのもいいなぁ。
 水気の多いリップ音が反響してドキドキする。お互いの息が熱くて内から茹だりそう。

「ん、ぷは……あ」

 口を離せば、名残惜し気に糸を引く。互いの唾液でべたべたになった口周りを勇が舐めて綺麗にしてくれて、最後に軽くキスされる。

「風呂で良かった」
「どうして?」
「ベッドでやったらヤバい事になる」
「なーに想像してんだよ」
「文也こそ」

 どえらいセックスを想像して、カクンと反射的に腰が揺れる。
 
「顔見てしたいけど、ダメなんだろ?」
「ダメ」
「……俺のエロい顔見たくないのかよ」
「ぅ、う……んーー」

 勃起する程度には、俺のエロい顔は効果を持っている事がわかった。
 可能性はいくらでもある。
 揺さぶりをかけて、誘導していく。

「やっぱ無理だ。ごめん」
「ほぉん。わかった。今日のところは、見逃してやる」

 今後、日常的にたくさんアピールして意識させていく計画だ。
 どんなツラして俺を抱いてるのか、今から楽しみだ。
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