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一章・冒険者・ナナ
雲より遠い女
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八回の攻撃が傍目には一回見えるほどの速度と威力の乱突き。
可哀想だが終わりだ。
体勢も悪い、絶対に躱せん。
躱せん…。
躱せんのではなかったのか…。
一撃目を体を捻って躱したかと思うと、そのまま身を翻して三撃目までを避けた。
そして翻した勢いを利用し片腕で倒立しがてらの跳躍で残りの突き全てが空を切った。
(まるで舞のようだ…。
だが…!)
その余りの動きに魂が一瞬抜けたが、空へ逃れたのは悪手だ。
「凄まじいな。
だが空中ではもう避けようがない。」
私は槍を掲げ超高速で旋回させた。
もう一度獄突を放てば普通なら決まるが、相手は普通ではない。
範囲の狭い突きでは捌かれかねん。
ならば今回は範囲で潰す。
旋回のエネルギーをそのままに、遠心力を乗せた大気さえ歪む横凪ぎ。
「断空」
(……。)
放たれた衝撃波は遥か後方の雲を割りはしたが、女の体は繋がったままだ。
女は横凪に対して剣を叩きつけ、それを支点とし体を縦に回転しながら私の後ろに着地した。
「将軍の獄突と断空がかわされた…」
「というかあの技を受けて即死しなかったヤツなんて今までいなかったぞ!?」
「殆ど目でも追えない…。」
「何やってるか全然わかんねぇ。」
遠巻きに見守る部下達の間に動揺が広がっている。
感想は様々だが、去来した思いは私も含め皆一様だった。
(敵わぬ。)
文字通り「必殺」と呼べる私の技を、完璧と言えるタイミングで放ったにも関わらずそれをいなして見せた。
あれで倒せんならもう倒せん。
「ここまでか。」
可哀想だが終わりだ。
体勢も悪い、絶対に躱せん。
躱せん…。
躱せんのではなかったのか…。
一撃目を体を捻って躱したかと思うと、そのまま身を翻して三撃目までを避けた。
そして翻した勢いを利用し片腕で倒立しがてらの跳躍で残りの突き全てが空を切った。
(まるで舞のようだ…。
だが…!)
その余りの動きに魂が一瞬抜けたが、空へ逃れたのは悪手だ。
「凄まじいな。
だが空中ではもう避けようがない。」
私は槍を掲げ超高速で旋回させた。
もう一度獄突を放てば普通なら決まるが、相手は普通ではない。
範囲の狭い突きでは捌かれかねん。
ならば今回は範囲で潰す。
旋回のエネルギーをそのままに、遠心力を乗せた大気さえ歪む横凪ぎ。
「断空」
(……。)
放たれた衝撃波は遥か後方の雲を割りはしたが、女の体は繋がったままだ。
女は横凪に対して剣を叩きつけ、それを支点とし体を縦に回転しながら私の後ろに着地した。
「将軍の獄突と断空がかわされた…」
「というかあの技を受けて即死しなかったヤツなんて今までいなかったぞ!?」
「殆ど目でも追えない…。」
「何やってるか全然わかんねぇ。」
遠巻きに見守る部下達の間に動揺が広がっている。
感想は様々だが、去来した思いは私も含め皆一様だった。
(敵わぬ。)
文字通り「必殺」と呼べる私の技を、完璧と言えるタイミングで放ったにも関わらずそれをいなして見せた。
あれで倒せんならもう倒せん。
「ここまでか。」
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