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一章・冒険者・ナナ
ダナンの所感2
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いやぁ、間違ってたのは俺の方だった。
隊長の合図があったもんだから村の奪還に向けて皆が飛び出したんだ。
けど皆が飛び出して2.3歩目には見張りの敵兵の首が胴から離れてやがった。
辛うじて目で動きは追えたあの姿は、長い黒髪をたなびかせるあのナナって子だった。
ナナは2人の敵兵を倒した後、間髪いれず敵の根城の集会施設に向かい走り出した。
そのスピードたるや、速いどころじゃない。
王都にいる高ランクの冒険者や近衛の一部の連中なんてのは、人間を辞めたような動きをするが、ナナのそれは比肩しても勝るモノだと俺は思う。
加えてあの剣腕。
何故あの剣があんなに綺麗な状態を保ってきたのか分かったぜ。
剣の像はハッキリ言って俺の目になんて映らねえが、体の動きは辛うじて見えた。
あれは“回ってる”。
刃物ってものは何も無条件になんでもスパスパ斬っちまうなんて事はねえ。
刃を当てて、引く。
この動作が不可欠だ。
これを一連の動作としてこなすと円運動することになるんだが、ナナは相手を斬る際に体を宙に浮かせ“回っていた”。
円運動を体全体で行ってる訳だ。
そしてあの速度。
ナナの剣の切れ味は最早断てないモノがない程鋭い。
つまりあの綺麗な剣の秘密は、あまりに斬れ過ぎるが故に刃にかかる負担が些かもないナナの剣腕だ。
俺達は一瞬戸惑い立ち止まったが、再び隊長の檄の下集会施設を目指して走り出した。
だが俺は確信していた。
俺達が着く頃にはもう終わってるって。
案の定切り崩された扉の先では敵を全て斬り伏せて、固まってどう反応したらいいか分からずにいる俺達をみて、更にどう反応したらいいか分からないでいるナナの姿があったよ。
隊長の合図があったもんだから村の奪還に向けて皆が飛び出したんだ。
けど皆が飛び出して2.3歩目には見張りの敵兵の首が胴から離れてやがった。
辛うじて目で動きは追えたあの姿は、長い黒髪をたなびかせるあのナナって子だった。
ナナは2人の敵兵を倒した後、間髪いれず敵の根城の集会施設に向かい走り出した。
そのスピードたるや、速いどころじゃない。
王都にいる高ランクの冒険者や近衛の一部の連中なんてのは、人間を辞めたような動きをするが、ナナのそれは比肩しても勝るモノだと俺は思う。
加えてあの剣腕。
何故あの剣があんなに綺麗な状態を保ってきたのか分かったぜ。
剣の像はハッキリ言って俺の目になんて映らねえが、体の動きは辛うじて見えた。
あれは“回ってる”。
刃物ってものは何も無条件になんでもスパスパ斬っちまうなんて事はねえ。
刃を当てて、引く。
この動作が不可欠だ。
これを一連の動作としてこなすと円運動することになるんだが、ナナは相手を斬る際に体を宙に浮かせ“回っていた”。
円運動を体全体で行ってる訳だ。
そしてあの速度。
ナナの剣の切れ味は最早断てないモノがない程鋭い。
つまりあの綺麗な剣の秘密は、あまりに斬れ過ぎるが故に刃にかかる負担が些かもないナナの剣腕だ。
俺達は一瞬戸惑い立ち止まったが、再び隊長の檄の下集会施設を目指して走り出した。
だが俺は確信していた。
俺達が着く頃にはもう終わってるって。
案の定切り崩された扉の先では敵を全て斬り伏せて、固まってどう反応したらいいか分からずにいる俺達をみて、更にどう反応したらいいか分からないでいるナナの姿があったよ。
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