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3:電話で猛烈アタック
しおりを挟む日常的にアピールして意識させていく計画。
その一。表情豊かに接する。安心感を与えられればなお良い。
その二。スキンシップで間を増やす。キスやハグの後、勇と見つめ合う時間を取って、いろんな表情を見せてやる。
その三。セックスは積極的に。目的は最中のツラ拝み。セックスしないと始まらない。
気長に気楽に計画を立ててから気付いた。この計画には、致命的な欠点がある。
「……出張ってどういうことだよおおお!」
勇と一緒に居ないと実行さえ出来ないという欠点。
意気込んでいたのに、勇が長期出張に出てしまった。ちょくちょく出張はあったが、ほぼ一泊か二泊とかだったから油断してた。
「やる気満々だったのに……」
食事を一人で摂ると、物足りなさを感じる。
散らからないように家事はちゃんとしてるけど、家に勇が居ないとやっぱやる気が無くなる。
自炊が雑になるし、シャワーで済ませちゃうし、洗濯物畳むのも億劫。
休日に掃除機かけて、買い物終わらせてのんびりしてても、なんとなく気が晴れない。
「……早く帰ってこねえかなぁ」
毎日顔合わせてたのに、一ヶ月丸々会えない。胸がクッと詰まる思いだ。
毎晩メールのやり取りはしてるけど、二週間目の今日……そろそろ声が聴きたくなってきた。
メールで通話していい時間帯を確認してから、連絡する事にした。
「声聞いたら……ちょっと、暴走しそうだ」
性処理の意欲も落ちてて適当にしていたから、通話中に我慢出来なくなりそうだ。
「…………いや、待てよ」
逆に我慢しなくていいんじゃないか?
まぁ、勇がすごい疲れてるようだったら煽るのやめよ。仕事以外でもストレスかけるの可哀想だし。
準備をして、ベッドの上でスマホを見つめて数分ぼーっとする。何度目かの深呼吸を繰り返して、勇に連絡する。
「……よし、やるぞ」
通話ボタンを押して、コール音が聞こえる。
『プッ……もしもし、文也?』
「勇、お疲れ様。調子どう?」
『まぁまぁ。慣れない土地でホームシック気味だけど』
鼓膜が震えて、久々に勇の声を聞いた。
久方ぶりに聞く勇の声は穏やかで、低くて優しい響きがあって……電話越しに吐く息の気配だけで変な気分になってくる。
『電話ってあんまりした事無かったよな。ふふ、結構寂しかった感じか?』
「寂しい、もっと声聞きたい」
『俺も……文也が居ないとなんか寒いわ』
少し掠れてて、耳心地が良くてずっと聞いてられる。これ、電話で正解だな。
「仕事順調?」
『ああ。思ったより順調』
「ちゃんと食べてるか?」
『雑に自炊してる』
「俺も同じ。元気そうで良かった」
普段よりもゆっくり話して、笑いながら言葉を交わすこの時間は不思議と満たされていく気がする。
お互いに沈黙を作ってしまう瞬間もあるけれど、そういう時は大抵どちらからともなく会話を繋げたりしている。
他愛のない話をして、たまに下ネタを交わして笑う。
ただただそれだけなのに、心まで温もりが染み渡っていくようだった。
リラックスして、四肢から力が抜けていく。フラットな状態の身体は、些細な異変が詳細に感じ取れる。
『ズクン……ズクン……』
「……っ、ん……」
下半身の熱がじくじくと主張を強めてくる。
我慢せずに、電話越しにそういう事してやろうと意気込んでいたのに、和やかな会話をもっと続けたい欲が出てしまった。
『文也、どうかしたのか? もし、眠いいなら遠慮しないで』
「ち、違う! まだ眠くないし、もっと話したい!」
『あはは、本当に素直だなぁ』
勇もだいぶリラックス状態だ。
「……好きって気持ち、隠しても仕方ないだろ」
『そう思って口に出せたり行動できるのは、文也の良い所だ。俺も好きだな。お前のそういうとこ』
「!」
甘ったるい声が耳に注がれていく。あからさまに興奮するような声では無い筈なのに……ゾクリとした感覚に襲われ、肌が粟立つ。
身体をうつ伏せにして、ベッドシーツにグイグイと腰を押し付ける。
「勇、好き……好きだ」
『うん。俺も好きだ。文也』
何度も言ってきていて、当たり前になっている言葉ではあるけれど……勇の口から聞くたびに年甲斐もなくはしゃぎたなる。
「すげー好き。大好きなんだよ……勇……」
『寂しい思いさせてごめん。帰ったら、いっぱいキスしような』
下腹部にどんどん熱が集まって行くのがわかる。
息が、上がりそうだ。ベットの軋みが出るぐらいに腰がヘコついてる。
