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二章・領主・ナナ
充足
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結果だけ言えば依頼はあっという間に終わった。
やっぱり私とは力の次元が違う。
仮に向こう100年鍛えても現時点でのルシェイルにさえ絶対に追いつけないだろう。
報酬は明らかに半分も貰っちゃいけない内容だったので固辞した。
また「領主殿へ恩を~」、と言ってきたので、「りょ、領主の命令です…。貰えません。」と頑として受け取らなかった。
そして普段は依頼前に行くのだけど、今日は時間がずれ込んでしまったこともあって混雑していたので、依頼完了後に酒場に向かった。
道中つい舞い上がって、私の大事にしているメニュー表をルシェイルに見せびらかした。
私が食べたメニューの感想やまだ食べたことのないメニューへの期待。
これほど饒舌に喋れる自分がいた事に驚く。
後から思えば、相手が興味あるかどうか分からない話題を早口で語り続けるという行為は、正直相当アレだと思う。
でもやっぱりルシェイルはそんな話も全て笑みを携えて聞いてくれる。
強さも人格も、私は完全に彼を敬っていた。
ーーーーー
「おや、いらっしゃ…い…ませ。」
ラムさんもやはり驚きを隠せないでいた。
まるでお父さんとお母さんに友達でも紹介するような気持ちになりちょっと誇らしい。
ドヤァ…
「しかし、本当に凄い品数だな」
「はい!ここがある限り王都通いはやめられません。」
「と、なるとやはり優先順位的に家、移動手段、その他だな。
せっかくある土地を有効利用しないのはもったいないからいずれ働き手も欲しいな。
ツテも欲しいし、依頼は継続して行っていこう。」
一応の計画を立てる彼に対する昨日の私の無軌道さと無計画っぷりは凄まじかった。
思い出して恥ずかしくなる。
後で切った木を森の中に置きっぱなしにしてある事をちゃんと話しておこう。
ざわつく店内を後にし、いざ家作り!と息巻いていたら会計を行っているルシェイルが中々出てこない。(彼はCクラスの冒険者なので一食無料の特典がない)
チラッと中を覗くとラムさんがルシェイルに対して頭を下げていた。
(え…?ラムさん…?)
「すまん、支払いに手間取った。」
「あ、いえ…。
ラムさん、いえ店主の方と何かあったんですか?」
「ん?ああ見てたのか。
いや、店内の視線が居心地を悪くさせて申し訳ないというのと…」
確かにギルドでもそうだったけど、酒場でも街中でも今日の視線は痛い。
(でもそれは多分私のせいなのに…)
「というのと?」
「ん…さっきのギルドの受付の人も似たような事を話していたのだがー」
ーーーーー
「私から言えた義理など一切ないのですが、どうかあの子の楽しい事を増やしてあげて下さいね。」
ーーーーー
「メアリーさんとラムさんが?」
「ああ、お前のことを心配もしてるし応援もしてるようだ。」
「そう…ですか。」
私は運がいい。
バチこそ当たりそうな私の生き方で、こんなに素敵な人達と引き合わせてくれたのだから。
心が温まるのを感じる。
(流石ラムさんの料理です。)
挫折の日から一転、私は心身ともに充足を覚えていた。
やっぱり私とは力の次元が違う。
仮に向こう100年鍛えても現時点でのルシェイルにさえ絶対に追いつけないだろう。
報酬は明らかに半分も貰っちゃいけない内容だったので固辞した。
また「領主殿へ恩を~」、と言ってきたので、「りょ、領主の命令です…。貰えません。」と頑として受け取らなかった。
そして普段は依頼前に行くのだけど、今日は時間がずれ込んでしまったこともあって混雑していたので、依頼完了後に酒場に向かった。
道中つい舞い上がって、私の大事にしているメニュー表をルシェイルに見せびらかした。
私が食べたメニューの感想やまだ食べたことのないメニューへの期待。
これほど饒舌に喋れる自分がいた事に驚く。
後から思えば、相手が興味あるかどうか分からない話題を早口で語り続けるという行為は、正直相当アレだと思う。
でもやっぱりルシェイルはそんな話も全て笑みを携えて聞いてくれる。
強さも人格も、私は完全に彼を敬っていた。
ーーーーー
「おや、いらっしゃ…い…ませ。」
ラムさんもやはり驚きを隠せないでいた。
まるでお父さんとお母さんに友達でも紹介するような気持ちになりちょっと誇らしい。
ドヤァ…
「しかし、本当に凄い品数だな」
「はい!ここがある限り王都通いはやめられません。」
「と、なるとやはり優先順位的に家、移動手段、その他だな。
せっかくある土地を有効利用しないのはもったいないからいずれ働き手も欲しいな。
ツテも欲しいし、依頼は継続して行っていこう。」
一応の計画を立てる彼に対する昨日の私の無軌道さと無計画っぷりは凄まじかった。
思い出して恥ずかしくなる。
後で切った木を森の中に置きっぱなしにしてある事をちゃんと話しておこう。
ざわつく店内を後にし、いざ家作り!と息巻いていたら会計を行っているルシェイルが中々出てこない。(彼はCクラスの冒険者なので一食無料の特典がない)
チラッと中を覗くとラムさんがルシェイルに対して頭を下げていた。
(え…?ラムさん…?)
「すまん、支払いに手間取った。」
「あ、いえ…。
ラムさん、いえ店主の方と何かあったんですか?」
「ん?ああ見てたのか。
いや、店内の視線が居心地を悪くさせて申し訳ないというのと…」
確かにギルドでもそうだったけど、酒場でも街中でも今日の視線は痛い。
(でもそれは多分私のせいなのに…)
「というのと?」
「ん…さっきのギルドの受付の人も似たような事を話していたのだがー」
ーーーーー
「私から言えた義理など一切ないのですが、どうかあの子の楽しい事を増やしてあげて下さいね。」
ーーーーー
「メアリーさんとラムさんが?」
「ああ、お前のことを心配もしてるし応援もしてるようだ。」
「そう…ですか。」
私は運がいい。
バチこそ当たりそうな私の生き方で、こんなに素敵な人達と引き合わせてくれたのだから。
心が温まるのを感じる。
(流石ラムさんの料理です。)
挫折の日から一転、私は心身ともに充足を覚えていた。
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