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一章・冒険者・ナナ
雲より遠い人
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先程の突きは大気が歪んで見えた。
だけど今回の薙ぎ払いは確かに大気が歪んでいる。
ー当たれば死ぬ。
(ならば、槍を叩き斬る!)
先程空に逃れた段階で私の体は天地逆になっていたが、それ幸いに半回転し威力を乗せた斬撃で将軍の槍を迎え撃った。
ガギィンという私の剣から発した事のない音が上がり私は悟った。
(斬れないし、逸らせもしない…!!)
私の遥か後方に浮かぶ雲が、槍から放たれた衝撃波で真っ二つに割れた。
(……!?)
私は叩きつけた剣を槍に引っ掛け、何とか将軍を飛び越える事で難を逃れた。
これが最強。
味わった事のない戦慄と手の痺れ、そして打ち合った箇所が欠けた私の剣。
その破損に呼応したかのように私の心も敗北を感じてしまった。
「将軍、私の負けです。」
私は剣を鞘に納めその場を去ろうとした。
「待たれよ!」
「何だと言うのだ。
女、いやナナよ、何故お前の負けなのだ。
お前は私の誰も捌いたことのない技を2つも避けた。
寧ろ私が負けたと感じたところだ。」
将軍も負けを感じたのだというが、それはそれ、私の敗北感は拭えない。
しかしー
「頼む、私も武人なんだ。
私の負けにしてくれ。」
お互いの負けを譲らない2人だったが、私に対して跪く将軍に私は負けを譲ってしまった。
だが勝つならばちゃんと勝ちたい。
「将軍、顔をあげてください。
将軍がどう思おうと、私も勝ちを名乗れません。
だから…」
「いつか、もう一回やりましょう。」
(それまで、死なないで下さいね。)
こうして、将軍は軍を率いて撤退しエーヴェルの決戦は回避された。
期せずして得た勝利、期せずして達成した依頼。
この日動いたであろう、国の未来や世界の情勢などどこ吹く風。
この日戦ったあの人との時間は私の胸に熱い何かを刻んだ。
だけど今回の薙ぎ払いは確かに大気が歪んでいる。
ー当たれば死ぬ。
(ならば、槍を叩き斬る!)
先程空に逃れた段階で私の体は天地逆になっていたが、それ幸いに半回転し威力を乗せた斬撃で将軍の槍を迎え撃った。
ガギィンという私の剣から発した事のない音が上がり私は悟った。
(斬れないし、逸らせもしない…!!)
私の遥か後方に浮かぶ雲が、槍から放たれた衝撃波で真っ二つに割れた。
(……!?)
私は叩きつけた剣を槍に引っ掛け、何とか将軍を飛び越える事で難を逃れた。
これが最強。
味わった事のない戦慄と手の痺れ、そして打ち合った箇所が欠けた私の剣。
その破損に呼応したかのように私の心も敗北を感じてしまった。
「将軍、私の負けです。」
私は剣を鞘に納めその場を去ろうとした。
「待たれよ!」
「何だと言うのだ。
女、いやナナよ、何故お前の負けなのだ。
お前は私の誰も捌いたことのない技を2つも避けた。
寧ろ私が負けたと感じたところだ。」
将軍も負けを感じたのだというが、それはそれ、私の敗北感は拭えない。
しかしー
「頼む、私も武人なんだ。
私の負けにしてくれ。」
お互いの負けを譲らない2人だったが、私に対して跪く将軍に私は負けを譲ってしまった。
だが勝つならばちゃんと勝ちたい。
「将軍、顔をあげてください。
将軍がどう思おうと、私も勝ちを名乗れません。
だから…」
「いつか、もう一回やりましょう。」
(それまで、死なないで下さいね。)
こうして、将軍は軍を率いて撤退しエーヴェルの決戦は回避された。
期せずして得た勝利、期せずして達成した依頼。
この日動いたであろう、国の未来や世界の情勢などどこ吹く風。
この日戦ったあの人との時間は私の胸に熱い何かを刻んだ。
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