『ギィ……ギィ……ギィ』
「ッ、勇……」
『随分切な気に呼ぶな。俺の声に興奮してるのか?』
してる。ずっとしてる。
「ごめん。電話越しなのに……」
『別に良い。恋人に欲情されて悪い気はしないさ』
「はぁ……勇、あのさ」
『なに?』
「…………お、れ、今からオナニーするから、声……聞いてて、くんない?」
大分やばいお願いしている自覚はある。喘ぎ声を電話でお届けしていいかなんて……傲慢な羞恥プレイ過ぎる。
『聞かせて、くれるのか? 本当に?』
「嫌じゃない?」
『大好物だ。お前のエッチな声すごい好き』
「勇こそストレートじゃんか」
性に奔放で素直な俺達。
承諾を得たならば、何も遠慮はいらない。スマホを枕の横に置いてスピーカー設定にする。
ズボンを脱いで、下着もスルリと下げると完全状態の俺のが聳り立っていた。
『布擦れの音すげえドキドキする』
「そんな音も拾えるのか。すげえな最近のスマホ」
『音がクリアで澱みなく堪能出来る。気にせずヤってくれ』
興奮気味にそう言われるとこっちまでドキドキしてしまう。
シーツを汚さないようにゴムを装着した竿を握って上下に動かせば、慣れ親しんだ快感が理性を溶かすようにやんわり包んでくる。
「ぁッ、ふぅ、んッ!」
『!』
「んッ、んん、ああッ!」
出そうとして出してるわけじゃない。このシチュエーションに興奮して、声が出るだけ。
『いつもそんな声出してしてんの?』
「ちがっぅ、なんか、勇の前で、ヤってるみたいで……いつもより、気持ちいい、だけ、んん!」
『ッ……はぁ……可愛いなぁ。本当に』
愛おしさが滲む声色が、横から聞こえる。新鮮な気持ちになる。俺は枕元に置いてあったローションボトルを手に取りながら、スマホを枕の下ありに置いた。スマホに覆い被さるよう、前傾姿勢になって後ろに手を伸ばす。
『パチン、トププ』
『あ、ローション?』
「そぉ…………後ろ、使うから……前に見た顔思い出してくれ」
『…………わかった』
真下から、勇の声がする。
顔は見えないのに、組み敷いてるみたいで……ああ、やばい。やばい。
『くちゅ』
「ぁあ……」
勇に沢山耕されている後ろは、とても柔らかくて、ローションを纏った指はいとも容易く飲み込まれていく。
『指、入ってるのか? 実況頼めるか?』
羞恥実況プレイの懇願は、流石に戸惑ったが、俺の状態を俺が伝えないと、勇がスムーズに飲み込めないだろう。
「ぃ、今、中指……根本、までっ、入ってる」
『くちゅくちゅ』
「ぁっあっ……薬、ゆび……増えたっ、んう」
前戯のような緩い抜き差しを繰り返し、卑猥な音が大きくなっていく。
『グチュグチュグチュグチュ』
『はぁ……もう音からして、ぐずぐずじゃんか……早く帰って、抱きたい』
今の台詞……凄くいい。
勇に激しく求められて、勇の欲望の証が欲しい。奥深くで受け止めたい。抱かれたい。
人差し指も追加して、三本で後孔を掻き混ぜる。
「あぁ、ん! シコリ、ぐりぐりして、ああ……も、いく……イキそ」
『グリュ、ズチュ! グチュ!』
快楽に夢中になって、前立腺を容赦なく押しつぶす。その度に射精感はどんどん高まっていき、絶頂への一点へ向かって一直線に突き進む。
「い、イくっ! ゆうっ、すきっ……すきっ」
体の高まりと共に溢れてくる愛をぶつけるように、スマホにキスを落とす。意味が無いとわかっていても、何度も唇を押し付けている。
「ゆうっ! 俺、い、っく!!」
尻だけで絶頂まで昇り、ゴムの中に白濁液を注ぎ込む。
「はぁ、はぁ……」
『はー……マジで……エロいな』
「んぁ……指、尻穴入れっぱ……中、ビクビク、痙攣して、る。ああ……まだ……きもちぃ」
一度イッたぐらいで熱が冷めてくれるわけがない。指を締め付けても肉壁が絡み付いても足りない。もっと質量のある物が……勇が欲しくてたまらない。
「勇ので、奥ゴンゴンされたぃ……カリで中、抉られたい……キス、したい。勇」
『文也……ああ、クソ! 休日なら、なんとか日帰り出来るから!』
「ダメだ。帰してやれなくなる……俺もお前も……我慢、しないと」
数時間だけ帰ってきても、俺が離せなくなる。勇の仕事の邪魔はしたくない。
「……明後日も、電話していい?」
『いつでもいい。明日の夜もしよう』
「ん。楽しみ」
『っ~~……愛してるよ。文也』
「俺も、大好き。好きすぎてたまんないんだ」
ああ……顔見て言いてぇ~。
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