37 / 38
二章・領主・ナナ
家をつくろう
しおりを挟む
起きて王都へ走り、依頼を終え再び戻る。
いくら私達が急いだとは言え、もう時刻は昼をとっくに過ぎており、陽はにわかに帰り支度を始めた頃だ。
これを続けていればあまり効率的じゃないのは明白。
このままではこの土地が不便なところに建った家程度の価値しかない事になる。
つまり、私が目指すべきところはこの土地に居ながらにして私のしたいことがなるべくここで完結する事だ。
目先の大目標はまずはここに私達以外の人間を誘致をする事。
そしてゆくゆくは、ここにギルドの支部を置くこと、ラムさんのお店の分店を作ること。
私一人ではとてもこんな前向きな思考には至れなかった。
ルシェイルの存在が心強い。
今はまだ私の胸の内にしたためているだけだけど、私達の生活がちゃんと軌道にのったならば彼にも相談してみようと思う。
ーーーーー
私達は今、例の私が散らかしてしまった丸太の元に来ている。
「それでナナ、この丸太でどうやって家を作る気だったんだ?」
「それは…その…紐で縛ったりとか…?」
「まぁ、私も家作りなんてやった事ないし、詳しくもない。
だがそんなザックリふわふわなやり方でダメな事はわかるぞ。」
「う…ごめんなさい…。」
「まぁいいさ、詳しくないもの同士とりあえずやってみよう。
これは私達の家だ、失敗しても困るのは私達だけだから気楽なもんさ。」
「……はい!」
「よし、まずは土台作りだな。
私は丸太を運ぼう。
ナナはこの丸太を地面に刺しやすいように鉈で先端を尖らせてくれ」
(土台か…)
土台なんてなかった私の思い浮かべていた家が脳内で瓦解した。
やることが決まれば私も彼も早いもので、丸太の先はあっという間に研ぎ終わったし、私があれほど苦労した丸太運びもルシェイルが瞬く間に移動させてしまった。
「さて…お次は…。」
(そうはいかないんだよなー)
と思いながら私は“それ”を見ていた。
彼は無造作に重たい丸太を持ちあげると、尖らせてない方を持ち、高く跳躍した。
そしてそれを地面に思い切り垂直に打ち込む。
3メートル程に切りそろえていた丸太はその衝撃で2.5メートルほどめり込んでしまったのだ。
「大体ピッタリだな。」
(…。)
「よし、あとは目印をつけて等間隔でこれを打ち込んでいこう。
ナナ、このままじゃ丸太が全然足りなそうだ。
私はここを進めてるからもっと丸太を用意してくれるか?」
「あ、はい。」
さて、私は私で頑張ろう…。
いくら私達が急いだとは言え、もう時刻は昼をとっくに過ぎており、陽はにわかに帰り支度を始めた頃だ。
これを続けていればあまり効率的じゃないのは明白。
このままではこの土地が不便なところに建った家程度の価値しかない事になる。
つまり、私が目指すべきところはこの土地に居ながらにして私のしたいことがなるべくここで完結する事だ。
目先の大目標はまずはここに私達以外の人間を誘致をする事。
そしてゆくゆくは、ここにギルドの支部を置くこと、ラムさんのお店の分店を作ること。
私一人ではとてもこんな前向きな思考には至れなかった。
ルシェイルの存在が心強い。
今はまだ私の胸の内にしたためているだけだけど、私達の生活がちゃんと軌道にのったならば彼にも相談してみようと思う。
ーーーーー
私達は今、例の私が散らかしてしまった丸太の元に来ている。
「それでナナ、この丸太でどうやって家を作る気だったんだ?」
「それは…その…紐で縛ったりとか…?」
「まぁ、私も家作りなんてやった事ないし、詳しくもない。
だがそんなザックリふわふわなやり方でダメな事はわかるぞ。」
「う…ごめんなさい…。」
「まぁいいさ、詳しくないもの同士とりあえずやってみよう。
これは私達の家だ、失敗しても困るのは私達だけだから気楽なもんさ。」
「……はい!」
「よし、まずは土台作りだな。
私は丸太を運ぼう。
ナナはこの丸太を地面に刺しやすいように鉈で先端を尖らせてくれ」
(土台か…)
土台なんてなかった私の思い浮かべていた家が脳内で瓦解した。
やることが決まれば私も彼も早いもので、丸太の先はあっという間に研ぎ終わったし、私があれほど苦労した丸太運びもルシェイルが瞬く間に移動させてしまった。
「さて…お次は…。」
(そうはいかないんだよなー)
と思いながら私は“それ”を見ていた。
彼は無造作に重たい丸太を持ちあげると、尖らせてない方を持ち、高く跳躍した。
そしてそれを地面に思い切り垂直に打ち込む。
3メートル程に切りそろえていた丸太はその衝撃で2.5メートルほどめり込んでしまったのだ。
「大体ピッタリだな。」
(…。)
「よし、あとは目印をつけて等間隔でこれを打ち込んでいこう。
ナナ、このままじゃ丸太が全然足りなそうだ。
私はここを進めてるからもっと丸太を用意してくれるか?」
「あ、はい。」
さて、私は私で頑張ろう…。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
裏切り者達に復讐を…S級ハンターによる最恐育成計画
みっちゃん
ファンタジー
100年前、異世界の扉が開き、ハンターと呼ばれる者達が魔物達と戦う近未来日本
そんな世界で暮らすS級ハンターの
真田優斗(さなだゆうと)は異世界の地にて、仲間に裏切られ、見捨てられた
少女の名はE級ハンターの"ハルナ•ネネ"を拾う。
昔の自分と重なった真田優斗はハルナ•ネネを拾って彼女に問いかける。
「俺達のギルドに入りませんか?」
この物語は最弱のE級が最強のS級になり、裏切った者達に復讐物語である。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる