修行と生活費を稼ぐ為に国営ギルドのお仕事をひたすらこなしていた女剣士は、思わぬ報酬として自分が平定した土地を頂いたので開墾してみることにした

ナポリ

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一章・冒険者・ナナ

来訪

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軍議は終わった。

最後の場をこの砦の中とする事は誰もよしとせず、我が軍の威力を敵に示すべく即刻王都への突撃で決定した。

敵軍が砦へ侵攻を始めるまで猶予はない。
急ぎ隊列を組むように伝えたその時だった。



背筋が凍るような気配を感じ上を向くと、幕舎の天窓が真っ二つに避け、空から女が1人降ってきた。


私を含め、その場にいた全員が慌てつつも武器を取り女を囲んだが、すぐに斬りかかってくるという風でもなく、我々としてももこの突飛な出来事に出方を伺ってしまう。

それにしても、この女の風体はなんだ?

幕舎を裂いた身の丈に迫るほどの長さを持った剣。雪と同化してしまうのではないかと思うほど白い肌。
その肌色の対極にあるような黒く長い髪と大きな瞳。
具足は一切付けず簡素な麻の服。

そしてーー

背中にくくりつけてあるデカい、あれはなんだ?
料亭の品書きか?

なんだこのあらゆるものがちぐはぐな女は。


分からん、分からんが、この女…。

(恐ろしく強いな…)


女は我々を一周ぐるりと一瞥し、私を視界に入れると体をこちらに向き直した。

「あの…トラバルト将軍ですよね?
私はエーヴェルの冒険者、ナナと言います。
あなた達の撃退依頼を受けたのですが…」


冒険者か。
おおよそ公務員に向かない突飛な行動や風体も納得だ。

「そうか、冒険者ナナ。
お前の言う通り私がトラバルトだ。
撃退と言うが1人でか?」

意図が読めん。
1人で私を含めた100人とやりあう気か?

「1人、です。
あの、将軍…。
私と一騎討ちをしていただけませんか?」

「…なに?
したとしてどうなる。
いまいち何がしたいのか分からんな。
何が目的だ。」

「将軍の武勇は、世情に疎い私でも知っています。
私も剣で身を立てる道を選んだからには、あなたのような人と尋常な勝負をしたかったんです。」

確かに纏う気配といい、幕舎の天井を切り裂いての突撃といい只者ではない。

「勝負か…。
もしやそれで単騎で?」

「いやそれは違います。」

「違うのか。」


何やらペースを乱されているが、目的は分かったと言う事にしておこう。
恐らく小細工を弄するタイプではない。

「まぁいい、いずれにせよ我々の撃退が任務ならば相手をせねばならん事に変わりはない。
部下を徒に失うのも望む所ではない故、相手をしよう。」


そして私は女を幕舎の外へ誘い、神槍・アテナを構えた。
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